沖縄の政治と現状
本日は、沖縄の政治と現状についての紹介です。以下、引用元です。
平成31年 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 2月22日
http://www2.pref.okinawa.jp/oki/Gikairep1.nsf/
政治と観光促進
沖縄は歴史的にみても、特殊な都道府県です。そのため、国からの予算も例外的に付けられています。政策としては、
沖縄県においては、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興交付金など各種の特別措置を活用した施策の展開により、社会資本の整備や観光、情報通信関連産業の成長など、大きな成果を上げてまいりました。
その一方で、県民所得の向上等はいまだ十分ではなく、自立型経済の構築は、なお道半ばにあるものと考えております。(企画部長)
厳しい生活
沖縄県入域観光客統計概況によると、
平成 30 年度の観光客数は、999 万 9,000 人で過去最高
対前年度(H29)比 +41 万 9,100 人、+4.4%
とあります。
しかし一方では、
- 県民所得全国最下位
- 子供の貧困率は全国平均の2倍以上
- 高校・大学の進学率も最下位
- 非正規雇用率が全国最高
など、県民生活の厳しい実態が続いております。(金城 議員)
という部分も指摘されています。沖縄の県民所得については、
復帰47年になるんですけれども、いまだに最下位。(當間議員)
です。具体的な数字としては、
平成27年度の1人当たり県民所得は216万6000円と対前年度比で3.7%増加しております。
一方で、1人当たり県民所得は全国平均の7割程度にとどまっており、この要因としては、多くの分野で労働生産性が低く、収益力の高い産業が十分には育っていないことが挙げられます。(企画部長)
そうした事を踏まえ、
今後は、付加価値の高い観光の推進など産業の高度化に取り組むとともに、雇用の質を高める施策の推進や、AIやIoTなどの先進的なITを活用することにより、産業全体の生産性を高め、さらなる県民所得の向上に努めてまいります。(企画部長)
と答弁があります。
先週、私が沖縄で観光に行った時に立ち寄った居酒屋では、若いママさんが伝統的な音楽を披露してくれました。30代後半で、子供が5人いるとの事でした。
沖縄では、全国で唯一、人口が自然増で増えている都道府県です。
https://seniorguide.jp/article/1069240.html
オーバーツーリズム
一方で、観光によるマイナス面も指摘されています。
2021年度までに入域観光客数1200万人を目指しております。観光振興の一方でオーバーツーリズムの懸念も出ております。対応策を伺います。(金城 議員)
オーバーツーリズムについては、昨今、世界中で問題となっております。
本県においても、レンタカーによる混雑や貸し切りバスの違法駐停車、ごみ捨て等が原因で観光地が閉鎖されるなどの県民生活へ直接影響を与える事案が発生しております。(文化観光スポーツ部長)
こうした事を受けて、
県としては、今後、市町村や観光協会、観光事業者等で構成するめんそーれ沖縄県民運動推進協議会に住民を代表する自治会等の団体を加え、県内のオーバーツーリズムの課題について協議し、解決に向けて努力していきたい(文化観光スポーツ部長)
だそうです。
まとめ
沖縄県は
- 国の特別措置や支援を受け、観光客数は年々増加している
- 県民所得を始めとする「県民の暮らし」はずっと厳しい
- オーバーツーリズムによる弊害も発生している
状態です。観光政策が県民の暮らし向上に直結しない理由は、「利益の大部分が県外に流出する」からです。
私が泊まった宿も、東横インやアパホテルでしたし、街を歩けば多くのコンビニチェーンがあります。
店舗の数は多いですが、「価値の源泉」となる部分はほぼ全て島外に持っていかれています。
そのため、観光政策によって経済は好調に見えますが、島民の暮らしは良くならない状態です。
ただ、「所得が上がることだけが素晴らしい」訳ではありません。逆に人口が増えて給与の良いはずの東京圏は、日本で一番出生率が低いというデータもあります。
少子化がこれだけ進んでいる社会ですので、単に所得だけで個人の幸福度を測定するのはナンセンスです。
所得はともかく、子供が多いことが素晴らしい
という価値観に立てば、沖縄は全国でもNo1の県となります。