【令和7年3月/五島市議会】出口市長の方針➄基本目標以外の項目

出口市長の所信表明の続きです。

【令和7年3月/五島市議会】出口市長の方針④人を育て、輝く、学びの“しま”をつくる

【マイナンバーカードの普及】

安全・安心で利便性の高いデジタル社会を早期に実現するための基盤として、マイナンバーカードの普及を進めております。2月末現在の五島市の保有枚数率は79.3パーセント(国78.0パーセント、県8 0.4パーセント)となっております。

令和6年12月から始まった特急発行では、申請から一週間程度でカードを受け取ることができ、1歳未満のお子様やカードを無くされた方が対象となります。

また、3月24日から運転免許証との一体化、いわゆるマイナ免許証の運用が始まります。マイナ免許証を持つことで、運転免許証更新の際の講習をオンラインで受講できたり、住所などの変更の際に警察への届出が不要となったりする場合があります。

既に始まっている健康保険証としての利用や各種証明書のコンビニ交付など、マイナンバーカードの活用場面は徐々に広がっております。

必要とされる方全員がマイナンバーカードを保有できるよう、休日臨時窓口の開設や各家庭、施設への出張申請により、引き続きカードの普及に取り組んでまいります。

【消費者行政】

令和6年度に五島市消費生活センターに寄せられた相談、問合せ件数は、1月末現在254件で、前年同時期と比較すると43件の増となっております。内容は、通信販売での定期購入のトラブルや不審な電話・メールに関する問合せとなっております。

また、現在のところ同センターへの相談はあっておりませんが、闇バイトについても五島警察署から注意喚起されているところです。闇バイトは、SNSやインターネット掲示板などで犯罪実行役を募集するものであり、「高額報酬」「簡単な仕事」などのうたい文句に誘われ安易に申し込むと、犯罪に加担し取返しのつかないことになります。

これらの犯罪被害・加害防止のため、引き続き関係機関と連携しながら、自動通話録音装置の貸出しや出前講座などの消費者教育、啓発活動を行ってまいります。

【第5次行政改革大綱の策定】

令和7年度は、第5次行政改革大綱の初年度となります。

今回の行政改革では、第4次行政改革で掲げた「創造的な行政改革(意識改革・発想転換・創意工夫)」の考え方を継承しながら、特に重点的に実施する項目に、「デジタルの最大活用による行政サービスの利便性向上・業務の効率化」、「働き方改革と効率的な組織機構」、「持続可能な財政運営」の3項目を位置付けております。

日々変化するデジタル技術の行政サービスや業務への積極的な活用を検討するほか、ハラスメント対策の徹底、ふるさと納税の更なる推進などによる財源の確保、職員不足への対応などに取り組むことで、引き続き、市の最重要課題である人口減少対策をはじめ各重要課題へ対応するための行財政基盤の強化を図ってまいります。

また、職員数については、これまで計画的に削減してきましたが、近年の行政ニーズの多種・多様化による業務量の増加や更なる「働き方改革」などに対応する必要があることから、新たに策定した「第5次五島市定員管理計画」の計画期間では、現在の職員数を維持することとしております。

【ケーブルテレビ放送設備整備の支援】

福江ケーブルテレビ株式会社は、ケーブルテレビ放送設備の一部を1月に株式会社五島テレビに譲渡しました。現在、五島テレビ1社が五島市内でのケーブルテレビ放送サービスを提供しております。

また、五島テレビに譲渡された放送設備は老朽化しており、継続して 安定したテレビ放送サービスを提供する体制を整備する必要があります。五島テレビは令和7年度から令和9年度までの3年間でその設備を更新し、良質なテレビ放送を提供することとしており、五島市はその事業に対して支援してまいります。

次に、12月定例会以降の市政の主な動きについて、ご報告いたします。

【子牛競り市の結果ついて】

1月13日から14日にかけて、五島家畜市場で子牛の競り市が開催されました。平均価格は49万7,000円で、令和6年11月期と比べ約5,000円程度上昇しましたが、令和6年7月の競り市以降、平均価格が50万円を下回っており、依然として厳しい状況が続いております。

既に国においては、セーフティネットの支援措置を発動しており、五島市においても、令和6年度中の五島市場と全国との平均価格の差を埋めるため、独自の支援措置を創設し、繁殖農家の経営の安定を図りたいと考えております。

【全国椿サミット五島大会について】

2月22日から23日にかけて、福江文化会館で第35回全国椿サミット五島大会を開催しました。当日は、全国各地の椿愛好家やツバキ又はサザンカを花木に指定している自治体など、20都府県から約200人が参加し、市内からも600人を超える多くの方にご来場いただきました。

大会では、「椿のタネを使ったクラフトジン『GOTOGIN』」と題した記念講演や「ジオパークの視点から見た五島の椿について」のパネルディスカッションなどを行い、ご参加いただいた皆様に五島の椿の魅力を伝えることができたと思っております。

大会に関わってくださった皆様に、心からの御礼を申し上げます。 この大会を通して得た経験やつながりを一過性のもので終わらせることのないよう、今後の椿による地域振興に活かしてまいります。

【五島クエ・マグロ・まつりについて】

2月16日、五島市福江魚市場で下五島地区漁業士会主催による「五島クエ・マグロ・まつり」が開催されました。このまつりは、五島の水産業の魅力を発信するとともに、子ども達に様々な漁業体験を通して水産業にふれ合い、関心を持ってほしいとの思いから行われたもので、五島市も協力しております。

当日は、家族連れなど約2,000人の方が訪れ、マグロの解体ショーやお魚すくい、競り大会やクエ鍋の振る舞いなどでにぎわいました。

【510列島まつりについて】

1月24日から26日にかけて、長崎駅かもめ広場で510列島まつりを開催しました。会場では、市内17の事業者が出店し、選りすぐりの特産品や五島うどんなどの実演販売のほか、観光PRや移住相談会、お楽しみ抽選会など様々なイベントを実施し、3日間で約3万5,00 0人の方にご来場いただきました。

私も、2日目に会場に出向き、テレビの生中継で玉之浦椿や全国椿サミット五島大会の開催など、五島の魅力を紹介しました。

今後も、積極的に五島市の魅力を発信し、更なる観光客の誘致、物産の振興につなげてまいります。

【奈留島マーケットについて】

2月15日から16日にかけて、奈留島の特産品を販売する「奈留島マーケット」を長崎市のココウォークで開催しました。五島市外での開催は今回が初めてで、椿を使ったアクセサリーやかんころ餅、日本最大級の大玉真珠のほか、奈留島の観光地などをPRしました。

奈留島マーケットには、出身者をはじめ約1,000人の方にご来場いただき、「島に帰りたい」「島に住んでみたい」「旅行に行きたい」とのお声をいただきました。

【第31回五島椿まつりについて】

2月22日から3月2日にかけて、第31回五島椿まつりを開催しま した。期間中は、「光るつばきランタンづくり」「五島市長杯椿カップゴルフ大会」などを実施し、島内外から多くの方にご参加いただきました。

五島港公園で開催した「五島グルメフェス」では、五島日本語学校の学生によるベトナム料理の出店をはじめ28店舗の出店があり、ステージでは中国変面ショーやミャンマーの技能実習生による郷土舞踊の披露などを行い、多くの来場者でにぎわいました。

また、3月2日には、三井楽地区と岐宿地区を舞台に第25回五島つばきマラソン大会を開催しました。コロナ禍の影響で減少していた参加者も、今大会では629人とコロナ禍前に近い水準まで回復し、全国各地から多くの参加者と市民の皆様が五島の名勝地を駆け抜けました。

【五島市がロケ地・モデルとなった映画の上映会について】

1月22日、五島高等学校メモリアルホールで、五島市がロケ地の一つとなった「劇映画 孤独のグルメ」の上映会を開催し、約300人の方にご来場いただきました。当日は、監督・主演の松重 豊さんにご来島いただき、トークショーで来場者を存分に楽しませてくれました。

2月23日には、福江文化会館で、五島市の風景をモデルの一つとしたアニメ映画「きみの色」の上映会を開催し、約600人の方にご来場いただきました。

当日は、監督の山田 尚子さんにご来島いただき、山本二三美術館副館長の山本 鷹生さんとのトークセッションが行われ、アニメ文化や五島の魅力について熱く語っていただきました。

「きみの色」は、一般社団法人アニメツーリズム協会が発表している「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」2025年版にも選定されておりますので、こうしたこともしっかりとPRしてまいります。

【国の重要有形民俗文化財への指定について】

1月24日、国の文化審議会は、「長崎のかくれキリシタンの信仰用具」を国の重要有形民俗文化財に指定するよう文部科学大臣に答申しました。対象となる信仰用具は2,218点で、このうち約270点を堂崎教会が所蔵しております。

この信仰用具は、五島市をはじめ県内各地のかくれキリシタンの集落で使用されていたもので、禁教期における信仰形態を物語る貴重な文化財であり、世界文化遺産である「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の価値を下支えするものでもあります。

3月28日には指定を受ける予定ですので、所有者のご協力をいただきながら、貴重な文化財を未来へと継承してまいります。

【住みたい田舎ベストランキングについて】

宝島社が出版している「田舎暮らしの本」2月号において、2025年版「住みたい田舎」ベストランキングが発表され、五島市は人口3万人以上5万人未満のまちの98自治体中、子育て世代部門で前回と同じ 2位に、若者世代・単身者部門で前回から一つランクを上げ3位に、シニア世代部門で前回から二つランクを上げ3位に入りました。五島市の取組や支援策が評価されたものと考えております。これからも各世代の移住先として選ばれるよう努めてまいります。

【まちづくりフェスについて】

2月24日、福江文化会館で「まちづくりフェス」を開催しました。ステージでは、地域づくり講演をはじめ、まちづくり協議会や自然共

生サイトの活動発表、また、グローバルスピーチと題して、中学生国外 体験学習に参加した生徒によるシンガポール研修の体験発表や五島日本語学校の学生による「五島での学び」の発表などが行われました。ロビーでは、市内13地区のまちづくり協議会の活動紹介や郷土料理の振る舞い、児童生徒のふるさと学習とジオパーク学習のポスター展示がありました。会場には約550人の市民の皆様が訪れ、子どもから大人まで、地域の魅力を共有し再発見する良い機会になったと思います。

【五島日本語学校について】

五島日本語学校では、令和5年4月に入学した4期生39人がまもなく卒業を迎えます。卒業後の進路は、大学や専門学校へ進学、就職、ベトナムへの帰国などでありますが、卒業生の皆さんには五島市を「第2の故郷」として、ぜひ日本とベトナムとの懸け橋となり五島市の魅力を積極的にPRしていただきたいと思っております。皆さんの今後のご活躍を期待しております。

6期生に当たる令和7年4月の入学者については、入学試験及び在留資格の認定審査が完了し、現時点で最大51人の予定であり、5期生4 9人と合わせ、令和7年度は学生数100人と見込んでおります。

引き続き、関係機関と連携して、教育環境の整備や学生の確保など、安定した学校運営が図られるよう支援してまいります。

【ドローンのレベル4飛行による処方薬配送について】

2月10日、玉之浦地区で、九州では初となる有人地帯の上空を目視外で飛ぶドローンのレベル4飛行による処方薬配送の実証実験が行われました。

この実証実験は、内閣府が進める連携「絆」特区を対象とした「レベル4飛行でのオンデマンド配送に向けた調査」の一環で、豊田通商株式会社とその子会社である そらいいな株式会社が、県や長崎大学などの協力のもと、モバイルクリニック事業と連携し、処方薬配送を実施したものです。実験では、診療所を離陸したドローンは、約10分後に患者の家に到着し、無事、薬を届けました。引き続き、関係機関と協力し、ドローン配送サービスの拡大に向けて取り組んでまいります。

【高齢者に関する連携協定の締結について】

令和6年12月24日、岩谷産業株式会社と高齢者の見守り及び介護予防等に関する連携協定を締結しました。

岩谷産業は、一般家庭に設置するガス警報器に通信機能を付加することで、独自のIoTプラットフォームの構築を進めており、高齢者の見守りや使用電力データを活用して要介護リスクを早期に検知する介護予防に取り組んでおります。

今後、岩谷産業と緊密に連携し、事業者や地域の皆様を巻き込みながら、高齢者の見守り体制の強化及び介護予防の推進等に向けた取組をより一層推進してまいります。

【こども未来フェスタの開催について】

2月16日、福江総合福祉保健センターで「こども未来フェスタ」を開催しました。このイベントは、子ども達に遊びや体験の場を提供するとともに、子育て世帯の交流を促すことを目的としており、今回で5回目の開催となります。

当日は、キーホルダー作りや親子で遊べるボードゲームなどのワークショップが開かれ、参加した子ども達の笑顔をたくさん見ることができました。また、子ども服や雑貨のフリーマーケットが開かれたほか、キッチンカーの出店などがあり、多くの家族連れでにぎわいました。

引き続き、保健センターを子育て施策の拠点として、子育て世帯が交流できる場や親子が楽しめる機会の創出に努めてまいります。

【子ども達の活躍について】

令和6年11月23日、長崎市で第24回全国小学生ソフトテニス大会長崎県予選会が開催され、5年生女子ダブルスで五島ソフトテニスクラブの新 日奈子さん、芳野 夏帆さんペアが優勝し、4年生以下女子ダブルスでは、同クラブの山口 琉奈さんが時津ジュニアクラブの児童とペアを組んで3位となりました。3人は、3月末に千葉県で開催される全国小学生ソフトテニス大会に出場します。

1月25日と2月1日から2日にかけて、長崎市で2025NBCミニバスケットボール大会が開催され、福江小学校男子ミニバスケットボールクラブが男子の離島勢として初の頂点に立ちました。

同クラブは、2月22日から23日にかけて大分県で開催された第4 5回U12全九州バスケットボール九州大会に出場し、予選リーグを突破しましたが、決勝トーナメントで惜しくも福岡県代表チームに敗れました。

2月16日、長崎市で第35回NCC杯長崎県少年柔道大会が開催され、五島市から福江武道館が出場し、団体戦で見事大会2連覇を果たしました。福江武道館は、5月に東京都で開催される全国少年柔道大会に出場します。

五島市の子ども達が、九州大会や全国大会などで活躍した話を聞くと大変嬉しく感じます。今後も子ども達の活動を支援してまいります。

【県への要望活動について】

1月10日、清川県議会議員をはじめ、市議会から山田前総務水道委員会委員長、神之浦前教育福祉委員会委員長、野茂前産業経済委員会委員長とともに、県及び県議会に対し要望活動を行いました。

令和9年3月末に期限を迎える有人国境離島法の改正・延長など、8項目について要望を行いました。

知事からは、「有人国境離島法の改正・延長」については、県の方でも意見を取りまとめて法律の延長または支援の拡充を政府与党・関係省庁に強く要望していくとの回答をいただきました。

「五島市ゼロカーボンシティの実現」については、市内にある県有施設で使用する電力の再生可能エネルギー電力への切替え等を要望し、県としては可能な限り協力をしていきたい、また、「海洋再生可能エネルギーによる島づくりの推進」については、再生可能エネルギーの導入・拡大にむけて関係者の同意に係る国、県の調整を要望し、国に対して利害関係者の範囲などの調整に係る方針を策定するよう継続して働きかけていくとの回答をいただきました。

今後とも、県との連携が特に欠かせない重要案件について、市議会のご協力をいただきながら、要望活動を行ってまいります。

【ハラスメント実態アンケート調査の結果について】

令和6年10月、市役所職場内におけるハラスメント実態について、   全職員837人を対象としたアンケート調査を実施し、1月末に調査結果を取りまとめました。回答者は430人、回答率51.4パーセントで、令和5年10月以降において、「ハラスメントを受けたことがある」と答えた職員は51人、11.9パーセントで、前回調査と比較して2 1人の減となっています。また、「ハラスメントを受けているのを見たり聞いたりしたことがある」と答えた職員は58人、13.5パーセントで、前回調査と比較して92人の減となっています。

ハラスメント根絶のための取組としては、管理職をはじめ全職員を対象に集合研修及びWEB研修を実施し、職員のハラスメントに対する意識の高揚を図っているところです。

職員が健康で、能力を十分に発揮し、市民の皆様に良質な行政サービ スを提供するためには、ハラスメントのない明るく働きやすい職場環境の整備が必要です。今後も、全ての職員がハラスメントは絶対にしない、させない、許さないという強い意識のもと、あらゆるハラスメントの根絶に向けて取り組んでまいります。

【荒川地区温泉源の利活用について】

玉之浦の荒川地区の「オラビ崎」及び「七岳」の2つの温泉源について、地域振興に寄与することを目的に、温泉源を借り受け、運営する事業の提案募集を行い、それぞれの温泉源について各1者から提案がありました。

2月19日に開催した選定委員会での審査の結果、オラビ崎温泉源は株式会社アイランド・ボイス、七岳温泉源は双日五島開発株式会社を貸付候補者として決定しております。

今後、貸付候補者との協議を行い、契約締結に向けた手続きを進めてまいります。

【五島市に対する損害賠償請求事件について】

令和4年9月、神戸地方裁判所尼崎支部において提訴されました五島市と市の元職員を被告とする損害賠償請求事件について、1月16日に口頭弁論が開かれました。

今回の口頭弁論では、まず令和6年11月から本年1月までの間に原告、被告双方から提出された書面について、陳述が行われました。その後、裁判官から原告、被告双方に対しこれ以上の主張立証がないことを確認された上で、弁論の終結が宣言されました。

判決の言い渡しは、3月13日を予定しております。

【職員の懲戒処分について】

補助金の交付事務において、不適正な事務処理が行われたことが判明しました。これは、令和6年6月に奈留支所窓口において市民の方から提出された補助金交付申請書を、実際に交付事務を行う本庁担当課へ送付しておらず、10月に申請者からの連絡を受けるまで手続きが行われなかったものです。その結果、補助金の交付が遅れました。このことは市の行政執行に対する市民の皆様の信頼を裏切るものであります。当該職員は、令和5年にも公金の不適正な取扱いにより戒告を受けていたことから、2月27日、減給1か月の懲戒処分としました。今後、このようなことが起こらないよう、組織内における法令遵守と内部統制の強化を図り、適正な事務処理を徹底してまいります。誠に申し訳ございませんでした。

以上で施政方針及び市政報告を終わりますが、本議会に提案いたします議案は、条例案、予算案、その他合わせまして35件となっております。

なにとぞ慎重にご審議賜り、適切なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。