R8年9月/長崎県議会/議事メモ/田川正毅議員

【ご注意】

以下の内容は、長崎県議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。

正式な会議録(議事録)を全文掲載したものではありません。音声からの文字起こしのため、聞き取りの誤り、誤字・脱字、固有名詞や数値等の記載誤りが含まれる可能性があります。

正確な発言内容については、後日公開される正式な会議録をご確認ください。

令和8年9月15日(火)

1.農業の振興について

(1)中山間地域振興について

田川正毅議員
おはようございます。西海市選出、自由民主党の田川正毅でございます。これより一般質問を行います。早速ですけれども、通告いたしておりました質問についてお尋ねいたします。

まず、農業の振興について、中山間地域振興について質問いたします。

中山間地域の農業振興について、農林水産省は中山間地域等直接支払交付金約285億円、農山漁村振興交付金約70億4,500万円【要確認】を計上し、中山間地域での農業振興に努めております。

しかし、中山間地域では、高齢化、人口減少の進行により耕作放棄地が増加し、農業生産力が低下しております。また、商店や医療・福祉サービスの維持が困難になり、生活道の除草、清掃作業などの共同作業や、お祭りなどの伝統文化を守るコミュニティが弱まり、集落維持に必要な機能が弱体化しております。

このような状況を踏まえ、農家を含めた地域コミュニティの機能を維持していくためには、新たに組織的な活動を推進する施策が必要と考えます。

そこで農林水産省は、地域運営組織、いわゆるRMOの構築を図るための支援事業として、「農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業」を設けております。

組織の概要は、小学校区など複数の集落が集まる日常生活圏を単位として結成し、住民、各種団体、行政などが協働で運営するものとされております。

県内の地域を残すためには極めて有効な事業と考えますが、当該事業の取組状況と市町への周知状況について伺います。

農林部長
本県における農村RMO形成推進事業の取組や市町への周知状況についてのお尋ねでございます。

農村型地域運営組織形成推進事業は、中山間地域におきまして、人口減少や高齢化が進む中で、将来にわたり農村地域の共同活動や地域コミュニティを維持できる体制を構築することを目的に、複数の集落や自治会などが連携した協議会、いわゆる農村RMOを設立し、農用地の保全や地域資源の活用、生活支援など様々な取組を支援する事業となっております。

具体的には、地域の話し合いを通じた将来ビジョンを策定し、ビジョンに基づき実施される草刈りや遊休農地の活用、地域特産品の開発、買い物支援や高齢者の見守り等の実証事業を支援するものでございます。

県内におきましては、平戸市の獅子・飯良地区【要確認】での高齢者の見守りを兼ねた農産物の集出荷体制づくり、松浦市の田代地区でのもち麦やヨモギを用いた特産品の開発、五島市の山内地区での地域キャラクター「やまぼん」【要確認】をシンボルとした特産品の販売、西海市の雪浦地区でのアオモジを活用したアロマウォーターの試作などに取り組まれております。

県といたしましても、地域の維持に必要な取組を進めていく上で有効な事業と考えていることから、市町と連携し、伴走型による継続的な支援を行いますとともに、さらなる事業活用に向けて、市町を対象とした説明会や研修会の開催などを通じ、農村RMOに対する理解醸成と事業周知に努めているところでございます。

引き続き、地域コミュニティ機能の維持・強化に向け、市町や関係機関と連携しながら、農村RMOの形成・発展を積極的に支援してまいりたいと考えております。

田川正毅議員
今回、農林水産省に陳情を行った際にも、「予算はまだあります。ぜひ活用してください」というお話をいただきました。

既に県内数か所で制度を活用した事業があるということですが、この制度の有用性を説明し、さらに他の地域に対しても働きかけをしていただけるのか、ご答弁をお願いします。

農林部長
先ほども答弁しましたとおり、さらなる事業活用に向けましては、市町を対象とした説明会や研修会の開催など、農村RMOに対する理解醸成と事業周知に努めているところでございます。

県内では、先ほど答弁しました平戸市や五島市、松浦市などの優良事例もございますので、そういった事例をしっかりと広げられるよう、県としても周知に努めたいと考えております。

田川正毅議員
ありがとうございます。そこで知事に特にお願いしたいのは、この制度の中に「地域を残す」という考え方がございます。「地域を残す」といえば平田知事だと思いますので、このことについてお話をいただきたいと思います。

知事
「地域を残す」ということは、私も県政の基本的な柱の一つに据えて、これからしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

農村、漁村、あるいは街中など、いろいろな地域があるわけでございまして、やはり地域に合ったやり方で、地域の維持に取り組んでいかなければならないと考えております。

農村につきましては、今回の農村RMOの活用などについて、その意義や今後の周知の方針を農林部長から答弁させていただいたところでございますが、まさに農村において地域の維持・強化に必要な取組を進める上で有用な制度であると考えております。

地域を残していくためにも、この事業の活用について、私どもとしても積極的に対応していきたいと考えております。

田川正毅議員
ありがとうございます。様々な制度がございますので、ぜひ県の職員の皆さんには、国の制度をより早く、他に先んじて取り入れ、農業振興に努めていただきたいと思っております。

(2)みどりの食料システム戦略の推進について

田川正毅議員
次に、みどりの食料システム戦略についてお尋ねいたします。

農林水産省は、持続可能な食料システムの構築に向け、「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに目指す姿として、農林水産業のCO2ゼロエミッション化、化学農薬の使用量50%低減、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量30%低減などの目標を掲げております。

そのうち化学肥料の低減については、地域の肥料資源の一層の活用に向けた取組を推進するとされております。

実際に化学肥料の原料はほぼ輸入に依存しておりますが、国際情勢の変化によって輸入が困難となる事例もあり、食料安全保障の観点から、また肥料コスト低減の観点からも、地域資源の有効活用が不可欠です。

特に畜産業が盛んな本県においては、家畜ふん堆肥を有機肥料として活用し、化学肥料を削減する取組を進めるべきと考えます。

そこで、本県における家畜ふん堆肥を活用した肥料化の事例と、今後の取組についてお尋ねいたします。

農林部長
本県における家畜ふん堆肥を活用した肥料化の事例と、今後の取組についてのお尋ねでございます。

県といたしましては、化学肥料の使用量や肥料コストの低減を図るためには、これまで主に土づくりとして使用されてきました家畜ふん堆肥を、肥料として活用することが重要と考えております。

そのため、豚ぷん堆肥を肥料原料として有効活用するため、令和5年度にJAグループに対しまして、堆肥ペレット製造装置の導入を支援したところであり、この豚ぷん堆肥ペレットを原料として開発された低コスト配合肥料について、県内のばれいしょ、ブロッコリー、温州みかんなどで活用を進めた結果、直近の令和7年度は約830ヘクタールの農地で使用されているところでございます。

また、近年の国際情勢の影響等により肥料価格が上昇傾向にありますことから、6月15日に普及指導員や市町担当者、農協職員等を対象とした肥料価格高騰対策会議【要確認】を開催し、家畜ふん堆肥の導入による化学肥料の削減効果の共有や、削減量を計算するアプリの活用について研修を行ったところでございます。

今後は、低コスト配合肥料の利用品目の拡大や、家畜ふん堆肥の肥料代替利用のさらなる促進など、化学肥料の使用量や肥料コストの低減につながる取組を進めてまいります。

2.水産業の振興について

(1)環境変化の影響と対策について

田川正毅議員
次に、水産業の振興について、環境変化の影響と対策についてお尋ねいたします。

海水温の上昇等の影響により海洋環境の変化が見られ、沖合・沿岸漁業において、魚種の変化や漁獲量の減少が懸念されております。

本県水産業への影響についてどのように把握し、対策を講じられる考えなのか、お伺いいたします。

水産部長
海洋環境の変化により漁獲される魚種の変化や漁獲量の減少が懸念される中、県はどのように把握し、対策を講じるのかとのお尋ねでございます。

本県の漁業生産量は、ここ20年間、23万トンから32万トン程度【要確認】で推移しておりますが、漁獲される魚種には変化が見られており、県では統計の分析のほか、漁業者からの聞き取りも行っております。

気候変動の影響が考えられるものとして、磯焼けの進行によるアワビ、サザエなどの漁獲が減少している一方、南方系のアカハタの漁獲が増えており、特に沿岸漁場への影響が見られております。

このため県では、新たな漁法の導入や養殖業との組み合わせなどに取り組む漁業者を支援するとともに、漁獲対象種として要望の強いアカハタの種苗生産技術の開発を行うなど、対策を講じております。

(2)磯焼け対策について

田川正毅議員
本県では長年にわたり、磯焼けが大きな課題となっております。

これまでの取組の成果もあって、県の最新調査では藻場面積は目標を上回るまで回復したとのことではありますが、南方系ホンダワラ類が増加する一方で、アワビやサザエなど磯根資源の餌として有用なアラメ、カジメ類などの多年生海藻が減少し、「豊かな藻場が戻った実感はない」という声も聞かれます。

引き続き、県が南方系ホンダワラ類を活用した藻場回復に取り組まれることは重要と考えますが、アワビ、サザエなどの磯根資源の餌として有用なアラメ、カジメ類や、ワカメ、昆布を対象とした藻場回復にも挑戦すべきだと考えております。

あわせて、藻場は二酸化炭素の吸収源としての機能も有しており、近年関心が高まっているブルーカーボン・クレジット制度の活用は、公的支援だけに頼らない持続的な藻場保全活動にもつながるものと考えております。

温暖化の進行により容易ではないものの、将来を見据え、積極的に取り組むべきと考えますが、県の磯焼け対策についてお伺いいたします。

水産部長
アラメ、カジメ類などの有用海藻の再生及びブルーカーボン・クレジットの活用を含め、今後どのように磯焼け対策に取り組むのかとのお尋ねでございます。

県では、アラメ、カジメ類を含め藻場回復に取り組んでいますが、水温の上昇により、県内沿岸域の多くは生息に適した環境ではなくなりつつあり、高水温に耐性のあるアラメ、カジメ類の育種等の研究が必要であると考えております。

そのため県では、高水温下でも生存しているクロメを用いた人工種苗を育てており、今後、高水温耐性を持つ選抜育種に取り組むこととしております。

選抜育種は技術的に容易ではなく、また相応の期間が必要と見込まれますが、国や大学などとも連携し、藻場造成へ活用できるよう努力してまいります。

また、ブルーカーボン・クレジットの取組につきましては、藻場保全活動を持続的なものにしていく財源として有効な方策であると考えております。

このため、クレジットの取得を促進するとともに、その活用に向け、地域と民間企業のマッチングなどの取組を進めてまいります。

田川正毅議員
様々な前向きなご答弁をいただきました。

藻場がかなり回復したというお話ですけれども、私の実感としては、やはり海藻が生えていない。「どこを見たのかな」と思うぐらい、磯焼けは厳しい状況が続いています。

磯焼けが進むと、アワビやサザエも少なくなり、仮にいても小さいものしかいないという状況です。

そうした中、中国での取組について紹介したいと思います。中国科学院海洋研究所では、2008年から10年の歳月をかけ、高生産かつ高品質のハイブリッド昆布「中宝1号」の栽培に成功し、遼寧省や山東省では既に大規模に導入されているとのことであります。

昆布養殖の技術は日本から中国に伝わった歴史がありますが、現在、中国の昆布生産量は日本を大きく上回っています。生産量や用途別の割合については【要確認】ですが、食用だけではなく、農業用品や医薬品、化粧品などにも利用されているとのことであります。

海洋環境の変化への対応として、アラメ、カジメ等の藻場造成と並行して、ワカメや昆布の養殖にも取り組んでいただきたい。この点について再度お尋ねいたします。

水産部長
ワカメや昆布の海藻養殖は、海洋環境の変化に対応した漁業経営の多角化につながるとともに、ブルーカーボンとして海洋環境の保全にも資する有効な取組であると認識しております。

さらに、本県で養殖されたワカメ、昆布は、藻体が薄く食味が柔らかい特徴を有しており、これを生かした製品づくりが行われております。

海藻類は取引価格が比較的安定しているため、漁業者が新たな収入源として着目する事例も出てきており、引き続き県として、こうした取組を後押ししてまいりたいと考えております。

田川正毅議員
今の「後押し」というのは、島原地区での昆布栽培などを指しているのではないかと思います。

実は私も昆布栽培を3年ほどやったことがあります。いろいろな事情で撤退しましたが、もっと積極的に推奨していただきたい。

島原地区の昆布栽培の後押しだけにとどまらず、県内各地、離島も含めて昆布やワカメの養殖を行う。それによって海藻の量が増え、海の再生にもつながります。

自然に任せていたら磯焼けが進み、魚もいなくなる。今から順次取り組んでいかなければ、漁業者が苦しむことになります。

ブルーカーボンについても、二酸化炭素を吸収し、海中に沈んだ後も炭素を固定するため、二酸化炭素削減に大きな効果があると考えます。

特に大村湾は水質的にも厳しい状況になっていると思いますので、そこで昆布養殖、ワカメ養殖を県が主導して取り組むことで、地域の漁業者にも喜ばれるのではないでしょうか。もう一歩進んだ取組をお願いしたいと思います。

水産部長
漁業経営の中にワカメ、昆布の養殖を取り入れている形態もありますし、磯焼け対策としてワカメなどの母藻を投入して、海藻の繁茂・回復に取り組んでいる地域もございます。

大村湾につきましても、改めて浜回りをしながら地元の意向を確認させていただき、その意向に沿って対応させていただきたいと思います。

田川正毅議員
ありがとうございます。取れたての昆布を海の中で食べると本当においしいですので、ぜひ体験していただきたいと思います。

(3)赤潮対策について

田川正毅議員
次に、赤潮対策についてお尋ねいたします。

近年、本県では大規模な赤潮被害が報告されております。今年度においても橘湾で被害が発生したと報告されております。

これまで県においては、有害赤潮発生時の被害軽減策として、餌止めや養殖施設の緊急移設をはじめ、近年は赤潮モニタリング体制の強化と赤潮流入予測情報の提供なども実施されております。

加えて、養殖用いけすへの足し網等の導入など、新たな対策も講じられているとのことであります。

しかし、このように赤潮対策が強化されている一方で、今年度も被害が発生しております。

生産者が安心して養殖業を続けていくために、今後さらに赤潮被害軽減対策を進める必要があると考えますが、県の対応方針をお伺いいたします。

水産部長
生産者が安心して養殖業を続けていくために、今後の赤潮被害軽減対策をどのように進めていくのかとのお尋ねでございます。

本県では、令和5年、6年の大規模な赤潮被害以降、足し網などの赤潮被害軽減対策の導入を促進してまいりました。

本年8月に赤潮被害が発生した橘湾では、生産者から足し網の効果を実感する声が聞かれましたが、現在、いけすごとの被害や赤潮対策の状況を詳細に分析・検証しており、大きな被害があった近隣県とも情報交換しながら、地元関係者とともに今後の被害軽減対策に取り組んでまいります。

また、国や本県を含む関係県が参加する研究開発プロジェクトにおいて、選抜育種による赤潮耐性のあるブリ品種の開発や、へい死被害軽減策としての高濃度酸素発生装置の応用などが進められております。

効果が見込まれる技術については、県としても積極的に現場での実証を行うなど、普及・展開を図ってまいります。

田川正毅議員
赤潮対策について、私も職員の皆さんといろいろ話をさせていただきました。

今回発生した植物プランクトンは「マルガレフィディニウム・ポリクリコイデス」であると伺っております。

植物プランクトンは非常に多くの種類があり、どのような環境変化によって特定の種類が発生するのか、予測するのは非常に難しいと思います。

しかし、研究を重ね、一定の海水温や潮流などのデータを蓄積し、AIなど新しい技術も活用して予測できるようになれば、被害が起きる前に、いけすの移動などの対応も可能になるのではないかと思います。

ぜひ研究を進めていただきたいと思います。これは要望として申し上げておきます。

3.国産ドローンについて

(1)水中・水上ドローンについて

田川正毅議員
次に、国産ドローンについて、水中・水上ドローンについてお尋ねいたします。

近年、ドローン技術は急速に進展し、様々な分野で活用が広がっております。

特に本県は多くの有人離島を有しているほか、半島地域や中山間地域では、人口減少の進行により、地域を支える様々な機能の維持が課題となっております。

このような中、ドローンはインフラ点検や測量分野において、橋梁や道路法面、河川施設などの点検、測量の効率化、省力化に活用されているほか、農業分野では農薬散布や生育状況の把握などにも利用されております。

また、医薬品や日用品などの配送分野においても、五島市などで実証や運用が進められていると聞いております。

中でも水中・水上ドローンは、自動運用をはじめ、今後実施される洋上風力発電事業においても極めて重要になってくるものと考えます。

また、政府は安全保障の観点から、無人機やAIを活用した防衛産業の育成にも取り組み、国産化を進めております。

本県で製造に取り組むことで、防衛産業が集積している県北地域の産業振興にもつながるものと考えます。

そこで、水中・水上ドローンについて、民生・防衛産業の両面から、県としてさらに取り組んでいく考えはないか、お尋ねいたします。

産業労働部長
水中・水上ドローンについてのお尋ねでございます。

水中・水上ドローンにつきましては、デュアルユース技術として、海洋産業での活用、あるいは安全保障上の重要性という観点から、国の戦略17分野の海洋分野、防衛分野において主要な製品・技術等に位置づけられているところでございます。

本県におきましては、国内で初めて本格的な浮体式洋上風力発電の商用運転が開始されるなど、全国に先駆けた取組が進んでおり、今後、洋上風力発電の調査、保守等の需要拡大が期待されていることから、こうした分野におきましても県内の産業振興につながるよう取り組んでいきたいと考えております。

また、県内の大学におきましても海洋産業での活用について研究が進められており、造船産業で培った本県の技術、あるいは人材等を生かせる可能性もあることから、県内企業にとってもビジネスチャンスがあるものと認識しております。

今後、県内企業のシーズや意向を確認しながら、産学官連携のもと、県内企業の参画に向けて、関連企業の誘致も含め取組を進めてまいります。

田川正毅議員
今回、私が一番お願いしたかった案件の一つが国産ドローンについてです。

他県の企業の取組として、尾道造船が無人水上艇の国内量産を目指しているとの報道がございます。防災・災害向けとして、軍民両用の分野で、政府の戦略17分野のうち造船、防衛の2分野にまたがる取組とされています。

自律航行する小型の輸送艇で、水や食料、燃料、医薬品、弾薬等を積み込んだコンテナを輸送するというものです。

多くの離島を有する本県において、災害時に緊急的に離島へ生活物資を届けることにも極めて有効だと思っております。

県北振興の起爆剤として、この事業は国策でもありますので、国の産業基盤の発展のためにも、この分野に力を入れていただきたい。

単にドローンを運用するだけではなく、県内で製造する産業として育て、特に離島、半島を含め人口減少で苦しんでいる地域の新たな産業につなげていただきたいと思います。

これまで産業労働分野にご尽力されてきた副知事にも、思いをお聞かせいただきたいと思います。

副知事
本県の経済活性化において、造船・防衛産業の振興は重要であると認識しております。

また国においても、経済安全保障の観点から、これらの分野を戦略分野に位置づけ、積極的な官民投資を進めようとしていることから、県としても、こうした機会を逃すことなく、デュアルユースの取組を進める必要があると考えております。

特に、国内有数の造船業の集積地であり、日本で初めて本格的な浮体式洋上風力発電を有する本県において、海洋関連分野で先駆けていくことは必要だと考えております。

産学官で連携し、このような取組が他県に先んじて進むよう、積極的に取り組んでまいります。

田川正毅議員
よろしくお願いします。長崎県は造船のまちでもあります。県北の皆さんは、新しい産業を本当に渇望している状況だと思っておりますので、地域の新たな産業となるよう、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

4.危機管理体制について

(1)本県の現状と今後の取組について

田川正毅議員
次に、危機管理体制についてお尋ねいたします。

近年、我が国では阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震、熊本地震など、大規模な地震が相次いで発生しております。

そして今後30年以内にマグニチュード8から9クラスの南海トラフ地震が発生する確率についても高い数値が示されております。

本県においても、令和7年7月、西海市を含む7市1町が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されております。

南海トラフ地震について、令和7年に公表された被害想定では、死者数は最大約29万8,000人、全壊・焼失棟数は最大約235万棟、避難者数は最大約1,230万人、食料不足は発災後3日間で最大約1,990万食【要確認】、被害総額は約224兆9,000億円とされております。

国が定めた南海トラフ地震の応急対策活動に関する計画では、地震発生から3日間は家庭などの備蓄と被災地方公共団体の備蓄で対応することを想定し、国によるプッシュ型支援は、遅くとも発生後3日目までに物資が被災県に届くよう調整することとされております。

しかし、想定外の事態が起こることも十分考えられます。

県において、こうした南海トラフ地震などの大規模地震を想定し、食料、水等の備蓄、被災者のための住宅確保、避難所に指定されている学校体育館の空調設備、避難所の環境整備、住民の避難促進、県民の防災意識の向上について、現状と今後の取組をお伺いいたします。

危機管理部長
南海トラフ地震などの大規模災害を想定した食料、水などの備蓄状況についてのお尋ねでございます。

災害時に必要な食料や水などにつきましては、「みんなで取り組む災害に強い長崎県づくり条例」に基づき定められました「災害時の備蓄物資備蓄等に関する基本方針」【要確認】により、県民自らの備蓄を補完するため、県及び市町において目標量を定め、備蓄をしております。

基本方針では、市町の備蓄目標量が人口の5%の3日分、県の備蓄目標量は全市町の備蓄目標量の10%とされておりまして、現在の人口を踏まえますと約6,200人分となっているところでございます。

県におきましては、被災直後の生命維持や生活に最低限必要で、長期保存が可能な物資を備蓄することとしております。

また、使用期限が短い等により現物備蓄に向かない物資につきましては、スーパーやコンビニエンスストアなどの民間事業者と災害時協定を締結しておりまして、必要に応じて調達できる体制を整えているところでございます。

土木部長
大規模災害時の被災者のための住宅確保の現状についてのお尋ねでございます。

大規模災害時には、被災者が安心して生活再建に取り組めるよう、住まいの確保に適切に対応することが重要であると認識しております。

県といたしましては、まず県内の公営住宅の既存ストックを活用することを基本としており、被災時にはこれらを最大限活用してまいります。

また、公営住宅で不足する場合には、応急仮設住宅として民間賃貸住宅を活用する賃貸型応急住宅に加え、新たに整備する建設型応急住宅についても関係団体と協定を締結しており、必要な住宅を速やかに確保できる体制を整えております。

教育長
避難所に指定された学校体育館の空調整備の現状についてのお尋ねでございます。

令和8年5月1日現在、避難所に指定されております学校体育館等の空調設備の整備状況は、県立学校では83棟中1棟、約1.2%、市町立学校では398棟中7棟、約1.8%にとどまっており、整備が進んでいない状況にございます。

そのため、まず県立学校につきましては、令和8年度中に体育館を有する全ての学校に移動式冷暖房機を設置することとしており、さらに令和9年度からは毎年10校程度【要確認】に常設の空調設備を整備していくこととしております。

市町立学校には有利な国の補助制度がございますので、その活用などにつきまして、市町に対して積極的な整備を働きかけているところでございます。

引き続き、学校体育館への空調設備ができる限り早期に整備されるよう努めてまいりたいと考えております。

危機管理部長
避難所の環境整備や住民の避難促進、県民の防災意識の向上についてのお尋ねでございます。

避難所につきましては、各市町において環境整備に取り組まれており、県では市町に対して有利な財政措置を活用した計画的な整備を促すとともに、市町を補完・支援するため、食料や水等の備蓄、物資や電力の供給等に係る体制整備に取り組んでおります。

また、災害時の住民の適切な避難行動の促進につきましては、居住する地域の災害リスクや取るべき避難行動について知識を得てもらうなど、「自分の命は自分で守る」という意識を持つとともに、地域における避難への呼びかけなど、自助・共助が重要であると考えております。

県といたしましては、市町と連携し、今年5月から運用が始まった新しい防災気象情報の周知、防災訓練の実施を通じた県民の防災意識の向上、地域の防災リーダー育成、防災タイムラインの策定など、地域防災力の向上に努めているところでございます。

今後とも、定期的に開催しております能登半島地震を踏まえた防災対策の見直しのための市町との協議会におきまして、市町と意見交換を行いながら、連携して避難所環境の向上等に向けた取組を進めてまいります。

続きまして、南海トラフ地震などを踏まえたこれからの取組についてのお尋ねでございます。

現在、県におきましては、平成17年度に実施した地震等防災アセスメント調査【要確認】の見直しと、南海トラフ地震及び本県近海の海域活断層による地震の震度や津波の高さ、被害予測などの調査を実施しております。

この調査により、震度分布や津波浸水区域に加え、市町別の最大避難者数や建物の全半壊数などの想定が示される予定となっております。

今年度末の調査終了後、そうした結果をもとに、避難所スペースの確保や食料、水などの物資の備蓄、津波ハザードマップを通した住民への周知など、防災対策の見直しについて、学識経験者などのご意見も踏まえながら検討を行い、県及び市町の防災計画の見直しに反映させてまいりたいと考えております。

田川正毅議員
危機管理体制については非常に多岐にわたる分野がございます。

南海トラフ大地震については、今の状況では対応し切れないような事態になる可能性もあると思います。部局横断、そして市町も含めて全県的に取り組んでいかなければ、対応は極めて困難だと思っております。

食料、水はもちろんですが、避難者の住宅確保についても、あれだけの避難者数を考えた時に、それぞれの地域でどの程度対応できるのか。仮設住宅も含め、地域と連携しながら、できる範囲で全力を尽くしていただきたいと思います。

5年後、10年後、20年後かもしれない。しかし、明日来るかもしれないということで、今できることをみんなで力を合わせ、部局横断的に取り組んでいかなければ、本当に間に合わないのではないかと思います。

先ほどの答弁で、これから取り組むというお話もございましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

5.不登校対策について

(1)本県の不登校の状況とその支援の取組について

田川正毅議員
次に、不登校対策について、本県の不登校の状況と支援の取組についてお尋ねいたします。

長崎県の学校基本調査によると、10年前の平成28年度、児童数は約7万1,000人でございましたが、昨年度は約6万3,000人、中学生は10年前が約3万6,000人、昨年度は約3万2,000人と減少しているようでございます。

このように児童生徒数が減少しているにもかかわらず、不登校の児童生徒数は増加していると聞いております。

不登校に至る原因は多様化しているとの報告もございますが、教育委員会として要因をどのように分析し、不登校対策・支援を講じていくお考えなのか、お伺いいたします。

教育長
本県における不登校児童生徒の現状と、不登校支援の取組についてのお尋ねでございます。

不登校児童生徒数につきましては、毎年10月下旬に前年度分の数値が公表されるため、現時点で最新となる令和6年度の数字でございますが、県内公立小中高等学校の児童生徒総数約11万8,000人のうち、不登校児童生徒数は4,113人となっております。これは9年連続で増加しております。

近年、不登校の要因や背景は多様化しておりまして、児童生徒一人一人の状況に応じた、きめ細やかな支援が必要であると認識しております。

本県における不登校児童生徒への支援につきましては、学校に登校することだけを目標とするのではなく、社会的自立を目指した支援を重視しております。

このため、教育相談体制の充実を図り、また市町が設置しております校内教育支援センターへの支援も行っております。

さらに、体験活動への参加支援や、不登校支援に特化したスクールカウンセラーの配置も進めているところでございます。

今後とも、不登校児童生徒やその保護者一人一人に寄り添いながら、学校内外の関係機関が連携した支援体制の充実に取り組み、社会的自立に向けた支援をさらに進めてまいりたいと考えております。

(2)県内のフリースクールの現状と県の支援について

田川正毅議員
次に、県内のフリースクールの現状と県の支援についてお尋ねいたします。

これまでもスクールカウンセラーや心の相談員制度の設置など、様々な取組を講じられてきたことは高く評価いたします。

さらに、校内教育支援センターの設置も推進されているようですが、利用児童生徒が少ない事例もあると聞いております。

このような状況を踏まえ、民間ではフリースクールを開設する動きが増加しているようでございます。

しかしながら、フリースクールには様々な形態があり、また運営費用に多大な負担がかかっていると伺っております。

そこで、本県のフリースクールの現状と支援策についてお伺いいたします。

教育長
本県におけるフリースクールの現状と、フリースクール運営団体に対する支援についてのお尋ねでございます。

県内にはフリースクールをはじめ、不登校児童生徒に学びの機会や居場所を提供する多くの民間団体がございまして、児童生徒の社会的自立を支える大変重要な役割を担っているものと認識しております。

一方で、こうした民間団体には、例えば学習活動を中心とした支援を行うもの、あるいは福祉的な支援を行うものなど、支援内容や活動形態は様々であると承知しております。

また、学校や市町教育委員会と民間団体との連携状況によりまして、出席扱いの認定や利用状況の把握などに差が見られております。

このため県教育委員会では、関係者間で情報や認識の共有が図られるよう努めているところでございます。

県教育委員会といたしましては、引き続き、フリースクールをはじめとする関係団体との対話を通じ、活動実態や課題の把握に努め、こども政策局や市町教育委員会とも連携しながら、児童生徒が必要な支援を受ける機会が損なわれることがないよう、必要な連携、支援に向けた取組を進めてまいります。

田川正毅議員
先ほどの答弁にもありましたように、生徒数は減っているけれども、不登校児童生徒は増えています。様々な取組がなされていることについては、本当に頼もしく思います。

県内にもフリースクールのネットワークや連絡協議会等がございます【要確認】。そこでお話を聞きますと、なかなか予算が確保できない。また、不登校で訪れる子どもたちの家庭状況も様々で、対応が難しいということです。

しかし、小学校から中学校までの思春期という大切な時期を、家で苦しい思いをしながら過ごしている子どもたちを、誰かが支えなければなりません。

フリースクールの関係団体と、市町教育委員会、学校の校長先生方などが連携して、みんなで対策に取り組んでいただきたいと思います。

また、利用する保護者の負担も大きく、子どものために仕事を休まなければならないケースなどもあります。

東京都ではフリースクール等の利用支援、長野県では「信州型フリースクール認証制度」、松本市でもフリースクール等を利用する児童生徒への補助制度など、様々な取組が行われています。

県としても関係者による連絡・協議の場をつくり、今できることから進めていただきたいと思います。

子どもたちの未来を明るいものに変えていくために、教育長から、さらに一歩進んだご答弁をお願いいたします。

教育長
先ほどご答弁申し上げましたとおり、フリースクールなどの民間団体との連携は本当に必要でございますし、ぜひ進めていくべきだと考えております。

また、フリースクールなどにつきましては、小中学生を対象にしているところがほとんどでございますので、そういった意味では、市町の教育委員会、あるいは小中学校との連携が不可欠でございます。

ここは県教育委員会としても、ぜひ積極的に旗を振っていきたいと思っております。

大きな方向性といたしましては、こうした連携のその先に、何らかの支援の必要性といった議論にもつながっていくものと思っておりますので、そこはしっかり取り組みたいと思っております。

いずれにいたしましても、不登校児童生徒に多様な学びの機会が確保できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

田川正毅議員
ありがとうございます。子どもたちが「僕も生きていていいんだ」「元気に社会人になっていいんだ」と、そういう強い思いを持って生きていけるよう、ご指導、ご協力をお願いしたいと思います。

6.その他

田川正毅議員
最後になりますが、特に南海トラフ地震については非常に広範囲に及ぶ災害となります。一人一人で対応できるものではありません。

しかし、必ず来る危機だという思いを持ち、各部局横断的に、できれば議会も一緒になって備えていく必要があると思います。

仮に長崎県に大きな被害がなかったとしても、宮崎県、鹿児島県、大分県など、大規模な被害が想定される地域に対して、避難支援や人的支援、心理的ケアなどを行える体制を、今から準備しておくべきではないかと思っております。

どうか皆さんの力で、県民、そして九州の皆さんのためにも頑張っていただきたいと思います。

以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。