【2020.3/五島市市議会メモ】木口議員

五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。

そこで、議事メモを残しています。

記載分は、2020年3月10日の内容です。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s001/010/010/010/100/20190316160308.html#01

※内容は必ずしも全てを反映している訳ではなく、正確でない部分もありますので、ご容赦ください

 

次期市長選について

出馬の意向と任期中の「野口市政」総括について

Q. 市長は「人口減に挑む」を最大のテーマとして取り組んできた。移住者支援、国境離島法の効果もあり、稀な人口の社会増を達成。観光客数も過去最高、再生可能エネルギーは崎山沖が促進区域に指定。市長はこの4年間をどう総括するか?市長選挙はどのように考えているか?

市長.過分なお言葉を頂き恐縮。第二期は第一期のスローガンに「人口減に挑む」を加えて挑んできた。人口減少対策に取り組み、五島市としてはS30年代に遡っても初となる社会減の克服を達成。

国境離島と世界遺産、UIターン対策が功を奏した。様々な関係者の総力を挙げての成果だったと思っている。洋上風車は大きく前進。9社で87名の雇用となっている。クロマグロは一大拠点6社88名の雇用。ツバキは苦渋の中止となったが、ツバキ研究会でプロジェクトが動き出し、PRが始まっている。

ツバキホテル、田尾のグランピング、ゴミの焼却場も無事に完成。公害防止協定を結び、運営に協力を頂いた。関係者に厚く御礼を申し上げる。

一方、市内の6つの小学校が廃校となった。保護者の皆様、地域の皆様にはご理解を頂きありがとうございました。市民の皆様に支えられ、結集しての成果だった。

今後の五島市の政策課題について

市長.残された課題解決に向けて取り組んでいきたい。

  • 人口の社会増定着
  • 観光客数の30万人
  • ジオパーク認定
  • 冨江病院の存続
  • つばき空港の機能を強化
  • ベトナム人日本語学校を軌道に
  • ウィンドファーム
  • 新図書館の建設
  • 災害に強い新庁舎の完成

財政の見通しは厳しいが、健全性を保ち、市民の暮らしを守り、発展を図る。地方財政運営に関わってきた経験を活かし、活力ある五島市の未来を担うため、市長選挙に信を問う決断をした。

Q. 正式な出馬表明を頂いた。行政手腕、誠実な人柄に信頼を寄せている。五島は飛躍のチャンスにも恵まれている。堅実な行政運営が必要だと思っている。

人口減少対策について

社会増の継続(有人国境離島法、移住支援制度)について

Q. 人口減少対策が最大の課題。世界遺産効果、交流人口をいかに保つか、これも大きな課題。それぞれの目標を着実に達成する責任もある。今後の主要な政策課題をどのように捉え、挑戦していくか?

市長.人口減少対策が1番。社会増の定着を図る。雇用の創出を図り、若い人たちの定着を図る。UIターンの促進を図るため、人員を2名増やす。観光客が過去最高となる中、コロナで火が消えないように、交流人口の拡大を図っていきたい。自然減対策にも取り組み、出産や医療費の更なる助成に力を注いでいきたい。

人生100年時代に備えた島づくりを進めていきたい。2060年に人口2万人を堅持していき、対策をしていきたい。全職員で課題解決に当たっていきたい。

Q. 人口減少対策の認識は全く同じ。1月8日の朝刊1面で、社会増の実現が報道され、TV等でも報道された。

https://this.kiji.is/587295738934805601?c=174761113988793844

要因の一つは雇用創出、市の移住支援策、前年と比べて200名の人口移動が起きた。どのように捉えているか?

市長.世界遺産登録、移住対策が大きな要素になった。とりわけ国境離島法が大きかった。国境離島の基本方針では「10年後に離島地域が定常的に社会増になること」とされている。社会増を3年で実現できたことは、私自身驚きと戸惑いがある。

年齢別に分析すると、年少人口、生産年齢人口で大きな改善が見られ、現役世代の増加が大きな部分。今後は定常的な社会増の実現に向けていきたいと考えている。

Q. 継続のハードルは高いと考えているが議会も協力する。400名を超える雇用創出効果が段々と先細りすることを心配している。地元の事業者の後継者不足もあり、島に子供や親族を呼びたいという人もいる。そういう場合は採用してほしい。島外事業者へのトップセールスも大きな力になるはず。このことについては?

市長.雇用拡充の要件は、「雇用の創出効果が見込まれる創業や拡大」となっている。良質な雇用を創出する事業を優先して採択する。事業継承も対象となるので、地元業者も積極的に使ってほしい。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/060/20190314200023.html

島外事業者の割合は初年度5%、2年目10%、3年目17%(6社)と推移し、大半は島内の事業者。島外の採用数も徐々に拡大している。まずは掘り起し、次は企業誘致に取り組んでいきたい。

Q. 複数回の実施を望む事業者もいるので、サポートをお願いしたい。

住みたい田舎ランキングが9位に躍進し、離島では唯一。高い評価となった要因は?今後の人口減少対策として、30代以下の方を重視すべきではないかと考えるがどうか?

市長.住みたい田舎ランキングは宝島社の企画となり、アンケートを基に順序を出している。五島市は「小さな町」で9位になっている。230項目の中には福祉、医療、子育て、交通など多岐に渡る。五島市の取り組みが子育て支援に限らず評価されたものだと認識している。若者を対象とした支援制度は40代以下を対象とした補助、引っ越しの助成、定住促進の奨学金返還支援制度もあり、若い世代に響いていると思われる。

看護師・介護士・保育士にも適用できるようにしていきたい。看護師の取り扱いは文教校正員会で議論していただきたい。

Q. 移住者支援は仕事・子育て・住宅とあるが、一番困っているのは住宅の確保だと聞く。空き家バンクは有効だが、4割。それだけでは足りない。R6年度に300名を目指すのであれば、若年層への限定的な家賃の助成を検討をして頂きたいがどうか?

地域振興部長.ネックは住まいの確保。空き家バンクの物件は、既に賃貸や売買に繋がっており、進んでいない状況。現状では、家賃より住まいの確保が優先度が高いと分析している。

Q. 研究じゃなくて検討、という話もあったが、前向きに困った要る方への支援をお願いしたい。

自然減対策(若者のUIターン支援、未婚・晩婚化対策)について

Q. 自然減対策は、出生数が昨年200人割れになっている。ここがネックになっている。出生率は1.9だが、20代、30代の絶対数が少ない事と、未婚晩婚の問題。市長は自然減対策はどのように認識しているか?

市長.昨年は出生数が196人。今年は2か月時点でたったの25名。例年と比べると、今年は150人ペースで、対策は待ったなし。まずは若い人に出会って結婚をして頂かなければならない。お見合い大作戦では15組のカップルが誕生し、4組が成婚に至った。が、中々頻繁には開催できないので、婚活イベントを民間とも連携しながらやりたい。

不妊治療は、制度創設以来、8名の方がお子さんを生んでおり、成果が出ている。保育料、副食費、医療費助成、子育て環境を充実させ、出産に結び付けてほしい。

Q. 8名は以前より良い数字。若手子育て世代が転入する事は、重要な自然減対策となる。若手のUターン対策で兵庫県の豊岡市は「若手回復率」を大きな柱に据えている。この意気込みで、成人式や帰省時に仕事の情報提を更に強化してもらいたい。大学、専門学校へは直接お話に行く覚悟で力を入れて頂きたいが、考えは?

市長.若手の支援策は既に答弁した通り。五島に興味を持ってもらうための情報発信は必要。繰り返しになるが、640名が5年間で移住し、40%が40代未満。お盆時期に企業フェスタを開催している。移住相談用のブースを設け、情報提供をさせて頂いている。市内だけでなく、県外、専門学校にも配布している。

昨年10月に福岡に「UIターン支援センター」を長崎県が設置した。福岡からのUIターンにも努めていきたい。

Q. 子育ては田舎の方が恵まれているので、対応をお願いしたい。継続的な婚活活動が出来ないかと思っている。県との連携強化や、官民で協議会を作り、地域を巻き込んで継続的に実施できないか、継続的な活動についてはどうか?

市民生活部長.県と連携した事業は、お見合いシステムを導入し、閲覧や登録を出来るようにしている。今年度から企業間交流事業を県内全域で行っている。職場のグループが社内担当者を選任し、グループ同士が交流する場所を登録し、民間と地域を活用した場所の提供に繋がる。現在五島では2団体が登録している。

高齢者福祉について

健康寿命の現状と延伸策について

Q. 高齢化率は2人に1人が高齢者となる。元気な高齢者にどれだけ頑張ってもらえるか、が肝心。H27の平均寿命調査によると、 

  • 男性平均寿命 78歳 健康寿命 74.8歳(県内最下位)
  • 女性平均寿命 85歳 健康寿命 84.1歳(県内10位)

市民生活部長.健康寿命が短い現状は、ご指摘の通りだが、現状の分析や調査は必要。国保データベースの活用、保健師の地域診断により、原因の分析を行っていきたい。

Q. 長崎県は健康長寿日本1位を目指している。健康寿命は1人1人の豊かな老後に繋がり、国保・介護の財政健全化に繋がるが、どのように考えているか?

市長.医療、介護のデータを駆使して、実体を分析し、手立てを講じる必要があるので、協力してやっていく。女性については平均的だと認識しており、男性が1番下だったのは初めて知った。

アルコールはデータ上、上がってこないが、多分肥満が原因。次の総合戦略の重点項目には上げていないが、「日本一健康な島づくり」の看板を掲げている。健康長寿は人類の究極の幸福だと思うので、科学的なデータに基づいて行っていきたい。

Q. しっかりとした調査を行ってほしい。運動、食生活、検診を行ってほしい。防災無線のラジオ体操を行っている自治体もある。県は野菜接種、萩市は減塩など。五島市の具体的な対策は?

市民生活部長.運動と食生活の取り組みは生活習慣病の防止に不可欠。健康づくり計画、食育推進計画に基づき進めている。運動習慣の知識、啓発普及や運動の定着促進に努めている。これまで運動に取り組んだことのない方に、きっかけづくりを図っている。食生活はバランス良い食事、野菜、減塩を実施している。高血圧の方が多い五島市には重要な課題である。市民の健康状態と照らし合わせながら進めていきたい。

Q. 国は社会保障改革の目玉として、保険者努力支援制度を上げる提案をしている。五島市のH30の受診率は37%、がん検診率も低下している。どのように考えるか?

【保険者努力支援制度】

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/02_1.pdf#search=’%E4%BF%9D%E9%99%BA%E8%80%85%E5%8A%AA%E5%8A%9B%E6%94%AF%E6%8F%B4%E5%88%B6%E5%BA%A6′

市民生活部長.医療費削減に向けた取組に対するインセンティブを傾斜配分する仕組み。関係者との連携を強化し、受診率向上に取り組んでいる。昨年度同時期に比べると2ポイント向上している。

婦人がん検診は関係機関の協力を得て、受診率が2倍になっている。しかしその他は低迷しているので、受診しやすい環境整備を推進し、受診干渉に取り組んでいきたい。

Q. 市民の健康向上に繋がるので積極的に活用してほしい。

介護予防推進策と今後の課題(介護保険料、要介護認定率、人手不足対策等)について

五島市の介護認定率は20.2%、介護保険料は高い方から3番目。介護保険の国の配分も増える。介護予防の事業を強力に推進し、認定率の低下に挑戦すべきと考えるがどうか?

市長.五島市は介護予防は早くから取り組んでいる。昨年からスクウェアステップ、地域食堂など、居場所作りが各地区で始まっている。保険者努力支援金の交付金では、地域での通いの場が奨励されている。

認定率について、地域ミニデイを立ち上げたH25は24%以上だったが、H27に21%となり、19.54%まで下がっている。今後の事業で多くの交付金を獲得し、認定率の低下を促し、銅メダルを返上したい。

Q. 佐々町は2012年時点で最高だったが、認定率が13%に下がった。介護予防を一緒に推進し、大きな成果を上げているので参考にしてほしい。

市長.佐々町は県内で先進的な取り組みをしている。既に五島からも伺っている。

Q. 佐々町では、認定率の低下の目標のみでなく、地域に寄り添っている。何ができるようになりたいか、を介護の指針としている。ミニデイ事業は成功していると思う。佐々町では男の料理教室や農業体験教室を開催しているので、参考にして頂き、質・量ともに、進めていきたい。

市民生活部長.ミニデイは現在41か所で開催し、介護予防ボランティアらによって運営され、年間21000人が利用している。市ではフォローアップ研修を行い、意欲向上に努めている。ボランティアの方々の高齢化が課題であるため、獲得に向けて取り組んでいきたい。

Q. ミニデイは敬老会ともリンクしている。市内では多くの高齢者がグランドゴルフを毎日どこかで練習している。元気な高齢者の存在が五島市にとって大きな役割を果たすので、ぜひ支援をお願いしたい。練習場への支援やコートの備品、草払いの燃料費など、予算計上を検討していただきたい。

市民生活部長.健康寿命のため、元気なお年寄りが密接に関わるため、毎年度グラウンド整備用の砂の支援をしている。他にも、大会参加の経費支援を行っている。健康寿命の延伸のため、今後も繋げていきたい。

Q. かゆい所に手が届く助成を今後も続けて頂きたい。

福祉・介護人材の確保に向けて、五島市は長崎県で一番厳しい人手不足となっている。7人求めて1人しか集まらない状況。既に事業縮小も始まり、事業倒産が懸念される。商工会議所とも連携し、労働力の確保や省力化に関する支援をしてほしい。官民一体での対策が必要。戦後頑張ってこられた団塊の世代の方々の介護が本当に心配。雇用創出の足かせにもなって来る。最も緊急性の高い課題であるが、人手不足対策への決意は?

市長.ご指摘の通り、人手不足が県内でも深刻な状況。従業員の確保は、基本的に職場で対応するのが基本だが、そうとばかりも言ってられない状況。県がH28から「Nぴか企業」の認証を行っているが、五島市では残念ながら1社のみ対象であるため、取得の働きかけを行う。市内訪問バスツアー、説明会、UIターンの就業促進、外国人材の活用も、取り組んでいるところ。

新規事業として、都市部と市内のマッチングを予算に上程している。国境離島自体が危ぶまれる状況になりかねないので、国・県と連携しながら雇用者の確保を進めていきたい。