五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。
そこで、議事メモを残しています。
記載分は、2019年6月26日の内容です。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s001/010/010/010/100/20190316160308.html#01
※内容は必ずしも全てを反映している訳ではなく、正確でない部分もありますので、ご容赦ください
目次
1 観光行政について
1 5月の大型連休は多くの観光客だったが、観光施設などの対応はどのような状況だったのか
A. 世界遺産登録後初めてであったため、前年度比で観光客数は倍増した。(数値は明石議員の質問参照)
https://nakanishidaisuke.com/2019/07/01/%e3%80%902019-6-%e4%ba%94%e5%b3%b6%e5%b8%82%e5%b8%82%e8%ad%b0%e4%bc%9a%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%80%91%e8%b5%a4%e7%9f%b3%e8%ad%b0%e5%93%a1/
Q. 客が多いという事で対応が難しかったと思うが、五島に来た人が本当に満足できたのか、心配をしている。今回の件は、将来五島市が観光客数が40~50万に増えた場合の状況だったと思う。今後はどのような方向性に持っていくのか、心配になった。観光関係者と対応策について、どのように協議をしているのか。
A. これまでは懐疑的に設備投資を躊躇っていた業者もいたが、今回これだけ観光客が来た。新たな設備投資に対しては国境離島新法の補助金が使える。宿泊施設の改修補助で500万円も使える助成金もあるので、ビジネスチャンスを活かしてもらいたい。
2 久賀島の配車サービスの実証実験について
A. 背景は、観光シーズンの移動手段が不足していたこと。そこで、島民がドライバーとなり、観光客とのマッチングを図る実証実験を行った。登録運転手は合計5名。タクシー事業者の経営に影響を与えないよう、タクシーが不足している場合のみ、利用できる仕組みとした。2組が利用した形となった。「運転手との出会いに感謝」との感想も頂いた。今後は事業者との協力しながら進めていく。
Q. 今後世界遺産の次にジオパークの推進を掲げ、五島市の観光の従事者・経済も活性化すると思うが、久賀島の配車サービスの実証実験を今後どう生かしていくのか?
A. 白タク懸念に対しては、国土交通省の通達に従っている。地元の事業者の売上を奪ってしまっては逆効果なので、本格運行にあたっては慎重かつ丁寧な運航が必要と考えている。
Q. いずれは五島もUberが利用できるような流れになると思うが、今後久賀島でそういった実験をしようと思っているのか?それを福江島に持ってきたりする予定は?
A. 今後の久賀島では、タクシーの運転手になるには2種の免許が必要。しかし、高齢化による担い手不足が深刻化するので、まずは課題解決に向けた検討、地元の方の意向を慎重かつ丁寧に伺う予定。久賀島以外での運行は、現在のところ考えていないが、過疎地は移動手段が困難になると予測される。地域住民の移動実体に合わせて、持続可能な交通網を再構築する必要があると考えている。
Q. 五輪・江上教会の維持のために行政がお金をつぎ込んでいるが、堂崎の場合は料金が設定されている。全国的にも同じ。世界遺産の維持管理は行政だけではなく、入場料を徴収し、負担軽減をしないのか?
A. 江上天主堂は、長崎大司教区の財産となっている。文化財という立場から、行政から維持費を拠出している。旧五輪協会は市の財産なので、市で管理をしている。江上は今の状況では入場料の徴収を考えていない。旧五輪は市の方で維持管理をするので、入館料を取ると考えていない。今後、多額の維持管理が必要である場合は検討をする。
Q. 将来の事を考えると、五輪も含めて検討が必要。
3 観光物産課と観光協会のワンフロア化について
A. H26度に受け入れ態勢強化を目的に、共同執務室を開始。H27の民泊の受入れを観光協会と実施。H28からは観光物産課に統一し、3社でのワンフロア化。その後、手狭だったために移転。物産では機能確立の効果はあった。執務室が合同庁舎になり、観光案内所の業務に支障があり、H29にターミナルに戻った。
Q. H26~共同執務を実行していたが、スタート地点の目標はどうだったのか?
A. 目的は世界遺産登録を見据えた受入れ体制の整備
Q. 五島の観光を見据えた場合、観光協会・行政・観光業者の3者が連携しないと上手く機能しないと考える。観光の意思疎通が大事。現在は観光協会と行政の意思疎通がないように感じるが、現状はどうなっているか?
A. ワンフロア化した後、キリシタン物語というツアーや民泊の受入れをするなど成果が上がっている。現在も連携を密にしながら行っているという認識。先日も、観光事業者との間で対話の場を設けた。今後も連携を密にしながら進めていきたい。
Q. 事業者に聞くと、観光協会と五島市の連携が十分ではないと聞く。今はバラバラ。観光協会は案内で精いっぱいであると聞く。今後の五島市のビジョンも共有できていないと感じる。一つになって行かないと、今後の組織体制が一つでないと上手く行かないと思われる。市長の見解は。
A. 五島市の観光規模を考えると、五島市と観光協会は一緒にいて仕事をした方が良いと考えている。市の方は観光と物産はセットで考えている。究極目標は観光物産協会として全てが一つになること。観光の案内所も離れた場所にあると、対応がスムーズに出来ないという強い要望があり、嫌がるのをくっつけても問題が出るので、観光協会が離脱した。それでもお互い連携は必要なので、これまで以上に連携を図りながら、進めていきたい。
Q. 一定の効果を上げたから別れたという言葉もあったが、効果が出ているならば別れる必要はないと考える。どうして強い要望として観光協会が出ていきたいと言い出したのか、そうした状況の中で、観光の先行きを心配に思う。意思疎通をしていくために、どのような体制にしていくのか。
A. 観光協会も総会を開き、新しい体制になると認識している。一定の効果があったから別れたのではなく、観光協会の強い希望で出ていったという経緯がある。
Q. 五島市の将来的な観光を強くするために一つになったのに、結局出ていったという流れ。当初、観光協会の役員は現在と異なるため、五島市・観光協会・業者の一体性が今後の課題になると感じる。
2 五島市における行政改革について
1 市職員の働き方改革について
A. 長時間労働の是正・有給の消化を奨励。職員の時間外勤務を促し、有給の取得計画を策定。今後は、職員の仕事に対する意識を変える事が大事。
Q. 数字的には節約をしている、との答弁だったが、国では働き方改革が叫ばれている。行政においてもそれは通じていると感じる。ペーパーレスとかを推進し、行政的には経費の取り組みでどのような事をしているか。
A. 行政経費の削減の取り組みは、第三次行政改革の大綱に基づき、28億円の効果を上げている。歳入を増やし、歳出は公共施設の民間移譲を行っている。来年度から第四次に向けて検討中。今後のアクションプランの中で検討をしていく。
Q. 今後人口が減り地方交付税も減る。職員も減らす状況の中で、職員の仕事が今までの仕事のままで良いのか、という点もある。再度、地方交付税が減らされても上手く仕事がして行ける状況はどのように作っていくのかが課題。PCを取り換えるという話もあるが、PCの使い方によっても仕事の量は変わる。そうした点は、今後どのように改革をしていくのか。
A. AIとかRPAを活用した業務の効率化を検討している。例えば、農業の方で畑の確認作業は現場に職員が行っていたが、ドローンで撮影して、AIで確認をするという実証実験をする予定。RPAは教育委員会で、事務費をエクセルで財務会計に移すという膨大な作業が発生している。それをシステム化し、職員が定型的な事務作業を減らせるように進めている。
Q. 働き方改革の中で、民間は効率化して取り組んでいる。つくば市ではAIやRPAを活用し、80%を削減できたという実績もある。五島市も職員の削減に伴って仕事も効率化の検討が必要。議会の方でもペーパーレス化に向けて視察をしている。タブレットを使った議会運営を勉強している。行政改革の事務量軽減に向けて、タブレットの導入効果を検証したところ、経費の削減が達成できたという数字もある。議会もペーパーレス化に取り組み、効果が上がれば広がると考えている。行政経費の削減に関する市長の考えは。
A. 議会のタブレット化は、議会の方で検討してもらえれば、と思っている。私はタブレットを自分用に持っているが、個人用のタブレットは個人情報のセキュリティの観点から分けなければいけない。そのため、2つ持たなければいけない。不便極まりない。タブレット一つあれば問題解決、という訳ではない。
Q. セキュリティの問題は、議会の中で執行部の情報は入ってこないようになっている。市長が言ったような、執行部と議会の情報が独立したものだという点を聴いたので、その点については便利さを求めていく予定。
A. 議会で議論をして頂きたい。発信という点では外の世界とつながる部分はあるので、議会と話をさせて頂きたい。
2 行政経費の削減について
A. 第三次行政大綱に基づき、5か年を期間として取り組んでいる。特例による財政支援からの脱却を図り、持続可能な行政を行う上で大切な年度。定員適正計画により、人件費の減少を図り、累計31億円の普通交付税の減少になっているが、行革による財政効果として28億円を計上。歳出構造の転換を図っている。現在、第4次の計画作成にあたり、委員会を設置。引き続き、行政改革に取り組む予定。
3 高齢者運転の状況について
1 高齢者運転に対する市の対応は
A. 安全確保のために返納をすると、日常生活に影響が出る。定時予約型タクシーを運行しているので、周知を図る予定。
2 高齢者運転事故について市の対応は
A. 五島自動車学校の協力により、安全教室を実施。シミュレーションの体験型の教室を開催し、高齢者が加害者にも被害者にもならないように努めている。五島市安全協協会により、タクシーとバスの利用券を交付している。交通弱者は公共交通機関を使うので、路線バス事業者に補助を行い、利便性の確保に取り組んでいる。交通弱者の移動手段確保に努めている。
3 高齢者の免許証返納施策について
Q. 返納をした人にはタクシーバスチケットを配布しているが、返納は累計332人の返納が出ている。事故の面では返納する動きが進んでいる。将来にわたって高齢者の運転は非常に厳しい状況になると思うので、五島市としても取り組んでいきたいと思っている。いろんな市において、返納の支援事業として、行政も免許返納に力を入れている。五島市はチケット以外にない。今後、ますます高齢化し、免許を返納した後、身動きが取れない状況が予想されるが、対応策は考えているか?
A. 市によって考え方が大きく二つ。一つは返納者に対するクーポンを与えるやり方。もう一つは、免許を返納した人だけに対する返納は不平等だという考え方。免許を返納した人も、免許証を持たない人にも、交通弱者としての対策をするというのが私の考え方(後者の立場)。国の大綱では、高齢者向けの運転免許制度の創設を目指している。五島市としては、全ての人を対象とした支援をする考え方ではないため、交通弱者すべてを対象とした交通確保を図っていきたい。
Q. 平等に支援するという事で理解。高齢者フリーパスに対して補助を出すことも考えられる。全国的にも課題として取り上げられている。公共交通に対して、田舎は車がないと移動できない1面もあるので、免許返納後も動けるような策を考えてもらいたい。五島市は五島市で、高齢者のための対応策を考えてもらいたい。