補助金からの脱却
前回の記事では、
「地方の自治体は交付税・補助金を止めた方が良い」
という趣旨のタイトルを書きました。
https://nakanishidaisuke.com/2019/07/20/kouhukin/
しかしこれは、
消費税を廃止した方が良い
というのと同じ論理で、
じゃあ、財源はどうするの?
という疑問が当然湧いてくると思います。
本日は、それを解決するキーワードとして、「環境」、「テクノロジー」、「哲学」のご紹介です。
「自分事」から「みんな事」へ
環境問題は、グローバルな問題です。
自分だけの問題ではなく、世界中に住む人たち全員の問題です。
ここの部分を強く訴え「自分事」を「みんな事」へすることが肝心となります。
例えば五島で言えば、景観は抜群に美しく、五島在住の人でなくとも、「きれいな海を守りたい」と思う人は少なからずいます。
市が1億円もかけて撤去している海ごみの漂着状況を見れば、五島はまさに、ゴミを通じた世界との窓口でもあります。
ここのデザインを上手にすれば、国から補助金を貰って海岸清掃をしなくとも、五島高校の高校生が実演したように、クラウドファンディングで100万円のお金を集める事が出来ます。
環境問題で言えば、漂着ごみだけでなく、PM2.5などもアジアに共通するテーマです。
ゴミという「排泄物」だけを扱うのではなく、切り口は「エネルギー」でもイケます。
五島のCO2を0にするプロジェクト
なんていうデッカイビジョンを立ち上げれば、今まで国から貰っていたお金以上のモノが集まるはずです。
事務仕事の解消にテクノロジーを
役所の中で最も大きな支出の人件費ですが、現在はその多くが「機械で代替可能な事務仕事」です。
ここの部分を徹底的に削り、人間が人間らしいサービスを提供する方針に切り替えれば、支出は劇的に削減が可能です。
結婚届や出生届・各種公的な手続きというのは、全国で共通の事務仕事です。
それを一番楽に解決できるソフトさえ利用すれば、在宅からでもワンストップで手続きが可能になり、事務仕事と無駄な紙の資源を減らすことが出来ます。
紙の量を減らすことは、先ほどの環境問題にも繋がります。
要するに、事務仕事は全国どこでも使えるソフトさえ導入すれば、人件費と紙のごみの量を減らすことが出来ます。
その他にも、事務仕事を減らすという観点でテクノロジーを活用すれば、財源の乏しい地方の自治体も、非常に助かります。
哲学
そして大事なのは、自治体としての「哲学」です。
- 外見よりも、中身に拘る
- 自治体のポテンシャルを信じ、磨く
- 他の自治体にも、奉仕をする
そんな軸がしっかりと定まっていれば、
関係人口としてのファンは増えます。
逆に言えば、国会議員や中央省庁がぶら下げる「甘い補助金」や、もっともらしい「政策的な誘導」に引っかかっていては、自治体のファンが減ります。
これはスポーツ選手と同じですが、ぶれない軸があれば、応援してくれる人は必ずいます。
そしてこれからの時代は、財源的には「そこに住んでいる人達の税収」よりも、「その地域を応援してくれる世界中の人たち」の方が大事になってきます。
まとめ
令和の自治体が反映するための3要素は
- 自治体としての哲学・ビジョンを持ち
- 従来の「自分事」を「みんな事」に転換し
- テクノロジーをフル活用する
です。
この路線を1番最初に実現した自治体が、
令和時代の先進的な自治体として、
日本だけでなく世界から大きな注目を浴びる事になるでしょう。