2023年12月の一般質問を終えて(中西分)

初日、トップバッターの一般質問が終わりました。

今回は珍しく、残り時間5分を残しての終了となりました。

時間配分が難しいですし、もう少し中身のある議論に出来なかったか、いつも反省があります。

議事録は後程書きますが、ひとまず私の原稿とメモだけ掲載しておきます。

市民ニーズの把握について

直接、市民の声を聴く場の開催状況は

ウクライナでの戦争だけでなく、中東でも戦争が激しさを増しています。

平和に対する危機は日増しに高まっていると感じます。戦争を防ぐために、私は地道な対話を継続する事が大切と考えています。

こうした中、市民の声が、市長に届いているのだろうか?と感じます。

これからの地方自治において、大事なキーワードを上げるとすれば、対話だと思います。

壇上からは、市長が市民の声をどのように聴いているのか、就任当初と比較して、回数や頻度が減っているのではないか、お伺いして残りの質問は自席から。

市長は就任以来、市政懇談会を各地区でやっておられた。

ところが3~4年で止めてしまい、市長がお邪魔しますに切り替えた。

相対的に少なくなっているのではと思うが、市長がお邪魔しますは、年に何回か

(メモ)HPに公開されている「市長の目」の報告では、数える程度しか記載がない。

R5年 4月 各地区町内会長会議 7月 久賀でお邪魔します

R4年 8月 上大津でお邪魔 11月 赤島、黄島

→市民との対話的な集会が少ない。十分市民の声に耳を傾けていると言えるのか?

従来の集会は地区に限定されることが多いが、産業別、年代別の意見交換会が少ない。

  • 観光業、社会福祉、サービス業、農林水産業など、産業別の対話は?
  • 若い世代との対話の機会は?
  • 高齢世帯や障がいがある人との対話は?

政治行政の意思決定では、どれだけ市民からの情報を集める事ができるか、それに掛かって来るのだと思います。ちなみに五島市出身の大石知事は、「こんな長崎どがんです会」と称して県民との直接対話の機会を設けています。

産業別、年代別に分けるなど、現状よりも市民の声を聴く必要性を感じているか。

市民の声が届く市政運営のために、フットワーク軽く、対話の質と量を高めて頂きたい。

②間接的に把握する方法は

直接的な方法では限界もある。間接的な方法として、市民アンケート等が想定されるが、どういった方法で市民のニーズを把握しているのか。各課でバラバラの結果をどう一元的に管理し、政策に繋げているのか。

島民が島外へ外出する理由の把握は

別の例で質問します。

国境離島新法による運賃低廉化事業の実績によると、R4年度の航路利用者数は年間約58万人。そのうち、約半分の51%が島民カード利用です。二次離島を除く長崎、福岡の数だけで数えると、約16万人、金額で約8億1千万円です。

そして航空路の利用者数は年間約15万人。そのうち、約28%が島民カード利用となり、約4万3千人、金額にすると約3憶9千万円です。航路と合わせると約12億円。

航路、航空路を合わせると年間約21万人なので、人口に換算すると、1人あたり年に約3回、島外を往復している計算です。

市民が島外に出る理由について、市はどのように把握されているでしょうか。

 

感覚ではなく、調査に基づき定量的に把握しているのか。

なぜ島の人が島外に出ていくのか、私はその理由をより定量的に抑える必要があると思う。

通院、買物、娯楽が主な理由と思うが、それらを把握する事で、島にサービスを移転できないか。

例えば先日、リンパ浮腫という病気にかかる患者さんの話を聞きました。

患者さんが島外に通院すると費用が掛かる。しかし例えば、先生が島に来る費用を市が負担する事で、市民の可処分所得が増え、島外に流出するお金を減らす事が出来る。

以前の議会でも提案しましたが、今後はよりデータに基づく意思決定が必要となる。私はもっと、市内のあちこちに目を張り巡らせる必要があると感じます。丁度去年の12月議会では、市民アンケートの結果について質問しました。特に「安心して医療を受けられる体制」の不満が大きいと。

その部分をより分析し、どこどこの地域の誰誰さんは、こういう問題で困っていると。

市民がなぜ島外に行くのか、そのニーズを定量的に把握し、行政サービスの向上に繋げる事が出来ると考えられますが、その必要性に対する考えは。

かゆい所にも手が届く行政サービスを目指し、市民ニーズの収集に力を入れてほしい。

生成AIに対する活用の方針

生成AIとは、さまざまなコンテンツを生成する学習能力があるAIの事です。ChatGPTに代表され、様々な質問に対して、もっともらしく自然な文章で答えてくれます。一例をご紹介します。「中西大輔とはどんな人ですか?」と入力すると、

「彼は、五島市の政治に彩りを加えるために、トライアスロンやフルマラソンに参加するなど、自身の健康にも気を配っています」と回答がありました。勿論、誤った回答を平然と返す事もあります。

生成AIの普及により、今後の社会と働き方が大きく変わると考えられます。

私は五島市で、深刻な人手不足の解消に繋げる事ができないか、と思います。

具体的には、市役所内での業務を効率化し、空いた時間で市の職員がもっと現場に出ていくべきではないかという事で、公務員の副業を解禁する事も提案させて頂きました。

勿論、情報漏洩や正確性、著作権などのハードルはあるものの、地方自治の業務においても、リスクを最小化しながら、利活用の可能性を最大化していくべきと考えます。生成AIの活用方針について、どう考えているか。

このサービスが世の中に出て約1年、世間の認知度も高まっており、導入する自治体も増えています。ところが、現段階で何も指針がない状態。五島市は時代の変化に適応しようとしているのか、大きな危機感を抱く。検討中とされているが、活用に向けた市の意気込みを感じない。ガイドラインの作成予定は?

現時点でガイドラインがないという事は、使い放題になっている、といる事か。

最も導入しやすい領域として、文章の作成、要約、アイデア出しなどが挙げられる。

各部署によって業務も異なるが、どのような分野で活用をしていく方針なのか。

それぞれの部署で活用アイデアを募り、市役所全体で進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

職員向けデジタル人材育成の方針

生成AIにせよ業務の効率化にしろ、推進するのは人です。人材育成が柱ではないかと、R3年の議会から一貫して提案してきました。2年前の議会答弁では、長崎県の市町村職員研修センターを活用するとの回答でした。このセンターでは、R5年度から新たに、6つのDXコースが新設されています。この研修に関する受講状況をお伺いします。

  • 希望する職員が対象のDX推進入門セミナー(+研修)は
  • 部課⾧~首⾧級が対象のDX推進人材育成セミナーは
  • 課⾧補佐~管理職級が対象のDX推進マネジメントリーダー研修は

市長、デジタル分野の人材育成に対する意識が弱いのでは。

五島市内の産業は危機的状況です。技術を積極的に活用する視点に立ち、ルール作りや研修にスピード感を持ってほしい、と思います。

市民向け情報リテラシー向上の方針は

一方で、生成AIを含む技術の発達により、文書や画像を作成するハードルが一段と下がってきています。実際に、国民生活センターによると、本年度の相談件数は過去最多ペースで推移しているとの事です。

そこで、地域ICTリーダを提案させて頂きます。地域ICTリーダは、いわゆる「情報弱者」の方々を支援し、地域の情報格差解消のために活躍いただくことが主な役割です。今後益々お困り事が増えると見込まれるので、養成すべきと考えますが、いかがでしょうか。

市民の財産を守るという観点からも、スピード感を持ってほしい、と思います。

次に、地域公共交通についてです。

チョイソコの課題と改善策は

奈留島で10月からサービスが開始されましたが、地形的な要因によって、不便さを感じている人も少なくないと聞きます。本日、後から質問する議員も奈留島の事を質問されるので、私の方から、冨江地区に関してお伺いします。過去の議会においても、土日の運行とサービス時間の延長を求めていますが、改善状況は。

私も現状の枠組み・サービスでは解決できないと考えている。だからこそ私は、過去の議会においても、それ以外の可能性について、検討を促してきました。その一つが、ライドシェアです。これは2年前から提案しています。

 

ライドシェアに対する市の考えは

国では、超党派の国会議員を中心にライドシェアの導入に向けた勉強会が進んでおり、メディアでも取り上げられることが増えてきました。ライドシェアとは、「自家用車を使って、一般のドライバーが有料で人を運ぶこと」を指します。五島市においても、バスやタクシーといった公共交通を担う運転手の不足・高齢化は待ったなしの状態です。政府は年内に方針を示したいという事ですが、

五島市はどうなのかと、ライドシェアに対する考え方、方針を市長にお伺いします。

私も議会で2年前から訴えていますが、

五島市は離島の深刻な交通課題を国に伝え、法改正を促す事はしてきたのか。

 

課題先進地の五島だからこそ、国に対する現状の共有と、将来の事を予想して、準備をしておくべきだったのではないか。検討が遅いのではないか。

 

この市議会においてもたびたび、交通課題の解消に向けて提案として、令和4年9月に「自家用有償旅客運送」を提案したが、「どのような制度が最適であるか検討していきたい」との答弁でした。

直近、今年の9月の議会答弁に置いても、「地域に合った地域公共交通を研究してまいりたい」との答弁。五島市は、過疎化の最前線です。ある程度方向性が見えてきた段階で、様々なシナリオを想定して、先回りして準備すべきだったのではないか、どう思いますか。

企業の経営判断においても、幾つかのシナリオを想定して動くのは当然の事です。

ライドシェアが解禁される場合においても、幾つかのパターンが想定される。

例えば、まずは全国で先行事例を作り、徐々に全国一斉へと広げていくことも考えられます。そうなった時、五島市は手を挙げる方針か。

私もこの制度に関して、動向を日々情報収集しています。もし、ライドシェアが導入となった場合、利用者と仲介業者との間に公的な組織が必要になるのではと。民間事業者又は自治体等が、当該地域における「ライドシェア一括窓口団体」という感じの組織を作り、運輸局に対して運転手の許可申請を行うことや、研修等を実施したり、地域の実情に応じた支援を適宜行うことが求められると考えられます。

こうした事も含め、民間事業者との意見交換や検討はされているか。

年内に方向性が示されると思うので、現状の課題も踏まえ、この五島市の地域公共交通の在り方を再度、検討し直すべきと考えています。

まとめ

今回は、3つの観点から情報収集の在り方を問題提起しました。

一つは、市民の声を政策に反映させるために、市民との対話の機会をもっと増やし、より精緻なニーズの把握に努めてもらいたい事。

二つ目は、深刻な人手不足の解消に向け、生成AIに代表される新しい技術を活かす準備に本腰を入れてもらいたい事。

三つめは、待ったなしの交通課題を解消するために、法改正も視野に入れた準備をしっかり進めて頂きたい事。

 

私も一緒に汗をかいていければと思いますので、宜しくお願い致します。

 

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