3月29日で五島市議会3月定例会が終了しました。
初の一般質問・委員会を終え、
移住者×若者×政治素人
の目線で、「ここが変だよ」と思った事をご紹介します。
目次
①報酬体系は最適なのか
前回の記事でも書きましたが、基本的に議員報酬は「どんなときも」議員が議員らしくあるために、満額支給されます。
「議員の活動≠議員の報酬」が議員のモチベーションが上がらない要因として大きそうです。
ただ、報酬体系の変更を発議した場合、
- 議員からの反発
- 定数削減に伴う地元の反発
が予想されるため、変更の難易度は高そうです。
個人的には、せめてボーナスの支給要件くらいは、成果に見合った報酬制度を検討するべきではないでしょうか。
②議場での「謎ルール」について
発言ルール
私は一般質問の際、発言時に「黙って」手を挙げていました。
しかし、委員会最終日に議長からの全体報告にて、発言時は
議長!〇〇番(←自分の議員番号)
と言うよう求められました。
いちいち宣誓しなくても、手を上げれば「誰が発言したいか」は分かると思いますが・・・(‘Д’)
マイクの操作
議員の前にはマイクがあり、ONとOFFのボタンがあります。
私はてっきり、これを議員自らがポチポチするのかと思っていましたが、
基本的には事務局(?)の方でリモート操作してくれるそうです。
であれば、ボタン設置する意味ないと思いますが・・・(‘Д’)
初議会で若い力を存分に発揮しました😅 pic.twitter.com/WX9q9XaVgq
— 五島市議会議員/中西大輔 (@wakuwaku230) March 8, 2021
議場へのPC持ち込み禁止
今回、私にとって一番ストレスフルだったのは、議場でPCが使えない事でした。
いつもの議事メモ作成のお仕事は、1本1500円でクラウドワークスに外注しました(出費!)。
6月の議会でもPC持ち込みNGだったら、議場への出席をボイコットして委員会室で議事メモ作成しようと思います。
➂時代遅れな会議の運営
集まる必要ない
3月25日の議会運営委員会は、大して議論すべきテーマもなく、たったの3分で終了しました。
メール、LINE、SMS、チャット・・・
現代の情報ツールを活用し、「無駄な時間を減らそう」という発想は毛頭ないように感じました。
音読大会
本会議のほぼ全ては、「音読大会」と言っても過言ではありません。
初日の施政方針演説では、数10ページに及ぶテキストを市長が1時間近くかけて音読します。
最終日の委員会報告では、「細かい数字」がダラダラと音読されますが、
〇億〇千〇万円の支出がありました
と口頭で言われても、あまりピンとこないですよね。
みんな心の中では、
早く終わらないかなぁ(*´Д`)
と思っているはずです。
しかも議員様は、高齢化傾向にあるため、「耳が遠くなっている」方もいらっしゃいます。
数字や資料は、「音声データ」よりも「テキストデータそのもの」の方が、検証しやすいです。
「出席」の意味
私は以前、リモート議会の導入を市長に提案しました。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s014/020/010/010/010/010/030/102/20200318165703.html
回答として、
地方自治法第113条において、普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができないと定められており、ご提案の市議会のリモート化・規模縮小については、現行法令上、困難であります。
社会全体がDX推進される中で、いつまで同じ解釈を続けていられるでしょうか??
2021年3月の五島市議会では、1名の議員様が入院中のため、出席できませんでした。
「出席」の意味が変われば、病院からでも議会への参加は可能です。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01573/022200003/
非公開な会議
五島市では、「委員会」の会議が中継されていません(令和3年3月時点)。
が、わざわざ高い機械を買わずとも、スマホで動画を撮ってYouTubeで公開すれば事足ります。
この件は、タブレット導入と併せて前向きに検討が進んでいるとの事ですので、公開の早期実現を期待します。
投票制度
議長や人事案件の投票制度は、本会議場で以下の手順を踏みます。
- 議場の閉鎖(誰も乱入はしなそうですが)
- 投票箱の空確認(手品を彷彿とさせます)
- 1人ずつ順番に投票(冠婚葬祭的で厳かな雰囲気です)
- 立会人で仕分け(シュールな絵です)
- 投票結果の音読(結果は99%分かっています)
- 議場の閉鎖解除
上記の流れを1巡するのに10分弱かかります。
スマホの電子投票にすれば、30秒で終わりますけどね。
紙の資料多すぎ
本当に山のような資料です。
しかもご丁寧に、議員席には「名前入りの筆箱」が設置され、
いつでも尖った鉛筆2本と消しゴム、ボールペンが完備されています。
五島市では9月からタブレット端末が導入されるとの事ですので、
こうした文房具の準備にかかる時間が節約されることを期待しています。
現状を変えるために
ご紹介した通り、地方議会には様々な点で儀式的な側面が強く、
ICT活用の遅れにより非効率と思える事が山積しています。
そこで私としては、「集まらない議会」を提唱します。
「集まらない議会」のメリット
音読を聴くために、わざわざ議員たちが同じ時間に集まる必要はありません。
議案や資料はメールで送信し、意思決定を示す採決はオンラインで可能です。
こうした改革により、
- 移動に伴う交通費が削減できる
- どこでも参加できるので、議員の「働き方」の柔軟性が増す
- 音読や投票の時間が省けるので効率的
- PCで他の資料も比較参照できるので、調査力・提案力が上がる
といったメリットが得られます。