認知的不協和理論とは何か?
こんにちわ。
本日は日常生活でも何かと便利な考え方である
「認知的不協和理論」
について、説明したいと思います。
認知的不協和理論(cognitive dissonance)は、Leon Festingerという心理学者が提唱した理論であり、現代においても様々な場面で活用できる考え方です。
認知的に不協和な状態とは?
例えばあなたが、掃除機を買ったとします。
前提として、普通の掃除機は定価が1万円ですが、あなたが買った掃除機は、3万円であったとします。
ところがその掃除機が、こんな状態だとしたらどうでしょう?
- 吸引力が弱い
- 手入れが大変
- すぐに故障する
- 操作方法が難しい
すぐに嫌な気分になりますよね?
高いお金を払ったのに、こんなダメな掃除機だとは・・・。
思わずため息が出てきます。
この時、あなたはこの掃除機に対して、お金を払った分、何らかの「優れた部分」を期待しています。
しかし、実際はそれが一向に認知できない。
「〜であるべきという」認識の状態と、実際の認識が食い違った時に感じる、「割に合わない感じ」こそが「認知的不協和」です。
変化抵抗
では、人は認知的な不協和を感じた時、どういう対応をするのでしょうか?
当然、不協和を解消するために、何らかの行動(もしくは認識の変更)を行います。この時に登場するのが「変化抵抗」です。
「変化抵抗」とは、簡単に言うと、どのくらい簡単に不協和の解消を図れるか、と言うことです。具体的な例を見ていきましょう。
多くの人は、「こんなはずじゃなかった!」と言って、返品を申し出ますよね。
ただこの商品、「返品は不可能」という但し書きがあったらどうでしょうか?
返品ができない以上、あなたはこの商品を使い続けなければいけない状態です。納得できない場合は、店にクレームを入れるなり、訴訟を起こす可能性もあるかもしれません。
しかし、それはあまりにも手間のかかる手段です。そのため、「返品をする」のは「変化抵抗」が大きい手段となります。
人は変化抵抗の小さい方を選ぶ
「返品」の「変化抵抗」が高い以上、あなたは別の手段を用いて「認知的な不協和」を解消する必要がありそうです。
最も簡単な方法としては、その掃除機の「優れている点」を探すことによって、不協和を解消しようとします。例えば
- フォルムが他のものよりカッコイイ
- 収納がしやすい
- 操作方法を覚えれば意外と簡単
など、今までは見えていなかった側面を見つけようとします。そしてそう言った材料を見つけることによって、自分の買い物に対する「不協和」を解消しようとします。
どうしても良い点が見つけられない場合、「高い買い物だったけど、勉強になった」と自分に言い聞かせることで、その不協和の解消を図ろうとするかもしれません。
まとめ
この理論の要点は、
『人は不協和を解消するために、辻褄を合わせようとする傾向がある』
と言うことです。
とりわけそれは、変化抵抗の大きい自体に直面した場合に発生します。
もしそうでない場合、何とも言えないモヤモヤとした感情が、いつまでも「しこり」のように残ってしまうことになります。
勿論、「変化抵抗」の大きさに関わらず、不協和を解消しないという人もいます。
日常生活ではどうでしょうか?
過去の行為、選択に対して、論理的な根拠を探したがる傾向は、多くの人に当てはまるのではないでしょうか。