長崎県五島市の福江島では、空き家の増加が地域の大きな課題となっています。人口減少や高齢化、相続問題などを背景に、管理されない住宅が増えることで、防災、防犯、景観、衛生面に影響が出ています。
町内会長会議でも、空き家対策の強化を求める意見が複数の町内会から出されました。
空き家対策が進んでいるように見えない
江川町第三町内会からは、空き家対策が以前から進められているものの、一向に進んでいるようには見えないとして、現在どのようになっているのか質問がありました。
意見では、「自分の財産は自分で守るのが義務ではありますが、持主が不在で放置されている」と指摘されています。
空き家には、所有者が市外に住んでいる、相続人が複数いる、解体費用を負担できないなど、さまざまな事情があります。しかし、近隣住民にとっては、倒壊の危険、害虫や猫のすみか、防犯上の不安など、日常生活に関わる問題です。
町内会からは、早期解決を望むとともに、その地域に再び人が住めるような開発にまで持っていってほしいとの要望も出されました。
台風・火災・防犯上の不安
向町町内会からも、空き家対策の強化について意見が出されました。
空き家が急増しており、台風や火災などの災害、防犯上の問題、猫のすみかになることなどを心配しているとして、よりスピード感を持って対策を強化してほしいと求めています。
五島市の空き家対策
五島市管理課は、管理が不十分な空き家の把握に努め、空き家法に基づいて現地調査を実施していると説明しました。
また、所有者や相続人の調査も行い、空き家の所有者には適切な管理を促す注意喚起を行うとともに、修繕や解体に関する情報提供も行っています。
ただし、空き家の管理は基本的に所有者の責任です。市外に居住している所有者や、相続者間の問題が原因で、解体や修繕が進まない物件も見られるとのことです。
相談会や意向調査も実施
五島市では、空き家問題の増加を防ぐため、空き家を所有している人や管理に悩む人を対象に、弁護士や宅地建物取引士を招いた相談会を年数回開催しています。
さらに令和6年度からは、放置すると危険な空き家の所有者を特定し、意向調査を実施しています。空き家の有効活用に向けた取り組みも進めているとのことです。
市民から寄せられる空き家に関する情報や問い合わせにも随時対応し、管理不全な空き家などの早期解消に努めていると説明しています。
空き家を地域の負担から資源へ変えられるか
空き家問題は、単に危険な建物を取り壊すだけでは解決しません。移住希望者への住宅提供、地域の再生、若い世代の定住促進など、まちづくりの視点も必要です。
五島市福江島では、空き家を放置すれば地域のリスクになりますが、適切に活用できれば地域資源にもなります。所有者責任を基本としながらも、行政、町内会、専門家が連携し、スピード感のある対応を進めることが求められています。
