五島列島が目指すべき2030年の姿を考えてみた

ランニングをしながら

目下のところ、「国境離島新法」による助成金を獲得するために事業計画書を書いている。

〆切が5月1日なのでタイトなスケジュールなのだが、やはり私にとってはランニングをする時間は欠かせない。

今回は、ランニングをしながら2030年までに目指すべき姿について、幾つか0ベースで考えてみたのでそれを公表したい。

例えば私が

「この島を、自由にしていいですよ。」

と言われたら、こうするだろうというアイデアだ。

このアイディアは決して夢物語などではなく、現代の情報技術を使えば容易に実現可能なことである。

恐らくそれが実現した後に島で暮らす人たちは、

「どうしてあんな非効率的で無駄の多い社会で違和感を感じなかったのだろう?」

と思う筈だ。

それはちょうど、スマホに慣れた人たちがガラケーの使い勝手の悪さに

「どうしてこんな使いづらいものをずっと使っていたのだろう?」

と思うのと同じように。

1.国からの補助金打ち切りと完全自主財源化

現在私が獲得しようとしている助成金もそうだが、日本の地方財源は国からの依存度が高い

島でビジネスを興し経済を活性化し、自主的な財源を確保することができれば、補助金を打ち切ることができる。

将来的にはマカオのような観光地となれば、それは実現可能であるし、五島が持つ魅力を最大限に活用すれば、それは決して夢物語ではない。

海外の人に向けて、国内の人に向けて、情報発信をするのが下手なだけである。

使っていない田畑を再び耕して自給自足するだけでも、36000人の人口は十分賄える。

何しろ50年前は倍以上の人口だったのだから

空き家や使っていない土地を見るたび、それが宝の山のように見える

島の魅力を掘り起し、磨きをかければ経済的に大きな成功を収めることができる。

  • 世界遺産候補になっているキリスト教会の文化的価値
  • ジオパークにも認定されるであろう自然の魅力

などなど。

これらは「一般的に認知されていること」に過ぎないのだが、掘り起こしていけばまだまだ魅力は沢山ある

生物・食・レジャー・その他の楽しい要素、それらは多分、100年分の人生を3回くらい回して、ようやく

「この島も、そろそろ飽きたかな」

というような感想を抱くように思う。

到底30年や50年では語りつくせないように感じる。

少なくとも1か月島で暮らしてみて、私はそう感じた。

2.貨幣の撤廃

今の世の中、貨幣は不要だ。

ところが2017年現在、五島では貨幣が幅を利かせていて、クレジットカードすら使えるお店は限られている。

当然、電子マネーなども存在しない。

将来的に島では、貨幣は全く不要となるだろう。

その先駆けとして、まずはビットコインに採用されているブロックチェーンの技術を島全体で試験的に導入してみるのが良いだろうと感じる。

3.市役所の撤廃

はっきり言って、市役所でしかできない仕事は存在しない

サービスを完全に民営化させて、無駄な紙文化の温床となっている市役所は撤廃したほうがよい

雇用が奪われる?

いや、そこは別の、島の経済を活性化させるものを探せばいいだけだ。

(そもそも、国に財源の首根っこを掴まれている公務員が多いのは、それ自体がリスクではないだろうか)

国が財政破綻(近い将来するだろうと思う)した時に、島は自給自足で生きていける。

観光を盛り上げて、ITを活用して行政サービスを民営化することは可能だ。

ペーパーレス社会になれば無駄な資源を節約することができるし、一人一台タブレット端末を持てば、ありとあらゆるお役所仕事が不要となる。

インターネット環境に誰もが繋がるようになれば、必要な時に必要なサービスを民間の会社から受けることができる。

その先駆けとして、まずは島の中の物流をドローンや自動運転に任せてみるのはどうだろうか。

首都圏のシステムエンジニアとして働いてた私の目から見れば、なんだか島全体が昭和か大正時代のように見える。

それくらい、情報技術の活用と無駄の撤廃という事について、無頓着なように見える。

4.無人島を活用した難民の受け入れ

長崎県には実に791もの島々があり、現在は人口減少の影響で無人島となっている島も多い

そういった島には、かつて人が住んでいたような住居(空き家)もあるし、改修すれば初期投資を抑えて住むことができる。無人島をそのまま放っておいても、雑草が増えるだけだ。

これを有効活用する手段として、現在世界的な問題となっている(これからも増え続けるであろう)難民の受け入れ地としたらよい

現状では、難民の受け入れは国という枠に縛られてしまい、手続きが複雑すぎて認可されるのに多大な時間とコストがかかる。

事実上は無理ゲーだ。

しかし、五島を国から切り離された自治領とすれば、独自の枠組みで受け入れが可能となる。

国と決別し、難解且つ硬直化された行政縛りから距離を置けば、できることの選択肢は無限に広がる

結論

市役所が撤廃され、最先端のIT技術を活用しまくった島では、最早国に依存しない存在として、島に住む人が経済的にゆとりのある生活ができる(少なくとも今よりは)。

それを順番にまとめると、以下の感じとなる。

  1. IT技術を駆使して島を盛り上げ、経済を活性化する(ブロックチェーンや人工知能の活用)
  2. 国からの助成金を打ち切り、国と決別する
  3. 市役所を廃止して行政機能を民間企業やNPOに委ねる
  4. 治安・防災に関する独自の自治ルールを制定する
  5. 難民を受け入れて、更に島を活性化する

上記「4」の自治ルールについては、ニコニコ動画を使って住民間で話し合って決めればいいと思う。

少なくとも、現代のIT技術をフル活用すれば、世界的にも注目される独自の統治機構をもった新しい社会の仕組みが生まれる気がする。