昨日の一般質問では、
- 新型コロナ経済対策として、給食費の援助が出来ないか?
- いっその事、給食費の無償化が出来ないか?
という提案がありました。
個人的には、こうした提案に加え、
- オーガニック給食の実現
が出来たら良いと感じます。
本日は、全国の自治体の中で、学校給食の無償化している市町村を平成30年の文部科学省の資料を基に紹介します。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/07/__icsFiles/afieldfile/2018/07/27/1407564_001_1.pdf
無償化の状況
- 小中学校で無償化 4.4%
- 小学校、又は中学校のみ無償化 0.3%
- 一部無償化、一部補助 24.4%
- 無償化を実施していない 70.9%
まだまだ一部の自治体に留まり、無償化は浸透していない事が分かります。
都道府県別順位
日本の中でも、都道府県レベルで無償化には温度差があるようです。導入が多い都道府県としては
- 群馬県 22.9%
- 青森県 12.5%
- 佐賀県 15%
- 沖縄県 14.6%
・・・・
- 長崎県 0%
となっています。
導入自治体の特徴
無償化している自治体を見ると、市よりも「町」や「村」の単位が圧倒的に多いです。
自治体の規模が大きいと難しいという事でしょうか。
コロナ対策として無償化
全国では、長引く新型コロナ対策として、給食無償化に踏み切る自治体も出ています。
大阪市は、令和3年度の無償化をしています。
https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000292260.html
同じく大阪の八尾市でも、無償化を期間限定で実施しています。
https://www.city.yao.osaka.jp/0000059443.html
その他にも、数多くの自治体で無償化が提案されています。
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13146
無償化の背景・目的
背景として挙げられているのが
- 首長の公約・意向
- 議会における議論
- 自治体の施策の一環
- PTAからの要望
など、経路は様々です。意思決定を行う「1~3」に対して、「4」からの働きかけが大きいと感じます。
目的としては、
- 食育の推進、人材育成
- 保護者の経済的負担の軽減、子育て支援 (児童・生徒がいる家庭の支援)
- 少子化対策、定住・転入の促進、地域創生(子供や人口の増加を期待した支援)
などが挙げられます。
無償化のメリット
〇児童生徒
- 給食費が未納・滞納であることに対する心理的負担の解消
- 自治体(地域)への感謝の気持ちの涵養
- 栄養バランスの良い食事の摂取や残食を減らす意識の向上
〇保護者
- 経済的負担の軽減、安心して子育てできる環境の享受
- 親子で食育について話し合う機会の増加、教育への関心の増加
〇学校・教職員
- 給食費の徴収や未納・滞納者への対応負担
- 食育の指導に関する意識の向上
〇自治体
- 子育て支援の充実
- 少子化対策、定住・転入の促進
- 食材費高騰による経費増加の際、保護者との合意を得ずに措置可能
が挙げられます。
無償化に至るハードル
導入前
- 予算の確保、議会・住民の理解
- 導入自治体の条例や運用事例等の情報収集
- 制度の設計(無償化の対象範囲、アレルギーによる弁当持参者への助成など)
- 関係規程やシステムの改正・変更
- 保護者、学校、食材納入業者など関係者への説明
導入後
- 継続的な予算の確保、議会・住民の理解
- 食材費の高騰や転入者増への対応
- 食育への関心の低下や無償化を当然とする意識の高まりの懸念
- 無償化の成果の把握
今後の展望
自治体の議会から、学校給食の無償化に向けた声を上げていく事も大切と感じます。