委員会を終えて
議員として3回目の議会・委員会に参加して、改めて感じたことを残しておきます。
地方自治や今後の目指すべき方針について、少しでも参考になれば幸いです。
地方自治体・依存体質
本日は、五島市という市町村を数字の面から解説していきます。
令和2年度の決算報告によると、一般会計が歳出349億、特別会計は124億となっています。
これだけではピンと来ないかもしれませんが、同程度の人口規模である自治体と比べると、かなりの金額です。
例えば、人口規模が同じ3万5千人台の山形県新庄市は、令和元年度の歳出が184億円となっており、五島市の約半分です。
http://www.city.shinjo.yamagata.jp/s014/020/R1Shinjosi_kessansyo.pdf
逆に、歳出規模が350億円規模の自治体としては、秋田県の大舘氏がありますが、人口は五島市の倍の7万人規模です。
人口当たりの予算規模
非常にざっくりとした計算にはなりますが、五島市はよその自治体と比べると、
人口1人当たり2倍の予算を使っている事になります。
そもそも、なぜ五島市は3万6千人規模の人口でありながら、350億円もの予算が必要なのかでしょうか?
一言とで言えば、「島が沢山あるから」です。
- 本土との航空路の維持に係る費用
- 沿岸部の護岸の維持管理費用
- 島外へ産品を出荷する際の燃料費の補助
など、陸続きの本土と比べると、圧倒的に社会生活を維持するコストが高い点が挙げられます。
国・県への依存
それでは五島市は、そのお金をどうやって工面しているかというと、国・県からの補助に大きく依存をしています。
その地方自治体でどれだけ自主的にお金を賄えているかを示す、自主財源比率というのがありますが、
五島市はずーっと20%台のままで推移し、8割の予算を、国と県からお世話になっています。
そこで生じる問題としては、
本当に必要な事業にお金が使われているのだろうか?
という点です。
昨日の委員会でも話題になりましたが、
この計画は何のために作られているのか?
という事が多いです。
五島市には過疎債、辺地債など、借金をした時に、国が7割以上を肩代わりしてくれるという、非常に有難い制度(有利な起債)があります。
五島市としては、こうしたメニューを最大限に活用し、
出来るだけ手出しを少なくしながら、社会インフラの維持や事業を行っている
という感じです。
悪く言えば、国におんぶに抱っこ、というような状況です。
依存体質のリスク
依存体質のリスクは、
- 単独での事業がしづらく
- 何でもかんでも国や県の言うとおりになってしまい
- 市町村としての自主性・自立性が失われる事
です。
このような状態の基で、
持続的に地域が発展していけるのだろうか?
と疑問に感じます。
地域の未来を考えた時、自主・自立を目指しながら少しずつ自主財源の比率を高めていくべきだと思います。
そうでない限り、本当に住民にとって必要なサービスを提供できないのではないかと感じています。