昨日は、「議員給与」の明細をご紹介しました。
地方議員の報酬における問題点の一つは、
幽霊部員でもお地蔵さまでも報酬額は同じ事
です。地方議会によって報酬額は様々ですが、五島市の場合
報酬額 < 議員活動コスト(冠婚葬祭等)
のため、
議員活動 < 副業活動
となりがちです。ただし、他の規模が大きな自治体のように、
報酬額 > 議員活動コスト(冠婚葬祭等)
になった場合でも、
議員活動 > 副業活動
になる保証はありません。
それは
議員活動 ≠ 報酬額
だからです。
この等式の問題点は、
議員活動の質が高まらない仕組みになっている
点です。この問題について、心理学的な二つの側面から「議員の仕事」を検証していきます。
1. 外的要因
1-1.金銭報酬
報酬は多くの人にとって最も大きな「仕事の基準」ではないでしょうか。
一般論として、高齢化が常態化している議員職は
- 議員年金も廃止され
- 国民年金だけでは老後の不安を抱え
- かといって今更民間企業に就職する事もままならない
ため、「老後への備えのために議員をしている」事を否定できる人は、そう多くないと感じます。
1-2.名誉
もちろん、お金だけが議員活動のすべてではありません。
議員という「社会的な地位」を活かす事により、対外的な「信頼度の獲得」に繋がる面もあります。
地元の議員は、なぜか小学校や中学校の卒業式には必ず呼ばれます。
「議員バッジ」を付ける事で、「地域の名士」として偉い顔が出来る事も、報酬の一つではないでしょうか。
1-3. 心的報酬
もう少し邪でない動機として、
市議の活動が市民から評価されるという「心理的な報酬」もあるかと思います。
- 市民から陳情や要望を受ける
- 議員として課題を解決したり、行政へ提案要望をする
- 市民から感謝される
という流れにより、心理的な報酬を得る事も可能です。
2.内的要因
しかし、こうした外的要因は、あくまで「自分以外」から与えられるモノです。
内的要因は、逆に報酬はなくても「仕事そのものが楽しい」という状態です。例えば、
- 課題先進地で地元がハッピーになる解決策をゴールとし
- 全国各地の事例を勉強して研究し
- 主体的に地域の関係者と一緒に共創をしていく
過程が「文化祭みたいで楽しい」と思えれば、これ以上に面白い仕事はないでしょう。
外的要因 VS 内的要因
民間企業でバリバリ活躍し、成果に見合った「金銭的な報酬」も得たい優秀な若者にとって、
議員としての報酬体系制度は、必ずしも魅力的とは言えません。
しかしながら、この外的要因を変更するのは、大変です。
例えば議員報酬のアップや、それに必要な定数削減は、
議員間での反発だけでなく、地元の反発を招く可能性があります。
こうした現実を踏まえると、これからの議員は「外的要因」ではなく、
「内的要因」によって活動に没頭するのが理想的です。
山口周さんが著書で指摘している通り、
個人的には、議員の仕事だけでなく、全ての人がお金という「手段のため」よりも、
「それ自体が楽しい」と思える仕事に人生の時間を費やした方が、
トータルで楽しい人生を過ごせると考えています。
そのためには、まず私自身が「議員活動そのもの」を楽しんでいきたいと思います(*^-^*)