自民党勢力
現在、私が住んでいる五島市では、県議会議員の1席を巡り
「自民党 VS 非自民党の候補」
の仁義なき戦いが繰り広げられています。
そこで本日は、私が選挙の土日を通じて感じたことを、ご紹介します。
長崎は自民党が強い
長崎の議会は、3分の2の議席を自民党の候補が占めています。
そうした事からも、自民党が強いことがうかがえます。
五島市からも、国会議員が選出され、「自民党党員の活躍」による国境離島新法の制定など、恩恵は数多くもたらされています。
そうした事は、今回の選挙戦でもしきりに喧伝されていて、
「自民党が地方にもたらした恩恵」
が訴えられています。
党員になるメリット
私も政治家を目指している以上、
「自民党の推薦を受けたいか?」
という部分は当然考えます。(できるか出来ないかは別として)
自民党の支持を得られるメリットとしては、
巨大な看板が付くことにより、選挙戦が有利になる
という部分が大きいです。
実際、今回の選挙でも、告示日の直後に地元選出の参議院議員が船で五島に来島し、市長や市議が総出でお出迎えをする、という場面がありました。
地方に配分される予算の流れが、
「国→県→市町村」
であることからも、政治の世界の権力も
「地方議員<県会議員<国会議員」
であるように思えました。
自民党の推薦を得られれば、自民党は全力でその人を応援してくれる「組織力」があるのだと感じました。
そこには「政権与党としての執念、権力への執着」みたいな気合も十分に伝わってきます。
党員になるデメリット
で、私が県議選挙を通じて感じているのは、自民党の候補からは、
個人のカラーが全然見えない
という事です。街頭の演説では、本人ではなく他の自民党の党員が
自民党の政治がもたらした恩恵
を訴えたりしています。今回の県議選で自民党候補の演説を聞いていると、対立軸が
個人 VS 個人
ではなく、
自民党 VS 非自民党
になっているような印象さえ受けます。もちろん、有権者から見れば、他の様々な別の切り口もあるでしょうけど。
実際のところ、県議の世界は「数が命」です。
どれだけ聞こえの良い政策があったとしても、数が取れなければ絵に描いた餅です。
そうした点を踏まえると、対立軸を「個人の争い」から「政党の争い」に仕向けるのは、現実的な路線なのかもしれません。
ただ、今回の県議選挙はあくまで個人だけを選ぶ選挙ですので、もっと「個人のカラー」を出して
あの人だから応援したい
という部分に訴えかける方が良い気もします。
今後の「自民党」の看板価値
五島市ではこの10年間にわたり、県議の席がずーっと「非自民党」の候補に委ねられていたのも、
「アンチ自民党」
の勢力が多い事の裏返しです。
昨今では、
- モリカケ問題をめぐる対応のまずさ
- 自民党の党員による不適切発言
- 統計不正問題への対応のまずさ
などにみられる「自民党組織への不信要素」が数多くあります。
こうした失点から、今回の選挙でも、「自民党離れ」が一定程度あるのだと考えられます。
最終的に、こうした「自民党一強支配」に対する審判が下されるのが、夏の参議院選挙でしょう。
従来から自民党を支持してきた人たちも、
今の自民党は、堕落している!!
と思う方が少なくないと思います。
そうした点も踏まえ、世論をざっくり三つに分けると
- 自民党の支持者:もっと自民党にしっかりしてもらいたい
- 反自民党の支持者:もっと野党にしっかりしてもらいたい
- 棄権者:そもそも政治に興味ない
ですので最大公約数的には、
自民党に緊張感を与える「強い野党」
の存在が期待されるでしょう。
ですので、今後の「自民党の看板価値」は、相対的に今よりも低くなるでしょう。
それは好きとか嫌いとかの次元ではなくて、潮の満ち引きレベルの自然な流れとして、パワーバランスが調整されるのだと予想されます。
個人の時代
こっからは、私の個人的な予想です。
日本でもアメリカと同じように、個人で情報発信(SNSが中心)をして、支持を得る政治家が台頭すると予想します。
そうなったとき、もやは「看板の神通力」は意味を失います。
それはルネサンスの時に、教会の権威が地に落ちた時のように。
- ものすごく情報発信が得意で
- ものすごく有権者に響く政治家
が、これからの世界を制することになると思います。
良くも悪くも。
なぜなら、今後の世界はメディアの媒体がTVからスマホの動画に移っていくからです。
日本の有権者は、まだまだTVに慣れ親しんだ高齢者が中心です。
これから当面の間は、Youtubeとかブログとか、殆ど縁がない方が有権者であり続けます。
が、そこには新しいインターフェースが導入されて、メディアの在り方も変わってくると思います。
それが5年後か10年後か、はたまた20年後かは分かりませんが、確実に時代の流れは
「組織の看板」
よりも
「個人の情報発信力」
の比重が高まってきます。
これはもう、ほぼ避けられない時代の流れです。
今の自民党の候補者は、そうした先々の時代の変化を見据え、
もっと地道に「個人としての力」を高める努力に時間を割いた方が良い気がします。