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雑談

  • 2018年6月3日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-8-高嶺の花

都心から電車を乗り継いで1時間半。 更にそこからバスに乗り、最寄りの停留所から歩いて15分の小高い丘の上にそこはある。 朝早くから行列が並んでいる様子を見ると、全国各地から始発の電車に乗ってこの地を訪れる人が多いのだろう。 7歳になる長女のメイは、長時間の移動にすっかりご機嫌斜めになっていて、ぐずぐずとしている。 「もう疲れた。お家に帰りたい。」 そんな彼女をなだめるのも一苦労だし、私だって好きで […]

  • 2018年5月31日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-7-低いところに水が溜まる

人間の骨を集めることが、近年ブームになっている。 そこには飛躍的な「人骨解析」技術の向上があり、骨をスキャンするだけで、今まで見ることの出来なかった世界がたちどころに分かるようになった。 例えば、出世時点からの死ぬまでの歩行距離、血液型や食生活、栄養の状態から病気の有無、更には家族構成など。 大量の骨を解析することで、そうした個人がどのような社会を形成していたのかを掴む事が出来るようになった。 「 […]

  • 2018年5月30日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-6-囚人と社会貢献

(これはふぃくしょんです) ここは鉄格子に囲まれた牢屋の中。 朝になっても日が差し込まないのは、ここが外界とは隔離された、巨大な建物の中にあるからだ。 時計がないので時間の感覚はない。それでも肉体労働の後は、牢屋の電気が落ちるので、自然に眠りは訪れる。 もう何日、日の光を浴びていないだろうか。 時々発狂する囚人を見かけるのは、やはり人間の身体にとって光を浴びないことは、不健康に繋がるからだろう。 […]

  • 2018年5月29日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-5-やったもん勝ち

(これはふぃくしょんです) 人生の時間は限られている。 私はそれを、実感的に知っている。 3年前の交通事故で、奇跡的に私だけが一命を取りとめた。 友達と両親は、即死だった。 本当に、奇跡としか言いようのないくらいの絶妙な角度で私の頭部は衝突した車両の間に挟まれて、人体にも目立った外傷は残らなかった。 事故後の一週間は、ただただ現実が受け入れられず、呆然としていた。 そして私は考えた。 奇跡的に助か […]

  • 2018年5月28日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-4-「天国からの勧告」

天国からの勧告 のぞみは13歳の頃に、交通事故でこの世を去った。 私と同級生だったのぞみは一番の仲良しで、よくお互いの家に行き来して、勉強をしたりゲームをしたりしていた。 不慮の事故に逢ったのぞみの両親は、大切な一人娘を失ったことが原因で夫婦の関係が悪化し、離婚をしたと聞いた。 私はそんな小さい頃の悲しみを経て、高校・大学を卒業し、結婚して子供を持った。 家を持ち家庭を築き、子育ても無事に一段落、 […]

  • 2018年5月24日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-3-「迫害と私」

迫害と私 私たちは、迫害の厳しい本土から逃れ、命からがら海を渡ってここまで訪れて、辺鄙な場所にひっそりと暮らしていました。 心の奥底では、長年にわたる彼らとの対立を解消し、融和的に暮らすことを願っていました。 しかしながら、ここでの迫害は、本土以上に過酷なものでした。 元々住んでいた人に見つかると、彼らは石を投げつけてきたり、棍棒を持って追い掛け回したりしてきます。 そこに話し合いの余地はなく、私 […]

  • 2018年5月21日
  • 2018年5月21日

「私たち」の拡張と「野蛮」の拡張

カトリック男性の話 先日、島でガイドをしているときに、80歳程のカトリックの方からこんな話を聴きました。 私は終戦の時に小学生でしたが、もちろん(カトリックへの)差別はありました。 当時その集落では、「地下者(ヂゲモン)」と呼ばれる仏教徒の方々とカトリックの方々が共に暮らしていて、カトリックの方は経済的に貧しかったそうです。 (カトリックは)見た目で分かってしまうんですよね。それで酷いイジメもあり […]

  • 2018年5月16日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-2-「海鳥と私」

海鳥と私 ここは小高い丘の上。標高が300メートルもある見晴らしの良い場所で、天気が良い日は町と海が一望できる。私はそこで、毎日足を運んで、ある「習慣」を続けている。島の向こうからやってくる海鳥たちとの会話だ。私が笛を吹くと大小の鳥たちが海の向こうから集まり、羽を休めて世間話を始める。その半分以上は、鳥たちの生活に関するものだ。 「最近始まった護岸工事のお陰で、新しい家が壊されてしまったのよ。」 […]

  • 2018年5月15日
  • 2020年3月8日

小説書いてみた-1-「かめしまのはなし」

かめしまの話 「かめしま」と呼ばれる小さな島があった。 人口はたったの数百人しかいない。古くからの言い伝えによると、ここでは代々、亀を大事にしてきたのだという。しかし島の中のどこを見渡しても、そんな面影は残っていない。 かめしまに住む人たちは、食料や物資を得るために島の外へ出なければいけない。対岸には大きな島があり、人の数も100倍以上だ。 ところが海はいつも荒れていて、渡るには大きな困難を伴う。 […]

  • 2018年5月14日

自動運転と世界経済の覇権争い

自動運転が目指す2つの方向性 皆さんこんにちわ。 本日は、最近ニュースやネットで話題になっている、自動運転のお話をします。 「自動運転」の開発競争を巡って、今世界中で熾烈な競争が行われているのですが、そもそも「目指している方向性」が違う部分があります。 まず、その点についてご紹介します。 中国:「他律型」自動運転 https://youtu.be/afyPjOsaQmE NHKの番組を見ると分かり […]