【五島市行革大綱3】社会情勢の変化に対応できる組織づくり

社会情勢の変化

前回に引き続き、行革大綱への一言コメントです。

社会情勢の変化に対応できる組織づくりの章を見ていきます。

①簡素で効率的な組織・人員体制 

15.第4次五島市定員管理 計画の推進

第4次五島市定員管理計画における職員定数の実現

R2.4.1(定数) 一般470人 → R7.4.1(定数) 一般455人

と表記され、3%減です。しかし、本気でBPOやRPAの導入が進めば、更に多くの定数削減が可能ではないでしょうか。

おそらくこの数値は、「減少する自治体の歳入」ベースで算出しているはずですが、「本来のあるべき姿」から逆算すれば、劇的に少なくなります。

16.民間活力(BPO)及 び多様な人材の有効活用

BPOについては、全面的に導入すべきですが、いっその事庁舎の窓口業務自体、民間に委託した方が良いのかもしれません。

BPOの推進が進めば、そもそも効率化するべき仕事自体がなくなります。

一番非効率な事は、無駄な仕事を効率化する事です。

参考記事

②仕事の効率化

17.水道事業経営戦略の推 進(事務処理の効率化)

安全で良質な水を安定して供給しつづける水道を目指 し、水道事業の経営環境の変化(水道施設の老朽化に伴 う更新時期の到来、人口減少に伴う料金収入の減少な ど)に対応するため、水道事業経営戦略を策定した。こ の計画を実施することで、経営基盤の強化を図る。

更に RPA・BPOの導入や口座振替率の向上をはじめとし た事務処理の効率化に取り組み、人件費を削減する。(繰り返し)

これは水道事業経営だけでなく、五島市という組織全般に同じ事が言えます。

上述の通り、そもそも論から議論をする必要があるでしょう。

18.「RPA(定型作業の 自動化)・AI(人工 知能)」の導入

ここでも「16」との整合性が問題となります。

五島市が独自で検討する場合はRPAの導入ですが、各自治体でも同じような環境の変化に直面しているので、極力「車輪の再発明」をしない事が肝心です。

その意味では、「将来的に有望なBPO先を見つける」という発想の元、「事務作業を役所から手放す」という方針の方が、望ましい気がします。

19.「音声自動文字起こし システム・テレビ会 議」の導入・有効活用

①音声自動文字起こしシステムの導入。 ②テレビ会議の有効活用

とあり、それぞれの数値目標が提示されています。

しかし、数値目標を見る限り、手段が目的化してしまっている印象です。

本来であれば、「いかに仕事を減らすか?」がテーマであるはずなのに、「どれだけ沢山、ツールを使うか?」という部分がゴールになってしまっています。

20.ICTを活用した鳥獣害対策の推進

こちらは積極的に導入を進めるべきと感じます。

 

21.ドローンを活用した 安全で効率的な現地確認

こちらはテーマが多岐に渡るので、別記事にて考察します。

 

③職員の意識改革と人材育成 

22.内部統制制度の導入・ 推進

こういった仕事にこそ、AIを活用すべきですが、そもそもBPO出来ればリスクもアウトソース出来ますので、やはり「減らす」発想が必要です。

 

23.人事評価制度の推進

平成28年度から導入した人事評価制度について、公 正かつ透明性の高い精度の運用を行うとともに、評価結 果を職員の人材育成や給与、処遇等への反映に活用し、 人事管理を推進していく。

とあります。

この問題の本質は、

公平性に関する職員の心理状態が、いかに改善されるか?

という部分ですので、一人一人の職員と向き合いながら、首長が手腕を発揮すべきテーマだと感じます。

24.職員研修の充実・提案制度の推進

これについては、何のためにそれを推進するのかという、目的の部分がピンとこない印象です。

窓口での市民満足度は既に85%と高いはずだし、5年後の目標値でも、わずか2%の向上しか目指していません。

これも「制度の積極的な活用を図る」という、手段の部分が目的化している感じがします。

④ワーク・ライフ・バランスの実現 

25.働きやすい職場環境の 整備

職員が意欲を持って職務に従事し、持てる能力を十分 に発揮することができるように良好な職場環境を整備す るとともに、職員の働き方に対する意識改革を促す。

とありますが、これを達成するための成果指標の設定(衛生委員会、ストレスチェック、男性の育休取得)がこれで大丈夫なのだろうか?という印象です。

経営のトップが、

五島市の目指すべき方向性

から逆算して、業務革新とセットの問題として、より一層コミットして取り組むべきテーマです。

26.職員の健康保持増進に 向けた取り組みの推進

国の働き方改革の意向に沿った方針ですが、「数値的な休みの量」を増やすだけでは、結局どこかにしわ寄せが来ます。

多くの民間企業では、この現象が起きていると聞きます。

業務を減らす事を最大限に実現できれば、自然に働く時間そのものが減りますので、そちらの方にフォーカスすべきです。

まとめ

業務革新では、「そもそも論」の検討が必要です。

何のためにそれをやるのか?

を問い直し、自治体として

やるべき事 /  やるべきでない事

をより明確にし、

  • 制度のための利活用
  • ツールのための目標設定
  • 組織のための職員

とならないような、取り組みが必要です。

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