五島市の人口推移
五島市の人口の社会増が3年ぶりに達成されたとニュースになりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/993584d665bd0113066b0bc0b8eb2726c2b6dc20
「五島は人口が増えている」
と誤解されることが多いのですが、全体の人口は減少しています。
人口動態 = 社会増減 + 自然増減
であり、
社会増 < 自然減
のため、トータルで見ると大きく減少しているからです。
そのため、「3年ぶりの社会増!おめでとう!」と一喜一憂している場合ではありません。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000032871.html
2019年~2023年の4年間では人口減少が2,213人、減少率は6%になります。
五島市で言えば、奈留島以上の人口がいなくなってしまった事を意味します。
こうした中で、人口の社会増は、焼け石に水と言えるくらいの小さな影響です。
社会増達成の主な要因は外国人
長崎新聞の記事によると、
外国人は、転入者が19~21年に50~60人台だったのに対し、22年は186人、23年は171人と増加。留学生や技能実習生の受け入れが進んだ。
とあるため、社会増の達成は外国人の転入による効果が大きいと考えられます。社会増の全体では約13%が外国人によるものです。
また、市の移住支援施策などを利用したU・Iターン者は過去最多の270人とされていますが、全体に占める割合は20%です。8割の方は、市の窓口を介さない形で転入しています。
人口減少対策は順調か?
上述のグラフからも分かる通り、人口の自然減(死亡者数ー出生数)に歯止めがかからない状況が続いています。
これは日本全体としても同様の傾向であり、自然減の拡大が続いています。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2022np/index.html
4年前の2020年年頭の市長コラムでは、
自然動態は、近年減少幅が450人前後で推移しており、なかなか減少に歯止めがかからない状況で、これがこれからの課題となります。
と述べていますが、それから4年間の実績として、自然減の平均が553名となり、4年前より100人以上悪化しています。
https://static.nagasaki-ebooks.jp/actibook_data/n11_20010102950_koho_goto01/HTML5/pc.html#/page/2
五島市では特定検診やがん検診、健康寿命の延伸プログラムを実施していますが、特に男性の平均寿命は長崎県内でも低い水準とされています。(R3の平均寿命は長崎県内の21市町村で男性21位、女性10位)
少なくとも、人口減少対策の優先順位が正しかったのか、自然減対策の取り組みは十分だったのか、検証が必要です。