前回は、1年目の方針についてご紹介しました。
今回は、2年目以降の方針についてです。
公共下水道計画
市長答弁によると、
公共下水道会計は年間1億7,300万円の赤字になるという試算がされており、福江地区公共下水道計画は極めて困難
であるため、
今後の財政を考えると、現在の福江地区公共下水道計画は凍結せざるを得ないというふうに考えております。
とあり、財政負担に繋がる事業には着手できない構造となっています。
合併算定替終了後の財政運営
H25年9月の木口議員の質問によると、
五島市での平成32年度普通交付税額は、平成23年度に比べ31億円減額すると試算されています。
この五島市一般会計歳入総額の5割を占める地方交付税の大幅減額は、市政運営そのものの危機と行政サービスの大幅な低下を招きます。
今後県や県内合併市町と連携し、強力に国への働きかけを強めるとともに、行財政改革に継続して取り組むべきと考えますが、いかがですか。
という質問に対して、市長は
まず我々が取り組むべきは、この31億円をできるだけ圧縮をするということに取り組む必要がある
と述べ
私自身も市長会や県と連携いたしまして提言、要望を行っており、ことしの6月に総務省の佐藤自治財政局長が来島した際には、五島市の厳しい状況を説明
したり、
上京する際など、あらゆる機会を捉えまして、国や関係者への要望を行っているところ
だと述べています。要するに、なるべく減らされないように陳情するという取り組みです。
行政負担の軽減と市民負担
一方で、市民の痛みを伴う行財政改革も行われています。例えば健康保険では、
先般、(国保の)保険税の改定をさせていただきました。(市長に就任をして国保の状況を見て、これは早急に対応が必要だということで)
また、毎年5億2,500万円かかっているごみの焼却費用についても、ごみ処理基本計画を策定する中で、大幅な削減を図ってまいりたいと考えております。
それから、総事業費130億円を要する現在の福江地区公共下水道事業についても、凍結せざるを得ない
と述べ、
現在、市民の皆様が受けている行政サービスの引き下げもお願いせざるを得なくなりますし、当然職員の給与制度の見直しも行いたいと思っております。
と続けています。
税収の向上策
H25.9月の議会では、相良議員からの提案としてファイナンシャル・プランナーの活用が提案されました。この中身は、
税金滞納者の借金を整理したり、家計を見直ししたりして、生活水準を向上させ、税収アップにつなげる自治体がふえているということです。
この提案に対して、市長は
早速その活用について検討してまいりたい
と前向きな回答をしました。
ちなみに、財政課長の答弁では、滞納額について
平成25年8月末現在の滞納額でございますが、市民税、固定資産税、軽自動車税、都市計画税の一般市税の合計約5億2,500万円、国民健康保険税で約3億7,300万円となっております。
とあり、かなりの金額が滞納されていました。
まとめ
2年目も引き続き、将来的な交付税の削減という厳しさを前に、減らすべきところは減らし、負担を増やす部分は増やす、という取り組みを着々と進める方針だったことが分かります。