【ご注意】
以下の内容は、五島市議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。
正式な会議録(議事録)を全文掲載したものではありません。音声からの文字起こしのため、聞き取りの誤り、誤字・脱字、固有名詞や数値等の記載誤りが含まれる可能性があります。
正確な発言内容については、後日公開される五島市議会の正式な会議録をご確認ください。
令和8年9月7日(月曜日) 11:00ー
スポーツ推進について
今後の市主催のスポーツイベントの開催方針は
中西大輔議員:おはようございます。8月末に夕やけマラソンが開催されました。台風や暑さの影響で開催が危ぶまれていましたが、無事に開催することができ、多くの県外の方、そして五島市民の方も参加することができました。大会が五島の魅力の発信、宣伝につながるとても良い機会だったと思っております。大会関係者の皆様、大変ありがとうございました。
さて、五島市主催のスポーツイベントの方針について壇上から質問いたします。6月議会ではトライアスロン大会について五島市がどういった方針かを伺い、最終日に五島市が競技団体から撤退するという報告がありました。現在、競技団体の方でも、どういった形で進めていけるか議論が進んでいると理解しております。
そういった中、今年8月末に予定されていたマラニックについても、今年は休止すると発表されました。トライアスロンとマラニックがなくなれば、夕やけマラソンと椿マラソンという形で、大きく4つあったものが2つになってしまうのかなと思っております。先ほど木口議員からも滞在型観光の促進について質問があり、改正有人国境離島法の中でも重点的に取り組む内容が示されているとの話がありました。交流人口の拡大という意味でも、スポーツによる誘客は一つ大きな材料になると思っております。
そこで、今後、市が主催するスポーツによる交流人口の拡大について、現状は縮小しているように見えますが、今後どのような方針で考えているのか。別の大会を誘致して関係人口・交流人口を増やしていく方針なのか、それとも現在見受けられるように縮小していく方針なのか、基本的な考えをお伺いいたします。
市長:今後の本市主催のスポーツイベントの開催方針についてお尋ねがございました。五島市が主催する、または実行委員会に加わって実施しておりますスポーツイベントは、年間を通して様々なものがございます。イベントによって目的も少し異なりますが、大きくは生涯スポーツの推進、競技力の向上、交流人口の拡大を目指して行っているところであります。8月29日に開催しました夕やけマラソン大会は、交流人口の拡大を大きな目的として開催している五島市の代表的なイベントでございます。
市長:この夕やけマラソン大会には五島市は深く関わっており、五島市長である私は実行委員会の会長も務めております。この春に五島高校を卒業した若者などの姿も大会で見かけました。こういうことも交流人口の拡大につながっているものと考えております。スポーツイベントのこうした目的を達成するため、今後とも内容の充実、そして見直しをしながら、スポーツイベントをきちんと実施していきたいと考えております。
市長:新たなスポーツイベントにつきましては、特に交流人口の拡大を目的とするイベントは、大勢のボランティアや多額の費用を要します。そのため、市民の皆様への負担や費用対効果などを総合的に判断しながら、そのあり方も含めて慎重に検討するべきものと考えております。
中西大輔議員:交流人口を増やす大会については慎重にということで、理解いたしました。そこで総合戦略の目標達成の見通しについて伺います。5か年の総合戦略の中に「スポーツを通じた交流人口拡大プロジェクト」が掲げられており、「スポーツ集客イベントの参加者数」について、基準となる人数が3,628人から、令和11年度には4,071人を目指すとされています。
中西大輔議員:具体的な取組として、五島長崎国際トライアスロン大会、夕やけマラソン、椿マラソンなどのスポーツ交流イベントを継続して開催すると記載がありました。5か年計画の今年が2年目ですが、トライアスロンについては撤退表明、マラニックについては休止という判断になりました。今の市長の答弁では、具体的に新しいイベントを行う予定は今のところないという中で、この目標達成の見通しが現在あるのかお伺いいたします。
地域振興部長:総合戦略によります「スポーツを通じた交流人口拡大プロジェクト」については、具体的な取組に大会等を記載しております。その目標を達成するよう現在取り組んでいるところであります。ただし、記載された大会に固執するものではなく、社会情勢の変化に応じて変えていくものと考えております。コロナ禍で大会を開催できない時期があり、その後、大会を再開したものの、近年は参加者が減ってきている状況もありますので、社会情勢を考えながら取り組んでいく必要があると考えております。
中西大輔議員:いわゆる大きな大会のうち2つがなくなることで、この目標達成は難しくなるのではないかと思います。4,071人という数字は、複数の大会を開催することを前提に出した数字ではないかと思うわけですが、市長は、総合戦略の数値目標の達成に向けて、具体的にどのような大会やイベントを通じて目標達成を目指していく考えなのか、お伺いいたします。
市長:スポーツ集客イベントへの参加者数、この数値目標についてのお尋ねでございました。この数字は、確か6つの大会の合計数を目標として掲げているところであります。もちろん全てが決まったわけではありませんが、その前提となる6つの大会が減るということになれば、もともとの数字全体が変わってしまいます。まだ5年間の途中ではありますが、数値目標変更の必要はあるのかなと考えているところであります。
まだ部内で相談はしておりませんが、社会情勢などに合わせて前提が変わってしまったものにつきましては、数値目標の変更もあってよいのではないかと考えております。
中西大輔議員:社会情勢の変化に伴って目標を変えていく考え方自体は、私もそうすべきだと思います。非現実的な目標をいつまでも掲げても仕方がないという部分は理解します。一方で、総合戦略というものは行政でいうマスタープラン、一番根幹になるようなものです。そこを現実に照らし合わせて変えていくとなると、他の分野の数値目標も同じように現実に合わせて修正していくことになり、目標達成に対する決意が揺らいでくる。そもそも数値目標を掲げること自体の意味が問われるのではないかと思います。
市長は、総合戦略で掲げた数値目標について、柔軟に変えていくという点はあるにしても、それを達成していくという政治的な意思、あるいは決意をどの程度お持ちなのか、お伺いいたします。
市長:令和7年3月に策定いたしましたこの総合戦略は、五島市で最も大事な戦略・計画ということになります。ここに掲げております数値目標は、どれも大事な目標であり、一つ一つ達成に向けて真面目に努力を続けていかなければならないと思っております。ただ、この5年間の間に、いろいろな状況の変化はあると思います。その状況の変化に合わせて柔軟に対応していくことも大事だと考えております。
中西大輔議員:達成に向けて努力していくことは当然だと思います。本気で数値目標を達成したいとするのであれば、例えばトライアスロンから競技団体として撤退すると考えたときに、それを補完する別の大会、規模の縮小なども含め、トライアスロンに限らず他のスポーツイベントを代替案として考えることはなかったのでしょうか。継続するのが難しいから撤退するという結論に至ったわけですが、その代替案について、この数値目標の達成に向けて検討されなかったのかお伺いいたします。
地域振興部長:実行委員会事務局から離脱したいということで申し上げますが、大会につきましては大勢のボランティアや高額の費用を要します。また、次の大会を考えるにしても、大勢のボランティアが必要になる場合、その方たちを確保できるのか、新たな費用が発生するのかという点がありますので、慎重に検討すべきだと考えております。
中西大輔議員:撤退に伴って、その穴を埋めるといいますか、来なくなった人の分を補うということについて、具体的には特に考えていなかったという理解でよろしいですか。
地域振興部長:部内で検討はいたしましたけれども、「この大会をやる」というところまで、決定には至っていないということでございます。
中西大輔議員:総合戦略にきちんと書かれていたことですので、冒頭に取り上げさせていただきました。
トライアスロンの競技団体にどのような協力が可能か
中西大輔議員:トライアスロン大会の継続に向けた競技団体等との協議についてです。2001年のアイアンマンジャパンから2010年のバラモンキング大会へと引き継がれ、今日まで続いてきた五島市でのトライアスロン大会の灯が消えてしまうのではないかと危惧しております。私もトライアスリートの一人であり、五島トライアスロン協会の一員です。人口減少、ボランティアの確保や財政面での厳しさは十分に理解するところですが、全国に五島の魅力を発信する絶好の機会でもあり、大会全体の見直しをしながら、何とか競技団体の方で大会を継続できないかと思っております。
そこで市長にお尋ねいたします。先般、6月議会の最終日に離脱表明をした際、市長が「大会が何らかの形で続くようであれば、協力できることは協力したい」と言われましたが、具体的にはどういったことが考えられるのか、お尋ねいたします。
地域振興部長:6月議会最終日に、トライアスロン大会の実行委員会から離脱する旨を報告させていただきました。あわせて、少しでも支援できる部分があれば協力していきたいという考えもお伝えしたところでございます。競技団体は大会開催の意向はあるものの、どのような内容の大会を考えているのか、その上で、どの部分に市の支援や協力を求めるのかをお示しいただく必要があると考えております。その内容を踏まえて、市として支援を検討したいと考えております。現時点では競技団体からの連絡がありませんので、具体的なことを申し上げることはできません。
中西大輔議員:具体的にということでしたので、私から2点要望させていただきます。1つ目は、道路使用許可の取得にかかる支援と協力です。2つ目は、市の施設の使用や、市が保有する大会関係の備品類の貸し出しです。今後の検討・協議の中でどのようになるかは分かりませんが、この2件についてはぜひ前向きに検討いただき、支援・協力をお願いしたいと思います。現時点では回答できないと思いますので、要望にとどめます。
小中学生の島外遠征費への補助制度の検討は
中西大輔議員:小中学生の島外遠征費への補助制度の検討について取り上げます。6月議会において、スポーツ活動を行う子どもたちなどの島外遠征に伴う負担軽減について議論が行われ、移動費負担の軽減を求める請願も採択されました。今年度、市は地域クラブの指導者謝金など運営に係る経費の支援、生活困窮世帯のクラブ員の会費と保険料の支援を行うこととしておりますが、6月議会での請願の採択も踏まえ、市として島外遠征に対する新たな支援や既存制度の拡充について、現在検討を行っているかお伺いいたします。
地域振興部長:小中学生のスポーツ活動における島外遠征に対する補助制度は、現在のところ、スポーツ振興補助金、五島市地域クラブ活動運営事業費等補助金、五島市スポーツ文化活動支援事業費補助金の3つがございます。すでに請願の内容に対応したものとなっており、予算を増額して支援を行っているところでございます。
地域振興部長:1つ目のスポーツ振興補助金は、中学校体育連盟が主催する大会の地区大会及び県大会、各競技団体が開催する大会に五島市の代表として参加するための島外遠征について支援を行っており、今年度533万6,000円を増額して、約1,200万円の予算としております。
地域振興部長:2つ目の五島市地域クラブ活動運営事業費等補助金【要確認】は、今年度から新たに創設したもので、466万円を予算計上し、学校部活動の地域展開に伴い発生する指導者謝金、旅費などを、市が認定した地域クラブに支援しています。
地域振興部長:3つ目の五島市スポーツ文化活動支援事業費補助金は、練習試合や合宿など島外遠征の費用が物価高騰などで負担となることが考えられたことから、今年度限りではありますが、新たな補助制度として6月議会に補正予算で414万6,000円を計上し、小学生1人当たり5,000円、中学生1人当たり7,000円を支援しております。小中学生のスポーツ団体については、物価高騰や地域展開を踏まえ、今年度から予算を増額しております。ぜひ活用していただければと思います。
地域振興部長:このほかにも、民間の財団がスポーツ競技の活動団体1団体当たり上限15万円の助成を行っております。ぜひ活用いただければと思います。
中西大輔議員:五島市の見解としては、今年度からの当初予算の部分と6月補正の分で補助があり、それで十分だという考えで、6月議会で請願があったからといって新たにこれを拡充する考えはない、という理解でよろしいでしょうか。
地域振興部長:現在、先ほどご紹介した補助制度を設けておりますが、まだ申請が少ない状況でございます。その中で新たな補助制度等を創設するのではなく、まずは今の補助制度を活用いただいて、その中で何が足りないのか、どういったところが不足するのかをこちらでも精査し、その時期に新たな制度を考えるか検討していきたいと考えております。
中西大輔議員:請願が上がるということは、それだけ多くの、特に保護者世帯の方からニーズがあって、それを議会でも踏まえて請願を採択したということだと思います。申請が少ない点については、補助申請はしたいけれど何らかの理由で申請に至らないということが考えられます。例えば申請書類が煩雑であったり、やり方が分からない、そもそも制度自体を知らないといったことは考えられないでしょうか。3月から始め、あるいは6月補正で始めてみて、申請が少ないことの原因をどのように考えているでしょうか。
地域振興部長:対象となる団体は、スポーツ少年団、学校部活動の地域展開をした地域クラブなどに限られますので、対象団体にはそれぞれの代表者宛てに通知を行っております。また、申請書については、それほど難しくない申請だと考えております。まず補助金の申請書、活動計画書、収支予算書を提出していただき、市で審査を行います。不足する書類などがあれば助言を行いますので、難しい申請ではないと考えております。まずは申請を行っていただき、その中で活動費に充てていただければと考えております。
中西大輔議員:保護者からは大変多く、補助を求める請願や陳情を我々も受けています。今ある、今年から始めた制度がニーズに合っているのかという点も含め、絶えず検証していただければと思っております。
子供の発達段階に応じた学習評価について
現在の評価制度の課題と効果は
中西大輔議員:この一般質問をする上で、どういったテーマを扱うべきか毎回迷います。山積する課題がある五島市ですが、子供の教育、人材育成こそが長期的な市の発展に対して最も大事なテーマの一つではないかと考えております。今回は、その中で通知表のあり方を取り扱いたいと思います。今、全国では通知表の回数を減らしたり、通知表そのものを見直したりする学校も出てきています。
本日はサンプルとして、五島市内で配布しております通知表の一つの見本をタブレットの資料に送ってあります。通知表を久しぶりに見る方もいるのではないでしょうか。例えば3ページ目の算数で、「主体的に学習に取り組む態度」の評価項目の中に、「数量に親しみ、算数で学んだことのよさや楽しさを感じながら学ぼうとしている」というような項目があり、A・B・Cという評価がつけられます。例えばCの評価をつけられたとしても、なぜその評価になったのかが今一つ分からず、それを今後の学習にどう生かせばよいのかも、はっきり分からないのではないかと思います。
それぞれの評価項目を見ていると、そうした疑問がたくさん湧いてくるのではないかと思います。そこで、まず現在の五島市における通知表の運用について伺います。市内の小中学校では、評価方法や様式、所見の記載内容について教育委員会が統一した基準を定めているのか、それとも各学校の校長の判断に委ねているのか、現状をお伺いいたします。
学校教育課長:現在、市内小中学校における通知表の発行回数や評価の様式につきましては、学校によって3学期制、または前期・後期制の2期制など、各学校の教育方針に応じて運用されております。通知表の教科の観点は国が示しているものに準拠しておりますが、通知表への各観点の表現方法については、各学校長の学校経営方針に関連しておりますので、教育委員会が一律に指定できるものではありません。また、児童生徒の実態に即した評価や記載方法を取ることもあるため、その最終判断は校長に委ねております。教育委員会といたしましては、学校と保護者との連絡票である通知表が、子供たちの様子をできるだけ適切に、分かりやすく伝えるものとなるよう、学校へ指導を徹底しております。
中西大輔議員:現状については理解いたしました。分かりやすく状況を伝えるというお話がありましたが、実際に教員の方に聞いてみますと、通知表の作成には評価の入力や所見の記載、それから管理職による確認など、結構な事務負担が生じているとのことでした。教育委員会として、現在この通知表の作成が教員に対してどの程度の負担になっているか、認識はあるかお伺いいたします。
学校教育課長:通知表は、かつては手書きで記入したりなど、作成・点検に多大な労力と時間を要しておりましたが、近年では統合型校務支援システムの導入やデジタル化の進展による成績処理や指導要録との連携など、業務の効率化が一定程度図られてまいりました。しかしながら、働き方改革推進の本来の目的は、単なる業務の効率化にとどまらず、教職員の事務作業などの負担を軽減し、子供たち一人一人と真摯に向き合う豊かな時間を創出することにあります。通知表を前期と後期に分けた年2回に発行している学校では、長期休業期間前半で保護者面談を行うなど、通知表が果たす役割をより一層丁寧に保護者へ伝える取組を行っております。
評価制度の改善に向けた検討は
中西大輔議員:各学校で適切に評価を行っているとは思いますが、本当に現在の様々な学校で行われている通知表というものが最も効果的なあり方なのか、改めて考えてみる余地があるのではないかということで、今回取り上げさせていただいております。
8月末に示されました次期学習指導要領の素案は400ページ以上に及ぶ資料でした。大きく言えば、AIの影響を加味した記述が盛り込まれ、評価のあり方についても、現在の学習指導要領で行っている評価について見直すべき観点が示されています。例えば、児童生徒の学習データをAIに読み取らせれば、どこを間違えているのか、どう改善すればよいかといった個別最適な学びにつなげることも可能ではないかと思っております。
これを機会に、国が示した評価項目に合わせて通知表の様式を単に変更するだけではなく、五島市の子供たちにとって、どのような評価のあり方が最も成長につながるのかという観点から、通知表の意義やあり方についても検討を行ってはいかがでしょうか。
学校教育課長:通知表のあり方については、教育委員会が学校長に対して「こうしなさい」と一律に指定することはできません。このことは確認させていただきたいと思います。次期学習指導要領において、観点が3観点から2観点に変更されていく点については、教育委員会も各学校と研修会を通じながら、評価のあり方や評価基準等の作成の仕方について研修を続けてまいりたいと考えております。
中西大輔議員:質問の意図がうまく伝わらなかったかもしれません。教育委員会から通知表をこうしなさいという話ではなく、市で一律に決めるのでもなく、例えば校長会などの場において、現在の通知表の意義や課題、先ほどありました教員の負担、そして子供や保護者への望ましい伝わり方などを議論する場を設けてはいかがでしょうか、という提案です。
学校教育課長:全国的にも通知表の廃止、様式の見直しなど、これまでの当たり前を問い直す議論がなされております。五島市におきましても、次期学習指導要領の動向を注視しつつ、各学校の裁量を尊重しながら、校長会等の場を通じて、子供たちの成長につながる評価とは何か、保護者にとって本当に分かりやすく役立つフィードバックとは何か等について、協議の話題に挙げてまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、子供たちの笑顔と確かな成長のため、そして教職員が情熱を持って子供と向き合える教育環境づくりを進めてまいりたいと思います。
中西大輔議員:今回の一般質問で通知表を取り扱うにあたって、「通知表をやめた」という内容の書籍を読ませていただきました。書いてあることは多岐にわたりましたが、上からトップダウンで「これをやめる」と決めるのではなく、現場でどういったあり方が一番よいかを議論した上で、段階的に実施した学校の事例が紹介されていました。
五島市は少子化の影響もあり、児童生徒のスポーツの選択肢も限られている状況です。しかし逆に、きめ細かな個別最適な学びに注力できるという利点もあると思います。ぜひ教育関係者の皆様で議論を深めていただきたいと思いますが、教育長はこの件についてどのような見解をお持ちか、お伺いいたします。
教育長:通知表についてのご質問は、子供たちにとっても保護者にとっても興味があることだと思います。私にも苦い思い出があり、通知表をもらった日はなかなか家に帰りたくないと思ったことも実際にありました。ただ、この教育の世界に身を置いて、先生方が子供たちを指導していく上で、子供たち自身のよさや、「こうした方がいいよ」というアドバイスになるものとして、非常に役立つものだと感じています。
我々としては、子供たちの最適な学びをどう担保するか、子供たち一人一人に応じたよさをどれだけ見てあげるか、それをどうやって保護者に伝えるか、それが一番大事なことだと思います。先ほど課長が申し上げたように、通知表は学校から保護者・家庭へのお便りと同じで、そういう意味があると思います。課題であれば課題を提示して、どうやったらその課題を克服できるか、具体的に伝える。そういう方法として価値があるものだと判断しております。
先ほどから申し上げていますように、教育委員会が様式を一律に合わせるというような法的根拠はございません。各学校長の裁量に任せる部分はあります。ただ、今回も大きな変化がありますので、どうやったらより良い通知表の形になるかということは、我々も研究していきたいし、一緒に考えていきたいと思っております。
中西大輔議員:社会の変化、次期学習指導要領のこともありますし、保護者への「お便り」だという教育長の答弁もありました。そういったことも含めて、本当に今のあり方がよいのかどうかをみんなで議論していくことは、ぜひお願いしておきたいと思います。
安全で快適な生活環境づくりについて
悪臭防止法に基づく臭気対策の検討は
中西大輔議員:五島市内においては、以前から住民の悪臭に対する不満の声があり、過去にも議会で何度も取り上げられてきたと認識しております。事業者においても消臭対策など一定の改善努力をされていることは承知しております。一方で、現在においても臭いに関する苦情を聞くことがあるため、事業者の主体的な取組だけに委ねるのではなく、行政としてもう一歩踏み込んだ対応が必要ではないかと考えております。
中西大輔議員:そこで、まず市内における悪臭について、市民からこれまでどの程度の相談や苦情、要望が寄せられているのか、市として現状をどのように把握しているのかお伺いいたします。
市民生活部長:悪臭に対する苦情・要望につきましては、令和7年度は事業所が関係する悪臭に対し、市民の方から生活環境課へ合計3件の苦情が寄せられております。また、今年度につきましては、現時点で1件の苦情を受け付けている状況でございます。
苦情の相談につきましては、まず職員が現場に出向いて臭いの状況、原因の調査を行っており、原因が特定された場合には、その原因者に指導を行っております。状況によっては、県、保健所等にご協力いただきながら取り組んでおります。原因が特定できない場合につきましては、苦情申出者に説明し、しばらく様子を見ていただいて、また臭い等がありましたら相談していただくという対応をしております。
中西大輔議員:令和7年度も8年度も、少数ではありますが、そういった苦情が寄せられているという中で、市として、改善されている状況であると評価しているのか、まだまだ取組の道半ばであるという認識なのか、そのあたりをお伺いいたします。
市民生活部長:案件によりましては、その場ですでに対応が終わっており、その後、苦情を受けていないところもございます。一方で、事業所によりましては、対応が難しく、完全には対策が講じられていないところも実際にあると思っております。
中西大輔議員:苦情があるたびに出向いて状況を見て、まだ完全に改善されていないところがあるということですので、今回取り上げております。その上で、五島市が主体となって行う対策として、悪臭防止法という法律があると思いますが、現在の状況はどのようになっているかお伺いいたします。
市民生活部長:まず悪臭防止法についてご説明いたします。悪臭防止法は、工場その他の事業所から発生する悪臭について必要な規制を行うことで、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的としております。具体的には、悪臭を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認められる地域を規制地域としてあらかじめ指定し、その地域内における工場その他の事業所に対し、規制措置を行うこととなっております。
市民生活部長:この規制地域ですが、五島市におきましては、旧福江市の一部の地域が規制地域として指定されており、それ以外の地域は悪臭防止法による規制の対象外の地域ということになっております。現在、五島市におきまして、この悪臭防止法に基づく対応を行っている事案はございません。
中西大輔議員:今ご説明のありましたとおり、旧福江市の一部だけが五島市の指定している地域です。今、私が取り上げているのは旧福江市以外の地域です。悪臭防止法第3条には、かいつまんで言いますと、「市長は住民の生活環境を保全するため、悪臭を防止する必要があると認める住居が集合している地域その他の地域を、規制する地域として指定しなければならない」とされています。この苦情が発生している地区を、悪臭防止法の規制地域として指定する考えはないかお伺いいたします。
市民生活部長:規制地域は市長が指定しており、現在、旧福江市の一部となっております。旧福江市の一部を指定している理由は、都市計画区域内の用途地域を基本的に指定するという方法が一般的であり、五島市では用途地域が旧福江市の市街地にあるため、その地域を規制地域として指定しているということです。他自治体の取扱いなども踏まえ、現在もその地域を規制地域として指定しております。それ以外の地区については、都市計画の用途地域という指定がございませんので、今のところ規制地域を広げる考えはございません。
中西大輔議員:都市計画地域という枠で言えば確かに旧福江市になるわけですが、先ほど第3条を紹介したとおり、「悪臭を防止する必要があると認める」地域は市長が指定しなければならないと法律に書いてあります。都市計画の地域とは関係なく、法律上の条文として指定しなければならないと私は思うわけですが、悪臭防止法第3条の規定について、どのように捉えているでしょうか。
市民生活部長:都市計画区域の用途地域を指定しているというところが、この法律で想定しております「住民の生活環境を保全するため、悪臭を防止する必要があると認める住居が集合している地域」、特に住居が集合している地域を指定するという考え方に沿うものと認識しております。悪臭を生む施設があるから指定するということではなく、まず守るべき住居が集合しているところ、学校や病院等が集中しているところを規制地域として指定するという考え方であり、全ての地域を対象にするものではございません。
中西大輔議員:今の答弁を聞くと、私が取り上げている旧福江市外の地域は、悪臭を防止する必要性がないという理解だから指定しない、と聞こえたわけですが、そういうことですか。
市民生活部長:必要がないということではございません。悪臭防止法にも事業者の責務等として悪臭を発生させないという考え方があり、もちろん悪臭を発生させないことが第一前提でございます。ただ、法律で指定するときには全ての地域ではなく、特に規制すべき住居等が集中している地域を指定するという指針になっておりますので、どこを取るかということになりますと、都市計画区域の用途地域を指定することが一般的な取扱いとなっております。
中西大輔議員:どうも法律の解釈が少し違うように感じます。例えば長崎県内では雲仙市が令和6年に、悪臭防止法に基づく地域を新たに指定して運用しています。都市計画区域に縛られると、結局、福江市だけになってしまい、五島市独自の悪臭防止法に基づく対策ができないことになってしまいます。今、私が問題提起している「悪臭を防止する必要があると認める住居が集合している地域」を指定する考えはないか、市長にお伺いしたいと思います。法律の解釈を超えて、この地域の臭いに対する苦情や陳情を解決することは、政治課題として解決すべきことではないかと思っています。
市民生活部長:悪臭防止法で守るべきという点は同じ認識でございます。ただ、一つの事業所があるからそこを対象に指定するということではなく、まず前提として、住居が集まっているところの生活環境を保全するという考え方になります。事業所ができたから悪臭防止法の規制地域に指定しようという考えではないという点をご理解いただきたいと思います。
中西大輔議員:今、市民生活部長が言ったところは私も調べて、そういう理解をしております。施設が建つたびにその施設の周辺に悪臭防止法を適用させるという話ではなく、どちらかというと予防的に住居が集合しているところを守るという点は理解しています。しかし、私が言っているのは、特定の事業所があるからそこを指定するということではなく、その地域全体として「悪臭を防止する必要があると認める地域」なのではないかということです。
中西大輔議員:その地区全体の課題として、市長が政治活動等で地区を回ったときにも「悪臭をどうにかしてほしい」という声を聞いているのではないかと思います。これは一つの政治課題だと思っています。今までは事業所の対策を聞きながら何とか対応してきたけれど、それだけではなかなか解決に至っていない。市としてもう一歩踏み込んだ対策が必要ではないかと考えております。市長の見解をお伺いいたします。
市長:ただいまの質問だけを聞いていますと、どこの地域のことを言っているのか、正直分かりません。ただ、一般論として申し上げますが、悪臭防止対策というものは法律にも定められていることですし、市としてできるものはきちんと対応していかなければいけないと思っております。生活環境をきちんと保全し、市民の皆様の健康の保護を図ることは、市としてきちんとやっていかなければいけないことだと考えております。
中西大輔議員:今の答弁で「どこの地域のことを言っているのか分からない」ということは、非常に驚きました。悪臭に対する住民の苦情は、最初の答弁でもありましたように続いており、地区でかなり大きな問題として取り上げられています。五島市が移住推進や観光推進をする上でもマイナスであると思っております。もう一歩踏み込んだ対策が必要だと思いますので、ぜひ雲仙市の事例なども含め、法律の解釈も含めて再度検討していただきたいと思います。
クーリングシェルターの実効性ある運用について
中西大輔議員:今年も大変厳しい暑さが続いております。今回この質問を取り上げようと思ったきっかけは、市民の方から、ご自宅にエアコンがないため図書館や店舗などで長い時間を過ごしている方がいるということを伺ったことです。特に、経済的に余裕のない方や車を持たない方などにとって、安心して暑さを避けられる場所があるかどうかは命に関わる問題だと考えております。五島市においてもクーリングシェルターが指定されていますが、現在の開放基準と、今年開放された件数をお伺いいたします。
市民生活部長:クーリングシェルターの開放基準と申しますのは、環境省により熱中症特別警戒アラートが発表された場合に開放するものとして、気候変動適応法に定められております。この熱中症特別警戒アラートの基準は、県内全ての観測地点において、翌日の最高暑さ指数が35以上となると予測された場合、または県内広域的に危険な暑さとなり、命に関わる重大な健康被害が生じるおそれがある場合となっております。
市民生活部長:現在、市役所や図書館など22の公共施設を指定しており、また去る7月23日には新たに市内18の郵便局をクーリングシェルターとして指定しております。クーリングシェルターとして開放するのは本来、熱中症特別警戒アラートが発表された日となりますが、公共施設及び郵便局におきましては、熱中症特別警戒アラートが発表されていなくても危険な暑さの場合については、施設管理者に日頃から柔軟な対応をお願いしております。
中西大輔議員:今の説明ですと、基準を満たして開放されたというのはゼロだったということで理解してよろしいですか。
市民生活部長:基準を満たした熱中症特別警戒アラートは、2024年の制度開始から全国においてゼロでございます。よって五島市も当然ながら開放はゼロでございますが、日頃から施設管理者に柔軟な対応をお願いしているところでございます。
中西大輔議員:「施設管理者において柔軟な対応」というところが、今回私が引っかかった部分です。市民から見て、このクーリングシェルターがどれだけ認知されていて、なおかつ困った方の逃げ場として活用されているのか疑問に思ったため取り上げています。先ほどの説明のとおり、基準が高く発令に至っていないのが現状です。
中西大輔議員:ですので、市民に対して積極的に「今日はここで涼むことができます」と呼びかけるなど、情報発信していくことが必要ではないかと思います。各施設に柔軟に対応してくださいというだけではなく、クーリングシェルターの発令基準は満たしていないけれど、きつかったら涼みに来てくださいということを、市として積極的に情報発信していく考えはないかお伺いいたします。
市民生活部長:熱中症特別警戒アラートが出なくても利用できるということを積極的に広報していくことは、以前検討したことがございます。しかしながら、指定の公共施設の中には福江港ターミナルビルなど、施設本来のお客様を優先する時間帯がある施設もございます。そういったことから、積極的に「利用可能です」と案内することを控えていたものでございます。
市民生活部長:また、今年度は郵便局という民間の施設も加わりました。民間施設は民間のご厚意により協力いただいている部分になります。協定を結ぶ際には口頭ではありますが、特別警戒アラートが出なかったとしても利用できるようにご協力をお願いする旨はお伝えしております。
中西大輔議員:確かに福江港などに涼みに多くの方が来ると困るというところはあると思いますので、施設によって受入れ可能かどうかは変わると思います。この施設ならまだ余地があるというところも含めて、暑さで本当に命に関わるような状況の市民で、家にエアコンがない方が涼みどころとして使える場所をもっと増やしていく必要があると考えております。
中西大輔議員:クーリングシェルターとは別に、「涼みどころ」「クールスポット」「クールシェアスポット」など、法律の指定ではなく各自治体や地域の取組によって涼しい場所を設けることも可能です。現在は公共施設以外では郵便局しかない状況ですが、法的なクーリングシェルターに限らず、市内各地に民間事業者の協力をいただきながら、涼める場所を増やしていく考えはないかお伺いいたします。
市民生活部長:商業施設の中にはお客様の利用が優先となるところもあるようですけれども、ご提案のとおり、改めまして危険な暑さから市民の生命と健康を守り、熱中症対策の取組を推進するため、クーリングシェルターとしてご協力いただける施設を、市のホームページ等により随時募集してまいりたいと思います。
中西大輔議員:随時検討していただきたいと思います。もう1点、交通弱者への対応です。クーリングシェルターや涼みどころが増えたとしても、高齢化が進み運転できない方も少なくない状況です。行政として場所を用意して終わりではなく、本当に暑さから身を守る必要のある方が、その場所を利用できるかが大事だと思います。
中西大輔議員:1点、事例を紹介します。北海道の鹿追町では、熱中症の危険が高いとされる高齢者などに緊急避難を行っており、町の職員が自宅を訪問して、指定のクーリングシェルターへ送迎を行う対策をしているそうです。五島市でも、すぐには難しいかもしれませんが、福祉部門や交通部門などが連携して、交通手段を持たない市民が涼みどころを利用できるような移動支援について、今後検討できないかお伺いいたします。
市民生活部長:クーリングシェルターへの送迎などの対策について、熱中症の危険性が高いとされる独居や要介護などの高齢者を対象として、一部の自治体では送迎を実施しているところもあるようです。しかし、車両の確保、職員の配置、事故発生時の責任や賠償などの問題もありますので、現在、市といたしましては送迎等の支援は難しいと考えております。
市民生活部長:なお、公助としては、現在行っている職員による声かけや広報をこまめに行い、共助として家族や隣近所の身近な方により見守り、声かけを行っていただくようお願いするものでございます。また、高齢者の中ではエアコンを使用したくない方もいらっしゃいますので、エアコン以外の対策として、衣類を緩めること、皮膚を濡らしてうちわや扇風機であおぐこと、氷やアイスパックで冷やすことなども合わせてお勧めしていきたいと思います。
中西大輔議員:答弁にありましたように、難しいところは多くあると思います。ただ、この夏の暑さから市民を守ることも重要な政治課題だと考えております。「安全で快適な生活環境を守る」というテーマは、総合戦略でいう「暮らしやすいと感じる市民がいるか」というところにも結びついてきますので、より良い方法、あり方を模索していただきたいと思います。以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
