五島市議会議員選挙2025の票数分析

市議2期目の当選

中西だいすけは2025年2月9日投開票の市議選挙で、1110票、5位で当選させて頂きました。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s087/010/010/010/050/060/20250209182432.html

支援者の方々を始め、今回の寒くて厳しい選挙を支えてくれた全ての皆様に感謝です。

さて、票の分析の前に、個人的な感想としてあと1票あれば良かったなと思いました。

そうすれば、1が4つ並んで大変覚えやすい票数でしたが、惜しかったです。

しかし逆に、1と0だけで構成される票数も、デジタル感があって良いのかな、と思いました。

物事は捉え方次第で良くも悪くもなりますね。以下、票の分析です。

候補者の偏差値

偏差値って受験以外ではあまり聴かない用語ですが、実は数のばらつきを見るための指標として、簡単に計算する事が出来ます。

今回は過去最多の候補者がいた事もあってか、割と票数がばらけた印象です。

No名前2025票数偏差値
1木口 利光1,59672.4
2荒尾 正登1,42967.6
3田口 勇1,42667.5
4古里 賢一1,16059.8
5中西 大輔1,11058.4
6柳田 靖夫1,03956.3
7谷川 等93653.3
8川口 哲也89852.3
9出口 浩一87951.7
10草野 久幸85551.0
11片峰 亨82050.0
12山崎 早苗76248.3
13松本 晃66845.6
14野茂 勇司臣55842.4
15下山 春雄55642.4
16網本 定信55542.3
17山田 洋子54342.0
18勝本 政裕54041.9
19丸田 敬章53441.7
20元村 進45239.4
21宗 清仁37337.1
22野澤 努35136.5

偏差値の求め方

https://excelcamp.jp/media/function/9008/

票数の増減

2021年から2025年の票数の変化をまとめました(新人はオレンジ棒はありません)。

中西だいすけは前回6位当選で今回は5位なので、順位は一つ上がりましたが、票数の減少率ー13%です。

他の候補者も前回から増減がある中、私自身も減少した部分や新規獲得が出来なかった要因の分析が必要と感じました。

No名前増減率
1下山 春雄24%
2荒尾 正登9%
3片峰 亨4%
4草野 久幸-3%
5谷川 等-4%
6松本 晃-7%
7中西 大輔-13%
8木口 利光-14%
9野茂 勇司臣-26%
10網本 定信-27%
11柳田 靖夫-37%
12丸田 敬章-40%
13山田 洋子-54%

全体として票の変化を見る中で、議会での活動(一般質問や広報活動)はあまり票の増減に大きく寄与せず、寧ろ議会活動以外の要因で票数が増減したように思います。

議員活動と票数の関係

議会活動は様々あり、言うなれば外出している時間の全ては議員活動(政治活動)だと捉える事も出来ます。市民からの質問や要望は24時間いつでも受け付けていますし、休みがないと言えば休みがありません。そうした中で、議員として任意に出来るのが一般質問です。一般質問にはそれなりに労力がかかります。

ざっくりと言うと、テーマの選定・調査から台本作成があり、下調べにそれなりに時間も労力も係ります。議員としては、市民生活の向上のために質問をする事を目的にしていますが、そうした手間暇のかかる一般質問を通じて、少しでも有権者の皆様から評価して頂きたいという下心があったりします。ですが、2025年の五島市議会選挙の結果を見る限り、寧ろ一般質問の回数が少ない議員の方が票数を伸ばすという悲しい現実があったりします。

名前質問回数票の増減
木口 利光0-14%
谷川 等2-4%
荒尾 正登49%
片峰 亨64%
野茂 勇司臣8-26%
柳田 靖夫11-37%
中西 大輔14-13%
松本 晃15-7%
草野 久幸16-3%
網本 定信16-27%
丸田 敬章16-40%
山田 洋子16-54%

一応相関係数をとったところ、―0.5という事で弱い相関係数(一般質問の回数が多いほど票の減少が大きい)が示されます。

これをどう解釈するかという問題ですが、五島市の選挙の場合、一般質問を真面目にしているかどうかは、選挙の票数に殆ど影響しないという事です。それ以外の要因が票数の変化に影響を与えていると言えそうです。

現職への評価は集票率で見る

現職議員への評価を分析する際に、単純に票数のみの増減を比較すると、以下の点を見落としがちです。

  • 人口の変化(多くの自治体では減少)
  • 新人による票の流れの変化

こうした点を考慮した概念として「集票率」で見てみます。

集票率=獲得票数/有効投票数

という事で、候補者がどれだけの割合で有権者から票を取れたかを見る事ができます。現職の候補者は、この数値を4年前と比較することで、どれだけ支持率が変化したか、確認する事が出来ます。

現職議員の集票率の変化

名前20212025増減
荒尾 正登6.4%7.9%1.5%
片峰 亨3.9%4.5%0.7%
谷川 等4.7%5.2%0.4%
草野 久幸4.3%4.7%0.4%
松本 晃3.5%3.7%0.2%
中西 大輔6.2%6.2%-0.1%
木口 利光9.1%8.8%-0.3%
野茂 勇司臣3.7%3.1%-0.6%
網本 定信3.7%3.1%-0.6%
丸田 敬章4.4%3.0%-1.4%
柳田 靖夫8.0%5.8%-2.3%
山田 洋子5.8%3.0%-2.8%

新人への期待値

今回の選挙では、現職10、元職2、新人10という形で過去最多の新人が出馬しました。新人の集票率を合計した所、

  • 新人合計:41%(7名当選)
  • 現職+元職合計:59%(11名当選)

という事で、新人への期待値も高い事が伺い知れました。

選挙カーでの名前の連呼と選挙活動

4年前の選挙では、候補者本人が車に乗っていないような陣営があったり、15時ごろには活動を終了させている候補者もいましたが、当選していました。今回の選挙でも、夜遅くまで名前の連呼をしている後者もいましたし、おそらく私以外の全ての陣営は、選挙カーで名前の連呼をしていたと思います。

私は街頭演説を中心に、多分一番多く街頭演説をしたのですが、相対的に大きく票を減らす事はありませんでした。そこで感じた事は、「名前の連呼はしなくても選挙は戦える」という事ですが、逆に従来通りの名前の連呼をしていたら、結果はどの程度変わっていたのだろう、と思います。私の知人からは、「(中西陣営は)あんまり回ってこなかったね」という言葉を頂きました。確かに連呼を止めた分、「集落を回って来た」という認知度は低かったのだと思います。

当然、選挙カーで回るにしても、全ての地域の全ての人たちに都合よく回ってきたことを伝えられる訳でもありません。それに五島の場合、多くの有権者(特に郡部に行くほど)は、選挙の前にあらかじめ投票先が決まっている事が多いように感じます。

告示日の1~2か月前になると各陣営も動き出し、事前運動すれすれの政治活動が展開されているように思います。そして告示日の前には「既に○○さんからお願いされているから」という形になるため、実質選挙期間中に動く票というのは非常に少ないように感じます。

そうした事も踏まえて考えると、名前の連呼をするしないに関わらず、8割近くの票は告示日の前に固められているのではないでしょうか。

議員の平均年齢

2021年の改選時は平均年齢が61歳だったので、2025年は65歳がほぼ平均となります。(失職した議員は3名)

今回の選挙を通じて、

  • 候補者22名の平均年齢:60.2歳
  • 当選者18名の平均年齢:60.6歳

という事になり、全体的に5歳ほど若返る結果となりました。ただ、まだまだ平均年齢を引き下げるために、若手の政治志望者が増える事を望んでいます。今回の選挙では、若手が同じ長崎の対馬・上五島から応援に来てくれて力強く感じました。