11月25日の決算委員会における委員長報告です。
全文資料は文字数が多いので、1000文字以内の要約版と合わせて紹介です。
産業経済文化会
【要約】
産業経済分科会では、農林水産、商工、観光、空き家対策、住宅管理など地域産業・地域活性に直結する予算執行の状況が多角的に審査された。
農林課では、五島食肉センターにおいて、牛のと畜数は増えたものの豚が減少した背景として、養豚業者の廃業により5者から4者になったこと、センター人材不足が影響していることが確認された。また4業者中2業者は市外のセンターへ搬出している実態も示された。
水産課では、新規漁業者支援として「チャレンジ水産経営応援事業」が開始され、クレーン導入や黒ムツ新規漁獲への挑戦が支援された。燃油対策では、市要綱で上限10円と定めている点が確認された。
商工雇用政策課では、雇用機会拡充事業が補助額・雇用実績で前年度を上回り、島外からの雇用も一定数確保されていると評価された。スポーツ振興課では、スポーツ合宿の受入が増加し、クロスカントリーコース整備や体育館機材の拡充が要望として上がっている。
文化観光課では、観光促進予算が大幅増となったが、入り込み客数は4.6%減となった理由として、ドラマ効果の反動や海上タクシー廃業によるツアー減少が分析された。産品PR委託では、都市圏でのフェアやバイヤー招聘を長崎国際テレビに委託している。
地域協働課では空き家バンク業務をNPOに委託し、窓口運営・現地撮影・マッチングを実施。建設課の市営住宅では徴収率100%を達成した一方、604万円の滞納繰越が残り、島外退去者が把握困難であることが示された。
指摘事項では、観光客増加、ガイド育成、スポーツ合宿誘致、食肉センター改善、水産藻場再生、自然公園整備、危険空き家対策強化など、地域活性化に向けた多岐の改善が求められた。
教育福祉分科会
【要約】
本分科会では、こども未来課、長寿介護課、社会福祉課、教育委員会、国保健康政策課を中心に審査を行い、少子高齢化や人材不足を背景とする事業運営上の課題が浮き彫りとなった。
まず「ファミリー・サポート・センター事業」では、依頼会員に対して提供会員が著しく少ない現状が指摘された。高齢化により提供会員が確保できない一方、出産後の保健師面談でほぼ全員が登録するため、依頼会員は実利用を上回る人数となっていることが明らかになった。
「若者めぐりあい交流イベント事業」では、カップリング数に比して成婚数が少ない理由が問われ、縁結び隊の増員と活動強化に取り組む方針が示された。支所単位で新たなサポーターを募り、将来的に縁結び隊として活動できる体制づくりを進めるとしている。
長寿介護課では「介護支援専門員実務研修補助金」が未執行となった理由として、該当者がいなかった点が説明された。また「長寿祝金制度」の見直しにより、88歳への祝金を廃止し100歳のみ支給としたことで、426万円の削減効果があったことが示された。
社会福祉課では民生委員の欠員が問題となり、定年延長に伴う人材不足や地域関係の希薄化が背景と説明された。今後、定数見直しも検討する姿勢が示された。
教育委員会では教職員宿舎の空き家を一般住民に貸し出さない理由が議論され、方針として空き家は市長部局へ移管するが、転勤に備え一定数を確保する必要性が確認された。
国保健康政策課の特定健診受診率は県内21市町中19位と低迷しており、抽選による特産品提供や訪問勧奨などの取り組みが紹介された。
最後に、婚活支援の実効性向上、介護人材確保、民生委員定数確保、離島留学体制の見直し、検診受診率向上などが指摘・要望事項としてまとめられた。
総務水道分科会
【要約】
総務水道分科会では消防・政策企画・財政・未来創造・生活環境など、市の基盤機能に関わる広範な事業の審査が行われた。
消防本部では、旅館・ホテルでの自衛消防訓練の立会いが「ゼロ」となっている点が質され、実施はされているが、立会いを依頼する場合のみ計上される仕様であることが確認された。また非常備消防費では、台風被害を想定していた修繕が不要となり、約274万円の不用額が生じた。
政策企画課では、ふるさと納税業務をスチームシップ社へプロポーザル方式で委託した点、広報誌委託料が資材高騰・人件費増で280万円増となったことが説明された。ふるさと納税経費が寄附額の50%を超えても国の指定取り消しになっていない理由として、国の判定期間が10月〜翌9月である点が確認された。
財政課では、臨時財政対策債の利率が国のルールで10年ごとに見直され、後年度利子が約2,435万円増になったことが報告された。奈留支所の庁舎管理費が増えた理由として、緊急対応可能な警備員配置による人件費増が示されている。
未来創造課では、雇用機会拡充事業の実績が「ゼロ」となった背景として、新規採用者が途中退職したことが挙げられ、年度内に雇用するよう指導中である。生活環境課では、火葬場・浄富苑の需用費が物価高騰と設備修繕で倍増した点が議論された。
指摘事項として、ふるさと納税の魅力向上と経費管理、防災・避難所整備、DX推進、浄化槽補助拡充、税収納率向上など、市の基盤強化へ向けた要望がまとめられた。
