五島市政は2024年に新市長が誕生し、野口市政からの継続方針となりました。
出口市長は、
現在の五島市のよい流れを止めないようにしなくてはいけません。
と述べています。果たして五島市は本当に良いながれなのか、改めて、前市政で掲げた成果について検証していきます。
社会増減は5年で見るとマイナス
2024年6月議会でも取り上げましたが、社会増は瞬間的な現象であり、5年間トータルで見るとマイナス118になります。
社会増が全国的に注目されるニュースとなりましたが、経年で見るとその増減は定着しているとは言えない状況です。
が、その前の平成26年から平成30年の社会減のトータルがマイナス1097人のため、1000人改善されているという答弁でした。
定着率はどのくらい?
五島市では、全国に先駆けてUIターンの促進に力を入れてきており、他の自治体からも数多くの視察があります。
こうした施策があってこその「社会増」達成という面もあり、確かに五島市には数多くの移住支援メニューがあり、他の自治体よりも手厚い支援であると言えます。
五島市移住定住促進サイトによれば、
令和元年度~令和5年度(2019年度~2023年度)の過去5年間の定着率は約81.6%です。
注:定着者数961人を移住者1,177人で除した割合
https://www.city.goto.nagasaki.jp/iju/001/040/20210517161946.html
という数字が示されています。
地元の人の反応
移住促進に関しては、「補助金だけ貰って帰る人が多いのでは?」というネガティブな意見も聞かれます。
確かにすぐに帰ってしまっては本末転倒ですので、例えば
移住して○年経過した段階で補助が貰える
という形で制度を改善する事で、この問題は解決が図れるのではないでしょうか。
自然増減は想定以上に深刻
五島市では、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)とは別に、独自の人口ビジョンを掲げて人口減少対策に取り組んでいます。
自然減
過去3年間の結果をみると、死亡数が人口ビジョン(の想定)より多い状況が続いています。
〇2020→2021 694人(予想より+52)
〇2021→2022 694人(予想より+52)
〇2022→2023 746人(予想より+104)
想定以上に人口減少が著しい事が見て取れます。
自然増
出生数は
〇2020→2021 188人
〇2021→2022 194人
〇2022→2023 164人
という事で、生まれる数もこちらも200人を切って減少傾向にあります。
詳細データ
下記リンクの「詳細データ」から閲覧可能です。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/090/040/20240327140748.html
最新のデータ
最新のデータは長崎県HPから閲覧可能だそうです。
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/kenseijoho/toukeijoho/idojinko/689009.html
結論
五島市の人口動態は、以前の5年間と比較すると改善傾向にはあるものの、依然として人口減少には歯止めがかかっておらず、将来的に人口が増加に転じる見込みはないため、決して「良い流れ」とは言えない状況です。
まずは市民アンケートの結果を分析し、市民の要望の高い分野に予算を重点的に振り向けると同時に
- 健康寿命の延伸に繋がる科学的な推進策
- 出生数の増加・転出の抑制に繋がる魅力的な島づくり
事が必要と考えられます。