五島市は「移住人口」よりも「役割人口」を増やせ

こんばんわ。

雨が降るとラーメンが食べたくなる中西です。

五島市の集落を回っていると、

集落が寂しくなった

という声をよく耳にします。

五島の人口減少率を見れば、それもそのはずです。

https://nakanishidaisuke.com/2017/12/15/population-decline/

そうした事もあり、現在五島市では「人口減少対策」を最優先のテーマに掲げています。

国境離島新法による補助が最大の効果となり、人口の

社会増 > 社会減

が生じるなど、一定の効果も出ています。

しかし、単純に人口が増えればそれで良いのでしょうか?

https://nakanishidaisuke.com/2019/05/26/population-issue/

以前も書いた通り、

人口さえ増えればすべてがうまくいく

訳ではありません。

それに、日本全体では人口は減り続けるので、どこかが増えればどこかが減ります。

例えば五島市の中心部に、再開発による超高層マンションが出来たと仮定しましょう。

移住者も含めて総勢1万人が収容できれば、ひとまず五島市が掲げる「人口減少の問題」は解決されそうです。

しかしそれによって、五島の集落がどれだけ活気づくでしょうか・・・?

お気づきのように、「人の数を増やせばよい」という単純な話ではないです。

財政的にも、地方交付税の額は増えるかもしれませんが、その分の衛生費や社会保障費用も増えますので、一概に良いとも言えません。

役割人口

五島市として光を当てていくべきは、なんといっても4割を占めるシニアの方々です。

一口にシニアと言っても、その健康度合いは様々です。

例えば同じ70歳でも、シャキシャキと活発な方もいれば、そうでない方もいます。

その違いはなんでしょうか?

私が見てきた中では、

社会的な役割の多さ

に比例している気がします。

  • グラウンドゴルフ
  • NPO団体
  • 町内会
  • ○○の会

など、多様なグループで活躍されている方ほど、元気そうです。

例えば集落の人口が半分になったとしても、

以前より2倍の役割が与えられ、

以前より2倍人と交流をすれば

心身の健康度は高まるはずです。

 

現在は人口減少に伴い、シニアの方の「役割」が不足しているように感じます。

もっと活躍できる場が増えれば良いと思います。

 

確かに政府が掲げるように、地域の外側から「関係人口」を増やすことも大事です。

しかしそれ以上に、地域内での「役割人口」を増やすことが、そこで暮らす方の健康に繋がると感じます。

五島市も、「日本一健康な島づくり」を目指していますが、そうした視点から、シニアの「役割」を増やすことが大切ではないでしょうか。

 

とはいえ、集落に行くと、

 

もう年だから、しきらん(=できない)

 

という方も少なからずお会いします。

しかしそんな方でも、昔の暮らしや集落のお話は、かなり詳しく聴かせてくれたりします。

 

その人だから出来る事

その人にしかできない事

 

そんな「役割」が、五島の中には沢山あると感じます。

五島の宝探しは、そういう部分にあるとも感じます。