五島市の資源回収
11月広報誌にて、ゴミの問題が表紙で取り扱われました。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s014/010/010/090/100/202311/202311.pdf
本日はこの件に関して、資源化率の推移と売り払い収入の推移を見ていきます。
資源化率の推移
五島市の決算報告書によると
年度 | 資源化率 |
R4 | 15.6% |
R3 | 15.3% |
R2 | 14.5% |
となっており、ほんの少しずつではありますが、資源化率は微増傾向にあります。
資源化率 = 資源化量 ÷ ゴミ排出量
ですので、ゴミ排出量もみていきます。
ゴミ排出量
ゴミ排出量の推移は
ゴミ排出量(年間) | 1人あたり排出量(1日) | |
R4 | 13015t | 1032g |
R3 | 13135t | 1025g |
R2 | 13745t | 1052g |
となっており、3年間の人口減少で排出量が6%減っているのに対して、1人当たりの排出量の減少は2%と僅かな量に留まっています。
全体としての傾向をみると、
人口減少(6%) > 1人あたりのゴミの排出量減(2%) > 資源化率の増加(1%)
となっており、人口減少の割には1人当たりの排出量の削減はされていません。
売り払い収入の推移
資源ごみ売り渡し実績の数値を見てみると、
売り渡し金額合計 | |
R2 | 7,090,129 |
R3 | 20,411,919 |
R4 | 29,799,968 |
となっており、大幅に金額が上がっている事が分かります。令和4年度の決算では、
資源物の再商品化について、金属、発砲、ペットボトルなどで昨年度比1300万円増加している。これを市民にアピールし、買取価格の変動に応じて、市民にもその恩恵が与えられるような制度設計が出来ないか?積極的な回収を行う事で、市民がポイントを得られるような仕組みで、循環率を高める事は出来ないのか?
と提案させて頂きました。残念ながら、そこまでの政策には至っていませんが、市民へのアピールという点では、一歩前進だったと思います。
その要因について、項目ごとに見ていきます。
項目別の売却単価の推移
項目別の売り払い単価は以下の通りです。
数量:kg、金額:円
近年、アルミを中心とした金属製品の価格が高騰している事が分かります。
項目別の売却金額の推移
項目別の売却金額の推移は以下の通りです。
アルミ缶の売り払い収入が殆どである事が分かります。
その要因は、コロナによる経済の変化や海外需要などの動きも大きいようです。
分かりやすく言うと、R4の単価で計算すると、350mlのアルミ缶1本で、大体2~3円の売り払い金額となります。
参考記事
まとめ
直近3年間の数字を見ると、五島市ではゴミの資源化率や1人当たりのゴミの排出量に大きな変化はありません。
その一方で、国政的な政治・経済の環境変化を受けて、自治体が回収し、販売する資源ごみの金額(特にアルミ類)は大きく変化しています。
ふるさと納税は、朝ドラ効果で金額が倍になったという事で、大きな宣伝にもなりました。
https://nordot.app/990792029834461184
その一方、あまり注目されていませんが、ゴミの売り払い収入は4倍以上にもなっています。
貴重な財源として役立っている事を、より広く浸透する事で、資源化率が15%に留まる部分の更なるリサイクルに繋がるのではないでしょうか。