【2023.9/五島市市議会メモ】中西議員

五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。

そこで、議事メモを残しています。

※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。

日時 2023/9/14 13:15~

(冒頭は台本なしのため、一部原稿と異なる箇所がございます)

中西 若い力で政治を変える、とスローガンを掲げてやっていますが、果たしてどれだけ政治が変わっているのか、最近はこうした疑問を抱くようになりました。実は今までの政治と変わっていないのではないだろうかと、先日の中学生議会の内容も拝見させて頂きました。

学校とはそもそも何なのか、これからの教育はどうあるべきなのか、そういったことを考えます。そうした中、R6年度から五島市内の小中学校が統廃合されると。子供や地域にとっては死活的に大きなテーマであるため、3月議会ではその目的を質問しました。

保護者や地域の方から話を聞いても、今の進め方で本当に保護者や生徒児童は納得しているのか、釈然としない部分があります。

そこで本日は、今までの統廃合の進め方について、配慮が足りない部分がなかったのか、課題や反省点はなかったのか、その点をお伺いします。

小中学校の統廃合について

これまでの進め方の総括は

教育長 H30の3月に作成した規模の適正化と配置の基本方針に基づき、基準に達した学校のアンケートを実施し、保護者懇談会、住民説明会で協議してきた。統合に賛成・反対それぞれの立場で意見をいただいた。時には厳しい意見も。進め方については、スケジュールが短く、十分な議論ができないとの意見もあった。今回、学校のあり方については反省すべき点もあったと思う。今後、十分に改良したい。スクールバス・登下校の手段について、これでいいのではないかと考えていた内容と、保護者の考えに食い違いにあり戸惑いがあった。交通手段について、ある程度決定してから、統合問題について進めるべきだったと。

廃校の利活用について

中西 廃校をどうするか問題があります。体育館も含めて、五島市全体として、活用方針はないのか、お伺いします。

市長 今年度末予定の学校は耐震基準を満たしている。建物の状態も良好であることから、出来るだけ早く新たな活用方針を検討したい。市の保有施設の量を減らす考えもあるので、建物全体を一体的に売却を考えている。売却できない場合は貸付を考えたい。

中西 売却を考えているのであれば、情報発信を積極的にすべきでは。

市長 売却は決定しているが、子供がまだ通っているので、対外的な発信は早くても4月以降になると思う。

中西 出来るだけ早く勧めるべきと感じる。街づくり協議会を含めて検討している学校もある。情報発信としてどういうスケジュール感でやっていくのか。

総務企画部長 現在まだ児童生徒が学校生活を送っている。そこに配慮しながら検討して進めていきたい。来るべき時にきたら、活用方法を内部で検討して公募も含めて発信したい。

中西 活用したいという声があった場合、どう動いているのか。

総務企画部長 基本は売却を前提に動く。ケースバイケースで考えていく。色々な方が興味を持つと1社では決めかねるので公募も考えざるを得ない。

中西 透明性・公平性を確保して進めてほしい。

奥浦小学校及び盈進小学校の今後の方針は

中西 3月議会でも小規模校のメリット・デメリットを質問しました。私はこれからの地域づくり・教育の望ましい在り方を実現するために、小規模校の選択肢を残すことが、必要だと考えます。そうした中で、奥浦小学校と盈進小の保護者はこれから先、どうなるんだろうかと不安に思っている方がいらっしゃいます。そこでお伺いしますが、地域や保護者の合意が得られなければ、統廃合は行われないのか。

教育長 今後の方針は、現時点で協議が整っていないので、意見交換をしていく。両校の保護者・地域の方は、R6に統合する崎山・大浜の統合校の様子を注視していると考えている。奥浦小学校の保護者からは、のびふれ制度で様子を見て時間を貸してほしいという声を聴いている。それぞれの学校のあり方を検討したい。地域や保護者の同意がなければ、という件は、再度アンケートや意見交換会を実施し、教育委員会としては、非常に少なくなった人数では、子供たちの将来のためにならないと考えるので、粘り強く、統合の必要性を訴えていき、最終的には全員は無理にしても、ある程度の賛成をいただいてから話を進めていきたい。

中西 再度アンケートを行い、しっかり聞いていただきたい。今後の入学予定者にはどのように説明をしているのか。

教育長 前回の時もそうだったが、幼稚園や保護者の方については、意見を聞いて参りたい。

中西 子供のために、というが教育長とは異なる見方もあると述べておきたい。

中学校の校則について

髪型の規制について

中西 市内の中高生からは、学校の校則をどうにかしてほしい、という声をよく耳にします。特に髪型や身だしなみについての要望が多いです。そこで今回、各学校から校則や決まりを取り寄せて読んでみました。

一つ一つ上げたらきりがありませんので、本日は髪型に絞って質問させて頂きます。各学校で髪型に関していろいろな制約があります。頭髪憲章を掲げる学校もあります。私は昨日髪を切ってきたのですが、ツーブロックです。この髪型。このツーブロックですが、現在市内の中学校で認められている学校はあるのでしょうか。もしダメである場合、理由の説明をお願いいたします。

教育長 明確にツーブロックを禁止する学校は2校ある。他の学校についても、中学生らしい髪型として、認めている学校はないと考えている。校則について、学校生活の約束とか生徒心得とか、生徒が健全な成長をするために設けられていると認識。各学校が教育目標を実現する過程において、地域の状況も踏まえて最終的には校長が判断するもの。何のための理由なのか、背景についても、生徒たちと確認して設定している。髪型は生徒総会を通じて合意形成を図っているが、禁止の理由は各学校の考えを尊重したい。大きな流れとして、校則を見直す傾向はある。出来るだけ子供の意見を参考にしながら対応して来たい。私が旧福江市に帰って来た時は、30年前は全て坊主でございました。今、全く長髪について違和感はないし、中西議員の髪をおかしいと思う方もいないと思う。中学生はまだ、いるのではないかと思う。教育委員会として一斉の指導は考えていない。

中西 各学校の判断であることは知っています。ここで私が聞きたいのは、教育委員会としての見解です。認めるのか認めないのか。私がなぜここで聞いているのか、それは現場の保護者や生徒の声が、ルール作りに反映されていないと感じているからです。結局生徒総会で発案しても、教員や校長先生から却下されてしまう。だから私は、この現状を変えるために、教育長の鶴の一声が必要だと感じています。改めて聞きます。髪型をどう考えているか?

教育長 甲子園で慶應義塾が優勝して長髪で話題になったが、高校野球でも長髪が広がってきている。これが世の中の流れだと思うが、私は古い考えを持っているので、高校野球は以前は坊主であるべきという考えを持っていた。が、高校野球は坊主でなくてもいいかなとは思った。個人的な意見として、ツーブロックを認めたいとは思っていない。個人の自由だという考えもあるが、やはり、適正な、相応しいという形で言わせてもらうと、中学生にツーブロックの髪型は相応しくないと考えている。ただし、生徒が生徒総会で挙げて意見が多くなり、他の先生・保護者の声を聞きながら、考慮した上で校長が決定すべきことだと思う。ただし、声を無視しないようにという指導を考えている。

校則の運用と見直し状況について

中西 全国では、ブラック校則と言われていますが、なぜ守らなければいけないのか、納得できる理由がないまま、何となく運用されているルールだと思います。こうしたブラック校則に対して異を唱える声が、全国的に増えている状況です。

令和4年12月に文部科学省から公表された「生徒指導提要」においても、校則の運用について、学校における取り組み例として

・各学級で校則や学校生活上の規則で変更してほしいこと、見直してほしいことを議論。

  • 生徒会や PTA 会議、学校評議員会において、現行の校則について、時代の要請や社会常識の変化等を踏まえ、見直しが必要な事項について意見を聴取。

とありますが、こういった見直しは行われているのでしょうか?

学校教育課長 単に校則を守らせることだけでなく、何のためなのか、背景を理解して自分事として自主的に守ることを大事にしている。見直しの状況は、各学校の生徒総会の議案の一つとして取り扱っている。一人一人の意見をできるだけ尊重できるよう、学級・学年・グループでの協議を重ねて協議していく。段階的に生徒の意見は反映されていると判断している。

中西 そうではないと考えているから議会で取り上げた。

校則の公開と今後の在り方について

中西 一部保護者からの声を紹介します。

少しでも髪が長くなったら切りに行かなければならず、床屋代が家計を圧迫する。制服に関しては、冬に寒いので、上に洋服、又はコートを着させてほしい。部活動については休日の登下校するときに体操帽子をかぶってはいけない為、日傘も使えず熱中症が心配。

今紹介した保護者からの声は、おそらく氷山の一角であり、校則の見直しに繋がっていない状態と思います。

先ほどの文部科学省からの通達においても、校則の運用について、考えが述べられています。読みます。

校則の内容について、普段から学校内外の関係者が参照できるように学校のホームページ等に公開しておくことや、児童生徒がそれぞれのきまりの意義を理解し、主体的に校則を遵守するようになるために、制定した背景等についても示しておくことが適切であると考えられます。 公開をする予定は?

学校教育課長 これまでにも年度末を中心に通知を発している。入学説明会で説明し、HPで周知を図ることが望ましい、とされている。絶えず積極的に見直す事が主な通知の内容。現在、HPへの掲載はされていないので、学校に提案していきたい。更に、見直しの際には児童生徒の実情や、人権への配慮、校則の必要性について、複数の教職員で検証する事としている。

中西 全国には、時代に合わない学校の校則を撤廃する動きや校則の見直しが進む学校もあります。先月は8月5日~6日にかけて「ゆめみる小学校」という映画を鑑賞したので、紹介させて頂きます。全国5か所で展開される「きのくに子どもの村学園」では、子供の主体性が尊重され、時間割も自分たちで決めています。週1回の全校ミーティングでは、大人と子どもが平等な1票を持ち、学校のルールを決めています。

余りにも私たちが育ってきた学校教育とは仕組みが異なるため、校則の在り方や、教育の目的について、考えさせられる映画でした。これからの変化が激しい時代、本当に大切な事は、既存のルールがなぜそうなっているのかを考え、時代に合わせたルールを自分たちで作っていく事ではないでしょうか。そうした経験こそが、大事な社会経験になると感じます。

何より、今のままの運用では、先ほど紹介した保護者や生徒の声も実現困難です。そこで提案です。校則も含めて自分たちの学校のルールを変える権限を、校長先生から生徒の側に与えてほしいです。いかがでしょうか?

教育長 校則を変える権限を子供達にという提案だったが、学校は多くの子どもたち、多くの職員・保護者・地域の方が一斉になって運営をしていく場所である。責任者である校長には様々な権限が与えられている。子供たちの考えを大切にすることはできると思うが、決定権を子供達にやるのは、ちょっといろいろな意味での危険もあると思っている。議員の仰りたい事は、今不満に思っている校則を、もっと自由に変える方向に進まないかということだと思う。例えば制服の見直しを行なっている。奈留中学校ではやっており、五島市全体でも夏涼しいような制服・女性の服も変えようと取り組んでいる。子供の意見も反映しながら、校則は変化がある事を期待している。

中西 急激な変化は、ということだったが、五島市全体にとっても教育の在り方は考えていかなければいけないと思うが、教育の在り方を見直すような考えはないのか。

市長 同じ市役所の中で教育委員会は総務企画や産業企画と違い、1つの大きな教育という部分を司っていて、性格的には前の戦争の時代、政治行政が教育に関与することによって子供たちの本来の教育が歪められた所もある。極力、市長という立場で色々言うのは教育委員会には差し控える考えがある。教育に関する事は、基本的に村上教育長に全てをお任せしている。いじめの問題などは総合的に対応している。学校運営にどうのこうのという部分は地方自治の制度上、控えたほうが良いと。

中西 妥協案としての提案をさせて頂きたい。NPO法人カタリバが進めるルールメイキングというプロジェクトを紹介します。

「みんなのルールメイキング」は、生徒が中心となり先生や関係者と対話しながら校則・ルールを見直していく取り組みです。対立ではなく「対話を通して納得解をつくるプロセス」を学びの機会と捉え、子どもたちに身近な校則・ルールを題材に、学校へ対話を届けるサポートを行っています。 したがって、ルールメイキングは校則を見直すことが目的ではなく、「校則」を題材に、目指したい学校づくりができるきっかけをつくっていきます。良い意味での子供の教育への影響もあると思うので、宝である子供を育てるためのかかわりを持ってほしい。

校長決済ではなく、自分たちでルールを作る経験を増やすためにも、このプロジェクトに参加してみるのが良いと考える。

五島市ゼロカーボンシティ計画(案)について

計画策定のプロセスは

中西 ゼロカーボンシティ計画についてです。今年も暑い夏でした。過去132年間で最も暑い夏となり、海水温についても、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、世界の平均海水温は7月28日に20.95度となり過去最高を更新した。との事です。

こうした中、いかに気候変動に対応していくのか?という文脈でゼロカーボンシティ宣言が出されたと理解しています。温室効果ガスの削減は、例えて言えば五島市の全市民が守るべき校則になる訳です。そのため、この計画作成に関しても、どのようにこれを進めていくか、そのプロセスが大切だと思います。まだまだ市民の認知度が低いと感じており、アンケート結果では、五島市がゼロカーボンシティ宣言をした事を知らない人は69%です。

私は特に、気候変動の影響を将来的に大きく受ける若年層の関与が必要と考えます。そこで今回、計画策定をどのように進めていったか、そして最終的にどういったプロセスで確定版の計画となるのか、お伺いします。

総務企画部長 ゼロカーボンシティ計画はR3に国と、地域脱炭素ロードマップを元に作成している。市民の皆様や行政と一体となって取り組む緩和策と悪影響に備える適応策の両面を盛り込むこととしている。本年7月から1ヶ月間、パブコメを実施して公表した。

計画推進に係る費用と財源は

中西 72Pの計画書を読んで私が抱いた印象は、この計画を推進するだけのお金が五島市にあるのだろうか、という事です。具体的には、重点推進Pで掲げられている、「高性能省エネ機器の導入・オール電化の推進・エネルギーマネジメントシステムの推進・EVの導入・ZEH、ZEBの導入」などです。

現実的には、経産省や環境省の方で使える予算があれば支援する、という事になるかと思いますが、到底全ての分野・全ての産業で買い替えをする事は財源的に出来ないと考えられます。

五島市ではこのゼロカーボン推進に係る費用負担をどの程度と想定しているのか、それをどのように工面する方針であるのか。大枠の方針を教えてください。

総務企画部長 6つのプロジェクトで進めていく。多額の経費がかかることも承知している。ゼロカーボン関連の国の補助事業を活用して進めていきたい。その一つとして環境省の脱炭素選考地域の認定を目指している。最大50億円。カーボンニュートラルを2030年を待たずして目指す自治体が対象。支援内容は再エネの設備導入、蓄電池の基盤整備、省エネ設備の導入、ソフト事業など。第5回校を公募したい。

中西 国の認定を目指すという事だが、問題はこれがダメだった場合、国の財政負担なしで行うのか。同じ長崎県内の平戸市では、家庭用蓄電池や給湯器、環境配慮型自動車の購入費用の半分を市独自で負担しています。イメージとしてはこうした形で、市の自主財源の中で市民や事業者の買い替えを行う予定であるのか、お伺いします。

総務企画部長 2050年に向けて取り組むと決定しているので、可能な限りの施策・財源を検討していきたい。

中西 前回の議会でも質問しましたが、五島市の自主財源は2割しかありません。パイが限られる中では、ゼロカーボン関連の予算を計上すればするほど、どこか別の予算を削らなければいけない。例えば重点計画の中にEVの公用車の導入があり2030年までに50台増やすと。安く300万円と見積もっても、1億5千万円かかる見込みですが、こうした財源は自主財源の中から捻出する、そうした理解で合っていますか?

総務企画部長 計画実現に向けていろいろな財源をとりにいく、活用する。事業の精査をしていきたい。これをする事によっての波及効果も期待したい。

中西 計画書では、ゼロカーボンシティの目指すものとして、「五島市の地域課題を解消しながらビジネス機会の創出に繋げていくことで、経済と環境の好循環を構築すること」と記載されています。これが実現できれば良いですが、再エネ関連の企業の本社が島外にある以上、利益は穴の開いたバケツから漏れていくように思います。私は逆に、再エネ製品を買い過ぎて貧乏になってしまうのではないかと思います。そのため、五島市が本気でこれを実現するのであれば、市民の皆様に、負担を強いる部分を説明する必要があると思います。現段階でどの分野の予算を削る方針なのか、お伺いします。

総務企画部長 今月公表した。概念的な部分がありロードマップがある。個々の事業の中で更に進めた実施計画を進めていく。目標の進める中で、網羅していくものです。

中西 市民の人に負担をお願いする部分を聴きたかったが、市長は経済的な負担をどう考えているのか。

市長 心配しなくても良いよということはまずないと思う。当初予算の編成過程の中でスクラップアンドビルドで事業の見直すものと考えている。地方財政対策として、市町村の役割として脱炭素は進めていかなければいけない。地方の負担は間違いなく増える。国が地方財政対策としてどういう対応をしていくか、注目をしなければいけない。現在の国の補助事業だけでやれる話ではないと思う。したがって、国の予算の対応に関心を持っていきたい。

中西 進め方というのも合意形成をしっかりしてもらいたい。

電気自動車を普及させるための具体策は

中西 電気自動車はかねてから積極的にPRされていると思いますが、あまり普及していないのが現実と思います。計画案では、まず公用車をEV化する事が謳われていますが、民間の電気自動車推進をどのように進めていく方針でしょうか。

総務企画部長 EVは車体価格が高い課題もある。一方でガソリンに比べると安く抑えられ優遇もあるため、ランニングコストの優位性もある。メリットデメリットを伝えていきたい。

中西 私の方から、EV普及の提案です。千葉県の市川市あたりでは、公用車のあり方を抜本的に改め、電気自動車(EV)などのエコカーを共同で利用するカーシェアリングを導入するとの事です。五島市内においても、折角EV車を大量に導入するのであれば、もっと市民が使いやすくするプランも必要と思います。遊休資産の活用を議会でもたびたび訴えていますが、それは土地や建物だけではなく、自動車や駐車場も同様であると考えています。例えば五島市では、二次離島から通院や買い物で福江に来られる方のニーズがあるかと思います。カーシェアリングで普及させる考えはどうか。

総務企画部長 全国で公用車の実証実験が実施されていると承知。メリットデメリットを検討して参りたい。私たちは市のレンタカー事業者への影響も考えなければいけない。

市民の理解を増進させるための具体策は

中西 同じく計画書の重点推進プロジェクトでは、市民の理解増進プロジェクトとして、「イベントの実施」や「勉強会の実施」とありますが、具体的にはどういった活動を行う予定でしょうか。

総務企画部長 行動の変化・ライフスタイルの変化をお願いするものである。本年3月に設置した協議会と連携しながら、関係機関にお願いをしていく。普及啓発。環境学習を予定している。

中西 先ほど述べた通り、買い替えを促す方針は、本気でやろうと思ったら幾らお金があっても足りない。しかも五島市は、財政的に余裕がある訳でもなく、経済は穴の開いたバケツ状態です。そうである以上、最も費用対効果が高い方法は、電力の消費量そのものを減らす事だと考えます。そのための啓発活動やイベントが有効と考えます。

夜の明かりを減らす提案として、節電意識の高揚に繋がるキャンドルナイトイベントを提案したい。みんなで一斉に電気を消して、夜の暗さを楽しむイベントです。こうした取り組みはいかがでしょうか?

総務企画部長 ゼロカーボンシティを目指すには一人の100歩より百人の1歩が大事であると。でこかつという形で国民運動にしようと取り組んでいる。キャンドルナイトがその一つとして紹介されている。行政が旗振り役となり、市民の動きも大事だと思う。やるだけではなく、効果が波及すること、材料も植物性の蝋燭にする

滞在型観光の促進について

星空保護区認定に向けた検討ができないか

中西 次に滞在型観光の促進について。星空保護区とは、国際ダークスカイ協会(IDA)が2001年に始めた認定制度であり、光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度です。認定には、屋外照明に関する厳格な基準や、地域における光害に関する教育啓発活動などが求められます。

この五島市においても、2017年から星空ナイトツアーが開催され、私もガイドをしたりしています。年々人気が高まり、予約を断るような状況も続いています。この認定にはいくつかのタイプがあるが、島を丸ごと保護区として申請する方法もあり「ダークスカイ・アイランド※」として、東京都の神津島や沖縄県の西表石垣国立公園が認定されています。

観光客の目線で見たとき、五島の暗さと星空は大きな魅力となる。そこで、五島市としてはこの暗さの価値を宣伝するために、星空保護区の認定を目指すのはどうか。

地域振興部長 五島市の貴重な観光資源と考えている。ご紹介の星空ツアーなど活かして活用している。大変な人気が出ており、利用者数も140%になっている。人気も上がってきている。星空保護区認定は6つのカテゴリーがあり、特徴のある活動である。

実際に認定を受けた自治体にも聞き取りをしていきたい。

中西 島を保護区とすることにより、宿泊施設が必要となる。二次離島の課題はお金を使う場所がないという事。宿泊施設をはじめとして、観光で来られた方がお金を使う場所が出来れば、わざわざドローンを飛ばす必要もない。こうした地域づくりにこそ汗を流すべきではないかと思うが、市長の見解は。

市長 屋外照明の厳格な基準があり、市民の経済活動にどういった影響があるか検討しなければいけない。星が五島の観光資源である。全国に星空のまち市町村協議会があり、環境省もバックアップしている。星で全国に打ち出す意味合いで言えば、協議会に入って勉強すればというアドバイスをいただいたい。

観光サービスの担い手育成に向けた取組は

中西 担い手不足も解消しなければいけない。現場の声をどのように把握しているのか。

地域振興部長 観光業全般において、従事される方の高齢化・人材不足を認識している。ガイドの不足が大きな課題。新たなガイドの確保が厳しいと認識している。おもてなし協議会でも、競技を重ねており、現地講座の開催・検定試験を図って参りたい。専門のバスガイドは不足が続いているが、事業者でしっかり構えてほしい。

中西 今回の一般質問では、学校の統廃合について質問させていただきました。地域の合意形成を得るためのプロセス、これを是非とも大事に進めてもらいたい。そしてこれからを担う若い世代が、校則を含め自分たちで社会のルールを作れないかと提案しました。

更に、今後世界のルールとなるであろう気候変動対策に関しても、若い世代の声を取り入れながら進め、極力予算のかからない方法として、五島の資源である夜の暗さを観光資源に変えるような提案を致しました。

星の明かりは五島の資産ですので、これをぜひとも、明かりの少ない過疎地域の活性化につなげ、買い物が困難で困っている市民の生活環境の質を向上させて頂きたいです。