五島市の市議会(委員会)では、議事録が公開されておらず、委員会の中身はブラックボックスです。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではなく、個人的なメモです。
発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もありますので、ご注意ください。
日時:2022/3/22 10:00~
欠席議員:椿山、谷川
R3年度補正予算
総務水道分科会
教育福祉文科会
保育士の処遇改善の事業内容
保育士・幼稚園教諭の支援員等に対し、賃上げを前提に2月から3%の収入を増やす。
国の補助基準を元に算定し、R4年2月から9月まで計上。
10月以降は運営費負担金に上乗せして計上するとの事。確認方法については、補助金の実績報告書に賃金台帳を添付していただき、
10月以降の取り扱いは不明だが、同様の資料を提出してもらうとの説明。
病院負担金
五島中央病院運営費負担金を減額、冨江を増額。要因についての質疑。
五島病院:入札執行により減額
冨江:コロナを受けて特別措置が見直されたことが原因
産業経済分科会
観光物産課
韓国人の交流員が退職、報酬を減額。今後の任用予定は、インバウンド対策が大事だが、国内の誘客に重点的に取組むとしている。
考えていないとの答弁。
水産課
旧玉之浦の水産加工施設の解体。跡地の活用については、市の所有ではなく民有地であるため、所有者に返却するとの答弁。
これまで改定しなかった理由は、土地借り上げ料は年額21万円。漁具倉庫として活用してきたが、老朽化が進んだことから解体。
建設課
堤線が追加計上の整備完了時期について質疑。H28~国の補助金を活用した改良工事は70%の進捗状況であり、今後計画変更を予定している。
R4年度当初予算
総務水道分科会
ハザードマップは今回、県が新たに調査し、福江川全域について作成。配布時期と活用方法は、R4後半の配布予定であり、周辺世帯への配布。市役所本所への設置を考えている。
ジオパーク推進負担金について、活動内容は認定を受けたが活動は変わらず保全教育に取り組む。浄化槽設置の決算時の要望は、規模が大きくなる事業所も対象になるよう、10人槽から50人槽までの基準拡大に努め、増額になっている。
助成活躍推進事業について、本年度の実績は相談132名、セミナーは10回、55人参加。相談内容は金銭、仕事、パートナーのモノであり、必要であれば関係機関に繋げているとの事。案内が不十分であった。市がサポートしてほしいとの要望。
選挙管理委員会では、補助金16万円の活動内容は、公民館・婦人会・老人会の代表で構成され、街灯啓発やポスターコンクールの配布、選挙講話などを行っている。
教育福祉文科会
社会福祉の家計改善支援業務委託料の内容は、自立支援法に基づく努力義務が課されている。生活困窮者からの相談に応じた債務の整理、貸付の斡旋等の計画やプランの作成を行う支援事業。事業の実施方法は以前から実施を検討していたが、FPが在籍していなかったので実施していなかった。
国保関係の不妊治療における市の支援内容は、交通費宿泊費はこれまで同様に支援。治療費は国県の動向を見ながら判断。複数回の支援は補助の範囲内で抑えることが出来るのか、治療の種類によっては上限を超えて自己負担が発生することがあるとの答弁。
産業経済分科会
地域プロジェクトマネージャー事業は総務省の事業を活用し、各地域の実情を把握しながら、地域課題の解決や企画立案、街づくり協議会の人材育成を行う。2名以上の今だ!五島へ行こう!キャンペーンについて、質問がされた。臨時交付金を充当し、一般財源の負担はないとの答弁。
経緯については、過去最高の25万人を記録したが、コロナで12万人に激減。早期に回復を図る必要があるが、島共通地域通貨事業が廃止となるため、継続事業に代わる新たな誘客事業を考案する必要があった。
経済を活性化させることが対策であると考えている、との答弁。この機会を逃せば、R6年の30万人の達成は絶望的になるとの答弁だった。
経済効果について、これまでに数回、ガイド団体について支援金を支給しており、廃業は聞いていないが、宿泊や飲食の観光消費額は37000円を想定しているから、45億円の観光需要が喪失したと考えている。7億5千万円の経済効果を規定しているとの答弁。
感染拡大が幾度となく繰り返され、非常に苦しい状況だが、30万人達成に向けて頑張ってほしいとの意見。
ギバッと委託料は、一定のポイント獲得時に経済の活性に繋げていきたいとの答弁。
R3年度は10名、R4年度は20名程度が最大ではないかと答弁。
再生可能エネルギー推進、後期基本計画、総合的な計画となるゼロカーボンシティ計画の周知啓発について、CO2の削減目標は同計画の中で定めていくが、地球温暖化に努めていくと考えており、各町内会や事業所への説明を積極的に周知啓発をしていきたいとの答弁。
水産課関係での予算計上。
理事者によると、磯焼け対策アクションプランに基づき実施した玉之浦、崎山の事業の横展開。人材育成と確保を図るとの答弁。
リーダーにはどのような方を想定しているのか。
藻場の活用については、比較的若い人が向いているのではないかと答弁。
反対討論
江川.反対討論します。有人国境離島関係の航路航空路運賃の拡大など、福祉の相談窓口など、評価できる事業もある。反対理由は国保税の負担減が講じられていないこと。就学前の子供は5割軽減が実現したが、全額免除で子育て世帯の負担軽減をすべき。
今だ!五島へ行こう!事業のまん延防止の措置が解除された。市内の多くの事業者の経営が厳しいことから、経済浮揚を図ることは賛同できるが、感染予防策やPCR検査が計上されていない。市民全体、観光関連の事業者に携わっている方からは、安心して無料で検査を受けられるべき。
中西.
当初予算に対する反対理由を述べさせていだたきます。今回の予算に反対する理由は、新型コロナ交付金を財源とする観光促進事業、1億840万円の予算が含まれているからです。本事業が含まれていなければ、全体の予算には賛成の立場ですが、予算委員会では、委員長に対して修正案を提出することが出来ないため、明後日の最終日に、本予算を減額とする修正の動議を提出させていただきます。
(事業の説明)
予算書関係説明資料の3ページになります。“今だ!!五島へ行こう!!”旅キャンペーン事業として、1億840万円が充てられます。
説明によると、この事業は、交通事業者及びOTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)を介した2名以上の宿泊及び旅行商品に対して、1人1泊あたり代金の50%(最大5,000円、2連泊上限)を助成するなど、観光客誘致及び市内経済の活性化に資する取組を推進します、とされています。簡単に言えば、2万人の観光客に5千円、総額1億円をばら撒く事業です。
本事業に充てられる財源は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金であり、総務省が示している情報によると、この財源は「コロナ対応のための取組である限り、原則、地方公共団体が自由にお使いいただくことができます。」と述べられています。
(反対理由)
本予算案を修正しようとする理由は、以下の4点によるものであります。
1.五島市全体への経済効果
1つ目は、本事業による経済効果が、五島市全体に行きわたらない点です。「議員必携」に書かれている文章を抜粋いたします。「予算は、住民の生活を左右し、その福祉のいかんを決するものであるから、編成に当たる首長も、それを審議する議会も、あくまでも、住民全体の福祉を念頭に置いて考えるべきで、いやしくも一部の住民の利益のために奉仕するような事があってはならない」と書かれています。
いわゆる観光業は「すそ野が広い」と言われていますが、本当でしょうか?H27年の国勢調査のデータによると、五島市内における卸売業・小売業、宿泊業、飲食サービス業、という、いわゆる観光関連の従事者は4148人であり、就業者数全体の25.5%です。五島市には観光関連以外にも様々な業種があり、その7割以上は観光業ではありません。
2. 観光事業者全体への経済効果
二つ目は、本事業による経済効果が、観光に携わる事業者全体に行きわたらない点です。例えば奈留島では、世界遺産を訪れる観光客の多くが、島を巡らずに世界遺産の教会だけを巡って帰ります。久賀島では、1億円をかけて整備された施設が有効に活用されておらず、そもそも商店街やお店がないため、お金を使う場所がありません。こうした状況の中では、幾ら観光客を誘致したとしても、世界遺産を含む二次離島の活性化は見込めません。
さらに、本事業で潤うのは福江の中心部の大型事業者だけです。その理由は、本事業の対象となるのがOTAを介した事業者だけだからです。長崎県のふるさと深呼吸事業では、OTAに限定せず、直接予約の場合においてもクーポンが受けられます。中小・個人経営の宿にはOTA登録をしていない事業者も少なくなく、その恩恵が受けられません。さらに、仮に観光消費が伸びてお金が落ちるとしても、そこで働く従業員に対する賃上げは、すぐには及ばないと推察されます。
3.国・県の予算と重複している
3つ目は、同じような予算がすでに実施・検討されている点です。既に長崎県では、県民を対象とした観光促進事業として、第2弾 ふるさとで“心呼吸”の旅キャンペーンを開始しています。これは、4,000円以上(税込)の宿泊料金及び旅行商品を対象に、宿泊及び旅行商品代の50%(最大5,000円/人(泊))を助成する事業です。
さらに国においても、従来のGoToトラベルを再開させる方向性で動いており、斎藤国土交通相は3月15日、都道府県が独自に実施する旅行割引「県民割」を地域ブロックに拡大するステップを踏んだあと、GoToトラベルを再開する方針を明らかにしました。県民割は4月より対象を拡大し、ゴールデンウィーク前の4月28日まで実施される見込みとされています。
さらに、既に市内の飲食店には、まん延防止措置に伴う協力金が支給されており、経済的な支援が必要なのは、その他の業種です。こうした状況から、五島市独自で行う必要性はないと考えられます。
4.市民生活の困窮
4つ目は、市民の生活が非常に厳しい点です。本議会の一般質問でも挙げられた通り、五島市は人口減少に伴い、慢性的な人手不足です。基幹産業である農業・漁業・林業だけでなく、医療介護福祉の分野も深刻な状況です。それに加え、長引くコロナの影響により、医療体制の脆弱性、離島独自の水際対策の重要性も明らかとなりました。更に昨今では、ウクライナ戦争による影響で資源価格の高騰、ガソリンをはじめとする燃油だけでなく、食糧費や日用品にまで、大きな影響を与えています。こうした厳しい市内経済の状況を鑑みると、1億円という大金は、一部の事業者のみのために使うのではなく、市民全体の生活の安定に向けて使うべきです。
賛成討論
荒尾.本予算はR4年度に必要不可欠な予算であると考えている。地方創生、離島活性化交付金など、国庫制度を積極的に活用している。
これらは地域振興と福祉の向上につながるものであり、市民の理解が得られると判断している。
それぞれの分科会長から報告されたが、慎重に審議されたので、賛成の立場。
討論
賛成:三浦、山田、片峰、柳田、神之浦、荒尾、野茂、松本、宗
反対:中西、網本、江川、草野
賛成多数で可決