技術で社会をアップデート
私は島に来てから、割と
「技術で課題を解決する」
っていう路線の話ばかりをしてきました。
自動運転だとか、ドローンだとか、ロボットだとか、その辺りのお話です。
ただ、課題の多くは、高齢化に伴う人口減少によって起きています。
買物弱者とか、独居の孤独死とか、地域コミュニティの衰退とか、そういう面です。
極端な話、Society5.0的な社会が五島で実現すれば、生活そのものは維持されるかもしれません。
しかし、最近は少し考え方が変わってきました。
今までは、「全部自動化すれば問題解決」という割と短絡的な思考でしたが、最近は「本当の問題はそこじゃないかも」と思っています。
極端な話、次世代型の社会で起こる「自動化」が全ての分野で起こったとしても、肝心の
人間がどう暮らすか?
という部分がぼんやりしています。
健康寿命を延ばしたければ、全員がウェアラブル端末を取り付けて、健康に良いとされる食事ばかりを食べるのが良いのかもしれません。
しかし、それではちょっと違う気もします。
人と人との繋がり
島は良くも悪くも人間関係が濃いと聞きます。
見守る人がいて、見守られる人がいる。
それは時として、息苦しいのかもしれません。
都会では、好き勝手に生きる人がいて、それが許容される。
息苦しさを感じずに、いい距離感で人が繋がる社会。
「田舎の温かさ」と、「そこそこの便利さ」の共存。
今は重力の中心が「便利さ」になっているため、旧5町の人口流出に歯止めがかからない状態となっています。
しかし、これからの五島が目指すべき地点は、「田舎らしさ」なのかな、とも思います。
仕事と生活
多くの方からは、
五島には仕事がないから人口が減っていく
というお話を聴きます。
しかしそうであれば、都会との競争になってしまう「仕事」を増やす発想ではなく、
「仕事」がなくても生活が出来るコミュニティや社会を目指すべきではないでしょうか。
世の中には、「わざわざ人間がやらなくても良い仕事」が沢山あります。
そうした部分を突き詰めて、他の自治体が行っていない政策方針を示すことも大切ではないかと思います。
例えば自治体が、空き家や施設を買い取って、市民に無料で提供すれば、家賃の負担がなくなります。
また、余った食材も同様に買い取って、提供すれば、食費も減ります。
行政としては、市民の生活負担を減らすために、こうした部分で技術の導入を進めるべきなのかな、と思います。