前回からの続きです。
遊具施設の更新について
平成29年3月定例会で、公共施設における遊具及びグラウンドの整備状況について一般質問があったが、その後の4年間で改善された点は
YouTubeでも紹介しましたが、五島市は遊べる場所が屋内/屋外共に少ないです。
「遊べる場所が少ない」という仮説を検証するため、市議に当選してから14名の子育て世帯に直接ヒアリングをしました。その一部をご紹介します。
- 冬に遊べる屋内施設がないため困る。
- 最近の親は子供にゲームを与え、自分はスマホをいじっている状況。
- 画面越しばかりではなく、身体機能を使える場所がほしい。
- 雨の時は家でゲームをするか、YouTubeを見て時間を過ごす家庭が殆どの状態。
- 昔はアーケードゲームが流行ったが、現在は下火。
- 子供の遊べる場所の充実は是非とも進めてほしい。
- 公園の遊具を錆びたまま放置しているケースが多い。
- 武雄氏のメリッタキッズや「きどきど」等、子供を遊ばせる場所はあった方が嬉しい。
- 雨の日に遊べる場所は必要だと感じる。
この問題は、何も今に始まった事ではありません。実は丁度4年前の3月議会でも、同じように問題提起されています。詳細はこちら。
取組が不十分だと感じるが、市長はどのように感じているか
- 4年前(おそらくもっと前)から問題提起されている
- 未だに多くの子育て世帯の要望が解消されていない
という事を踏まえれば、取り組みが不十分だったと言わざるを得ません。
市長の問題意識がないのでしょうか?
いえいえ、市長もしっかりと議会で答弁されています。
(市長)確かに、雨が降ったときに子供たちが遊ぶ場所がないという話は、よく私も聞かされます。どれぐらいの子供さんたちまでを対象にするかというのがあるんですが、うちも図書館の整備の関係がございまして、いろんな地域の図書館を見て回ったりもするんですが、そういったときに、やはり絵本のコーナーとか、子供に絵本を読んであげながら、けがしない程度のちょっとしたクッションのついたようなもので、子供たちがはいはいしたり、歩行訓練をしたりとか、そういったスペースを持っているような図書館もあったりしますんで、できるだけ、そういった複合的なところで対応ができないか。
要するに「図書館の複合施設として検討していきたい」との事ですが、図書館は建設すら始まっていない状況です。私は図書館ではなく、別のアイデアが必要と考えています。
廃校活用について
図書館のように大きな建物を建てるのはお金が掛かるし、維持管理費用も掛かります。
しかし五島市には、使われていない廃校がまだいくつかあります。
令和元年6月定例会で、閉校になった校舎や体育館の利活用について一般質問があったが、その後の成果は
過去に先輩議員様が提案をしていますが、まだ使われていない廃校があります。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s011/010/010/010/010/050/20190310032027.html
市長は令和元年度6月の片峰議員の質問に対して、
「廃校は地域の財産、五島市にとっても大きな資産でありますので、しっかり有効活用しながら、できるだけ多くの方の雇用に結びつく、できるだけ産業の振興に、その地域に合った産業の振興に役立つ、そういったことで、これからも引き続き検討してまいりたい」
と答弁をされています。こちらも取り組みが不十分と感じています。
第4次五島市行政改革実施計画の「遊休資産の有効活用」の内容と現在の取組状況は
ネタばれですが、記載内容はこちらです。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s004/020/010/010/020/010/050/20200312.pdf
【以下抜粋】
今後、利用されず遊休化する資産が増加することが見込まれる。これらの「遊休資産」を有効活用するため、売却や貸付けに関する情報の発信を積極的に行う。
また、貸付けについても公募の方法を検討し、売却、貸付けに関する一般競争入札等を積極的に実施する。市ホームページに掲載している「売却、貸付けが可能な資産」の情報をより充実させるとともに、ホームページ以外の新たな情報発信の方法を検討し、実行する。
また、遊休資産の売却については一般競争入札など従来型の公募の件数を増やすとともに、新たな募集の方法についても研究し、取り組みを実施する。
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取組が不十分だと感じるが、市長はどのように感じているか
「廃校問題」と「遊べる場所問題」にしっかりと取り組んでいれば、
- 市内の遊休資産である廃校は活用され
- 子供の遊べる場所問題も解消されていた
のではないでしょうか。実際に、これを解決した自治体はあります。
市長は、栃木県塩谷町での廃校を活用した子供の遊び場づくりの事例「しおらんど」を知っていたか
「しおらんど」は、廃校になった小学校の建物を有効活用した「子どもたちの遊び場」としてリノベーションされた施設です。公園の遊具が老朽化し町内には幼児が遊べる場所がないことで、町外の公園や施設に遊びに行っているという住民調査結果が出ました。小口資金をインターネットで募るクラウドファンディングを活用、町内からの寄付や町の援助も受けて開設された公共の遊び場です。この遊び場を通じて、町内の子どもたちが触れ合い、保護者も交流もでき、町全体が一つになるコミュニティづくりのきっかけになることを目指しています。
https://townscape.kotobuki.co.jp/news/2019/20190920_001625.html
五島市でも遊休資産を活用して子供の遊べる場をつくっては
質問の通り、塩谷町の事例をパクれば良いのではないでしょうか。
子育て世代からの情報収集について
来年度から開設される「子育て世代包括支援センター」の想定利用者数と職員数は
子育て世帯包括支援センターは、既に導入している自治体も少なくありません。
五島市では、このセンターが上手に運営される事で、子育て世帯のニーズが的確に拾われる事を願っています。
既に論文も出されているので、他市町村での研究成果や事例を有効に活用していただきたいです。
http://timr.or.jp/research/pdf/16bf0ac14f939b048e3a594f1cbc90aab78c66da.pdf
関係機関との情報共有システムは
「包括的」にサービスを提供する上で大切な事は、「情報伝達の漏れ」を防ぐことです。
そのため、各連携機関での「情報システム」が鍵です。
利用するシステムによって、子育て支援サービスの品質が決定すると言っても過言ではありません。
こちらも全国の事例を基にしながら、漏れのないような体制を築いてほしいと思います。
「子育て世代包括支援センター」で提供できないサービスとそれについての対応は
とはいえ、「完全なシステム」もまた存在しません。どれだけ密に情報を共有しても、対応できないサービスはあります。
問題は、それをどう扱うかです。「今現在は対応出来ないテーマ」については、以下の2通りの方針が考えられます。
①政治的なテーマとしてストックする場合
→やがて政治の俎上に挙がり、解決が図られる
②政治的なテーマとしてストックされない場合
→ずっと解決されないまま放置されていく(空き家問題や廃校問題のように)
今までの「子育てニーズ」が②であったのに対し、
これからは①を目指すべきと考えます。