地方議員の仕事は割に合わないのか?

  • 2021年3月28日
  • 2021年3月28日
  • 雑談

昨日は、「議員給与」の明細をご紹介しました。

【長崎県五島市】市議の給与はどのくらい?

地方議員の報酬における問題点の一つは、

幽霊部員でもお地蔵さまでも報酬額は同じ事

です。地方議会によって報酬額は様々ですが、五島市の場合

報酬額 < 議員活動コスト(冠婚葬祭等)

のため、

議員活動 < 副業活動

となりがちです。ただし、他の規模が大きな自治体のように、

報酬額 > 議員活動コスト(冠婚葬祭等)

になった場合でも、

議員活動 > 副業活動

になる保証はありません。

それは

議員活動 ≠ 報酬額

だからです。

この等式の問題点は、

議員活動の質が高まらない仕組みになっている

点です。この問題について、心理学的な二つの側面から「議員の仕事」を検証していきます。

1. 外的要因

1-1.金銭報酬

報酬は多くの人にとって最も大きな「仕事の基準」ではないでしょうか。

一般論として、高齢化が常態化している議員職は

  1. 議員年金も廃止され
  2. 国民年金だけでは老後の不安を抱え
  3. かといって今更民間企業に就職する事もままならない

ため、「老後への備えのために議員をしている」事を否定できる人は、そう多くないと感じます。

1-2.名誉

もちろん、お金だけが議員活動のすべてではありません。

議員という「社会的な地位」を活かす事により、対外的な「信頼度の獲得」に繋がる面もあります。

地元の議員は、なぜか小学校や中学校の卒業式には必ず呼ばれます。

「議員バッジ」を付ける事で、「地域の名士」として偉い顔が出来る事も、報酬の一つではないでしょうか。

1-3. 心的報酬

もう少し邪でない動機として、

市議の活動が市民から評価されるという「心理的な報酬」もあるかと思います。

  1. 市民から陳情や要望を受ける
  2. 議員として課題を解決したり、行政へ提案要望をする
  3. 市民から感謝される

という流れにより、心理的な報酬を得る事も可能です。

2.内的要因

しかし、こうした外的要因は、あくまで「自分以外」から与えられるモノです。

内的要因は、逆に報酬はなくても「仕事そのものが楽しい」という状態です。例えば、

  1. 課題先進地で地元がハッピーになる解決策をゴールとし
  2. 全国各地の事例を勉強して研究し
  3. 主体的に地域の関係者と一緒に共創をしていく

過程が「文化祭みたいで楽しい」と思えれば、これ以上に面白い仕事はないでしょう。

外的要因 VS 内的要因

民間企業でバリバリ活躍し、成果に見合った「金銭的な報酬」も得たい優秀な若者にとって、

議員としての報酬体系制度は、必ずしも魅力的とは言えません。

しかしながら、この外的要因を変更するのは、大変です。

例えば議員報酬のアップや、それに必要な定数削減は、

議員間での反発だけでなく、地元の反発を招く可能性があります。

こうした現実を踏まえると、これからの議員は「外的要因」ではなく、

「内的要因」によって活動に没頭するのが理想的です。

 

山口周さんが著書で指摘している通り、

個人的には、議員の仕事だけでなく、全ての人がお金という「手段のため」よりも、

「それ自体が楽しい」と思える仕事に人生の時間を費やした方が、

トータルで楽しい人生を過ごせると考えています。

 

そのためには、まず私自身が「議員活動そのもの」を楽しんでいきたいと思います(*^-^*)