令和8年9月10日(木曜日)午前10時00分開議
【ご注意】
以下の内容は、五島市議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。
正式な会議録(議事録)を全文掲載したものではありません。音声からの文字起こしのため、聞き取りの誤り、誤字・脱字、固有名詞や数値等の記載誤りが含まれる可能性があります。
正確な発言内容については、後日公開される五島市議会の正式な会議録をご確認ください。
川口哲也議員:おはようございます。創政会の川口です。一般質問4日目、最終日です。9月になり、最近は涼しくなってまいりましたが、台風の動向が心配な日が続いております。皆様にはお気をつけてお過ごしいただきたいと思います。
さて、皆さんご存じのとおり、去る7月28日に熊本県で大きな地震が発生しました。8月15日の熊本県災害対策本部発表によると、死者39人、現在も約3,000人の方々が避難生活を余儀なくされているとのことです。この震災で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
それでは、通告に従い一問一答方式で一般質問に入ります。
防災行政について
災害時の周知方法は
川口哲也議員:過去の質問でも申し上げましたが、私は阪神・淡路大震災と東日本大震災の2度、大きな地震を経験しています。いずれも震源からは少し離れており避難生活には至りませんでしたが、五島市にも活断層があり、震度6程度の地震が想定されるとの発表もあり、改めて防災への関心が高まっています。そこで、現在の五島市の防災体制について質問します。まず、災害時における市民への周知方法はどのようになっているのかお尋ねします。
市長:市民の皆様に災害情報をお知らせする方法として、まず防災行政無線があります。このほか、スマートフォンアプリの「@InfoCanal(インフォカナル)」、通信各社のエリアメール、五島市ホームページなどでも災害情報をお知らせしています。
防災行政無線については、令和7年度から令和8年度にかけて、福江・岐宿・奈留の各地区で聞き取りやすくするため設備を更新しているところです。富江・玉之浦・三井楽地区については、更新時期を検討しています。今回の更新では、精度の高い方式への変更、音質の向上、一部を高性能スピーカーへ切り替えるなど、聞こえづらさの解消を図っています。緊急地震速報など命の危険を伝える放送については、最大音量で放送します。
スマートフォンをお持ちの方には、@InfoCanalや五島市公式LINEへの登録をお願いしています。また、防災行政無線が聞こえづらい場合には、フリーダイヤル0120-75-0890の電話確認サービスでも内容を確認できます。以前は有料でしたが、現在は無料です。
川口哲也議員:災害情報の周知に多様なデジタル技術を活用し、多重化を図っていることは理解しました。一方、五島市は高齢化率が高く、二次離島も多い離島自治体です。スマートフォンやアプリを使いこなすことが難しい高齢者や、電波が届きにくい地域に住む市民への情報伝達には、さらに配慮が必要だと考えます。
デジタル端末に不慣れな世代にとって、音声で緊急情報を聞き取ることができる防災ラジオや個別受信機は、命を守るために非常に有効です。現在の防災ラジオの導入実績や普及状況、今後の普及に向けた具体的な取組について、市の見解をお聞かせください。
総務企画部長:今議会に補正予算として、防災ラジオ導入事業費7,935,000円【要確認】を計上しています。これは、防災行政無線が特に高齢者世帯を中心に屋内で聞こえにくいという問題を解消するための事業です。
現在、電波の関係で防災行政無線の屋外拡声子局を設置できない地域や、防災行政無線が聞こえづらい世帯には、屋内で防災行政無線の内容を受け取れる個別受信機を貸与しています。この個別受信機は、防災行政無線そのものではなく、携帯電話会社の電波を利用して情報を届ける仕組みです。今回の防災ラジオは、株式会社五島テレビのケーブルテレビ網を活用して情報を届けるものです。
五島テレビでは、ケーブル内にテレビの電波とともにラジオ放送、gotoFMの電波を流しています。ケーブルテレビ契約世帯であれば、ケーブルにラジオを接続することで受信できます。FMラジオ番組を放送中に防災行政無線が放送されると、その内容が割り込み放送されます。ラジオの電源を切っていても、割り込み放送時には自動で電源が入り、情報を流す仕組みです。FM電波が入りづらい地域でも情報を届けることができます。
個別受信機を配布している地域の【要確認】ほどの世帯が五島テレビと契約していると伺っています。まずは、こうした世帯に防災ラジオへ切り替えていただくことを考えています。あわせて、75歳以上の高齢者のみで構成される世帯の希望者に無償貸与する予定で、希望者が多数の場合には追加購入も検討します。
川口哲也議員:とても良い取組だと思いますので、ぜひ多くの方への普及をお願いします。ただ、大規模地震が発生し、基地局などが被災した場合、スマートフォンの通信が途絶する可能性は高いと考えます。地震発生時に電話や携帯電話が通じなくなることは実際に起きています。
その点、インターネットやスマートフォンに依存しないラジオは、車のカーラジオも含め、被害状況や避難情報を収集する上で極めて重要なメディアだと考えます。2028年までに民放AMラジオ放送の休止・廃止が進み、FM放送への移行が進められていると聞いています。
五島市では、コミュニティFMのgotoFM 76.2MHzやNHK-FMなどが考えられます。現在、FM放送の電波は市内のどこまでカバーされているのか。また、電波が届きにくい地区や有人離島の受信状況、2年後を見据えたFM環境の整備方針について見解をお聞かせください。
総務企画部長:五島テレビによると、FMラジオが聞こえづらい地域として、富江町、玉之浦町、三井楽町、二次離島など複数の地区があると伺っています。具体的な地区名は【要確認】です。災害時の情報伝達の有効な手段の一つとしてFM放送が挙げられますが、現段階では、市がアンテナを設置するなど受信環境を整備することは考えていません。
川口哲也議員:総務省には「民放ラジオ難聴解消支援事業」など、地方公共団体等を対象とした支援制度があり、地理的・地形的難聴の場合には事業費の3分の2を補助する仕組みがあると承知しています。AMラジオの休止・廃止まであと2年という中、災害時にはラジオが有効になる可能性が高いので、もう一度、前向きに検討できないかお尋ねします。
総務企画部長:議員ご指摘のとおり、FM放送の難聴地域を解消するため、総務省の民放ラジオ難聴解消支援事業があります。地理的・地形的難聴の場合には、事業費の3分の2の補助を受けることができます。ただし、地方公共団体だけでなく民間の放送事業者も事業主体となることができます。繰り返しになりますが、市が事業主体として実施する考えは、今のところありません。
川口哲也議員:五島テレビが事業主体として申請する可能性もあるのではないかと感じました。五島市民の安心確保のためにも、ぜひ検討していただきたいと思います。
防災訓練の実施方法について
川口哲也議員:次に、防災訓練の実施状況についてお尋ねします。私は過去に大きな地震を経験し、いざ災害が起きた際、マニュアルどおりに動くことは簡単ではないと痛感しています。繰り返し訓練し、実際に体験しておかなければ、発災時には混乱し、正常な判断ができないことも十分考えられます。
特に、自力避難が困難な方々が集まる施設では、一刻を争う事態になります。病院、学校、老人ホーム、介護施設などで、防災訓練はどのような想定のもと、どの程度行われているのでしょうか。また、離島が多い五島市では、外部からの支援が届かない時間をしのぐため、施設と地域、行政との連携訓練をどのように担保しているのか、あわせてお尋ねします。
総務企画部長:病院、学校、高齢者福祉施設などでは、それぞれの施設で避難訓練を実施していますが、主に火災を想定したものです。土砂災害などを想定した避難訓練は、施設側の事情もあり、ほとんど行われていないのが実情です。今後は行政としても関係施設と相談しながら、土砂災害などの災害対応訓練を実施できるようサポートしていきたいと考えています。
また、二次離島など外部からの支援が難しい地区について、どのように支援するか、地域とどう連携するかは課題があります。これから行う地域防災計画の見直しの中で協議していきます。毎年、自主防災組織、町内会、まちづくり協議会、学校などで避難訓練や防災講話を実施しており、県内持ち回りの総合防災訓練でも大規模な訓練を行っています。
さらに今年度は、新規事業として震度7まで体験できる地震体験車を借り、11月に市内の【要確認:実施場所】で実施する予定です。体験を通じて、防災や災害対応を学んでいただきたいと考えています。
川口哲也議員:ぜひしっかり進めていただきたいと思います。私は7月30日、長崎市で開催された長崎県環境整備事業協同組合【要確認:正式名称】主催の勉強会に、田口議員とともに参加しました。NPO法人日本トイレ研究所の加藤篤代表理事【要確認】による「災害時のトイレ事情」についての講演を聴き、五島市の防災体制を考える上で非常に重要な気づきを得ました。
能登半島地震の避難所に関するアンケートでは、避難所で困ったこととしてトイレが大きな問題になっています。震災直後にトイレへ行きたくなった時間は、3時間以内が54.7%、6時間以内を含めると88.3%で、ほぼ9割の方が半日も我慢できないというデータが示されました。また、避難所で必要なトイレとして、携帯トイレが最も早期に求められるとのことでした。
備蓄があっても、いざという時に市民が正しく携帯トイレを使えなければ意味がありません。防災訓練の一環として、学校、病院、福祉施設において、簡易トイレや携帯トイレの使い方の講習を定期的に行うよう、市が主導して働きかけてはいかがでしょうか。被災地の厳しい現状を踏まえ、災害時のトイレ対策への見解と今後の具体的な取組をお聞かせください。
総務企画部長:議員ご指摘のとおり、災害時のトイレは非常に重要な問題と認識しています。能登半島地震でも、便器にビニール袋をセットし、排泄後に凝固剤で尿や便を固め、燃えるごみとして処理する携帯トイレを活用した例が多くあったと聞いています。
市民の中には携帯トイレの使用方法をご存じない方も多いと考えています。このため、市民向けの防災講話では、毎回必ず携帯トイレの使用方法と使用体験をセットにした内容を実施しています。長期間の避難所運営ではさまざまな問題が発生すると考えていますので、関係課と協議しながら避難所マニュアルの見直しも行っていきます。
川口哲也議員:ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。勉強会では、家庭で防災用品を備蓄しているかという意識調査で、長崎県が島根県と並び46位で最下位だった【要確認:調査名称・順位】というデータも示されました。災害が少ない幸せな環境とも言えますが、大地震が起きた時に知識も備えもないということでは済みません。
災害時のトイレ問題は単なる衛生管理ではなく、人間の尊厳や命に直結する問題です。トイレを我慢するために水分を控え、エコノミークラス症候群などで命を落とすような災害関連死を防ぐためにも、自治体が先頭に立って進めていただきたいと思います。
災害後の復旧活動について
川口哲也議員:次に、災害後の復旧活動における官民連携と、がれきや災害ごみの処分体制についてお尋ねします。災害発生時、行政が司令塔となって復旧を進めることは言うまでもありませんが、実際に道路の復旧、崩壊家屋の撤去、トイレで出たごみやその他の災害ごみ、インフラ復旧に動くのは、地域の建設業や環境整備業など専門事業者です。
離島である五島市では、災害直後に本土からの支援がすぐ届かないことも想定し、平時から地元の専門事業者とどれだけ密な連携が取れているかが、復旧のスピード、市民生活の再建を大きく左右します。また、復旧に伴って大量に発生するがれき等の処理も大きな問題です。能登半島地震でも、がれきの仮置き場の確保や処理の遅れが復旧の足かせになったと聞いています。
現在の五島市では、災害時におけるがれき等の仮置き場の選定や市民への周知をどのように行うのか。また、地元の専門事業者との災害協定の締結にとどまらず、有事に即座に機能する具体的な連携体制や、実効性のある訓練はどこまで確立されているのか、進捗をお聞かせください。
総務企画部長:災害ごみ対策については、令和元年度に五島市災害廃棄物処理計画を作成し、その中で仮置き場などの選定を行っています。実際にどこを使用するかについては、災害発生時の状況に応じて決めていきたいと考えています。
災害対応全体は、事前準備、応急対応、復旧・復興の3段階で構成されます。現段階では、関係機関等と各段階に応じた訓練は行っておらず、具体的に誰とどう連携するか明確になっていない部分もあります。
このため、今議会に提案している地域防災計画等の見直しを今後2年間かけて行う委託事業の中で、関係機関としっかり協議し、事前準備、応急対応、復旧・復興の各段階について、より具体的な計画を作成していきたいと考えています。
川口哲也議員:市民のために、しっかりと計画を立てていただきたいと思います。
婚活サポーターについて
活動内容と実績について
川口哲也議員:次に、人口減少対策の一つである婚活サポーター制度についてお尋ねします。私は昨年7月の一般質問で、五島市の重要課題である人口減少対策について、出会いの場の創出や結婚支援の重要性を訴えました。これを受ける形で、本年4月から新たに地域密着型の婚活サポーター制度がスタートしました。
市民により寄り添う新たな支援策として、長崎県内の市町で初めて導入された取組であり、私も非常に大きな期待を寄せています。佐世保市や大村市などにも婚活支援の相談窓口はありますが、市民を婚活サポーターとして認定し、地域に密着してきめ細やかに出会いをつくる五島市の制度は、県内市町でも先進的な取組だと考えます。
この半年間における婚活サポーターの具体的な活動内容をお聞かせください。また、相談件数、登録件数、マッチング、交際など、目に見える成果があればあわせてお聞かせください。現場で見えてきた特有の課題についてもお願いします。
福祉保健部長:五島市では人口減少が極めて大きな課題であり、これまでも婚活イベントの開催や結婚支援センターの運営に取り組んできましたが、行政の支援だけでは行き届かない部分もありました。そこで今年度から、地域の皆様の力をお借りし、より身近な立場で出会いや結婚への支援を後押しする婚活サポーター制度を立ち上げました。
現在、婚活サポーターとして、福江地区2名、富江地区1名、玉之浦地区1名、三井楽地区1名の合計5名を認定し、各地区を中心に活動していただいています。まずはサポーターの存在を知っていただくため、市の広報紙やホームページへの掲載に加え、サポーター自身が名刺やチラシを持参して各地区を回る周知活動から始めました。
活動を進める中で見えてきた課題として、地域のつながりが強い五島市では、相談していることを周囲に知られたくないというプライバシーへの懸念や、相談をためらう心理的ハードルがあります。また、自分の住む地区以外での出会いを希望する場合、サポーター個人のネットワークだけでは引き合わせに限界があります。そこで、相談やパートナー探しを希望する方が気軽にプロフィール登録できる公式LINEを開設しました。
公式LINE登録者は8月末現在44名です。さらに、地区を超えた連携に対応するため、毎月、市の結婚支援センター相談員、婚活サポーター、担当職員が一堂に会する意見交換会を開催し、相談希望者の登録状況、面談、引き合わせなどの進捗を全体で共有し、互いに学びながら進めています。
活動開始から7月末までに23名から相談があり、面談を実施しました。そのうち8名が市の結婚支援センターへの登録につながり、丁寧な引き合わせの結果、現在【要確認】組のカップルが交際につながっています。また、婚活サポーター自身が企画した交流イベントを玉之浦地区で1回開催し、8名が参加、1組のカップルが誕生しています。
川口哲也議員:スタートから半年という短い期間ですが、サポーターの皆様が地域で熱意を持って精力的に活動している様子が伝わりました。成果も、これまでとは大きく違う数字だと感じます。地域に根差した活動が少しずつ実を結んでいるのではないかと、今後に大きな希望を感じています。
今後の活動計画は
川口哲也議員:サポーターの皆様の活動を無駄にせず、この取組をさらに加速させ、確かな成果につなげるには、新たな展開を見据えた戦略的な動きが必要です。これまで半年の手応えや課題を踏まえ、今後の具体的な活動計画、サポーターがより活動しやすくなるための支援・連携体制について、現在の考えをお聞かせください。
福祉保健部長:サポーターの地域に根差した活動をさらに後押しし、確かな成果につなげるため、今年度は出会いの「めぐり合いイベント」を計3回開催することとしています。イベントは民間事業者に委託して実施しますが、婚活サポーターにも一体となって加わっていただき、地域密着の強みを生かして、参加者の緊張をほぐすサポートや引き合わせのフォローを行う計画です。
イベントにとどまらず、サポーターが日頃の相談対応で孤立することなく安心して活動を継続できるよう、結婚支援センター相談員や担当職員によるきめ細かな相談支援、地区を超えた情報共有の場を安定的に確保します。市としてバックアップ体制の維持・強化に努めます。
具体的には、1回目として9月末の【要確認:イベント名】に合わせたイベントの実施に向け、委託事業者、サポーター、市が密に連携して準備を進めています。2回目以降も日程や内容が決まり次第、順次お知らせし、より多くの出会いを創出できるよう努めます。
川口哲也議員:9月26日土曜日の【要確認:イベント名】に合わせたイベントとのことで、期待しています。少子化・人口減少対策として、五島市の婚活サポーター制度には非常に期待しています。
岐宿地区及び奈留地区における婚活サポーターの募集について
川口哲也議員:現在のサポーター配置は、福江2名、富江・玉之浦・三井楽に各1名ですが、岐宿地区と奈留地区には配置されていません。地域の特性や生活圏に根差したきめ細かな引き合わせを行うためには、各地区に地元の事情をよく知るサポーターが必要だと考えます。特に二次離島である奈留地区では、独自のネットワークが必要です。
地域全体でバランスよく婚活支援活動を発展させるため、岐宿地区と奈留地区でも新たにサポーターを追加募集することを検討してほしいと思いますが、市の見解をお聞かせください。
福祉保健部長:制度の立ち上げに当たっては、市内各地で相談者にきめ細かな支援を行うことを目標として、福江、富江、玉之浦、岐宿、三井楽、奈留の6地区から広く募集しました。しかし、今回の募集では残念ながら岐宿地区と奈留地区から応募がありませんでした。
議員ご指摘のとおり、地域の特性や生活圏に根差した相談対応、各地区独自のネットワークを生かした出会いの創出には、すべての地区にサポーターが配置されていることが望ましいと考えています。現在活動している5名のサポーターの活動状況や実績を見極めつつ、岐宿地区、奈留地区におけるサポーターを募集することとします。地域ごとのバランスや柔軟な体制づくりを図りながら、市全体で効果的な婚活支援を展開していきます。
川口哲也議員:ぜひよろしくお願いします。現在の五島市の婚姻率は2.49件、全国平均は4.1~4.5件程度とのことですが【要確認:単位・比較年】、全国と比べても低い水準です。市も新婚家庭や子育てに対する支援を行っていますが、婚姻数が伸びなければ十分に生かせません。婚活サポーター制度が成功することを心より願っています。県の結婚支援制度なども活用しながら、市民の皆様にも気軽に相談していただければと思います。
国民健康保険税について
税額の算定について
川口哲也議員:次に、五島市の国民健康保険税について質問します。本会議初日の市長報告でも触れられ、昨日の長崎新聞にも、県が2033年度、令和15年度の県内統一に向けて動いているとの記事が掲載されていました。まず、国民健康保険制度と国民健康保険税の金額の算定方法について教えてください。
福祉保健部長:国民健康保険は、病気やけがに備え、加入者の皆様が保険税を負担し、国や県などの公費と合わせて医療費の支払いなどに充てる、助け合いを基本とした医療保険制度です。平成30年度からは都道府県が財政運営の責任主体となり、長崎県と五島市がそれぞれの役割を担いながら制度を運営しています。
国民健康保険税は、医療保険分、後期高齢者支援金分、介護保険分、子ども・子育て支援金分をそれぞれ計算し、その合計額が税額となります。納税義務者は原則として世帯主で、前年度中の所得を基本とする所得割、被保険者数に応じて負担する均等割、世帯ごとに負担する平等割などによって、世帯ごとの納付額が算定されます。
年齢によって負担内容も異なり、40歳未満は医療保険分、後期高齢者支援金分、子ども・子育て支援金分を負担します。40歳以上65歳未満は、これらに加えて介護保険分を負担します。65歳以上75歳未満は、介護保険分を国民健康保険税としては負担せず、介護保険料を別途納めます。このように、世帯の所得、人数、年齢などによって税額が異なる仕組みです。
川口哲也議員:国民健康保険制度は長崎県と五島市が共同で運営しているとの説明でしたが、その役割分担はどのようになっているのでしょうか。また、国保税の算定は全国で統一されているものなのか、あわせてお尋ねします。
福祉保健部長:県は県全体の国保財政を運営するとともに、市町ごとの標準保険税率を算定し、保険給付に必要な費用を市町に交付する役割を担っています。一方、五島市は被保険者の資格管理、保険税の決定・徴収、保健事業の実施など、住民に身近な事務を担っています。
国民健康保険税の税率や均等割額などは全国一律ではありません。具体的な算定方法は、法律等の定める範囲内で、それぞれの市町が条例で定めています。このため、同じ所得、同じ世帯構成であっても、市町によって保険税額が異なります。
こうした市町ごとの保険税水準の違いを解消するため、同じ所得水準、同じ世帯構成であれば、県内のどの市町に住んでいても同じ保険税水準となることを目指し、現在、保険税水準の統一に向けた取組が進められています。
市の今後の国民健康保険制度について
川口哲也議員:国は平成30年度から、国民健康保険の保険税水準を都道府県単位で統一する方向で進めてきたと認識しています。長崎県内でこれまでどのような動きがあったのか。また、そもそもなぜ国は国保税の統一を進めているのか、その理由もお聞かせください。
福祉保健部長:長崎県では令和5年度に策定した第3期長崎県国民健康保険運営方針で、将来的に保険税水準の統一を目指すことを示しています。県と市町の担当者による協議でも、統一に向けた課題や方向性を検討してきました。
令和6年度からは、保険税水準の統一に向けた第一段階として、市町ごとの医療費水準を納付金の算定に反映させない「納付金ベースの統一」を実施しています。国も平成30年度の国保制度改革で都道府県が財政運営の責任主体となったことを踏まえ、都道府県単位での保険料・保険税水準の統一を進めています。令和6年6月には保険料水準統一加速化プラン【要確認:正式名称・版】を示し、令和15年度までの統一移行を目指し、遅くとも令和17年度までの移行を目標とする方向性を示しています。
長崎県では、国保運営方針の中間見直しの中で統一の目標年度を定める方向で県と市町が協議しており、県から令和15年度を目標年度とする案が示されています。現時点では具体的な統一時期は決定していませんが、国・県とも令和15年度を一つの大きな目標として取組を具体化している段階です。
国が統一を進める背景には、国民健康保険が抱える構造的な課題があります。国保は加入者の年齢構成が高く、医療費が高くなりやすい一方で、所得水準が低いという特徴があります。特に小規模自治体では、1人に高額な医療費がかかった場合、その影響が自治体全体の国保財政に及びやすいという課題があります。
自治体ごとの医療費の違いによる影響を県全体で支え合い、小規模自治体で高額な医療費が発生しても保険税が年度ごとに大きく変動することを抑えることが、保険税水準統一の考え方の一つです。単に県内の保険税を同じにするだけではなく、負担の安定、公平性の確保、制度を将来にわたり安定して維持することに意義があると認識しています。
川口哲也議員:今の経過を聞くと、国保税の統一は避けられないような状況に来ているようにも感じます。今後どのように進むのか。また、令和5年度からの県内市町との協議において、五島市はどのように回答してきたのか。令和15年度は市民にとって重大な案件だと思いますが、これまで市民に周知されなかった理由もあわせてお聞かせください。
市長:現時点では、県内21市町の保険料・保険税を7年後の令和15年度から統一するという方針案が県から示されていますが、決定しているわけではありません。五島市は現在、統一すると保険税が今より高くなる可能性がありますので、市民への影響を十分に考慮しなければなりません。
これまで県や他市町との協議でも、統一の時期や方法は慎重に検討してほしいと繰り返し申し上げてきました。8月27日に平田知事と県内21市町の首長が集まった意見交換会でも、私は真っ先に発言しました。五島市には10の有人島があり、医師確保、急患の緊急搬送、入院医療など、他の自治体とは異なる医療提供体制の課題があります。本土と比べ医療サービスが脆弱ともいえる状況で、市民に保険税引上げへの理解を求めるのは難しいのではないかと慎重な意見を申し上げました。
五島市ではこれまで、市民の皆様が健康を維持してこられたこともあり、国保財政は黒字で推移していました。そのため、保険税引上げを具体的に検討する必要がありませんでした。五島市の実情や将来の国保財政を十分検討した上で、市民に理解いただける説明ができるよう、もう少し時間が必要だとも申し上げました。
一方で、人口減少に伴って国保加入者も減少しており、将来的に現在の保険税水準を維持するのが難しくなる可能性があります。単に今の低い水準を守るという視点だけでなく、将来にわたり国保財政を安定的に運営できるかという観点からも、慎重に考える必要があります。
市民への周知については、これまで具体的な統一時期や保険税率が決まっていなかったため、将来保険税が上がるかもしれないという未確定の内容を示すことは適当でないと判断し、お知らせを控えてきました。しかし、現在は国・県で統一に向けた動きが急速に進んでいますので、今後は統一の目的も含めて、市民の皆様にしっかり伝えていかなければならないと考えています。
川口哲也議員:市長答弁では、五島市の保険税は高くなる可能性があるとのことでした。市民にとって非常に重大な問題です。具体的にどの程度上がるのか、試算があるのであれば教えてください。
福祉保健部長:保険税水準を統一した場合の影響について、県が示す標準保険税率や五島市の将来の被保険者数、医療費等の見通しをもとに試算しています。その結果、現在の保険税水準と比較して、統一後は増額となることが見込まれています。
令和8年度の五島市の保険税水準は、県内13市の中で最も低くなっています。世帯の状況により税額は異なるため単純比較はできませんが、県が示す標準保険税率をベースとした税額と統一保険税額を比較した場合、令和15年度には被保険者1人当たり年間約15,000円の増額となる見込みです。
なお、五島市のように保険税が急激に上がるおそれがある市町に対して、県は激変緩和措置として財政支援を検討しています。年間約15,000円の増額は、こうした支援策を見込まずに試算した場合の比較額です。実際の負担額は今後の支援額等によって変わる可能性があります。
川口哲也議員:統一した場合、市民の負担が増えることになります。五島市が賛同しないという選択肢はあるのでしょうか。また、賛同しない立場を五島市が取った場合、県内の他市町との関係や五島市の立場はどうなるのかお聞かせください。
福祉保健部長:保険税水準の統一は、県と市町が共通認識を持ち、課題を整理しながら進める必要があります。五島市を含む市町の理解や合意が得られない場合、県内全体での統一は困難になると考えています。
統一が実現しない場合、五島市は現在の保険税水準を維持できる可能性がある一方、将来的な医療費増加や被保険者数減少によって保険税負担が変動する可能性は残ります。また、国は統一に向けた取組を保険者努力支援制度の評価項目とし、統一を達成した都道府県には特別調整交付金による財政支援策も設けています。統一が実現しない場合、こうした財政支援を受けられない可能性があります。
さらに、7月23日に国から示された内容では、都道府県が保険税水準統一の目標年度を設定しない場合、保険者努力支援制度において評価上の減点が行われることとなりました。この影響額は長崎県全体で令和8年度に年間約1億7,020万円【要確認】となり、次年度以降も拡大する見込みです。県内の他市町については、五島市を除くすべての市町が概ね賛同の方針を示していると伺っています。
川口哲也議員:かなり厳しい内容だと感じます。ちなみに、長崎県以外の国保税水準統一の状況も分かれば教えてください。
福祉保健部長:大阪府及び奈良県は令和6年度から統一を実施しています。また、全国19都道府県【要確認】で統一の目標年度が設定されているようです。九州内で目標年度の設定が進んでいないのは、現時点では沖縄県と長崎県のみです。
川口哲也議員:今後のスケジュールについて、どの時点で長崎県が判断するのか、現状を教えてください。
福祉保健部長:現在、県と市町で統一に向けた協議が進められています。まず11月末から12月上旬ごろを一つの区切りとして、各市町の意見を踏まえた国保運営方針の素案が整理されるものと認識しています。その後、県でパブリックコメント、市町への意見聴取、国保運営協議会での審議、県議会への報告などの手続きを進め、現時点では来年3月に国保運営方針の中間見直しを策定・公表する予定です。
市長:私からも国民健康保険税の県内完全統一について説明します。県からは、県内21市町で異なる国民健康保険の保険料・保険税を、7年後の2033年、令和15年度に県内で統一したいという目標が示されています。対象は、自営業、フリーランス、農業・漁業の従事者など、職場の健康保険に加入していない方とそのご家族です。
これまで五島市の国保財政は黒字で運営され、保険税水準も県内13市の中で最も低い水準でした。したがって、現時点で県内を単純に統一すると、五島市民が負担する保険税は増額となる見込みです。もし統一するのであれば、急に保険料・保険税が跳ね上がることがないよう、できるだけ長い時間をかけて段階的に上げるなど、激変緩和措置をしっかり求める必要があります。
一方で、今の低い保険税をこのまま維持すればよいという考えもありますが、人口減少が進む五島市で、いつまで現在の水準を維持できるかは不透明です。加入者が大きく減り、小規模な国保となった場合、誰かが高額な医療を受けると、翌年度の保険税が急激に上がるような不安定な制度になる可能性があります。将来の子や孫の世代のためにも、国保制度を安定したものにしておく必要があるという考え方もあります。
統一すれば国から財政支援を受けられる一方、統一しない場合にはペナルティが課される可能性もあります。現在の加入者への影響、将来世代への影響、国からの財政支援など、さまざまな点を踏まえ、慎重に判断しなければならない非常に重要な課題だと考えています。
川口哲也議員:市長、部長の答弁を聞くと、国保税統一は避けられない方向で国が動いているように感じます。しかし、市民にとっては重大な問題です。経済状況が厳しい中で国保税が上がることは、すぐに納得できるものではありません。県との協議では、市民にとって不利益ができるだけ少なくなるよう十分に協議し、激変緩和措置などをしっかり求めていただきたいと思います。
私自身も国保税を支払っており、これ以上増えることには厳しさを感じます。今後、負担増が避けられないとしても、市民への影響に十分配慮していただくことをお願いし、今回の一般質問を終わります。ありがとうございました。
