【2026年9月五島市市議会メモ】網本定信議員

【ご注意】

以下の内容は、五島市議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。

正式な会議録(議事録)を全文掲載したものではありません。音声からの文字起こしのため、聞き取りの誤り、誤字・脱字、固有名詞や数値等の記載誤りが含まれる可能性があります。

正確な発言内容については、後日公開される五島市議会の正式な会議録をご確認ください。

会議日時:令和8年9月8日(火曜日)午前11:00ー

1.五島中央病院の経営状況と地域医療の確保について

(1)五島中央病院の赤字を市長はどのように認識しているのか

網本定信議員
おはようございます。市民ネットワークの網本でございます。市民ネットワークは、市民の皆様の声や五島市の将来像について一般質問を行っております。

それでは、通告第1項目、五島の中核病院である五島中央病院の経営状況と地域医療の確保について質問いたします。今回、私が取り上げるのは、市民の命を守るため五島市は何をすべきか、という観点から、五島中央病院の厳しい経営状況と今後の五島の地域医療についてであります。

4月24日、奈留地区町内会長会議に出席した際、会議終了後に長崎県病院企業団から奈留医療センターの入院病床休床について説明がありました。その中で、五島中央病院が人口減少による外来患者の減少、物価高騰による経費増、看護師等の人材不足など厳しい状況にあること、そして奈留医療センターの入院病床休床について説明を受けました。

その後、6月議会では奈留医療センターの入院病床休床や海上での救急搬送等について議論があり、議会としても入院病床の休床に反対する意見を示しました。今議会では、市長から、来年4月から休床予定としていた方針について、住民の意見やこれまでの市との協議を踏まえ、市と協議した上で休床時期を決定したいという方向に変更されたとの報告もありました。

五島中央病院は、五島市民にとって単なる一つの病院ではありません。救急、入院医療、高度・専門的な医療、災害時の医療、そして島内の医療機関との連携など、五島の医療を支える中核的な医療機関です。離島である五島市にとって、病院の経営問題は単なる病院経営の問題ではなく、市民が安心して五島で暮らし続けられるかという、まちづくりそのものの問題だと考えます。

一方、人口減少、医師・看護師など医療人材の確保、物価や人件費の上昇など、公立病院を取り巻く環境は非常に厳しくなっています。私は、赤字だから五島中央病院を責めるということではありません。公的な病院には、採算だけでは判断できない医療を守る役割があります。問題は、この経営状況のままで将来にわたって五島に必要な医療を維持できるのか、ということであります。

そこで市長に質問いたします。五島中央病院の赤字を、市長はどのように認識しているのかお尋ねいたします。

市長
地域医療の最後の砦となります五島中央病院の経営状況と地域医療の確保についてお尋ねがございました。

まず、五島中央病院の直近の収支の推移についてお答えいたします。令和2年度から4年度にかけては、コロナ関連で国からの収入もあり、黒字を維持しておりました。ところが、コロナ禍以降は一変して、極めて厳しい状況に陥っております。

経常収支について申し上げますと、令和5年度が約2億2,400万円の赤字、令和6年度が約3億1,100万円の赤字、令和7年度が約2億3,500万円の赤字【要確認】となっております。

赤字の要因として、まず収入面では、人口減少に伴い患者数が減っています。病院の収入源となる入院や外来の診療報酬は、国が定める公定価格であり、自由に値上げすることができません。そのため、収入がなかなか伸びにくい状況です。

一方、支出面では、消費税率の引上げや最近の物価高騰の影響が重くのしかかっております。人件費や医薬品費なども増え続けています。

病院企業団もこうした状況を放置しているわけではなく、徹底した経費削減などにより、年間約5億円を超える規模の経営改善に取り組んでおります。しかし、増え続ける支出を企業団だけで賄うことは難しく、病院全体の経営状態はなかなか良い方向に向かっていない、非常に厳しい状況にあります。

加えて、五島中央病院は奈留医療センターの運営を支えるため、これまで毎年1億円程度、累計で約9億円に上る赤字の補填も行っている状況です。

現在の赤字の推移を見ると、このままでは近い将来、病院そのものが立ち行かなくなり、資金不足を引き起こしかねない、本当に危険な速度で進んでいると認識しています。

地域医療の最後の砦となる五島中央病院がこのような危機に直面しているという事実は、単なる一病院の問題ではありません。五島全体の医療体制の衰退につながる、極めて深刻な状況だと認識しております。医療が衰退すれば、人口減少をさらに招くのではないかとも危惧しております。

これから皆様と知恵を出し合いながら、地域の医療、五島の医療を守っていきたいと考えております。

網本定信議員
今、市長から五島中央病院の経営状況について、非常に深刻な状況であるとの認識を示していただきました。

五島市も長崎県病院企業団に対して負担金を拠出していると思いますが、これまで五島市の拠出額はどのように推移しているのかお尋ねいたします。

市長
五島市から企業団には、毎年13億円前後の負担金を拠出しております。

過去10年間について、五島中央病院、富江病院、奈留医療センターの3施設を合わせた拠出額は、累計で約126億【要確認】となっております。文字起こし上、正確な金額の聞き取りが困難なため、正式会議録でご確認ください。

(2)市は五島中央病院の経営にどのように関与しているのか

網本定信議員
それでは、五島市として五島中央病院の経営改善について、具体的にどのような支援や働きかけを行っているのかお尋ねします。

福祉保健部長
五島中央病院の経営への関与についてですが、長崎県病院企業団の運営会議には市の代表として市長が入っております。また、病院企業団議会には市議会から議員が就任しており、それぞれの会議の場で意見を述べる機会があります。

さらに、五島中央病院が主催し、具体的な経営課題や運営状況を協議する協議会に副市長が参画するとともに、市議会からも5名の議員が加わっております。こうした協議会を通じて、病院の経営状況や現場の実態を詳細に把握し、緊密な連携を図っている状況です。

網本定信議員
今後も人口減少が進めば患者数が減り、売上げが上がらないという状況になると思います。そうした厳しい経営状況が続けば、奈留医療センターを含め、さまざまな影響が出てくるのではないかと思います。

一方で、五島中央病院が市民から信頼される病院であるかどうかによって、患者数も変わってくるのではないでしょうか。スーパーや商店と同じように、利用者から選ばれることは経営にとって重要です。

経費削減や数値上の経営改善の努力は理解していますが、五島中央病院に対する患者としての市民の評価を、市長はどのように聞いているのかお尋ねします。

市長
まず、五島中央病院の経営が厳しい状況にあることについて、私は医師や看護師個人の責任ではないと考えております。先ほど申し上げたように、診療報酬は公定価格で自由に値上げできないことや、人件費、医薬品費などの増加が大きな原因だと思っております。

その上で、医師と患者の信頼関係についてですが、より良い治療を行うには信頼関係は大切です。人気のある医師のところには多くの患者が集まるという話を、私も実際に聞いたことがあります。

一方で、島外から来た医師から、五島の方言が分かりづらく、患者さんとのコミュニケーションに難しさを感じるという話を聞いたこともあります。

医師と患者、場合によっては看護師と患者、その間のコミュニケーションや信頼関係は本当に大事だと思います。お互いが相手に寄り添う姿勢が必要です。患者さんが『この先生なら信頼できる』と思い、医師も患者さんとしっかり向き合うことで、より良い診療につながることが望ましいと考えております。

網本定信議員
私も五島中央病院に入院したことがあります。看護師の皆さんには非常によく対応していただき、看護師の方々に対して申し上げることはありません。

ただ、今、市長も言われたように問題は医師と患者の信頼関係です。私のところにも、医師とのコミュニケーションについて『もう少し何とかならないか』という声が寄せられます。コミュニケーションの良い先生には患者が集まりますが、そうでない場合には信頼を得にくいという話も聞きます。

こういう状況を改善しなければ、数値だけを改善しようとしても患者数は増えていかないのではないかと思います。こうした患者とのコミュニケーションの問題について、経営に関する会議や病院企業団との協議の中で、どのような意見交換をしているのかお尋ねします。

市長
病院企業団の企業長や関係者とは、常日頃からよく話をしております。8月に行われた奈留医療センターの入院病床休床に関する説明会の際にも、関係者とよく話をしました。

企業団からは、できるだけ良い医師を派遣したいという話も聞いております。特に今後は、総合診療や在宅医療など、幅広く地域を診ることができる医師をできるだけ配置したいという考えも伺っています。

また、公益財団法人日本医療機能評価機構による五島中央病院の患者満足度調査があります。医師との対話について、入院患者では『とても満足』『やや満足』を合わせて9割近い一方、外来患者ではそれらを合わせて半分程度という結果があると承知しています。

すべての医師がコミュニケーションを取れないということではありません。患者さん側にも医師を信頼していただきたいですし、医師の側も患者さんの目線に合わせて診療・診察することが大事だと思います。こうした点については、私からも企業団にしっかりお願いしていきたいと思います。

網本定信議員
私も、医師との信頼関係が最終的には外来患者数にもつながっていくのではないかと考えています。良い先生の評判もありますが、悪い評判の方が広がりやすい面もあります。

五島中央病院では、医師が3年、5年という単位で替わることがあり、ようやく良い先生と信頼関係ができたと思ったら異動になり、次の先生とまた一からコミュニケーションを築かなければならない、ということもあります。

企業団にも医師配置の事情があることは分かりますが、医師に対して患者とのコミュニケーションについて指導していただき、関係が良くなれば外来患者も増え、五島中央病院の赤字縮小にもつながるのではないかと思います。

数値面の経営改善だけでなく、患者から選ばれる病院にするという視点も大事だと思います。今後どのように対応していくのかお尋ねします。

市長
地域医療の最後の砦となります五島中央病院は、これからもしっかり守っていきたいと思います。そのためには、まず多くの五島市民の皆様にこの病院を利用していただきたいと思います。

良い医師にも来ていただきたいですし、医師と患者さんとの信頼関係も築いていただきたいと思います。私たちの思いや市民の思いは、企業長や関係者にしっかり伝えていきたいと思います。

運営会議をはじめ、さまざまな会議の場で企業団と顔を合わせる機会がありますし、五島中央病院の院長先生とも話す機会があります。あらゆる場面を通じて、私たちの懸念や医師に関する話、今後の五島中央病院のあり方について、きちんと伝えていきたいと思います。

網本定信議員
現在の五島中央病院の経営改善について、病院企業団が設定した目標が達成できているのか。また、達成できていない場合、その原因を五島市として把握しているのか。市長はどのように考えているのかお伺いします。

市長
五島中央病院は極めて厳しい状況にあると認識しています。病院企業団において、将来にわたって医療を継続するための経営の適正化を図ることが不可欠だと考えております。

患者数に応じて、不採算部門を含む医療機能のあり方や病床規模の適正化なども検討が必要になるものと思われます。こうしたことを企業団にはしっかり検討していただきたいと考えております。

(3)赤字経営が続いた場合、病院機能をどう維持するのか

網本定信議員
少し視点を変えて質問します。人口減少は今後も続くことが予想され、医療従事者の確保も簡単ではありません。医薬品費、人件費、物価などの上昇も続いています。

そうした中で、今までと同じやり方を続けるだけでは、五島中央病院の経営改善は非常に難しいのではないでしょうか。

市長は、10年後、15年後の五島中央病院をどのような病院にしていくべきだと考えておられますか。限られた医療資源をどう活用し、五島市全体として持続可能な地域医療をつくるのか、その将来像を市、県、病院企業団、医療関係者、そして市民が一緒になって考える必要があると思います。

五島中央病院を、将来にわたって五島市民が安心して頼ることのできる中核病院として守っていく。そのために五島市としてできる限りのことをしていくという決意があるのかお尋ねします。

市長
五島市における二次救急や高度な医療を担う五島中央病院は、市民の生命を守る最後の砦となる病院です。

提供すべき医療の質と量には、これ以上は決して譲ってはいけない最低限のラインが存在すると思っております。経営効率だけを優先して、この最低限のラインを下回るようなことがあってはならないと考えています。地域そのものが崩壊しかねません。

現在、五島中央病院にはほぼすべての診療科がそろっている状況です。私は、この診療科が一つでも欠けてはいけないと思っております。

例えば、新上五島町では産婦人科がなくなった例があります【要確認】。一つの診療科がなくなり、さらに経営効率だけを優先して診療科が減っていけば、五島の医療サービスの低下を招き、若い方にとっても住みづらいまちになってしまいます。

今の五島中央病院にある診療科が、できる限り今後も残っていくことが望ましいと思います。そのためにできることは、いろいろやっていかなければならないと考えております。

網本定信議員
産科も非常に厳しい状況にあると聞いております。今年は民間の産科がなくなり、五島中央病院だけになっております【要確認】。新上五島町のように産婦人科がなくなれば、若い人たちの人口減少にもつながりかねません。

五島市でも産婦人科医や助産師などの確保が厳しいと聞いておりますので、経営だけではなく、産婦人科を五島からなくさないための努力を病院と話し合いながら進めていただきたいと思います。

最後に、五島中央病院の赤字が今後も続いた場合、どのように病院機能を維持するのか、市長はどのように考えているのかお尋ねします。

市長
五島中央病院は県と病院企業団の病院ですから、まずは企業団において徹底した経営改善の努力を図っていただきたいと思っております。

五島市はこれまで企業団に対して毎年13億円前後の負担金を拠出しています。それでもなお、地域に必要な医療機能を維持できないという事態に至ることは、あってはならないと思っています。

そうした事態に陥った場合には、従来の枠組みを超えた個別的かつ具体的な財政支援のあり方についても、避けては通れない重大な課題として検討しなければならないと考えております。

今後も人口減少、医療人材不足、人件費などの高騰が進む中、離島の地域医療を病院や自治体だけで守ることには限界が来ているのではないかとも考えています。

国の診療報酬や地方財政措置などについて、さらなる拡充策を国や県にしっかり求めてまいりたいと思っております。

網本定信議員
五島中央病院の経営がしっかりすれば、離島の医療も充実していくと思います。市長には、五島市民の命と健康を守るという強い決意を持って、関係機関との協議を進めていただくことを申し上げ、この項についての質問を終わります。

2.富江・日の出地区における県の農地基盤整備事業について

(1)工事による周辺地域への影響について

網本定信議員
続いて、富江・日の出地区における県の農地基盤整備事業に関連して、隣接する大石養鶏場について質問いたします。

大石養鶏場は、現在大変厳しい状況に置かれていると聞いております。私は大石養鶏場から相談を受けたわけではありませんが、事業承継後、仕事の内容をSNSで発信しておられることから、以前からその発信を見てまいりました。

日の出地区の工事が始まった頃から、工事の振動などで鶏の産卵量が減少し、経営が厳しくなっているという内容も拝見しました。

大石養鶏場は、五島市内で生産される産みたての新鮮な卵を市民の皆さんに供給する重要な事業者です。また、事業承継後には設備投資を行って飼育羽数を増やし、販路を拡大するとともに雇用も生み出してきた事業者です。

県の事例でも、事業承継を契機として作業の機械化・効率化、飼育数の増加、新たな販路確保、雇用拡大に取り組む事業者として紹介されています。

私は、このような事業者は単なる一民間企業ではなく、五島市の食料供給と地域経済を支える大切な一次産業の担い手だと考えています。

ところが現在、その養鶏場の近くで長崎県による基盤整備工事が行われています。私が事業者から話を伺ったところ、工事開始前には県から工事について説明があり、事業者は農業振興のためであればという思いから工事に理解を示したとのことでした。

しかし、その際には、実際の工事の規模や、工事によって発生する騒音・振動などが養鶏場の鶏にどの程度の影響を及ぼすのかについて、十分な説明を受けていなかったとのことです。そして工事が始まった後、騒音や振動などによって鶏の飼育環境に影響が出ているとの訴えです。

私は、この問題を『県が実施した工事だから県に任せればいい』という問題として片づけるべきではないと考えます。

市長は、この県の工事によって大石養鶏場の経営や鶏の飼育環境に影響が出ているという相談、あるいは情報を市として把握しているのでしょうか。また、市長自身はこの問題についてどの程度把握しているのかお尋ねします。

市長
富江における基盤整備工事による周辺地域への影響についてお尋ねがございました。

事業区域に隣接する養鶏場から、岩盤掘削による騒音等の影響があり、鶏の産卵量が減少したという申し出があったと伺っております。

この事業については、採択前から地域の関係者に対して事業内容や整備計画を説明しながら進めておりましたが、このように産卵量が減少したという申し出があったことについては、私自身、非常に残念に思っております。

申し出があった後、工事を発注した県では、岩盤掘削の影響をできる限り抑制する工法へ見直し、騒音の軽減にも努めていると伺っております。

また、産卵量が減少したことによる損失についても、発注者である県から補償が行われたと聞いております。

網本定信議員
補償が行われているとのことですが、実際にどのような被害が発生しているのか。市として養鶏場の社長に会い、具体的な内容を確認しているのかお尋ねします。

産業振興部長
工事開始後、産卵数等に影響があったということは養鶏農家から聞き取りを行っております。その話を聞いてすぐに県へ報告・確認し、現場での確認も行っております。

網本定信議員
現場で確認したとのことですが、例えば、工事による産卵数の減少、飼料の摂取状況、騒音・振動による鶏の行動、鶏舎や設備への損傷、養鶏場の経営への影響など、実態を具体的に確認しているのかお尋ねします。

産業振興部長
現場確認の詳細については、現在手元に資料がありません。

網本定信議員
『確認した』というのが、ただ現場に行ったというだけでは困ります。事業者にとっては、この問題によって事業が続けられるかどうかという厳しい状況です。

県の工事であっても、市内の事業者、農業者に具体的な影響が出ているのであれば、市として実態を把握し、どのような対応が必要なのか考えるべきではないでしょうか。

産業振興部長
市としては、事業発注者である県に対し、産卵数の減少による経営への影響や損失補償などについて話をしているところです。

(2)市として、影響を受けている事業者への支援策は

網本定信議員
今の部長の答弁を聞くと、『県の工事だから県に任せる』というふうにも聞こえます。私は、五島市には農業を振興する責任があると思います。

大石養鶏場は、事業承継後、設備投資を行い、雇用を増やし、市内の卵の供給を支えている事業者です。そうした事業者が困難に直面しているのであれば、市としてもっと実態を把握し、支援を考える必要があると思います。

県の工事であっても、五島市の事業者の事業継続に重大な影響が出ているのであれば、市長自ら県に対して状況の改善を求める考えはないのかお尋ねします。

市長
地元の皆様に五島産の新鮮な野菜や魚、そして卵を食べていただくことは大変素晴らしいことであり、私自身、養鶏業も大事にしていきたいと考えております。

今回の件については、産卵量が減少したことによる損失補償は、発注者である県から行われていると伺っております。

もちろん、現場の様子についてはこれからも確認する必要があると思っています。産業振興部とも相談しながら、もう少し現状を確認した上で検討したいと思いますが、現時点では市からそれ以外の支援を行うことはまだ考えていない状況です。

網本定信議員
県と事業者が話し合い、事業者が納得しているのであればいいのですが、補償の問題について本当に解決しているのか、市として確認しているのでしょうか。

産業振興部長
県と事業者の方が話し合いをしているとは聞いており、解決しているものと認識しております。

網本定信議員
今の答弁では、積極的に事業者を守ろうという姿勢が十分に感じられません。

大石養鶏場は、事業承継後に飼育羽数を増やし、設備投資を行い、販路を拡大し、雇用も生み出してきました。これはまさに五島市が進めてきた農業振興、事業承継、雇用創出の方向と一致する取組ではないでしょうか。

県の事例でも、大石養鶏場について、事業承継を契機に設備投資を行い、新たな販路開拓や雇用創出に取り組む事業者として紹介されています。

それにもかかわらず、公共工事によって事業継続が困難になるのであれば、これまでの農業振興策との整合性も問われるのではないかと思います。

市長にお尋ねします。大石養鶏場の事業継続を守るため、県に対して必要な対策を求めるとともに、市としても可能な支援策を検討する考えはないでしょうか。

市長
県にはしっかり相談をさせていただきたいと思います。そして、議員からそのような考え、ご指摘があったということも伝えてみたいと思います。

網本定信議員
農林水産業は五島市の経済に大きく貢献していると思います。人口減少が続く中、島内のスーパーなどでは島外資本の事業者も増えています。人口がさらに減少し、1万5,000人程度になったとき【要確認】、島外資本の企業が採算性を理由に撤退する可能性も考えなければなりません。

そのとき、島内に食料を生産し供給する事業者がなくなってしまえば、市民はどのように食料を確保すればよいのでしょうか。

五島の食料生産を担う地場の事業者を育て、地元で生産したものを地元の市民に供給し、経済が島内で回る仕組みをつくることが、五島市の将来にとって重要だと思います。

そうした事業者が消え、事業ができなくなれば、五島市にとって大きな損失です。養鶏業だけでなく、農業、林業、水産業を守ってこそ、五島の一次産業の発展、そして将来的に人口が減少しても島内で食料を供給できる体制につながると考えます。

五島で一生懸命産業を起こし、地元に新鮮な食料を供給している事業者を守ることが市の仕事ではないかと思います。もう一度、市長の考えをお聞かせください。

市長
五島を守るという私の思いは、これからもいささかも変わることはございません。その上で、地元の農業、漁業、畜産業を活性化し、地域を元気に保っていくことは、これから本当に必要になると考えております。

農業、漁業、畜産業が衰退して地域の元気がなくなれば、五島全体の元気もなくなると思っております。そうならないよう、一次産業をしっかり守っていきたいと思います。

畜産業については、国の畜産クラスター事業などを活用した支援も基本に据えております。この事業は収益性を高め、生産基盤を強化するもので、牛だけでなく豚や鶏も対象になります。施設整備や機械導入などへの支援もあります。

国の事業ではありますが、五島市も独自の上乗せ支援を行っております。畜産業については、こうした事業を基本にしながら、しっかり支えていきたいと思っております。

網本定信議員
いろいろな制度を活用すれば、今回のような事業者を守る方法もあるのではないかと思います。『現場を確認しました』『県に伝えました』というだけではなく、本当に五島の事業者を守るために、市として何ができるのかを考え、必要な制度や支援策を事業者に提案していくことも大事ではないでしょうか。

大石養鶏場は、単に卵を生産している企業ではありません。五島で生まれた新鮮な産みたての卵を、五島の子供たち、高齢者、市民の皆さんに届ける、地域に根を張った一次産業の事業者です。

その事業者が公共工事によって事業継続に不安を抱えているのであれば、行政として真摯に対応する必要があると思います。

私は公共工事そのものを否定しているわけではありません。公共工事も必要ですし、農業振興も必要です。しかし、公共工事によって農業者が犠牲になるのであれば、その両立を図るのが行政の役割だと思います。

『県の工事だから仕方がない』ではなく、どうすれば農業者、事業者を守りながら工事を進められるのかという視点に立って考えていただきたいと思います。

市長には県との間に立ち、必要な対応を求め、積極的に支援していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。