五島市ではかねてから、観光促進に力を入れています。
ところがコロナで医療体制が脆弱な五島市は、観光客への呼びかけもあり激減し、そこから徐々に回復していった経緯があります。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s054/030/020/010/010/R4toukeisho.pdf
観光入込客数の推移
コロナ後は大盤振る舞いとも言える観光促進キャンペーンも行いました。
それに加え、メディア露出の効果も大きかったと考えられます。
令和6年度のデータはまだ手元にありませんが、令和元年と同等水準ではないでしょうか。
宿泊施設は1.5倍に
R5年は宿泊客実数が過去最高であるとの事でした。それ以上に、コロナ下の令和元年から施設の数が1.5倍に増えたのは驚きです。
国境離島新法による補助金制度も大きく影響していると考えられます。
まだまだ少ない外国人観光客
宿泊施設の数は増えた一方で、外国人は大きく伸びていない状況です。
過去最高、と分析がありますが、増加率は微々たるものであり、本土と比べると雲泥の差だと感じます。
観光推進・次の一手は?
最近では「孤独のグルメ」も上映され、メディア効果もまだある程度は期待が出来そうです。
しかしながら、世界遺産・日本遺産・ジオパークと、従来市が推進してきた観光施策もそろそろ新規性が薄れメディアや映画の追い風ブームも一段落したように感じます。
市では観光促進の次なる一手として、インバウンド需要の取り込みや富裕層向けのコンテンツ作成(ヘリでの遊覧)に予算を計上しています。
観光促進の課題
お金が落ちる仕組みがない
市が推進する観光促進の課題は、観光地である教会や島にお金が落ちる仕組みがない事です。
五島市ではオーバーツーリズムの問題も発生していませんが、観光客が増えた場合に地元との軋轢も生じると考えられます。
市は観光が経済波及効果が高い、としていますが、経済自体は「穴の開いたバケツ状態」です。
かつてクジラの捕鯨で栄えていた五島では、
一頭獲れれば7浦潤う(7つの集落に恩恵が及ぶ)
と言われていました。観光も同じように、
観光客が1人来れば7人が潤う
仕組みの導入が必要ではないでしょうか。
観光客と地元の人が共に潤う仕組みとして、宿泊税・入島税の導入は必要だと感じています。
ガイド不足
これも従来から言われている事ですが、ガイドが不足して高齢化している状態です。
こちらは民間の方でもうまい仕組みを考えて、現在現役で活躍されている方からの知識伝承が必要と考えています。
季節に左右される
これは五島市観光の永遠のテーマですが、夏に忙しく、冬は閑散としています。
五島市では椿祭りを開催するなど機運醸成に努めていますが、根本的な解決には程遠い現状です。
ただ、それでも何とか観光事業者は回っているので、これから新規で開始される方は、閑散期の稼ぎ方も検討していく必要があると感じます。