2024年時点の五島市政の現状について、データを基に解説していきます。
五島市は、総合戦略という市の計画の中の大きな柱に
- 安全・安心で住みやすさ日本一の“しま”をつくる
を掲げています。他の柱としては、
- 五島の恵みを活かし、雇用を生み出す“しま”をつくる
- 五島の魅力を発信し、世界に誇れる“しま”をつくる
- 五島の宝・子どもが育ち、輝く“しま”をつくる
がありますが、その中でも特に良くない結果です。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/090/03actionplankennsyou.pdf
私は2022年の一般質問にて、住みやすいと感じる五島市民の割合が下がっている点と指摘しました。
それに対する市長の答弁は以下の通りでした。
◎市長(野口市太郎君)
市民アンケートにおける住みやすいと感じる市民の割合の変化についてお尋ねをいただきました。
住みやすいと感じる市民の割合について、住みやすい・どちらかと言えば住みやすいとした方の合計で申し上げますと、平成30年度が79%、令和元年度が70.5%、令和2年度が73.6%、令和3年度が72.2%ということで、平成30年度と比較すると6.8ポイント低下をしているという状況になります。その要因については、このアンケートの中に、住みにくい理由という、そういう設問がありまして、それによれば、日常の買物が不便、それから、保険・医療に関するサービスや施設が不十分、道路事情や交通の便が悪い、市内に適当な職場がないという御意見が多くありました。こうした結果が数値に反映されたのではないのかなというふうに考えております。
この住みやすいと感じる市民の割合については、総合戦略の大きな柱の一つである安心・安全で住みやすさ日本一の“しま”をつくるの数値目標として掲げております。目標値である令和6年度には80%というのを目指しているわけですが、実態、これから遠ざかっているということについては真摯に受け止めなければいけないというふうに思っております。
こうした中、日常の買い物について、五島市は「買い物支援」と称してドローン事業の補助を2年連続で行っています。
議会で何度も指摘していますが、これによって日常の不便が解消され、「住みやすさ」に繋がるとは到底考えられません。
予算を通した議会の側にも責任があると感じています。
達成状況の資料のP25に「今後の取組方針 」の中で「特定健診の受診率」と「がん検診受診率」について記載があります。
とても細かいアクションプランが提示されていますが、「住みやすさの向上」に向けたアクションは一言も言及されていません。
【特定健診の受診率】
・健康になっGOTOプロジェクト(インセンティブ事業)の促進させ、受診率向上を図る。
・広報ごとう、市HP、SNS等の活用
・受診勧奨通知(長崎県ICTを活用した特定健診受診率向上対策事業)
・特定健診推進員による訪問受診勧奨
・健康診断結果の提供依頼(各事業所)
・情報提供提供事業の活用
・新規の国民健康保険被保険者に対する受診勧奨
・医師会・各医療機関へ協力依頼
【がん検診受診率】
・各医療機関と協働しての受診勧奨。(各医療機関医師による勧奨)
・保険会社の協力をうけての受診勧奨。
・予約しやすい体制(LINE等の活用)
・女性デーの設定。
・最も受診率が低い胃がん検診について、胃内視鏡検診の周知徹底。
・訪問による受診勧奨。
・がんに対する市民への知識普及を広報等を通じて行う。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/090/04actionplansinntyoku.pdf
もちろん、特定検診・がん検診への介入も、必要なことだとは思います。
健康寿命の延伸は人口の自然減の抑止にも繋がり、五島市の掲げる人口減少対策にも寄与するからです。
しかしながら、市民の暮らしの満足度(QOL)を置き去りにしたまま、健康寿命だけ伸ばそうとしていることに、大きな違和感を抱きます。
医療面については、別の項目でKPIを設定しています。
項目として
- 調剤情報システム市民加入者割合
- 医師数の人口1万人対率
- 看護師数の人口1万人対率
を掲げており、おおむね達成は出来てる状況ですが、「ポイントはそこではない」と感じます。
実際に、五島市内の医療サービスに対する住民の不満を列挙すれば、枚挙に暇がありません。
もちろん病院は市の管轄ではないため対策が講じづらいですが、
独居の高齢者は沢山いますし、交通課題は未だに多くの方がお困りを抱えています。
政治的な方向性として、こうした部分の解消に向けて汗を流すことが必要ではないでしょうか?