つばきマラソン2025は例年以上に暑くてしんどかった。

今年も参加しました。つばきマラソン。選手の皆様だけでなく、沿道で雨の中応援してくださった市民の方々、そして朝早くから大会運営をされてくれた方々、大変お疲れ様でした。お陰で私も無事に何とか完走する事が出来ました。この記事では、私が今年のマラソンを経ての感想をざっくばらんに紹介します。

今年は結果出せず

2018年以降、毎年つばきのフルマラソンに参加(2021,2022はコロナで中止)していますが、タイム的には今年はあまりぱっとしませんでしたが、疲労度的には過去の大会の中で最も高かったです。明日は車いすが必要かも。

2017 1時間42分(ハーフ)
2018 3時間36分39秒
2019 3時間28分
2020 3時間22分58秒
2023 3時間14分22秒
2024 3時間21分42秒
2025 3時間35分44秒

11月の段階では、今年もベイサイドマラソンのハーフで90分を切る事が出来たので、ランナーの夢である「サブ3」を目指そうかとも思っていたのですが、「月間平均走行距離が最低300kmは必要」というネット情報に心が折れて、今回は断念しました。

そして今回の目標をどこに置こうかと思案していたのですが、市議選挙があって昨年よりもトレーニング量が全体的に少なく、去年以上の結果は難しそうに思いました。それに加えて、気温が上昇するとの予報だったので、キロ5分を目安に3時間半くらいを目標に置いていました。まずは例年との違いを紹介します。

例年との違い① 気温と湿度が高かった

例年の五島のつばきマラソン時期、気温はだいたい一桁台で、昨年も寒かったと記憶していますが、今年は雨も降って気温が上がる見込みでした。冬に20°という気温は例年になく、脱水を心配していました。ランナーにとって高温多湿は天敵で、多くの方が思うようにペースが保てずに苦しめられたのではないでしょうか。

レース前は涼しい位でしたが、時間が経つにつれて、梅雨時のようなむわっと感がありました。レース前と14時ごろにドシャーと雨が降りましたが、幸い私が走っている間は雨に打たれずに済みました。お天気にも感謝です。

例年との違い② 風向きが違った

いつもは北風が強く、オレンジロード辺りで強風に心折られるのが定番なのですが、今年は西風が強かったです。そのため、20km~24km辺りが最も向かい風の影響を受けて、逆にその後の風は例年と比べると穏やかに感じられました。

レースの振り返りと感想

レース前、私は汗の消耗が大きいと予想して、なるべく多めに水分と食料を取るようにしました。2日くらい前から炭水化物は通常の1.5倍でカーボンローディングして、当日の朝はバナナとアクエリを多めに取りました。会場に着いてからもバナナ2本とアミノバイタル(青)を飲み、レースを迎えました。

多くのランナーは、エイドステーションでの補給で賄っているようですが、私は走りながらウィダー1本とアミノバイタル(青)を1本持参。手に持ってちょびちょび飲んでハンガーノックを予防するスタイルです。

走り出してみると、食料と水を多めに取りすぎたせいか、お腹がたぽんたぽんになっているように感じました。が、これは後々に消耗する事を見越して意図的に多く取ったので、まあいいかと思いながらキロ4:45程度で10km地点までは走りました。

岐宿の坂は相変わらずランナー泣かせでしたが、私は割と坂道に強い方のランナーなので、ペースはさほど緩めずに坂を上って一気に80mを急降下。3分の1となる14km地点では1:06位だったので、順調に行けば3時間10分台でゴールも可能かな、と甘く考えていました。

15km以降は来た道を戻る形でこれまた傾斜のあるトンネルを4つほど潜り抜けます。私はトンネルを走るのが割と好きで、淡々とペースを調整しながら遣唐使ふるさと館まで戻ります。トンネルを抜けて、多くの方がハーフ地点で応援してくれました。お子さんからは「頑張ってね~」と言われ「頑張ってまーす」と答える位の余裕はありました。21km地点では1:39と、まずまず良いペースで折り返しました。

後半戦、最初の難所は国道384号線の向かい風&坂道でした。ただ、このダブルパンチこそがつばきマラソンなんだよな~と思いながら前を向いて腕を振り続けました。さすがにペースは遅くなりましたが、三井楽半島を回るコースに入って風も収まり一安心です。古くから三井楽半島は、つばきの木が畑を囲う防風林として機能していたため、ランナーもここで風よけが出来ます。

私は例年、練習の際に少なくとも1回は30km以上のトレーニングをするのですが、今年は21kmを2回だけで終わらせてしまいました。その甘さが祟り、27km付近から徐々にペースが遅くなり、オレンジロードに入るころにはキロ5分を上回る位に失速してしまいました。風は吹かずに幸いでしたが、足が思うように上がらずに、呼吸も大分激しくなってきました。

30km地点を超えるとキロ5分を維持するのもしんどくなり、徐々にペースが下がり気味に。そして全ランナー最大の難所である35km地点の坂ではかなりへとへと状態になっていました。「今回はもう無理かも。。。」という気持ちがむくむくと成長していきますが、一度その声を聴いてしまうと、一家総崩れです。そのため、「まだイケる!完走目指そう!」という風に自分を叱咤激励します。そうしないと、身体はもう結構ダメージを負っていますので、止まりそうになってしまいます。

ここら辺から段々と、3時間30分という目標の達成も怪しくなり、少なくとも歩かない事に神経を使うのに精一杯でした。坂を何とか腕を振って登り終えてもペースは回復せずに、段々とまた失速気味に。ハーフランナーや後続ランナーに抜かれながらも、新目標の「歩かない事」を堅持するのに必死でした。少しでも気を抜くと足が止まってしまいそうでしたが、終盤では大川の集落で地元の方が仮装して応援してくれたり、名前を呼んで声援をしてもらえたりと、気力を維持する事は出来ました。

が、最後までペースを戻す事は出来ず、文字通り「足が上がらない」状態になってしまいました。最後の2キロなんかはもう歩いているのと変わらない位のスローペースになってしまい、気力で乗り越えられる壁の限界を感じました。それでも何とかよちよちと走り、無事に完走を果たす事が出来ました。

全体を通じて、気温に適したペース調整はまずまず出来たと感じましたが、後半の失速はトレーニング不足に尽きると思いました。全体の順位は19位、部門別では7位という結果でした。レース後に「いつ中西さんが後ろから追い越してくるかとずっと思ってました~」と先着した知人ランナーから声をかけて頂き、練習不足でごめんなさいという気持ちでした。

ここまで大きく失速したのは久しぶりだったので、良い反省材料として次に活かしたいと思います。次はトライアスロンのAタイプという事で、意外とすぐだと思ったので日数を確認したら、残り105日しかない・・・。一難去ってまた一難という感じですが、気持ちを切り替えて(まずは3月議会)次に臨みたいと思います。

余談 なぜ走るのか?

なぜキツイ想いをしてお金を払ってまで走るの?ドMなの?と聴かれる事があるので、改めて考えてみました。走る事には幾つかメリットがあると思っていまして、一番は運動してスッキリする事でストレス解消に繋がるからではないでしょうか。私は普段からあまりストレスをため込む方ではありませんが、時にはストレスも感じます。それよりも、12年以上も継続して走っているから、身体の習慣として「運動しない事がストレス」になってしまいました。

2番目は健康で、運動を通じて余計な脂肪を減らしてスリムな体を維持したり、健康診断でも生活習慣病からは程遠い数値を得られたりと、良い事はあります。ただし、身体が細すぎて周囲からは「もっと肉を付けないと貫禄なかよ。」とダメ出しを喰らう事が少なからずあります。ただ、トライアスロンに出るアスリートは皆細いので、「運動を捨ててまで貫禄を取るのか?」というジレンマもあります。

3番目は自信獲得に繋がる側面が大きいかと思います。シンプルに努力して記録達成できれば自信が得られる、というものです。私はトライアスロンを完走して、「大体何でも達成出来るだろう!」と楽観的に考える事が出来るようになりました。もちろん、自信過剰は良くないですが、失敗も含めてチャレンジした経験は人生で大事な「おもし」になる気がしています。だから知人の人には「まずはハーフマラソンに出ましょう!」と促しています。

四つ目は、他人に干渉されづらくなる、という事が挙げられます。これは個人的な価値観も入っているので難しいのですが、アスリートは基本的に次のレースで結果を出すのに必死です。そのため、あんまり他人の事に構っている暇がありません(良くも悪くも)。もちろん、全く他人に無関心は良くないですが、自分がやるべき事に集中する事で、他人の言動にいちいち悪影響を受けなくて済むと感じています。人は人、自分は自分、と割り切って考えて、「自分が出来る事は何か?」を集中して考える事が出来るようになると思います。

 

私が今後、運動を止めるとストレスが溜まって精神衛生上よくないので、大病なく生活が維持できれば、多分死ぬまで運動は継続(=体型は細いまま)していく気がします。足や腰を致命的に怪我したら、食べて普通に太っていく体質だとは思います。

それとよく思うのですが、現代社会の生活様式は、あまりにも人間が「本来消費すべきエネルギー量」を抑える形でデザインされています。電車や車で移動は便利ですが、一方で室内でランニングマシーンでカロリーを消費するというちょっとおかしな形にもなっています。電車がない五島は本土以上に「歩く機会」が少なく、それが原因で運動不足から不健康に至ってしまう人も多いように感じます。

以前読んだ「スマホ脳」という本にもその辺りの指摘がされていて、運動習慣を意図的に作り出さない限り、運動不足に陥ってしまいます。幸い五島には、素晴らしい選手も沢山輩出されていますし、「島に何もないから強くなった」という川原選手の言葉通り、挑戦的な練習環境と「何もない空間」も豊富に整備されています。

私は島で生活していて、運動をしていて良かったなと思っています。

是非とも多くの人に、五島生活の一つの楽しみとして、走る事や運動する事をもっと広げていきたいなと思っています。ご自分のペースに合わせて、まずは一歩を踏み出してみませんか?