R8年9月/長崎県議会/議事メモ/近藤智昭議員

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以下の内容は、長崎県議会における実際の質疑・答弁等の音声をもとに、内容を分かりやすくお伝えすることを目的として文字起こし・整理したものです。

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令和8年9月11日(金) 長崎県議会9月定例会 本会議(一般質問) 近藤智昭議員

1.財政運営について

(1)中期財政見通しについて

近藤智昭議員
南松浦郡選出の近藤智昭でございます。どうぞよろしくお願いします。

県の重点方針に掲げる取組や石木ダム建設、九州新幹線西九州ルートの整備促進、頻発化・激甚化する自然災害への対応などを進めていくためには、当然ながら財源に裏打ちされた予算が必要となります。

県は9月8日、令和9年度から5年間の中期財政見通しを策定し、公表しました。この見通しによると、県税収入等が増加する一方、歳出面では社会保障関係費の継続的な伸びに加え、公債費負担の増加等により、令和9年度以降、毎年40億円から50億円程度の財源不足が生じるなど、厳しい財政状況が続く見通しとなっています。

このような中、本県が直面する様々な課題の解決に必要な事業に取り組むためには、財政の健全性をしっかり確保していく必要があります。

今回の中期財政見通しの策定を踏まえた本県の財政状況についての認識と、今後の財政運営の考え方について知事にお尋ねします。

知事
本県の財政運営に当たりましては、国の有利な財源措置等も最大限活用しながら、歳入・歳出両面において継続的な収支改善対策に取り組んでまいりました。

こうした中、令和7年度においては、過去の大型事業や国土強靱化対策関係事業の償還に加え、金利の上昇に伴う実質的な公債費負担の増加等により財源不足が生じたことから、財源調整のための基金の取崩しにより対応したところであります。

社会保障関係費の増加に加え、昨今の金利のさらなる上昇傾向を踏まえますと、本県の財政はますます厳しさを増していく状況にあると認識しております。

このため今後の財政運営に当たっては、税源涵養につながる政策の推進や、高い金利状況を生かした基金運用の見直しなど、自主財源の確保に向けた対策を講じるとともに、将来の公債費抑制に向けて投資事業の重点化・効率化等を図り、歳入・歳出両面から一層の収支改善を進めてまいりたいと考えております。

併せて、国に対しても全国知事会等と連携しながら税財源の確保・充実を強く要請するなど、持続可能な財政運営に力を注いでまいります。

2.有人国境離島法について

(1)航路・航空路の運賃低廉化について

近藤智昭議員
今年7月、改正有人国境離島法が成立し、来年3月末で期限切れとなる有人国境離島法の延長が実現しました。

この法律は、国境離島地域の住民にとって、まさに希望の光であり、命綱とも言えるものです。

平成29年の法律施行によって航路・航空路の運賃が低廉化され、島民の経済的負担が軽減されました。輸送コスト支援は基幹産業である農林水産業の産地競争力の底上げにつながり、滞在型観光の促進など交流人口の拡大によって、雇用機会の拡充や島内産業に新たな活力を与え、若者の定住・移住を後押しする大きな力となっています。

この法律がなくなれば地域住民の生活は非常に厳しくなり、人口減少がさらに加速していくことが懸念されるため、期限が延長されたことに地域住民の誰もが安堵していると思います。

そこで、国の支援制度の中でも地域住民の日常生活に直結する航路・航空路の運賃低廉化について、これまでの支援実績をお尋ねします。

地域振興部長
県では、本土から遠く離れ、交通に要する時間や費用の負担が大きい国境離島地域において、継続的な居住が可能となる環境を整備するため、国の交付金を活用し、住民等の航路運賃、航空路運賃を低廉化する事業を平成29年度から実施しております。

制度開始から昨年度まで9年間の実績は、航路運賃低廉化事業の延べ利用者数が約790万人、県の負担額は約18億円となっております。

また、航空路運賃低廉化事業の延べ利用者数は約152万人【要確認】、県の負担額は約12億円となっております。

(2)支援制度の拡充について

近藤智昭議員
今回の改正・延長について、地域住民は法期限の延長に加えて、支援制度の拡充についても大きな期待を寄せています。

これまで県をはじめ、県議会、関係市町、市町議会においても、支援制度の拡充について一丸となって国への要望を行ってきました。

来年度からの改正有人国境離島法の施行に合わせ、現在国で検討されている支援制度の拡充案の内容と、期待される効果についてお尋ねします。

地域振興政策監
県では昨年12月に、法改正に伴う支援策の充実・強化に係る関係市町の意見などを取りまとめ、国等へ要望を行うとともに、改正法成立後の7月30日には、本県選出国会議員をはじめ、県議会や関係市町の皆様と連携して、支援制度の拡充や予算の確保について要望を行ったところであります。

内閣府の令和9年度予算概算要求においては、国境離島交付金の85億円に加え、新たに先駆的技術の社会実装の推進に要する経費として10億円が盛り込まれ、今年度当初予算額の55億円を大きく上回る総額95億円が要求されております。

国境離島交付金では、燃油高騰に伴う運賃や輸送費の値上げへの対応のほか、雇用機会拡充事業における対象経費の上限額の見直しなどが行われるとされています。

また、新規事業として、国境離島地域を先駆的技術等の社会実装の先行モデル地域とし、技術導入に向けた実証事業などを実施することとされております。

今回示された支援制度の拡充案につきましては、地域社会の維持・振興を支える根幹であり、本県からも要望してきたところでありますので、来年度予算に確実に反映されるよう、関係市町と連携しながら内閣府との情報共有や意見交換に積極的に取り組んでまいります。

3.水産業の振興について

(1)水産業の振興にかかる課題への対応について

近藤智昭議員
まず、物価高騰に伴う漁業コストの低減対策について伺います。

本県の国境離島である壱岐、対馬、五島地域の水産業は、地域経済を支えるだけでなく、国境監視、国益の維持という重要な役割を担っています。

しかし、近年の世界情勢や円安に伴う燃料価格の高騰に加え、漁網や養殖資材、配合飼料などの資材価格高騰は、特に国境離島の漁業経営に極めて深刻な打撃を与えています。

現場からは「出漁するほど赤字になる」「船を出せない」「資材の買い替えを諦めざるを得ない」といった悲痛な声も聞かれ、生産コストを下げるための即効性のある支援策が必要です。

県では本年3月の補正予算で、国の重点支援交付金を活用し、水産業コスト縮減緊急対策事業を実施しています。この事業が離島地域においてどのように活用されているのかお尋ねします。

水産部長
県では、水産関連事業者のコスト削減に必要な機器導入や施設整備等の取組を支援するため、国の交付金を活用して9億7,300万円の経済対策事業を構築し、これまで407事業者から申請をいただいております。

このうち6割以上は離島地域からの申請であり、スマート機器の導入や漁船エンジンのオーバーホール、定置網の長寿命化などの取組を支援しております。

今後、追加の公募を10月に予定しており、事業のさらなる活用を進めてまいります。

近藤智昭議員
次に、離島地域におけるスマート化の取組について伺います。

本県離島の漁業現場では、深刻な高齢化と担い手不足が進んでいます。この状況を打開し、離島水産業を持続可能なものとするためには、ICTやロボット技術等を活用したスマート水産による生産性向上と省力化が不可欠です。

地元の上五島では、養殖業における自動給餌器や、養殖場の水質等を遠隔監視するテレメーターの導入などが進められていますが、それ以外の漁業では普及が十分ではないと感じています。

経験や勘が重要な漁船漁業においても、先端技術や様々なデータを活用することは、作業効率化や経費削減による漁業者の所得維持・向上だけでなく、若者や経験の浅い漁業者の操業技術を補う上でも重要です。

漁船漁業におけるスマート化を推進するため、県としてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

水産部長
スマート機器は漁船漁業でも活用されており、離島の一本釣り漁業者が、海底地形を可視化できる3D GPSプロッターと魚の大きさを判別できる魚群探知機を導入し、水揚額が1.5倍になった事例があります。

また、平成29年に関係県、大学、民間企業と連携して開発し、漁業者に配布した、水温・潮流等を高精度に予測できるスマートフォン用アプリが現在も現場で漁場探索に活用されております。

引き続き、漁業者によるスマート化の取組を支援し、広く普及させることにより、水産業の持続的な発展と漁業所得の向上につなげてまいります。

近藤智昭議員
次に、本県水産業の付加価値向上と販路拡大について伺います。

本県は全国有数の水産県であり、とりわけ離島で水揚げされる新鮮な魚は本県が誇る宝です。

一方、消費地から遠いという地理的制約を抱える離島では、人件費や輸送費が上昇する中でも、生産者の所得向上を図っていく必要があります。

このため、CAS冷凍等の先進的な鮮度保持技術の活用や、消費者ニーズに合わせた加工などにより、産地の段階で水産物の付加価値を高めるとともに、その品質の高さをしっかり伝えながら、首都圏などの大消費地や海外市場への販路開拓を進めることが重要です。

産地における付加価値向上や、国内外への販路拡大に向けた取組をどのように強化していくのかお尋ねします。

水産部長
県ではこれまで、県内事業者が水産バイヤーとの連携による売れる商品づくりや商談会への出展支援などにより、付加価値向上と販路拡大に努めてまいりました。

また、今年度からはワンフローズン商材や冷凍寿司ネタといった高次加工品など、産地である本県の強みを生かした加工により価値を高め、消費地まで届けるバリューチェーンの強化につながる取組を支援しております。

さらに、輸出産地クラスター計画や地場産業成長プランを策定し、国の交付金を活用しながらマーケットイン型の産地加工などの取組を進め、生産者の所得向上につなげてまいります。

4.土木行政について

(1)台風・豪雨災害を見据えた港湾機能の強化について

近藤智昭議員
本県は全国一の島の数を有する離島県であり、多くの県民が離島で生活を営んでおります。

離島に暮らす人々にとって、港湾や空港は医療、物流、生活のすべてを支える生命線です。災害時に港湾や空港が機能停止すれば、即座に離島の孤立化を招くため、耐震・耐波化や緊急輸送体制の確立が急務です。

高度経済成長期以降に整備された構造物の老朽化が進む中、計画的な予防保全による長寿命化も不可欠です。

特に近年、激甚化する自然災害により、離島における港湾の安全確保は一刻の猶予も許されない状況です。

港湾は単なる産業基盤にとどまらず、避難や物資補給を担う生命線です。ひとたび防波堤の破損・流出や漂流ごみ等による機能不全が発生すれば、地域全体が孤立化するおそれがあります。

防災・減災及び国土強靱化の観点から、離島港湾施設の耐震・耐波補強と老朽化対策をどのように加速していくのか、県の見解と具体的な取組方針を伺います。

土木部関係理事者【要確認】
離島港湾施設は、人流・物流や交流の拠点としての役割に加え、災害時には避難や物資供給などの活動拠点として重要な役割を担うものと認識しております。

このため、国土強靱化関係予算を活用し、耐震岸壁の整備や防波堤の機能強化を重点的に図るとともに、老朽化対策につきましても、定期航路で利用される浮桟橋などの更新・改良を計画的に図っているところでございます。

また、交付金事業の要件を満たさない防災対策につきましては、緊急自然災害防止対策事業を活用し、地域の防災力強化に取り組んでおります。

国土強靱化の取組はまだ道半ばであることから、引き続き国に対し必要な予算の確保を強く働きかけながら、離島港湾の強靱化対策を着実に推進してまいります。

(2)離島におけるインフラ維持管理の効率化について

近藤智昭議員
離島の道路、橋梁、水道施設などの生活インフラは、住民の安全で快適な暮らしの根幹をなすものです。

しかし、離島における点検・修繕工事では、本土から資機材を運ぶ海上輸送費や専門技術者の移動費、人件費などが大きくかかる、離島特有の高コスト構造があります。

老朽化が急激に進む一方で、技術者不足も深刻化しており、本土と同じ予算では維持補修が追いつかない、維持管理コストが重く計画的な改修が進まないといった課題があります。

これを克服するためには、ICT技術の導入による効率化やコスト縮減が欠かせません。

ドローン点検や遠隔モニタリングといったICT技術を積極的に導入することでインフラ維持管理の効率化を図り、長寿命化を進めることが重要と考えますが、県の見解と今後の取組についてお尋ねします。

土木部長
本県においては、インフラの整備や維持管理における建設現場の生産性向上と省人化を図るため、ICTなどのデジタル技術の活用を推進する「長崎県インフラDXアクションプラン」を策定し、官民一体となって様々な取組を進めております。

具体的には、県管理トンネルの約6割が離島にあり、その点検では現在、ひび割れや漏水などを原則目視で確認しておりますが、時間と労力を要するため、高性能カメラを搭載した点検車で走行しながら、短時間かつ高精度に異常を確認する手法を試行しているところでございます。

また、令和7年度から上五島をはじめとする離島4か所を含む県内各地において、ICT技術の普及を目的とした研修会を開催し、業界のニーズを踏まえた最新技術を紹介しております。

今後とも同アクションプランに基づき、官民連携してICT技術の普及を図り、離島におけるインフラの効率的な維持管理と長寿命化に努めてまいります。

5.福祉保健行政について

(1)オンライン診療の本格普及と体制整備について

近藤智昭議員
本県が誇る豊かな島々において、「島で生まれ、島で育ち、島で健やかに老いる」という当たり前の暮らしを守ることは、県政の最重要課題の一つです。

しかし現場では、人口減少と超高齢化の同時進行により、医療・介護体制の維持が急速に困難になっています。

離島では医師や看護師、介護人材の不足が常態化しており、本土への通院・搬送の負担、施設や事業者の縮小といった切実な問題に直面しています。

こうした中、地域医療・介護の持続可能性を高める鍵となるのが、オンライン診療や遠隔モニタリング、介護テクノロジーをはじめとするデジタル技術の活用です。

医師の確保が課題となっている離島において、オンライン診療の拡充は島民の命と生活を守る上で重要です。

本年3月定例会の一般質問では、対馬市においてオンライン診療の導入が予定されているとの答弁がありました。その後の離島におけるオンライン診療の取組状況と普及に向けた課題を伺うとともに、今後、離島地域におけるオンライン診療の普及促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

福祉保健部長
離島等の医療資源が限られた地域においても、日常的な受診機会を含め、必要な医療提供体制を確保することは重要であり、オンライン診療の導入は有効な手段の一つであると考えております。

一方、オンライン診療の普及に当たりましては、住民や医療従事者の理解促進をはじめ、地域の実情に応じた実施体制の構築が重要であります。

このため県では、昨年度「長崎県離島診療所ICT等普及協議会」を設置し、今年度からは有人離島を有する本土の自治体にも参加いただき、県内外の先進事例や導入に当たっての課題等を共有し、各地域における取組の検討につなげております。

さらに、オンライン診療の実装に向けた先行モデルとして、対馬市の一重へき地診療所への導入を支援し、令和8年4月から本格運用を開始したところであります。

また今後は、五島市の二次離島におけるオンライン診療の体制構築を支援することとしております。

県といたしましては、市町や関係機関と連携しながら、先進事例で得られた成果や課題の共有を図るとともに、地域の実情に応じた市町の取組を積極的に後押しし、他地域への横展開を進めてまいります。

(2)離島における介護人材の確保と定着支援について

近藤智昭議員
本県の離島では、超高齢化が進む一方、介護人材不足や事業者の経営難が深刻化しており、島内でのサービス継続が脅かされています。

現場では「募集を出しても応募がない」「職員の負担が限界だ」「家賃や生活費の負担が重く、島外からの着任が進まない」といった切実な声があります。

島で健やかに老いる暮らしを守るためには、介護従事者の処遇改善や生活基盤への支援、ICT導入による業務負担軽減が欠かせません。

離島で働く介護従事者の確保に向けて、県としてどのように一層の充実を図っていくのか見解を伺います。

福祉保健部長
本県には多くの離島が存在し、こうした地域においても必要な介護サービスを安心して受けられる体制を確保することは重要であるとの認識の下、介護ロボットやICT等のテクノロジーの導入に加え、県域外からの介護人材の確保と定着にも取り組んでおります。

具体的には、介護事業者や関係機関で構成される人材育成・確保のための協議会を、離島4県域を含む県内8県域に設置し、その取組を支援しております。

このうち上五島県域の協議会では、移住希望者を対象とした施設見学や介護体験、地域との交流を組み合わせたツアーを実施するなど、地域の特色を生かした取組が進められており、実際の移住や就労につながった例もございます。

県といたしましては、各県域協議会における効果的な取組事例を市町と共有するとともに、県内外への積極的な情報発信など、市町と一体となった離島地域における介護人材の確保に取り組んでまいります。

(3)救急搬送体制の強化とヘリポート等の利用環境向上について

近藤智昭議員
離島において、ドクターヘリや防災ヘリ、自衛隊等による緊急搬送は、重症患者の生死を分ける、文字どおり生命線です。

しかし現場からは、「夜間は着陸できる場所が限られ、搬送までに時間がかかる」「夜間照明の不足などが迅速な運航の壁になっている」といった声が聞かれます。

また、自衛隊の運用体制変更により、これまで多大な支援をいただいていた海上自衛隊のヘリコプターが一部のヘリポートに着陸できなくなるなど、離島の緊急搬送体制を維持する厳しさが増しています。

まず、本年7月から運航を開始した2機目のドクターヘリについて、より多くの県民の命を守るため、2機を最大限に活用することが重要です。週1回の運航となっている2機目のドクターヘリの今後の運航について県の考えを伺います。

福祉保健部長
ドクターヘリにつきましては、既に出動中で対応できない件数が年間100件を超えており、より多くの搬送要請に応じることができるよう、本年7月から2機目の運航を開始したところでございます。

運航開始後は、重複する搬送要請に対応するほか、1機目に機体不具合等が発生した際に代替運航を行うなど、2機体制を生かした運航を行っております。

2機目の運航日数につきましては、10月中旬から週2回、11月からは週3回に拡大する予定としております。

今後とも、2機のドクターヘリを効果的に運用し、救急搬送体制のさらなる充実・強化を図り、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。

近藤智昭議員
また、夜間における搬送体制の強化に向け、ヘリポート等の設備整備と利用環境の改善に今後どのように取り組んでいくのか、危機管理部長の見解を伺います。

危機管理部長
離島からの救急搬送において重要な役割を担っていただいている海上自衛隊につきましては、運用体制の変更により、ヘリポートや一部空港への離発着が困難となったことから、自衛隊として陸上及び航空自衛隊を含む統合運用により対応していく方針とお聞きしております。

こうした中、上五島空港では、自衛隊ヘリが夜間に離発着するために必要な灯火設備が一部整備されていないという課題があったことから、県が所有する可搬型照明【要確認】を使用することにより、航空自衛隊による確認訓練を経て、救急搬送への対応が可能となったところでございます。

県としては、複数部隊による各離島での習熟訓練など、支援体制の確保を国に要望しており、他の離島においても自衛隊による確認訓練を進めていただく予定としております。

こうした取組を着実に進める中で、必要なヘリポート等の環境整備については、地元自治体とも調整を図りながら、夜間の救急搬送体制の確立に努めてまいります。

6.教育行政について

(1)小規模化・複式学級に伴う「集団での学び」の機会確保について

近藤智昭議員
本県の離島では少子化が急激に進み、小規模校や複式学級の拡大により、グループワークなど多様な考え方に触れる集団での学びや、運動会、部活動といった活動の選択肢が制限されています。

現場からは「切磋琢磨する仲間が少なく、学習の幅が広がりにくい」「人数の関係でやりたい部活動ができない」といった保護者や生徒の声が聞かれます。

離島に生まれ育った子供たちが、人数や規模を理由に学びや成長の機会を損なうことがあってはなりません。

GIGAスクール構想の端末を活用するなど、集団で学ぶ機会をどのように確保していくのかお伺いします。

教育長
小規模校におきましても、多様な見方や考え方に触れながら学びを深める機会を確保することは重要であると認識しております。

そのため、複数の学校による合同学習や体験活動の実施など、学校間交流を推進してきたところでございます。

さらに、1人1台端末を活用したオンラインでの交流が可能となりましたので、例えば離島の小規模校同士が学校や地域の魅力を伝え合うなど、地理的条件や学校規模に左右されることなく、子供たちが集団で学ぶ機会が広がってきております。

今後、こうした取組の成果や好事例を県内へ広く展開することで、小規模校における教育の充実に努めてまいりたいと考えております。

(2)離島地域の高校における学びの充実について

近藤智昭議員
離島における高校は、単なる教育の場にとどまらず、若者の島外・県外への流出を防ぎ、地域コミュニティの活力と未来を支える重要な拠点です。

しかし、生徒数の減少に伴う学校再編の波や、多様化する生徒の進学・就職ニーズへの対応が大きな課題となっています。

現場からは、「島にいながら多様な専門分野を学び、幅広い進路選択ができる魅力的で柔軟な学びの場を維持してほしい」「離島留学をさらに拡充し、校内に多様な価値観や新しい風を吹かせてほしい」といった声があります。

探究学習やデジタルを活用した遠隔授業の拡大、キャリア教育の充実、離島留学制度の受入体制強化による島内外の交流促進など、子供たちの進路や可能性を広げる今後の取組について見解を伺います。

教育政策監【要確認】
生徒の居住地域にかかわらず、質の高い教育を保障し、一人一人の可能性を伸ばすとともに、多様な学びや進路の実現を支えることは重要であると認識しております。

離島地域の小規模高校におきましては、少人数教育の強みを生かしたきめ細かな指導に加え、地域の自然や歴史、産業、文化などを題材とした特色ある学びを通して、生徒の個性や能力を育んでおります。

また、多様な学習や交流の機会を確保することも重要であり、昨年度、離島地域の高校生が「AIG高校生外交官プログラム」【学校名要確認】に選出され、アメリカの高校生との国際交流活動に参加するなど、国内外へ学びの場を広げている事例もございます。

今後、県立高校の再編整備に当たりましては、遠隔授業や学校間連携、島内外との交流の充実などを通して、多様で質の高い学びの機会を創出してまいります。

その上で、離島の子供たちが地域への愛着と誇りを礎に、自らの可能性を伸ばし、主体的に未来を切り開くことができる教育環境の整備を進めてまいります。

(3)運動習慣の二極化と「運動が好きになる」体育授業への転換について

近藤智昭議員
本県は全国体力テストにおいて、小中学生の体力合計点が全国平均を下回る状況が続いています。

日常的に運動する子供と、体育の授業以外ではほとんど体を動かさない子供との二極化も顕著になっています。

外遊びや歩行機会の減少、スマートフォンの普及によるスクリーンタイムの増加などが懸念される中、体育の授業は運動習慣のない子供たちにとっても貴重な体を動かす機会です。

運動が得意でない子供たちも含め、全員が楽しみながら取り組める体育授業の工夫、ICT端末を活用したフォーム確認など効果的な指導方法の普及、さらに家庭や地域と連携した日常的な運動習慣づくりについて、県教育委員会の見解と今後の取組方針を伺います。

教育長
子供たちの健やかな体の育成や、生涯にわたって運動に親しむ資質・能力を育んでいくことは、健康で充実した生活を送る上で大変重要であります。

そのため、子供たちが「分かる」「できる」「楽しい」と実感できる体育授業を目指し、専門的な指導者の派遣やICTを活用した指導方法を取り入れた教員研修を実施し、仲間と協働しながら誰もが運動に親しむことができる授業づくりに取り組んできたところでございます。

また、体力の向上や運動習慣の形成には家庭や地域との連携も重要でありますことから、親子で参加できるフィットネス講習会や、学校の敷地内にボール投げの的やステップ用の輪を描くなど、子供たちが思わず体を動かしたくなるような環境づくりにも取り組んでおります。

今後とも学校、家庭、地域が連携を深め、多様な地域人材の活用を図りながら、子供たちが体を動かすことを楽しいと感じられる取組を一体的に推進し、生涯にわたる望ましい運動習慣の形成に努めてまいります。

7.その他

藻場再生への取組について

近藤智昭議員
水産業の振興に係るその他の課題として、海水温上昇等の環境変化に対応した藻場再生への取組について伺います。

本県沿岸では藻場の衰退が水産資源の減少や漁業経営の悪化を招く、極めて深刻な課題となっています。

藻場は「海の森」として魚類の産卵・育成場となるだけでなく、二酸化炭素を吸収するブルーカーボンとしても期待されており、その保全・再生が急がれます。

五島市などで取り組まれているガンガゼ等の食害生物の駆除や母藻投入、新上五島町で実施されている仕切り網などの先行事例を全県に広げるとともに、水産研究機関や漁業者が一体となった持続可能な駆除・保全体制の構築が必要です。

さらに、藻場の二酸化炭素吸収能力を評価するクレジット化など、経済的価値の創出を見据えた長期的な戦略も求められます。

藻場回復の目標と、その実現に向けた対策について伺います。

水産部長
これまで藻場造成や食害生物駆除などの対策を進めてきた結果、近年は藻場面積が回復傾向にあるものの、海水温の上昇等に伴う構成種の変化などへの対応が課題となっております。

このため、「長崎県藻場回復ビジョン」を本年3月に改定し、今後10年間で平成元年水準まで回復させることを目標に、海域別に行動計画を策定することとしております。

先行事例も参考にしつつ、高水温に強い海藻種の導入や食害防止対策などを進めてまいります。

併せまして、活動組織の取組を持続的なものにしていくため、回復した藻場から得られるブルーカーボンクレジットの活用に向け、地域と民間企業とのマッチングなどの取組を進めてまいります。

近藤智昭議員
藻場の問題は五島だけではなく、日本全国で南から北へ広がっていると聞いています。それぞれ海の環境が異なる中でも、その条件に合った藻場を再生できるよう、水産研究機関でも研究をさらに進めていただきたいと思います。

太平洋クロマグロの国際的な漁獲規制見直しについて

近藤智昭議員
次に、クロマグロの国際規制見直しの影響について伺います。

大型クロマグロについては漁獲枠が増える一方で、30キログラム未満の小型魚について漁獲枠が削減される方向が示されています。

本県は五島、対馬などを中心に、小型クロマグロの漁獲が多く、一本釣りなど小規模な沿岸漁業が地域経済を支えています。

今回の見直しによって、数量制限や早期の漁獲枠上限到達、それに伴う再放流の負担などが懸念されます。

小型魚枠削減の影響を最小限に抑えるため、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。

水産部長
今回の国際交渉では、小型魚の漁獲枠削減が示されており、今後の国際協議や国内配分の動向を注視していく必要がありますが、小型魚を多く漁獲する本県の沿岸漁業者への影響が懸念されます。

今後、日本の小型魚の漁獲枠削減が決定した場合、国から都道府県や漁業種類への配分の変更が行われることになります。

県といたしましては、これまで厳しい資源管理の下で我慢と協力を重ねてきた本県漁業者が報われるような工夫と配慮がなされるよう、国に働きかけてまいります。

近藤智昭議員
資源が増えても国際的な規制がありますので、漁業者が将来にわたって操業を続けられるよう、県としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。

漁港における放置廃船について

近藤智昭議員
次に、本県漁港における放置廃船について伺います。

漁業者の高齢化に伴い、所有する漁船を登録抹消し、廃船となった船舶を漁港に放置している事例が増えていると聞いております。

こうした放置廃船は、漁港利用を阻害するだけでなく、油漏れによる海洋環境への影響や防災上のリスクにもつながる課題であり、今後、離職者の増加等によってさらに深刻化することが懸念されます。

放置廃船の撤去促進と、新たな放置廃船の発生抑制の両面から対応を図る必要があると考えますが、県の取組とその成果について見解を伺います。

水産部長
県では令和4年3月に「長崎県港湾・漁港放置廃船事務処理マニュアル」【正式名称要確認】を作成し、関係機関で構成する港湾・漁港放置廃船対策協議会を通じて、放置廃船の発生抑制や撤去促進の取組を強化しております。

具体的には、警察や海上保安部と連携し、合同パトロールや所有者への撤去指導を実施するほか、意識啓発や処理方法を周知するリーフレットの配布などを行っております。

これまでの取組により、県管理漁港における放置廃船数は、最も多かった令和3年の489隻から390隻【要確認】に減少しており、一定の成果が現れているところです。

引き続き、関係機関と連携しながら、発生抑制と撤去促進に努めてまいります。

近藤智昭議員
廃船の問題は以前から指摘されていますので、放置廃船が少しでもなくなるような政策をよろしくお願いします。

離島の児童生徒の部活動等における遠征費負担について

近藤智昭議員
次に、離島教育について再質問します。

離島の小中高生が部活動の全国大会や本土校との交流試合などに参加する際、本土への移動に伴う交通費や宿泊費など、多額の負担が保護者や学校に重くのしかかっています。

同じ県内に暮らしながら、地理的なハンディキャップによって挑戦や学びの機会に経済的な格差が生じることは、教育機会の均等の観点から見過ごすことができません。

国境離島関係制度などの活用状況や県独自支援を踏まえ、部活動遠征における児童生徒の移動コスト軽減に向けた支援体制を今後どのように拡充し、離島の子供たちが経済的負担にとらわれず挑戦できる環境を整えていくのか伺います。

教育長
離島地域では、地理的条件に加え、昨今の物価高騰や船便の減少等の影響もあり、スポーツ・文化芸術活動の遠征費が増加し、保護者の大きな負担となっているものと認識しております。

県といたしましては、これまでも離島の生徒を対象に、中学校や高等学校における県総合体育大会などに参加する際の交通費等を支援し、保護者負担の軽減に努めてきたところでございます。

また、本年度は県中学校総合体育大会への出場をかけた地域クラブの予選大会まで支援対象を拡充したほか、物価高騰の影響を強く受ける子育て世代の負担軽減を目的として、各種大会への出場や遠征等に利用する経費を支援する「長崎スポーツ・文化活動支援事業」【正式名称要確認】にも新たに取り組んでおります。

今後とも市町や関係団体との連携を図りながら、支援制度の充実やその効果の検証に努め、離島を含むすべての子供たちが、居住する地域によらず、夢や目標の実現に向けて安心して挑戦できる環境づくりを推進してまいります。

小学校における体育指導の充実について

近藤智昭議員
続いて、学校体育について再質問します。

子供の体力・運動能力の土台が形成される小学生時代において、体育授業の役割は極めて重要です。

しかし、小学校では学級担任が体育を教えることが一般的であり、教員自身の運動指導に対する苦手意識や、専門的な指導ノウハウの不足によって、指導内容や指導効果にばらつきがあるとも指摘されています。

安全で効果的かつ子供たちの意欲を引き出す授業を展開するためには、質の高い指導体制の整備が欠かせません。

小学校への体育専科教員の配置や専門指導員の派遣の拡充をはじめ、教員の指導力向上に向けた研修体制の強化や模範授業の共有など、全県的な体育指導の質向上に向けて、県教育委員会として今後どのように取り組んでいくのかお尋ねします。

教育長
全県的な体育指導の質の向上を図るため、今年度の教員採用選考試験から、主に体育の指導に従事する小学校体育専科教員の採用を開始し、計画的に配置することとしております。

今後は、体育専科教員の専門性や指導力向上に向けた研修の充実を図るとともに、専門的な指導技能を有する指導者を授業協力者として学校へ派遣するなど、体育授業の充実と教員の資質向上に努めてまいります。

学校体育館等への空調設備の整備について

近藤智昭議員
最後に、子供たちの運動環境整備について伺います。

今年の夏は猛暑・酷暑が深刻化し、屋外での体育授業や部活動、休み時間の外遊びが大幅に制限されています。

また、今後、部活動の地域展開が進むことに伴い、地域クラブの活動場所として学校施設が利用されることも想定されます。

こうした状況を踏まえ、天候や気温に左右されず、子供たちが安全に運動できる環境の確保は喫緊の課題です。

空調設備を備えた屋内運動環境の整備について、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。

教育長
昨今の猛暑の状況を踏まえ、児童生徒の健康管理や安全確保の観点から、学校体育館等への空調設備の必要性は高まっております。

一方、本県公立小中学校の整備率は、令和8年5月1日現在で1.4%と、全国的に見ても低い水準にとどまっております。

県教育委員会といたしましては、市町の担当者向けの研修会や会議等を通じて整備を働きかけるとともに、整備計画が未策定の市町に対して状況を聞き取りながら助言を行っているところでございます。

今後も国の補助制度や先進事例を紹介するなど、市町における空調設備の整備が一層進むよう、しっかりと取り組んでまいります。

近藤智昭議員
本日は質問に対する答弁をありがとうございました。

今回は特に離島に特化した質問をさせていただきました。現在、長崎県の離島が置かれている状況には様々な課題があります。また、離島だけではなく半島地域にも共通する部分があると思います。

他県とは異なり、多くの離島・半島地域を抱える長崎県にとって、こうした地域に目を向けることは非常に重要だと思っています。

本日いただいた答弁を踏まえ、私たちも皆さんと一緒になって取り組んでいきたいと思います。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。