【2019.12/五島市市議会メモ】木口議員

環境行政について

新ごみ焼却施設の安全管理とごみ処理施設の一元化について

Q.五島市クリーンセンターが竣工。地元の方々の反対に理解していただくために、安全性を重視した。市長の考えは。

A.クリーンセンターは、12月1日からグリーンテック(株)より運営している。ゴミの焼却温度に細心の注意を払い、安定的なゴミの処理が出来ると考えている。冨江センターとの一元化は、当初の想定と比べて遅れている。

ごみの減量化対策及びプラスチックごみ・海岸漂着ごみ対策について

Q.人口減少にも関わらずゴミの量は増えている。強い危機感を覚えるが、どうか。来年度はレジ袋が有料化される。市のイベントでも市内の高校生が海岸清掃を行っている。

A.現在国内で900万トンが排出され、漂流・漂着している。廃プラの適正処理と、使用自体を削減する努力が必要と考えている。

Q.旧大浜処理場の管理が杜撰だった点が、地元住民の反対に繋がったと考えている。地元の信頼関係を築くために、情報交換が必要だと考える。公害防止協定の締結もして頂き、直接対話を続けて頂きたいと思う。今後の運営も含めてどのように感じるか。

A.12月1日に竣工し、公害防止協定もお話をさせて頂いている。前の焼却施設で不信感を与え、信頼関係を築けていなかった反省は忘れてはいけない。排ガスのデータについて、結果が分かるものは屋内・屋外に掲示する予定。クリーンテックのHPにも情報を随時掲載する予定なので、ネットで確認可能。ダイオキシン関係は、年に1回継続するのが国の方針。10年間は年に2回、それ以降は年に3回行うと聞いている。防止協定は最終段階に入っている。住民との対話は、協定を締結した地区の代表組織を設立したいと考えている。

Q.竣工式の折に、経営者からダイオキシンの排出が法規制の13分万分の1だと報告を受けている。安全管理を今後も徹底してもらいたい。今回のごみ処理施設は、年間2億円の削減が見込めるとの事だが、ゴミ処理経費の節減のためにも一元化を実現してほしい。

A.新たにゴミ焼却施設を創る際は、一元化する方針を示してきた。しかしゴミの減量化は中々進まず、燃やしきれないのも現実。市民の皆様・事業者の皆様にお願いしながら、減量化に努め、1日も早く一元化する方針。

Q,H31のゴミ排出は、1人当たり1061gで県内最下位。危機感を持って取り組むことが大切だと感じる。再生可能エネルギーと同じ情熱を持って取り組んでもらいたいが、どうか。

A.ゴミの減量化について、現在は雑紙の分別をお願いしている。雑紙はかなりの量、出していたことが分かったので、市民の皆様にも、ぜひ協力をお願いしたい。事業所も適切な処理をお願いしていきたい。ゴミの減量化は、市民の皆様の協力がないと出来ないので、宜しくお願いします。

Q.ゴミ処理は4Rの推進、生ごみ対策などがあるが、全ては市民と事業所の協力がなければ出来ない状況。率直に事業所に情報提供すべきだと考える。そのうえで具体策として、①環境教室の開催、②モデル地域の設定、を提案したい。いかがか。

A.一般家庭のゴミの量は、五島市が非常に多いと認識しているので、広報誌を使って情報発信をしていきたい。

(市民生活部長)具体的な取り組みは、市民事業者の協力が必要不可欠。広報誌・HPやリユースフェアを通じて、環境問題への啓発を行っている。市の出前講座や小学生を対象とした勉強会を実施している。クリーンセンターも、見学ツアーを行っている。

モデル地区については、資源物は概ね分別されている。雑紙の拠点回収を強化して、子供から家庭に意識の醸成を図っていきたい。過剰包装の抑制やゴミの適正分別の整備を推進していきたい。

 Q,モデル事業は、減量を数値化してほしい。市民も行政も一緒に汗をかく必要があるので要望する。レジ袋の有料化はよいきっかけになると思うが、五島市でもマイバック運動を啓発してもらいたい。有料化はどう考えているか。

A.市内の大手事業所についてアンケートを実施。具体的な計画がある事業所はなく、市の取り組みとしてはマイバッグ運動を推進していく。マイボトル運動はゴミ容器の削減をしてもらう。リサイクルの向上は、紙類の回収量は増加している。缶はアルミからスチールへの以降により、リサイクル率は横ばいになっている。焼却方法の変更により、溶融フラグが排出されなくなったので、一時的に資源化量が減り、資源化率も下がると見込まれる。

Q.漂着ごみについて、環境省が2017年に10海岸を指定し、調査をした。五島市はプラごみが8割を超えていて、中国・韓国が半数を超えていた。日中間で大臣会談も毎年行われている。洋上風力発電が全国初の促進区域に指定される。小泉環境大臣にも、海ごみの現状を知ってもらい、中学生高校生との対話もしてもらいたい。

A.漂着ごみやレジ袋の問題は、一般的に五島市民は被害者感情を持っていると思われる。一方、五島市自身も加害者だという認識を持ってもらいたい。環境省は昨年、副大臣が来島し、環境問題について話し合いをした。洋上風力は国の促進区域として指定されたので、環境行政に関わる施策を展開していけると思う。環境大臣との対話もあれば、(小泉大臣は)私以上に影響力があると思われるので、事務方の方に探りを入れてみたい。

Q.発泡スチロールの多さには、危機感を感じている。萩市が健康寿命に取り組む理由は県内で最下位だったから。今回の減量化についても、リーダーシップを発揮してほしい。

世界遺産登録後の課題について

構成資産の保全・管理対策(防火対策等)について

Q.沖縄の首里城、ノートルダム宮殿など、一度火災が起きれば、手の施しようがないと感じる。文化財に対する点検作業は現在どうなっているか。

A.(市長)ノートルダムが焼けた時、国宝建造物の緊急点検の要請が来た。10月の首里城の後も緊急点検と査察を行った。毎年電気設備の点検を行って漏電対策を行っている。火を出さない事に力を注ぎ、火災予防に努めていきたい。

A.(教育長)五島市庭園、明星院、堂崎教会、松園亭について、消火器や自動火災報知機が設置されている。火災予防の啓発活動を行い、訓練も強く要望していきたい。定期的な巡視・監視も継続的に行っていく。

Q.上五島の江袋教会も電気系統だった。しっかり管理してもらいたい。

旧五輪教会堂に行く途中は、坂道が危なく、転んだ人もいる。手すりの調整は出来るはずだが、どのように考えているか。

A.久賀島の重要文化的景観は集落へ降りる道は以前まで獣道だったが、景観に配慮した工法を採用し、整備を行った。新たな工作物の実施は慎重に実施する必要がある。陸路の観光客や高齢者が増えているため、何らかの対策が必要であると考えている。セミ活用委員会の中で審議していただき、転倒防止策の整備をしていきたい。

Q.江上天主堂の周辺にはほぼ信徒がいない状況。修理の費用負担は地元、教会守は大司教区が負担している。上五島では、巡礼手帳の代わりに協力金を徴収している。五島市はどう考えるか?

A.保全のための資金制度は、昨年度ハンドブックをリニューアルし、販売する方針で協議をしている。

Q.上五島は教区にお渡しして管理をしているので、宜しくお願いします。

登録後の経済効果持続策(有人国境離島法による滞在型観光促進等)について

Q.登録後1年間の推移や消費額の増加、旧五輪・江上の推移についてお知らせください。

A.1年間の客数は25万と推計。前年同期と比べると17.1%増加。増加分を世界遺産登録効果として、13億の消費額の増加と推計。

Q.3万7千人を超える観光客の増加は予想以上。世界遺産効果をどれだけ持続できるかが肝心だが、五島の特徴は全国1の教会群と、信徒さんの信仰の想いだと感じる。全国・世界に対する情報発信が大事だと考える。着地型メニューの企画力とガイド力が大切だが、好事例は屋久島。市長の考える、世界遺産効果を持続させる方法は?

A.お客様に来てもらうための情報発信。満足していただく事。情報を拡散していただく事だと感じる。世界遺産の重要性をしっかり説明できるガイドさんも必要だし、確保も必要。今年の8月からフランスから国際交流員を配置している。滞在日数も長く、キリスト教圏でもあるので、今後も情報発信に努めていきたい。

Q.フランシスコ教皇のメッセージは核廃絶で、26聖人の巡礼も希望していた。五島の良さを全国に発信していただきたい。

五島への旅を感動の旅にするためには、巡礼手帳を必需品にしてもらいたい。世界の事例も見ながら、手帳のPR強化が必要だと感じる。上五島は巡礼手帳を配布している。いかがでしょうか。

A.教会巡りの必需品として、ハンドブックを巡礼手帳代わりとして使えないか検討中。旅行会社を通じて事前に販売し、次の来島意欲を促すことに繋がればと思っている。

Q.友人国境離島を活用した事例は34%に留まったが、現状はどうなっているか?

A.島旅促進事業の宿泊者数については、H29から実施し、実績は2294泊。県全体の20%を占めていた。H30は5000泊。H31は9641泊。年々増加している。

わくわく乗船券は県全体で目標に対して実績3656件で100%達成。五島市は945件になっている。

Q.団体客の効果はいずれ一巡し、グループ個人型が主流になる。滞在型観光には大いに期待している。国に要望すべきだと考えるし、わくわく航空券の制度改正も必要と考える。受け入れ側としては、夜の日、雨の日の企画強化も必要と考える。

A.島旅事業の滞在型観光は、今年度好調であるため、来年度は1.5倍の要求を行っている。巡礼メニューは教会巡りハンドブックにより、世界遺産以外への巡礼を促したい。夜の観光として、福江神楽の商品化や、雨の日マップを作成し、体験を紹介している。貸出し用の雨傘も行っている。サイクリングロードの整備も行っている。

Q.谷川代議士が作った国境離島法で、五島市にかつてない追い風が来ている。冒頭の市政報告に合った通り、社会増が生まれている。想像もできなかった効果である。観光対策として2点。観光×農業・漁業のコラボをしてもらいたい。観光で安定した雇用を生み出さなければいけないため、冬場の観光対策が必要。五島の魚を如何に活かすか?が大事。冬の魚を活かさない手はない。減便対策、給油施設の整備により東京からの誘客を図ってほしい。活性化・人口減少対策は、五島市の生き残りをかけた挑戦だと思っている。今後の観光振興にかける想いは?

A.社会増減は11月末で+23人。1月~12月ベースで五島市にはない状態だった。国境離島新法の偉大さ、世界遺産の効果を活かして取り組んでいかなければいけない。食の提供・土産品の開発は、これまでずっとお願いをしてきた。土産品もアドバイザーを招聘し、ヒット商品の開発に向けて取り組んでいる。

冬場の観光対策は椿なり、魚をPRしてジオパークも絡めながら行っていきたい。FDAからも、給油施設がないために、東日本が対象外となっている。東日本からの需要はあると聞いているので、県も巻き込みながら整備を行っていきたい。

観光振興は追い風が吹いていると感じるが、これだけに頼るのは危険だと考えている。長崎市でもヒルトンホテルやサッカー施設に関連したホテルが出来ると聞いている。長崎は富裕層を睨んだホテルが出来ると聞いているので、五島も取り組む必要があると感じている。

インバウンドは今後、欧米を含めて手を打っていきたいと考えている。観光客は30万を目標にするという話を聴いていて、「大丈夫か!?」と感じた。職員はやる気満々。市としてもこの流れを止めないようにしていきたい。