バーゼル規制と信用収縮・政府への期待感

会社員時代の話

私がNRIに居た時、最後に手掛けたお仕事が

「バーゼル規制におけるカウンターパーティーリスクの測定ツールの開発」

でした。

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という方が殆どかと思いますので、説明をします。

以下の説明(SMBC日興証券)にある通り、

リーマンショックを経ての金融危機発生を受けて、欧米の多くの金融機関が破綻ないしは危機的な状況に至り、経済全体が不安定な状況に陥りました。

その反省を踏まえて、金融機関の健全性向上を目的として、2010年にバーゼルⅢが制定され、完全適用に向けて2013年から段階的に実施されています。

https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ha/J0710.html

要するに、銀行は万が一の危機発生時に備えて、「十分なお金」を用意しましょうね、という規制です。

問題は銀行ではなく信用収縮

2019年3月18日付 日本経済新聞朝刊のオピニオン欄

(ウイルスが招く信用収縮 グローバル・ビジネス・コメンテーター ラナ・フォルーハー)によると、

今回、市場のパニックを引き起こしたのは、グローバルな銀行が手がけるリスクの高い売買ではない。ウイルスの感染拡大に伴い消費と労働市場にブレーキがかかり、ひいては企業が一斉に資金確保に走ったことが原因だ。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200318&ng=DGKKZO56878820X10C20A3TCR000

これはいわば、日本でも問題になった「トイレットペーパー買占め騒動」と同じ構図です。同記事によると、

航空便の運航が止まり、サプライチェーン(供給網)が寸断され、消費を直撃しているため、即座に必要か否かにかかわらず、企業は手元の現金を積み増そうとしている。

と解説されています。この、いわば「チキンレース」的な状況の下で、先行きが見通せないため、企業側の不安が深刻化する恐れがあります。記事によると、

今はまだ、企業の信用格付け低下とデフォルト(債務不履行)の急増には至っていない。状況が悪化すれば企業はさらに手元資金の調達に動くだろう。

というのが現状です。

そうした中で、市場は「安心できる材料」を求めています。

日本の対策

日本政府が実施する「経済対策」はどうでしょうか?

小池晃氏がYouTubeで提言している通り、消費減税は、非常に強力な市場へのメッセージになるでしょう。

先日の記事でも紹介した通り、私は

  1. 大規模な減税
  2. 全国民への現金給付
  3. それ以外の「中途半端な事」はやらない

これがベストな選択だと考えています。

https://nakanishidaisuke.com/2020/03/17/most-impact/