五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。
日時 2024/6/24 10:00ー
目次
高齢者を取り巻く現状と課題について
山田 雨の中バラモンキングに595名のアスリートが参加。大会運営の方々お疲れ様でした。開催にあたり、尽力された野口市長は任期最後になり、引退を惜しまれる声をたくさん聴いた。ご尽力されたことに感謝とお礼を申し上げる。今議会でも貴重な意見・要望を市政に届けていただき発展に繋げていきたい。現在65歳以上を前期、75歳以上を後期高齢者としている。少子化の進行による若年人口が減り、日常生活に不安を抱える人が増加傾向にあり、認知症・介護の備えが大きく取り沙汰されている。五島市における高齢者の現状と課題は。
市長 身に余るお言葉を頂戴し感謝。65歳以上は14449名であり、10年後12664名、20年後は10690名と減少。高齢化率は49.4%、52.9%となり高齢化率は上昇する。65歳以下の人口が減少するため。要支援要介護は2861名。9期介護計画では2900人代、その後も増える見込み。基本理念として高齢者が生きがいを持って暮らせる街づくりをめざしており地域包括ケアシステムが大事。介護人材の確保が必要。対策事業を展開し、事業者と連携してノーリフティングに取り組んでいるが、人手不足が深刻化している。介護予防対策として、リスク抑制が大事と考えている。6000名以上の高齢者が社会参画できていないと考えるため、課題解決に取り組みたい。
山田 ご答弁ありがとうございました。高齢者は人口は減るが割合は増え、要支援介護者も増える。高齢者世帯・独居高齢者に接する機会が増えた。病気や介護への不安を多く耳にする。H12の公的保険制度である介護保険料は市区町村ごとに決められるが、21市町の中で五島市は3番目に高い保険料となっており、算定方法が気掛かりと思うが、高い要因は。
介護保険料の算定方法について
福祉保健部長 H27ーH29では県内で最も高かった。その後ミニデイなど社会参画を促進して第7期には3番目まで抑制できた。9期は3番目。比較検討したところ、高齢化率、介護認定率に大きな差はなし。一人当たりの介護給付費が高いことが要因。ケアプランの検証が必要だが、独居が高く、多くのサービスを利用する必要があるので、プラン検証は慎重を期すべき。就業率が高ければ介護保険料は低い傾向にある。因果関係ではないが、働くことによりリスクの低減に繋がると考えられる。
山田 詳しい算定方法は。
福祉保健部長 介護保険の財源は国が25、市と県で12. 5%ずつ、残りを保険者で負担する。費用のうち、自己負担は介護事業所に払われている。第2号の保険料は健康保険などの算定方法により決められる。第1号は3年間に必要な給付額に、23%を乗じて見込み人数で割って算出する。介護保険料も高く算定される。負担能力に応じた形にするため、全体を十三段階にして低所得者への負担増にならない仕組みにしている。
認知症予防対策の取組について
山田 収めるのが大変という声を聞く。負担の見直しも必要だが、介護予防が大事だと思うがこれまでの取り組みは。
福祉保健部長 第9期計画策定に合わせて、認知症施策推進計画を策定。66%が該当している。H29の白書では2025には5.4人に一人が認知症になるとの事。介護給付費の抑制に繋がるので、早期発見に繋がるようにチーム結成。医療や介護のサービスに繋げる事業。年間70ー80を対象としており、述べ300件を超えて活用されている。誰かとの会話機会を増やすことが大事であるため、カフェや集うことを啓発している。参加者はお喋り環境を喜んでいる。出前講座、医療機関への一覧は相談窓口のケアパスを設置している。
山田 保険料をどうしたら安く抑えることができるか、市民に周知してもらいたい。R2年10月現在の単独世帯は、3710世帯で22.6%。夫婦は18.0%。県内の自治体と比較しても、単独世帯は小値賀の次に高く、高齢者世帯ある4番目に高い。見守り対策は五島市において喫緊の課題の一つだが、対策は。
認知症高齢者等の見守り対策の取組について
福祉保健部長 ネットワーク協議会で高齢者の異変に気付いた場合の対応を定めている。更なる連携強化に努めている。高齢者異変の件数は少なくない。SOSネットワーク事業もある。QRコードを貼り付けして読み込むことで、番号が案内される。早期発見した事例は数ないが、本人特定に役立っていると評価されている。見守り機器導入補助もある。昨年度は遠隔カメラ、熱感知センサー、家電や機器があり、活用は10件。島外にいる家族に情報発信を行い見守り体制を強化していく。
山田 昨年度から導入された機器のセンサーやGPSを導入しているが、10件と少ないようだが、どのように周知しているのか。
福祉保健部長 ケアマネ・HP・町内会長会議の場で紹介している。チラシを同封して案内もしている。
山田 行き届くような周知をお願いします。防災無線の告知の県で、行方不明は昨年8件。今年は2件。徘徊・独り歩きは発見が遅れると死亡事故に繋がる可能性もある。徘徊への対応をどうしたら良いか、市はどのようにアドバイスをしているか。玄関ドアの交換補助などを講じる考えはないか。
福祉保健部長 徘徊はウロウロ歩く目的があるが、認知症の世界では尊厳を守るため見守りしか手立てがない。厚労省では、徘徊の制限は拘束を意味するので、行動制限をすることは難しい。セキュリティサムターンは、防犯含めて現在検討していない。
山田 見守りだけでは無理があるとお伝えしたい。外部との接触を意図的に遮断するのは、身体的虐待と見做されることは理解。地域の見守り支え合いが必要だが、切迫性、非代替性、一次性というものがある。特例があることも踏まえ、個人の尊厳を踏まえた適切なアドバイスができるように支援をお願いしたい。
介護人材確保の取組について
山田 離職率は全職種より低く、高齢化が進みサービス維持に必要な人が足りない。2026年は30029名と述べているが、これまでの取り組みと実績は。
福祉保健部長 介護人材対策補助事業に3つがある。介護初任者研修への補助、5年間で53名の実績。生活援助支援の研修の9割を補助。R2−5で24名の実績。介護支援専門員の研修旅費の一部補助。R2−4に90名が活用。ケアマネの維持に繋がっている。介護職員宿舎刈り上げ事業、月額3万円上限に補助。今年度は新規で3名、合計6名の申請。介護福祉士養成の奨学金支給をしている。負担軽減を図り、高齢者支援の低下を図る。借上など有効な事業となっているとのこと。ハローワークと連携したオンライン移住説明会を参加するなど、ノーリフティングの島推進など、人材確保に取り組む。
山田 あらゆる方策に取り組んできた事は高く評価する。実績を調べたら179名の実績。毎年のようにGHが廃止・休止に至っている。どれだけの人材が不足して、どれだけの数値を目指しているか。
福祉保健部長 人材の定数が満たされているため、今後不足する人数として、求人数は90名とある。第9期計画では数値目標は設定せず、年齢層が高いので今のうちの確保が必要。現在から増えないように介護予防に力を入れることが重要。
山田 2年目の時に初めて質問した。介護福祉のなにも分からないでしょう、という言葉を頂き、介護職に従事することにした。机上だけでは理解できないことや現場の大切さがわかった。仮眠も十分にとれず、子育て家事との限界を何回も感じた。そんな時に利用者の声に励まされて継続できた。介護福祉士の資格を取得した。在宅の認知症、高齢者の役にも立てたらと思う。地域の環境は様々である。きめ細やかな対応をお願いします。
国境離島島民割引カードについて
登録状況について
産業振興部長 R6年5月で約28000人。率は8割弱。1773名が準島民。
山田 準島民は大学進学、介護のための来島も拡大された。準島民のうち介護のための登録者、申請要項について
産業振興部長 420名のかたが介護の方で登録されている。申請時に介護の要する方の要支援人認定の書類、関係性がわかる書類、来島計画、写真、身分証明書が必要。更新時は年6回以上の来島実績、航路航空路の証明書類が必要。
山田 回数の見直しは検討できないか。
産業振興部長 国の取り扱いの中で単なる帰省と区別するために設けられている。声は届けたい。
カードの発行手続について
山田 有効期限が5年とされており、窓口混雑予想されるが対応は。
産業振興部長 市民課の窓口でしているが、年度末は臨時窓口を設置して対応している。
山田 庁舎内で撮影するサービス設置については。
産業振興部長 マイナンバーは電子データが主であるため、デジカメで撮っているが、冬眠カードはアナログで運用されている。窓口で行うと煩雑となり混乱する原因となる。条件を満たしていればスナップ写真でも良いのでご理解頂きたい。
山田 写真店も数店舗しかなく、行き来するだけでも負担との声があった。高齢者はスマホ・印刷機を扱えないかたが多いため、市民サービス向上のために要望したい。
利用者の利便性向上について
山田 マイナンバーカード、免許証で島民カードの代替ができないのか。
産業振興部長 マイナンバーに載せることで、利便性が上がると思っているが、高いハードルがある。全国の有人国境離島の書式で発行されているが、現在のところ協議されていない。航路航空路の場合専用の読み取り機が必要となる。加えてネット予約の場合、マイナンバーの場合、カードの表面に載せることができず2枚のカードが必要となる。各事業者のシステム改修が必要となる。県協議会は働きかけているので、問題解決されれば利用は可能になる。
山田 有効期限が切れていたり、島民と証明したいとの声が挙げられている。島民カードの電子化は検討できないのか。
産業振興部長 システム開発・導入費用など多額の費用が必要だが利便性の向上に繋がるので協議会に連絡したい。
山田 R9の3月末に期限を迎える。国や県に働きかけを行い、離島法の改正に向けて取り組んでもらいたい。
火ノ岳登山道の整備について
山田 火ノ岳は昨年3回登った。登山道の整備はどうしているのか。
建設管理部長 西海国立公園の自然公園。年に2回整備している。
山田 地元団体の方が新たに登山道を整備しているが、市の支援はできないのか。
建設管理部長 市で管理している登山道とは別の道を整備していることは知っている。草木の伸びの変化によっては活用できるとのことなので、国への要望を行なっていきたい。引き続き現状の草払いで対応したい。
山田 ジオパーク活用支援としたセラピーロードの取り組みもあった。ジオ・観光の観点から整備は考えられないか。
地域振興部長 景観を楽しむことができる場所として、楽しむことができる。地域団体による観察会が実施されたり、ウォーキングコースの提案もあっている。既存の登山道とは別に整備した維持管理では、団体の方と話をしたいと思っている。
山田 崎山地区の統廃合があり、子どもたちが遊べる機会が減り、自然の中で遊び場を作ろうとなったと聞いているので支援をお願いします。
ハラスメント防止に関する単独条例制定の考えは
山田 ハラスメントとは、言葉や行動で相手に不快な思いをさせたり尊厳を傷つけりすること。悪意がなかったとしても不快な感情を抱けば成立するとされている。いじめといえば、学校や家庭だけでなく職場でのいじめ、ハラスメントが社会問題として取り沙汰されているが、職場における防止規程を制定されている。規定と条例の違いは。
総務企画部長 条例は議会の議決によって決まる自治立法。法律や政令と同じく法的な効力を持つ。規定は内部でのもの。
山田 規定の内容は。
総務企画部長 趣旨は良好な勤務環境の確保、能率確保、ハラスメント防止、排除の措置、適切に対応できる措置を定めている。職員の責務、委員会の設置、懲戒処分について定めている。
山田 どういった相談窓口が設置されているのか。周知はどうなっているのか。
総務企画部長 公平委員会、労働組合がある。外部として心の健康窓口を設置している。労働局相談コーナーがある。毎年4月に掲示板を設置して窓口の周知をしている。
山田 ハラスメント被害の相談窓口件数は。
総務企画部長 R5に1件の相談を受けている。
山田 昨年のアンケートでは72名が受けたことがある。150名が見聞きしたことがあるとされたが、相談窓口は1件のみ。職場内の同僚・上司の方が相談しやすいのではないかと思う。専門性が高い人の配置が必要では。
総務企画部長 総務課では問題解決が困難な場合は苦情処理委員会を設置することとしている。解決に至らない場合は事実関係を調査して審議して問題解決としている。
山田 相談窓口の機能を充実してほしい。条例という形でないが、対応していくとの話があった。制定する考えはないか。
総務企画部長 市長が答えた通り、人事院規則で対応している。他の多くの自治体も同様。規定で定めており、ハラスメント防止、排除、職員一体となって取り組んでいきたい。
山田 人事規則で理解した。昨年6月と3月議会ではハラスメントの質問があった。議員から職員に対するハラスメントがあっているとの声があった。指摘するだけでなく、自らも対処に努めなければいけない事案と考えている。議員によるハラスメント調査を実施する予定であり、より一層強化されるのではと期待している。政治分野での事例を少し話をしたい。近年、政治を志す人はに対して、投票の見返りを目的としたハラスメントも起きている。議員自身が誹謗中傷を受けて人権侵害を受けてもハードルが高く、法的措置をとる以外に解決に至らないケースが殆どである。憲法では表現の自由が保障さえており、不適切、意地悪、不快な行為がされるようになった。サイバーハラスメントとして問題視されている。事例を2つ。
一つ目は、山田さんの後ろ姿が載せられているが、嫌悪感があるとのお問合せがあった。すぐに子供と買い物をしていた時のものと思い、非常に傷つき恐怖感を感じた。肢体をみだりにとってはいけない肖像権の侵害になるわけだが、犯罪にはならない。
個人を特定できるような表現で、以前勤めていた会社を辞めたのはハラスメントが原因だ、や公に虚偽を吹聴しているというケースもあるが、刑法上犯罪にはならない。人権侵害行為に対しては、どんな職業であろうとも名誉毀損や侮辱罪で訴えることができると広く知ってもらいたい。相手の社会的評価を低下させる行為をする議員には厳しく対応して行かなければ、いつまで経っても変わらない。
アンケートを集計するだけでなく、抑止力となる分も考慮した上で、率先して取り組むべきと述べておく。
市長のこれまでの総括について
山田 これまで、これからの思いを。
市長 8月26日に市長選挙に初当選して、2期目には人口減に挑むを加えた。3期目にはコロナ対策と景気浮揚を掲げた。スローガンは結集で、五島市の市政に勤めた。合併算定替えの終了が1番怖かった。30億円がなくなると、市の財政は立ち行きがならないという思いがあり、国の方に訴えてきた。総務省がきた時に話をさせて頂き、長崎市の田上市長と一緒に訴えて20億円を復元した。農林水産業では燃油価格高騰の助成制度創設。H25の離島振興法改正の交付金を活用した。支援の対象が28品に拡大されて生産基盤の強化、雇用の場の創出に努めた。産学官で五島のつばきプロジェクトが始まり、吉永小百合さんのPRも始まった。マグロは長崎県の一台拠点となった。雇用の場の確保で企業誘致に取り組み、3社を誘致。H29は雇用拡充支援を積極的に活用し、261事業、638名の雇用を産んでいる。市議会、商工会議所の協力を頂き促進区域に指定されて崎山沖でウィンドファームが進み、潮流発電を実施。観光については幅広い分野に展開。修学旅行は体験型観光に力を入れて誘致を図り35校を受け入れた。H27年から日本遺産、H30は世界遺産、R4はジオパークで数少ない3冠達成。観光客数はコロナで激減し、昨年はH29と同程度まで回復。ドラマのロケ地で知名度が大きく向上した。富裕層向けのホテルも開業した。UIターンは体制を強化して移住者に寄り添った対応を行い、6年連続で200名を超えており昨年と同じ水準で推移。高齢者の集いの場作りとしてミニデイを42ヶ所で実施して見守りの場となっている。交通はちょいそこを実施している。大浜地区ではごみ焼却場を稼働して公害防止協定を結んでいる。災害対策拠点として支所庁舎の建て替えを行なった。多子世帯の支援も先駆けて行なった。教育はプロジェクトGを実施。学校存続と市外からの島留学を実施。離島留学の活性化に努めている。学校の統廃合を着実に行い耐震化を実施。タブレット端末を配備した。少子化が進む中で、子供たちの教育環境を考慮して統廃合を進めた。12年間で11校の閉校に立ち会った。昨年4月に図書館が開館し、鎧瀬センターもオープン。念願の社会増を達成して、昨年も達成。新たな将来推計人口は20191名であり、2000人増加した。市の力を結集した成果だと思う。評価は市民の皆様にお任せしたい。