R8年9月/長崎県議会/議事メモ/中村泰輔議員

【ご注意】

以下の内容は、長崎県議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。

正式な会議録(議事録)を全文掲載したものではありません。音声からの文字起こしのため、聞き取りの誤り、誤字・脱字、固有名詞や数値等の記載誤りが含まれる可能性があります。

正確な発言内容については、後日公開される正式な会議録をご確認ください。

令和8年9月15日(火) 長崎県議会 令和8年9月定例会 本会議(一般質問、議案・請願委員会付託)

1.西九州ルート全線フル規格実現に向けて

(1)二者合意と本県負担の考え方

中村泰輔議員
皆さん、こんにちは。改革21、長崎市選出の中村泰輔でございます。

初めに、熊本地震、そしてこのたびの集中豪雨でお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

それでは、本日、傍聴にお越しの皆様に感謝を申し上げまして、通告に従い、一問一答方式で質問いたします。

西九州ルート全線フル規格実現に向けて、山が動きました。全線フル規格は県民の悲願です。

平田知事の古巣である国土交通省、特に水嶋前事務次官が何度も佐賀県に行かれ、粘り強く交渉を重ね、佐賀県の山口知事が難しい判断をされました。感謝を申し上げます。

そして、本県が負担を求められる局面が現実になりました。県費を出す判断の物差しを確認させていただきたい。それが質問の趣旨です。

7月17日の二者合意で、環境影響評価の道筋が示されました。同時にこの合意文書は、佐賀県区間に係る地方負担について、長崎県と佐賀県が受益の程度等を踏まえて共同して負担し、両県の協議で決定するとしています。

知事は会談後、「負担イコール受け入れではない。すべての論点がクリアされれば負担はあり得る」と述べられました。

時間短縮の幅だけを見れば、本県の受益は大きく、受益の程度で按分すれば、本県の負担は重くなりかねません。

佐賀県は財政負担に上限を設けるよう国と合意し、地方交付税措置率の引き上げについても国が関係省庁と協議することとなっています。

協議に入ってから物差しを用意するのでは、相手の物差しで測られます。また知事は、本県が負担する場合には、法令解釈等の根拠の整理が必要だとも述べられました。

考え方をお聞かせいただきたいと思います。

知事がおっしゃられる「すべての論点」は何か。二者合意でいう「受益の程度等」を何で測るのか。また、負担の根拠となる制度上の整理をどう進めていかれるのか。

私は主にこの2点だと考えますが、ほかに論点はございますでしょうか。併せて、全線フル規格実現への思いをお聞かせください。

これ以降の質問につきましては、対面演壇より行わせていただきます。

知事
中村議員のご質問にお答えいたします。

今回の二者合意におきましては、全線フル規格整備に向けた様々な論点が示されたものと受け止めておりますが、それ以外にもどのような論点があるのかも含めて、今後、議論、検討が必要であると認識しております。

まずは環境影響評価が進められる中で、ルートや事業費などに関する検討が進んでいくことが重要であると考えております。

また、財政負担に関しては、佐賀県の地方負担への特別の配慮や地方財政措置などによる地方負担の軽減をどのように図っていくのかを明らかにするとともに、仮に長崎県の負担を求めるとした場合の現行制度上の整理や法令の解釈などについて、関係者間で整理していく必要があると認識しております。

また、受益の程度等については、先般の山口知事との面談においても明確な考えを示されておりませんが、財政負担の根拠に密接に関連する論点でもあるため、国土交通省及び佐賀県と整理していく必要があると考えております。

本県の財政負担については、これまで県内で議論されてきておらず、本県の財政運営にも影響を及ぼすことから、時機を捉えて県議会や県民の皆様のご意見を伺いながら、慎重に検討してまいります。

九州新幹線西九州ルートの全線フル規格による整備は本県の悲願であり、西九州地域の発展に不可欠な重要課題であることから、新鳥栖-武雄温泉間のフル規格整備に向けた現状の動きを的確に捉え、その早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。

以後のご質問につきましては、自席から答弁させていただきます。

中村泰輔議員
論点を整理して協議に臨むというお考え、心強く受け止めました。

県民が知りたいのは、いくら出すかの前に、何を根拠に出すのかであります。便益が低いもの、根拠が古いものには県費は出せない。この一線を持って協議に臨んでいただければと思っております。

(2)費用対効果

続きまして、議論をしていくに当たって、その土台となるものが数字でございます。

こちらのパネルですけれども、くしくも7年前、私が初当選をさせていただいたすぐの議会で用いた、全く同じパネルでございます。つまり7年前の数字であります。

このB/C、ここでは費用対効果ということで説明させていただきたいと思います。

当時、佐賀駅ルートがベースで、新鳥栖-武雄温泉間のフル規格直通はB/Cが3.1。だからこそ本県は全線フル規格を求めてきました。

そこで伺います。

第一に、新鳥栖-武雄温泉間のフル規格整備について、国が公式に示す最新の事業費と費用対効果、B/Cはいくらで、いつの時点のどの前提によるものなのか。

第二に、事業費は資材費、人件費の上昇で上振れし得る。便益も前提次第で動くという認識に同意されるのか、お答え願います。

地域振興部長
新鳥栖-武雄温泉間のフル規格整備に関しまして、国が示している最新の情報は、令和3年11月の国と佐賀県との幅広い協議において提示されたものであります。

国の資料によりますと、佐賀駅を通るルートにおいて、概算事業費は約6,200億円であり、平成30年4月時点の価格により算出されたものとされております。

また、費用対効果につきましては3.1とされており、現在の対面乗換方式を基準として、山陽新幹線への乗り入れによる効果を見込んで算出されたものであります。

事業費や費用対効果につきましては、算定時期や需要予測、運行形態など、一定の前提条件の下で算出されたものであり、その前提条件が変われば、その数値も変動するものと認識しております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

要は、ここの数値が平成30年の調査結果によるものであるということですね。ご答弁をいただきました。

やはり古い数字のままでは、すべての論点を詰めようがないと考えます。算定を急ぐよう、国への申し入れをお願いいたします。

(3)ルート選定に対する強い覚悟

最後にルート選定につきまして伺います。

以前のパネルに、それ以降に議論があった、いわゆる佐賀空港ルートを付けております。

国が示した比較では、佐賀駅ルートがB/C3.1に対し、佐賀空港ルートは1.3となっています。建設費は佐賀駅ルート約6,200億円に対し、佐賀空港ルートは約1兆1,300億円とされています。

また、佐賀空港ルートは、国自身が軟弱地盤での不同沈下の恐れなどから、現実的な選択肢とはなり得ないとの見解を示しています。

県費を投入する以上、どのルートでもいいという立場であってはなりません。

国土交通省は先月27日、令和9年度の概算要求に新鳥栖-武雄温泉間の環境アセスメント費用を新規で盛り込みました。金額を示さない事項要求で、佐賀県内の詳細ルートを特定しないまま手続きを始めるとされています。

ルートが決まらないままアセスが動き出すのです。

国がB/C、費用対効果や事業費の再検討を行う場合、長崎県が負担することが現実味を帯びてきたことから、佐賀駅ルートを検討の軸とすべきだと主張していくことが重要であると考えます。

そのために、アセスの範囲や予算配分を決めるとされている、国土交通省、鉄道・運輸機構、佐賀県による技術検討会に、本県も参画していただけないでしょうか。

併せて、本県のルートに対する考え方と、今後どう主張していかれるのか、お答え願います。

知事
ご指摘の技術検討会につきましては、環境影響評価の実施に向けて、今年度行う事前調査の実施及びその結果の評価について検証する場であると承知しております。

当該事前調査及び検討は、佐賀県区間を対象として実施されるものであることから、まずは国土交通省、鉄道・運輸機構、佐賀県が参画した形で実施していくべき性格のものであると認識しております。

ルートにつきましては、本県としては全線フル規格整備による効果を最大限発揮する観点から、現時点ではこれまでも申し上げているとおり、速達性が確保されるルートであることが重要であると考えておりますが、二者合意を踏まえた議論の進展や環境影響評価の進捗に応じて、適切に対応してまいります。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

佐賀県のご判断を尊重し、アセスを見守るという立場であることは理解いたしました。

その上で申し上げます。全線フル規格だから賛成ではなく、最も効果が高く、県民に説明ができるルートだから県費を投入するという順序だと考えます。

ルートが決まらないままアセスが進めば、後から申し入れても遅い。今のうちに本県の考えを整えていただき、ぜひご主張いただければと思います。

数値の見直しが入れば、佐賀空港ルートのB/Cは、もしかしたら1.0を割り込むかもしれません。人口減と物価高を考えれば、費用対効果を踏まえた判断が、この事業においては極めて重要であることを申し上げます。

2.海洋関連分野の地域産業クラスター計画

(1)国による計画承認と重点方針における「海洋」

中村泰輔議員
次に、海洋関連分野の地域産業クラスター計画について伺います。

先月28日、国が本県の計画を承認しました。造船、防衛、海洋エネルギーの3分野で、5年間の官民設備投資700億円を掲げています。

私は、長崎の海を産業の舞台に変える「海洋産業都市構想」を県議会で一貫して提唱してまいりました。

知事が掲げる長崎セキュリティ構想【要確認】と深く響き合うものだと考えています。

そして知事は、先日の就任半年の長崎新聞のインタビューで、来年度の重点方針は「海洋」がキーワードになると述べられました。

そこで知事に伺います。今回の国の承認をどう受け止めておられるのか。そして重点方針の柱としての「海洋」で、どのような長崎を目指せるのか、知事の思いをお聞かせください。

知事
本県は広大な海域を有し、これまで造船業や海運業をはじめとした海洋関連産業とともに発展してきた歴史がある、まさに海洋県であり、これからの長崎県の発展を占う上でも、海洋は重要なキーワードであり、海洋関連産業を振興していくための取組を深めていくことが重要であると考えております。

今回の計画承認は、国内で唯一、商船、防衛、海洋エネルギーの3分野の取組が進んでいる海洋県としての本県の強みを国に認めていただいたものと心強く受け止めております。

また、国が策定する九州地域の戦略産業クラスター計画においても、造船産業や洋上風力が選定されたことから、こうした国の計画とも連携することで、取組に弾みがつくものと考えております。

来年度の当初予算に向けて策定する重点方針案におきましても、「マリンテック長崎プロジェクト」を掲げ、今回承認された計画とも連携し、サプライチェーンの強靱化等に取り組むこととしております。

先般、大島造船所が認定を受けた造船業再生基金など、国の支援策もうまく活用しながら、日本一の産業集積を目指してまいります。

さらに、県内大学では海洋分野における様々な研究と教育が進められており、こうした取組とも連携しながら、人材の育成・確保にも注力していくことにより、海洋をキーワードとして幅広い企業活動が活発化するとともに、人の往来や研究開発も盛んになる長崎県を目指していきたいと考えております。

中村泰輔議員
非常に充実したご答弁をいただき、本当にありがとうございます。思いを共有させていただきました。

来年度の重点方針で、先ほどございました「マリンテック長崎」。資料を拝見したら、まさに一丁目一番地として「マリンテック長崎」と入れていただいております。本当にありがとうございます。

国はインフラ整備の予算額を年末までに明らかにするとしています。要望の機会はまさに今だと思いますので、具体的な場所、そして時期の提示を改めて強く要望させていただきます。

(2)海洋資源開発への展開

今回の計画は、商船、防衛、海洋エネルギーの3分野です。次に伸ばす先は海洋資源開発だと考えております。

この分野は3月議会からお尋ねしてまいりました。ROV、遠隔操作型水中ロボットなど海洋無人機について、国の産学官協議会への参画を提案し、ご答弁は「関係機関と協議する」ということでいただいておりました。

本県の海は既にROVの実証フィールドとして使われております。先月も県内の閉鎖性海域【要確認】で試験が行われたと聞いています。

国も力を入れています。南鳥島沖のレアアース開発をはじめとした海洋資源開発が進められており、海底から資源を引き上げる専用船の整備や港湾整備なども検討されています。

政府は2040年度までに海洋分野で官民3兆円超、うち海洋資源開発に9,000億円という計画を示しています。

そこでお伺いします。

第一に、産学官協議会への参画は、その後どうなりましたか。

第二に、来年度の重点方針に海洋資源開発を盛り込んでいただけないでしょうか。

併せて、専用船の建造・改造と港湾整備を本県に呼び込む考えはないか、産業労働部長にお尋ねいたします。

産業労働部長
国の産学官協議会への参画につきましては、継続して検討を行っているところでありますが、この分野で先進的に研究に取り組んでいる長崎大学、あるいは産業振興財団とは、適宜意見交換を行っているところでございます。

先月25日には、海洋モビリティを含む海洋エネルギー全般の次世代人材育成等について協議を行ったところでありまして、引き続き緊密に連携してまいります。

また、専用船の建造・改造や港湾整備を含む海洋資源開発分野への取組につきましては、国の海洋政策の動向や県内企業の状況など、幅広く情報収集を行いながら検討する必要があると考えております。

この分野での活用が想定されます水中・水上ドローンにつきましては、重点方針案にも掲げており、今後、県内企業の参入に向けて、関連企業の誘致も含めて検討を進めてまいります。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

「マリンテック長崎」の中に、この海洋資源についても資料で触れていただいております。ありがとうございます。

これまでも長崎大学との連携をお願いしてきまして、実際にそのような形で協議をいただいていることにも感謝を申し上げます。

水中ドローン分野は、大きな設備を必要といたしません。場所と設計する技術があれば、県内で量産ができると私は考えていますし、関係者の方々と話をしても、そのような認識でおられます。

造船で培われた技術者も県内に多く残っておられます。国の予算が動き出す前に手を挙げ、長崎の海から仕事をつくってまいりましょう。

この件は通告しておりませんでしたので要望といたしますが、地域産業クラスターは今後、水産業にも広がると思われます。

本県は6月補正予算で「西の横綱 自慢の魚魅力発信事業費」【要確認】を計上し、「西の横綱」のフレーズで本県の魚を打ち出そうとしています。

魚種数日本一でありながら、存在感を出すことにこれまで苦心してきた我が県。このフレーズでブレイクスルーできるのではないかと期待しています。

6月の委員会で水産部長は、東の横綱である北海道とは「それぞれに良さがある」とご答弁なされました。

相撲は一人では取れません。平田知事には、ぜひ北海道庁に出向いていただいて、まわしは付けなくても、鈴木知事と相撲を取っていただくような企画をお考えいただければと思っております。

3.AIエージェントが変える長崎県の未来

(1)県庁内での推進

中村泰輔議員
この1年で、AIは質問に答える道具から、仕事を任せられる存在へ変わりました。

目標を与えれば、自ら手順を考え、資料を作り、アプリまで作り上げる。それがAIエージェントです。

プログラミングスキルが十分でない私でも複数のアプリを作り、実際に今でも運用しています。

まずは県庁内での取組についてお尋ねします。3月議会でもお伺いしましたが、県庁内で使用している生成AIの活用状況についてお教え願います。

総務部長
生成AIにつきましては、業務文書の作成や情報収集など様々な場面で業務の効率化に資するものであり、庁内において積極的な活用を進めているところであります。

県では令和7年2月に生成AIの全庁的な展開を行い、当初は月に1回以上利用している職員の数は400名程度でありましたが、直近の令和8年8月末時点では約4,000名にまで増加し、業務において日常的にパソコンを使用する職員の約7割にまで拡大しているところです。

今後とも職員の利用実態等を踏まえ、さらなる利用の拡大や効果的な活用方法の横展開を進め、業務の見直し、効率化を図ってまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

実際に県庁内での取組が広がったということで、数字をもって確認をさせていただきました。

続いて、RAG機能の強化の取組についてお尋ねいたします。

総務部長
RAG機能は、利用者があらかじめ登録したデータを検索して、生成AIが回答を作る仕組みでありまして、庁内の規定や業務マニュアルなど県が保有する資料をもとに回答を生成できることから、回答精度の向上とさらなる業務効率化に資するものと認識しております。

本機能につきましては、これまで検証に取り組んでまいりましたが、機能面やセキュリティ面での確認、調整が進んだことから、本年6月には一部の部局を対象に操作説明会を開催し、現在、試行的に利用を開始したところであります。

今後、その試行を通じた職員からのフィードバック等を踏まえ、活用の効果や課題を丁寧に検証しながら、全庁的な展開へと広げてまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

RAG機能とは、生成AIがどれだけ精度の高い回答、機能を発揮するかというところで極めて重要な視点であります。半年で着実に手を打っていただいたことを評価いたします。

これまでの業務改善の手法と生成AIをどう連携させて活用しておられるのか、お尋ねいたします。

総務部長
県では、これまで業務改善の手法として、パソコン上の定型作業を自動化するRPAなどのデジタルツールも活用してまいりましたが、これらのツールと生成AIを組み合わせた業務改善プロセスとすることで、さらに改善効果を発揮するものと認識しております。

例えば、事務の自動化はRPAに担わせつつ、そのRPAのプログラムを生成AIにより作成するほか、事務作業のチェック、確認部分を生成AIで行うなど、多様な活用が可能となってまいります。

一方で、生成AIの課題としましては、事実に基づかない情報をもっともらしく生成する、いわゆるハルシネーションを起こす可能性などもあることから、活用には工夫も必要であると認識しておりまして、業務改善のプロセスや業務ごとの適否を見極めながら、業務効率化を進めてまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

これまでのご答弁を踏まえまして、本題に入らせていただきます。

3月議会で、既存資料から生成AIが標準化された引継ぎ資料を作成する研究を検討して進めていくということで、県庁内での取組についてご答弁をいただきました。

これがまさにAIエージェントであります。

県は3月議会の時点で、AIエージェントに近い取組をしていくということでおっしゃっていただいています。

他県の取組等も確認をさせていただきましたし、企業の方々と話をする中でも、「長崎県は進んでいる」と言っていただいています。我が県はAI先進県であります。

その後の導入状況について教えてください。

総務部長
庁内におけます業務効率化に向けた取組の一つとして、生成AIを活用し、マニュアル等の既存資料をもとに標準化された引継ぎ資料を作成する仕組みの検討を進めているところです。

この取組は、職員ごとに異なる引継ぎ資料の記載内容や構成を標準化するとともに、作成に要する時間を短縮し、後任者が理解しやすい資料を作成しようとするものであり、全庁的な業務改善につながるものと認識しております。

現在、動作環境のテスト段階でありまして、職員が実際に操作する体験会等を通じて得られた意見や課題を踏まえて、改善を重ねているところであります。

さらに本年秋頃からは、判断、実行までを可能とするAIエージェントの実証環境も庁内において準備し、どのような業務に活用できるかなど、費用対効果も含め研究してまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

研究にしっかりと取り組んでいただいていることを確認させていただきました。

民間企業では、AIエージェントを実際に活用して、業務時間を最大40%短縮したところもあると聞いております。

県庁も秋に新たな環境が入るということで伺っておりますけれども、実際にAIエージェントを組んでいただいて、効果と課題を確かめる実証的な取組を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。

総務部長
AIエージェントにつきましては、人の代わりに目的に沿って判断、実行し、複数のタスクを自律的に進めることができるAIシステムでありまして、庁内業務の効率化に資するものと認識しております。

活用に当たりましては、庁内のネットワーク環境や国とつながる総合行政ネットワーク、LGWANにおいて、セキュリティ面を含め、どこまでの機能が実現できるのか、また、庁内のどのような業務の改善に適するのかなど、検証を進めてまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

この質問に至るまで、スマート県庁推進課の皆さんと随分と議論を交わさせていただきました。本当に頑張っておられます。

スマート県庁推進課の皆さんが各課に伴走していただいて、ぜひともAIエージェントの取組を進めていただければと思います。

しかしながら、AIエージェントは万能ではございません。最大の障壁はセキュリティでございます。

私も実際にアプリを作って使っていますけれども、常にセキュリティチェックをかけながら、「これは本当に使っていいのか」と振り返りながら使っているという状況であります。

県の業務にAIエージェントを投入し、自動化、省力化を進めていく上でのセキュリティの考え方をご答弁願います。

総務部長
AIエージェントの利用に当たりましては、国が示す地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン等を踏まえ、データが国内のデータセンターに保存されることを確認するなど、情報セキュリティを確保できる環境が重要となっております。

そのため県においては、生成AIを利用する際は専用の回線に接続するとともに、データを保管するサーバーが国内に設置されたものを利用するなど、安全性に配慮した取扱いを行っているところであります。

現在、国においては、急速に進展するAI等のデジタル技術を自治体業務にどのように活用すべきかなどの検討が進められておりまして、AIエージェントを導入する際のルールづくりや、行政事務における留意点の整理等が行われております。

県としましては、引き続き国の動きを注視しつつ、セキュリティの確保を最優先に、AIエージェント等の活用環境をしっかりと整えながら、業務の効率化を進めてまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

国と連携をして、アンテナを張ってご対応いただければと思います。

私としては、県庁の若い職員の皆さんにこそ、「この県庁が変わっていくんだ」という姿を見せていただきたいと思っています。

一方で、この質問を準備しながら、このAIの世界はこの1か月でも大きく変わりました。直近でも、ChatGPTを提供するOpenAIのモデルや、Anthropic社のClaudeなど、AIエージェント分野の技術が非常に速いスピードで発展しております。

とにかくアンテナを張りつつも、ここは行政でありますから、国と連携をして取り組んでいただければと思います。

(2)教育現場での推進

続きまして、教育現場についてお尋ねいたします。児童生徒と先生方の両面から伺います。

今年5月、特別委員会の調査で、ある工業高校にお伺いしました。情報を担当される先生に「AIをどう教えておられますか」と尋ねました。

お答えは、「正直、あまり教えていない。逆にどう教えたらいいか」と尋ねられました。

先生方も体系的に学ぶ機会がなく、無理もございません。教える側を支える仕組みがないことこそが課題であります。

文部科学省も生成AIのガイドラインVer.2.0で、活用を後押しする方向へ転換しました。

また、次期学習指導要領に向けた議論では、生成AIや情報教育の充実が検討されております。

そこで伺います。本県の児童生徒に対する生成AI活用の現状をお答え願います。

教育長
県教育委員会におきましては、文部科学省が令和6年12月に公表いたしました生成AIガイドラインを踏まえまして、県立学校に対して生成AIの活用に取り組むよう通知を行ったところでございます。

県立学校におきましては、授業や探究学習等での生成AIの活用が進んでおりますが、学校や教員によって差があるということも認識いたしております。

また、小中学校につきましては、設置者である市町教育委員会において取組が進められているところでございます。

今後、児童生徒の実態に応じて生成AIを活用した学びを実現できるよう、取り組んでまいります。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

やはり市町間、学校間の差があるということでのご答弁をいただきました。

続いて先生方側についてお尋ねいたします。

長時間勤務は長年の課題でありまして、AIで時間を取り戻し、子どもたちに向ける。これが目的であります。

第一に、公務でのAI活用の環境と教員研修の実施状況。

第二に、負担軽減の観点で、今後どう推進するお考えか。

第三に、AIエージェントを含む最新の活用法を研修に位置づけ、実践校を指定して事例を全県に広げられないか。教育長、お示しをお願いいたします。

教育長
令和7年に、県立学校の教員用アカウントを情報漏えいのおそれがない安全なものへと強化し、公務で生成AIを使用できる環境を整備いたしました。

小中学校においても整備を進めております。また、県立学校は県教育委員会が、小中学校は市町教育委員会がセキュリティポリシーを整備しておりまして、県全体で生成AIを安全に活用するためのルールの整備を進めております。

教員研修につきましては、生成AIの利活用に関する研修を、令和6年度に2回、令和7年度に6回実施しておりまして、延べ451名が受講いたしております。

公務における生成AIの活用は、教員の負担軽減、働き方改革の観点からも重要でございますので、今後も安全な利用環境の整備と併せて推進してまいります。

そのため、AIエージェントを含む最新の生成AI活用に関する研修を来年度の研修計画に位置づけまして、その成果や知見を全県に広げる取組を進めてまいります。

また、次期学習指導要領における中学校の情報教育の充実に向けた検討を踏まえまして、中学校の技術科教員を対象に文部科学省主催の研修会への派遣や、学校DX戦略アドバイザーによる研修等を実施しているところでございます。

このほか、小中学校におきましては、国の生成AIパイロット事業を受託した県内3市町7校が生成AIの利用について研究を進めておりまして、そこで得られた好事例を、県、市町が参画する教育の情報化推進協議会を通じて、県内全域に共有してまいりたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

かなりいろんなことをやっていただけるというように捉えております。本当にありがとうございます。

私がこの半年ぐらいで見てきたイメージを共有させていただければと思います。

AIエージェントを早く使い始めた経営者の方が、「外注すれば1億円ぐらいかかるかもしれないシステムを、自分は1週間で作った」とおっしゃられたんですね。

私も本当にそんなことがあるのかなと思ったんですけれども、実際に自分がAIエージェントを動かしてアプリケーションを作った時に、「これは本当にそうかもしれない」と思いました。

子どもたちに置き換えれば、就く仕事の選択肢の広さそのものであります。東京と長崎の距離を解消する技術、夢のような技術であります。

東京大学の松尾研究室は、累計受講者15万人で、中学生から受講しています。学ぶ場所はもうあります。

そこで教育長に伺います。

長崎の子どもたちがAIを恐れるのでも、遠ざけるのでもなく、自分の道具として使いこなし、その中から「作る側」に回る子が育つ。そのような長崎県の教育の姿を、教育長ご自身はどう描いておられるのか、お聞かせ願います。

教育長
AIを主体的に使いこなす力を身につけることは、これからの子どもたちにとって極めて重要であると認識いたしております。

本県の子どもたちがAIを恐れることなく、また過度に依存することなく、自らの目的や課題解決のためにAIを活用して、さらには新たな活用を創造する側に立てるように育てていきたいと考えております。

そのため、自ら考え、自ら作り出し、そして発信する力を育みながら、変化の激しい社会の中で未来を切り開く主体性を備えた「時代のつくり手」の育成に努めてまいります。

また、発達段階に応じた適切なAIの利用の在り方や情報モラルにつきましても指導を徹底いたしまして、適切かつ効果的に活用できる力を育んでまいります。

中村泰輔議員
大変心強いです。ありがとうございます。

これまでのご答弁を踏まえまして、AI利用にはやはりルールが必要だと思います。

ガイドラインについて県として策定するおつもりなのか、また、その時期、体制を教育長、お示し願います。

教育長
県教育委員会におきまして、現在、県立学校における生成AI活用のガイドラインの策定を検討いたしております。

策定に当たりましては、次期学習指導要領における生成AIの取扱いを踏まえ、また、学校現場の教員や外部有識者の参画を得て検討を進めてまいります。

今年度中に本県としての生成AIガイドラインを策定いたしまして、各学校に示していきたいと考えております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

先生方も安心されると思います。年度中とのお約束、確かに承りました。

このガイドラインを格差の解消の起点としていただければと思います。

現場の先生が「これなら使ってよい」と迷わず判断できるものをご用意いただきたい。それが教える側を支える第一歩になると考えております。

4.公共工事の入札不調・不落

(1)本県の実態と、参考入札方式の研究

中村泰輔議員
次に、公共工事の入札不調・不落についてお伺いします。

資材と労務費の高騰で、全国的に不調・不落が相次いでいます。

予定価格を引き上げて再公告しても、実勢価格に届かなければまた不調になります。

東京都江戸川区では、小中学校の改築で4回連続の不調が生じ、仮設校舎での生活が2年半の予定から4年半以上に延びた事例もあったそうです。

「参考入札方式」というものがございます。

公告の段階で、不落なら随意契約に移ると宣言しておく。通常どおり入札を行い、予定価格内で応札できない事業者には希望価格と内訳を出してもらう。予定価格内の応札があれば落札、なければ内訳をもとに最も評価の高い事業者を選び、議会の承認を得て随意契約を結ぶ。こういうものであります。

公共調達制度に詳しい弁護士や大学教授が提唱されており、先ほどご紹介した東京都江戸川区では、国土交通省や東京都との協議のもと、導入準備に入っているそうです。

そこでお伺いします。

県発注の建設工事の入札不調・不落は、近年どのような状況にあるのでしょうか。

併せて、この参考入札方式の研究に着手していただけないでしょうか。お尋ねいたします。

土木部長
土木部においては、令和元年度から令和2年度にかけて不調・不落が増加したことから、国の取組を参考に、現場条件を適切に反映した積算や余裕ある工期の設定、発注時期の平準化などに取り組んでまいりました。

その結果、令和2年度には100件、率にして約6%台だった不調・不落ですが、令和5年度には30件、令和6年度には12件、令和7年度には20件、率にして約2%台まで減少しております。

今後も引き続き、国の取組や各自治体の事例なども参考にしながら、不調・不落の抑制に努めてまいります。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

しっかりと数字と取組をお示しいただいたと思います。

予定価格を実態に合わせて、発注の時期やロットを工夫しておられます。その積み重ねは受け止めさせていただきます。

ただ、今後も資材の高騰が続くことを考えれば、備えが必要かと思います。

参考入札方式は、随意契約の過程を競争の上に置く方式でもございます。本県でも導入に向けた検討をお願いし、次の質問に移ります。

5.障害のあるお子さんとご家族への支援

(1)18歳の壁と、地域で暮らし続けるための住まい

中村泰輔議員
知的障害のあるお子様を育てるシングルマザーの方々から、切実なお声をいただいております。

1点目は「18歳の壁」です。

放課後等デイサービスは高校生まで。その後の就労継続支援B型等は16時ぐらいで終了する事業所が少なくなく、保護者が帰宅するまでの居場所がありません。

ひとり親家庭では勤務時間の短縮や離職を余儀なくされ、工賃は月1,000円から3万円程度。親が働かなければ、親亡き後の備えもできません。

県は、この「18歳の壁」をどう認識し、解消にどう取り組まれるのか、お伺いいたします。

福祉保健部長
障害のある方が就労継続支援B型事業所等の日中活動サービスを利用した際、家族が帰宅するまでの時間帯における見守りや居場所の確保に苦労されている事例があるということは承知しております。

こうした時間帯における支援につきましては、市町が実施する日中一時支援の活用が考えられますが、県内では受入れ体制や費用の面での課題もあり、B型事業所利用後の受入れに十分対応できていない状況にあります。

県といたしましては、関係事業者等を通じまして実態やニーズの把握に努め、その内容を市町へ情報共有するとともに、市町の自立支援協議会等の場において議論を深めていただくよう働きかけることにより、地域における支援体制の充実を図ってまいります。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。厳しい状況にあるということを承りました。

18歳までは預かってもらえたものが、卒業した途端に受け皿がなくなる。市町と連携をして、18歳以上の方々の居場所の確保について、今は調査、連携ということでありましたけれども、引き続き取り組んでいただくようお願いいたします。

続いて住まいです。

当事者の願いは施設入所ではなく、希望する地域で暮らし続けることであり、グループホームは重要な選択肢です。

他県では借り上げ方式への支援が進み、国も公営住宅の活用事例を公表しています。

本県でも県有地や県営住宅の空き住戸の活用を、整備ニーズを踏まえて進めるべきと考えますが、見解を伺います。

福祉保健部長
障害のある方が希望する地域で安心して暮らし続けられるよう、住まいの場を確保していくことは重要と認識しておりまして、グループホームにつきましては、地域生活を支える重要な社会資源であると認識しております。

県内のグループホームにつきましては、民間住宅や一部の県営住宅も活用されておりまして、地域によって整備状況に差は見られますが、広域的な利用を含めれば、県全体としては一定の受入れ体制が確保されているものと考えております。

県といたしましては、今年度策定する次期障害福祉計画におきまして、市町の利用見込みなどを踏まえ、ニーズに応じたグループホーム等の住まいの確保を引き続き進めてまいります。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

数の上で充足していることと、必要としている方に届いていることは別だと私は思います。

受入れが困難な理由まで、ぜひとも把握をしていただいて、次期計画に反映していただきたいと思います。

(2)医療的ケア児の居場所と、きょうだい児への支援

続きまして、医療的ケア児の居場所と、ともに暮らすきょうだい児への支援です。

医療的ケアが必要なお子さんは、放課後等デイサービス等でも受入れが難しく、居場所は限られます。

県は令和4年8月に医療的ケア児支援センターを設置し、令和7年度は986件の相談が寄せられました。

相談支援が機能していることは評価いたします。

保護者の時間や注意が医療的ケア児に集中し、きょうだい児が精神的な負担を抱えるケースもあると聞いております。

受入れ体制の整備は、保護者の負担軽減にもつながります。

医療的ケア児を受け入れる体制の整備に、県として今後どう取り組まれるのか、お尋ねいたします。

福祉保健部長
医療的ケア児につきましては、人工呼吸器の管理など専門的なケアが必要となりますことから、受入れ可能な事業所が限られておりまして、受入れ体制の充実が必要と考えております。

また、その受入れ体制の充実は、保護者にとりましては負担の軽減や、医療的ケア児のきょうだい姉妹と向き合う時間の確保にもつながるものと考えております。

県ではこれまで、医療的ケア児支援センターを中心に、在宅でケアを行える看護職員の養成や、受入れを希望する事業所に対する実地指導などを通じまして、受入れ体制の充実に取り組んできたところでございます。

引き続き、医療的ケア児とその家族が地域で安心して暮らせるよう、受入れ体制の充実を図ってまいります。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

きょうだい児につきまして、この視点はこれまで県の政策の様々な資料を見てきましたけれども、あまり明確に位置づけられていないのかなと感じております。

このことについては、ぜひとも計画に盛り込んでいただけるように、家族全体を支える視点を県には持っていただければと思います。

(3)特別支援学校のスクールバス

3点目は、特別支援学校のスクールバスについてです。

希望しても乗れないというお声をいただいております。

利用を希望しながら乗車できていない児童生徒は何人おられるのか。そして、その数を踏まえて今後どのように対応されるのか、教育長に伺います。

教育長
特別支援学校のスクールバスにつきましては、自力での通学が困難な児童生徒のため、通学時間など一定の基準を設けまして、現在8校で19台を運行いたしております。

乗車に当たりましては、児童生徒一人一人の障害の状況に配慮しておりまして、例えば2人席に1人で座らせるなどの対応も行っており、その結果、乗車定員を下回る人数での運行となっております。

このため、令和8年度は1便を増便して対応いたしましたが、現時点で1校8名の児童生徒が乗車できない状況となってございます。

県教育委員会といたしましては、引き続き児童生徒の推移、障害の状況、通学環境などを勘案しながら、一部の路線で実施しておりますピストン運行や運行ルートの見直しなど、必要な対応を検討いたしまして、児童生徒の安心・安全な通学環境の整備に努めてまいります。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

1校8名というご答弁をいただきました。実際に希望しても乗れない生徒さんがおられます。

増便ということは非常に難しいかもしれませんが、ピストン運行や運行ルートの見直しということで、できることはやりたいという前向きなご答弁をいただきました。

乗車できない児童生徒ゼロを、ぜひとも目指していただければと思います。

(4)現場実習の送迎

4点目は、現場実習の送迎についてです。

特別支援学校高等部の実習は、3年生で年2回、1回当たり1週間から3週間に及びます。

実習先までの移動をどなたが担っておられるのか、お聞かせ願います。

教育長
今年度7月までに現場実習を行った高等部3年生227人を対象に、自宅から実習先までの移動方法について調査をいたしましたところ、生徒単独での移動が100人、事業所による移動が66人、保護者による移動が43人、保護者と事業所による移動の組合せ等が18人という結果でございました。

実習先別では、企業や就労継続支援A型事業所では生徒単独での移動の割合が大きく、一方で、就労継続支援B型事業所と生活介護事業所では、企業等と比較いたしますと保護者による移動の割合が大きく、保護者による移動43人のうち34人を占めているところでございます。

なお、実習先の選定に当たりましては、各校において本人の希望や障害の状況に加えまして、自宅と事業所間の移動方法も総合的に勘案して、生徒一人一人個別に検討するようにいたしております。

中村泰輔議員
ありがとうございます。かなり詳しく調べていただきました。

障害の重いお子様がいらっしゃる親御さんは、ご自身が送っておられるということも、調査によって分かりました。これが数字の示すところだと思います。

送迎のある事業所が近くになければ、遠くてもそちらを選び、それも難しければ親が送る。送迎の有無が実習先選択そのものを狭めていると思います。

そこで教育長に伺います。

就労継続支援B型と生活介護の事業所に対し、実習生の送迎の協力を県から働きかけていただけないでしょうか。

教育長
特別支援学校の現場実習は、卒業後の進路選択につながる重要な機会でございます。

実習先への送迎の手段が確保されるということは、生徒の実習先の選択の幅を広げる上で重要であると認識いたしております。

なお、障害福祉サービス事業所における生徒の送迎につきましては、学校教育活動へのご理解、ご協力のもと、事業所において可能な範囲で対応していただいております。

今回の調査結果を踏まえまして、福祉保健部とも連携をしながら、現場実習の打合せや障害福祉サービスに関する事業所説明会等の機会を捉えて、保護者負担の軽減にも配慮しつつ、事業所に協力いただけるよう引き続き働きかけてまいります。

中村泰輔議員
ありがとうございます。

事業所は可能な範囲で対応しているということでしたけれども、それでも働きかけるとおっしゃっていただきました。

福祉保健部と連携をしていただいて、ぜひともよろしくお願いいたします。

(5)障害年金の「初診日」と受診控え

5点目は、SNSで取り上げられている声を拾っております。障害年金の「初診日」についてです。

障害年金は、初診日がいつかによって、障害基礎年金となるか、障害厚生年金となるかが変わります。

子どもの頃に発達障害で受診した記録があり、成人後のうつ病との間に医学的な因果関係が認められれば、その受診が初診日とされ、長年、厚生年金の保険料を納めていても、その分の年金を得られない事象が起こり得るとして、当事者の方々が国に改善を要望されています。

発達障害のある方は、うつ病を経験する割合が高いとされ、例外ではないと私は考えています。

県内の実情を把握するため、日本年金機構の公表統計や、特別児童扶養手当と精神障害者保健福祉手帳の突合など、6つの調査方法をお願いし、県にはすべて確認いただきました。

しかしながら、その結果、こういった事例が県内においては現時点では確認できていないという回答をいただいています。

なぜ把握できないのか。

当事者にとっては、子どもの発達支援・医療、成人後の精神疾患、そして障害年金と、人生を通した一つの問題です。

ところが行政では、こども家庭関係部署、障害福祉課、教育委員会、国の年金機構、発達障害者支援センターと分かれています。

全体を見ている場所があるのでしょうか。

そこでお伺いいたします。

第一に、初診日の考え方について、事実関係と国の考え方を確認していただけないでしょうか。

第二に、ご相談をどこでお受けするのか、窓口を明らかにしていただけないでしょうか。

第三に、寄せられた声を関係部局、教育委員会の間で共有し、国の検討状況と併せて継続して把握をお願いできないでしょうか。

まとめてお尋ねいたします。

福祉保健部長
本県におきましては、現時点で把握している範囲におきまして、議員からご指摘のございました障害年金の初診日に係る取扱いに関する相談は寄せられておりませんが、不安や疑問が寄せられた場合には、発達障害者支援センターをはじめとする相談機関において丁寧に対応を行う必要があると考えております。

また、障害年金を所管する厚生労働省における障害年金に係る初診日の取扱いにつきましては、幼少期の発達障害と成人後の精神疾患との関係につきまして、医学的な因果関係や受診歴、就労状況などを踏まえて、個々の事案ごとに総合的に判断すると承知しております。

県といたしましては、この障害年金制度そのものに関与する立場にはございませんが、引き続き国の動向を注視するとともに、関係部局、関係機関と連携をしながら、当事者やご家族の声に丁寧に対応していきたいと考えております。

中村泰輔議員
ご答弁ありがとうございます。

私がこの件を扱った理由ですけれども、これまで、発達障害の可能性がある、もしかしたらそうかもしれないというお子様に対しては、適切な診断につなげていただくよう、県議会で何度も話をしてきました。

また、受診すること自体が、予約から受診まで半年、また1年と待たなければならない状況を改善しようということで取り組んできたわけであります。

ですが、この件は逆に、受診することが後々マイナスになるかもしれないという内容なんですね。

私も、これが本当にそうなのかどうかは分かりません。ですから、それを今回、この質問の場で明らかにしたかったんですけれども、現時点では難しいということでした。

憶測や伝え聞きのまま受診をためらう方がおられてはなりません。

確認できた内容は、現場にも当事者にも私の方から届けさせていただきたいと思います。

窓口についても、どこにお寄せいただいても県に届く。そこまで整えていただければと思います。

声が集まれば、国が初診日の在り方を検討する際の材料になると私は思っております。

(6)知事の思い

最後に知事の思いをお伺いいたします。

本日お伺いさせていただきましたものは、いずれもなかなか制度の表からは見えにくい問題であります。

18歳という線引き、きょうだい児という視点、もしかしたらバスに乗れていない子がいるかもしれない。そして今お尋ねした初診日という点。

当事者が声を上げなければ、気づかれないままです。

障害のあるお子さんとご家族が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、知事の思いをお聞かせ願います。

知事
私は、県民お一人お一人が抱える悩みや課題に寄り添い、その声をしっかりと受け止めながら施策を進めることが重要であると考えております。

障害のあるお子さんとそのご家族についても、それぞれの置かれている状況や抱えている課題が異なることから、その声に丁寧に耳を傾けながら、必要な支援につなげていくことが大切であると認識しております。

障害のあるお子さんたちには、一人一人の可能性を伸ばしながら、住み慣れた地域で安心して成長していただきたい。

また、ご家族には、将来の不安を一人で抱え込むことなく、安心して暮らしていただきたいと考えております。

今後とも、障害のあるお子さんとそのご家族の思いにしっかりと寄り添い、市町や関係機関と連携しながら、安心して暮らし続けることができる地域づくりに向けて取り組んでまいります。

中村泰輔議員
平田知事、ありがとうございます。

知事のお言葉を、声を寄せてくださったお母様方にお伝えしたいと思います。

最後に2点申し添えます。

一つは、この議場でこれまで質疑を交わしてきた、いじめの積極的認知の取組であります。

先日、私がPTAの研修会に参加した時に、2時間の研修だったんですけれども、30分がこの積極的認知のためにありました。保護者の皆さんが本当に真剣に聞いておられました。

いじめの件数が増えるのを恐れず、一人たりとも取りこぼさない。その視点をぜひとも続けていただければと思います。

もう一つは、子ども医療費制度の見直しについてであります。

代表質問等でもありましたので、今回質問を控えましたが、制度を統一するというお考えは理解をし、スケールメリットがあるということも理解したところです。

ただ、高校生世代では、当初予算2.7億円に対し決算4.3億円で、6割程度の超過が生じたという過去もあります。

予算の算定と財源の見通しを、議会にお示しいただくようお願いいたします。

最後に、西九州新幹線が今後、極めて重要な局面となります。

知事就任早々、新幹線、そして石木ダム。県政の重要な課題が平田知事の背中に重くのしかかっています。

知事は選挙の際、「新幹線、石木ダム、そして諫早湾干拓、この3つは必ず自分の代で解決する。今の若者、子どもたちのために」とおっしゃられました。

そのご覚悟に私は感銘を受けています。共に頑張っていきましょう。

これで質問を終わります。