【2021.12/五島市市議会メモ】草野議員

五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。

そこで、議事メモを残しています。

※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。

カネミ油症第三者行為に伴う賠償金について

他自治体の状況は

草野.毎年指摘しているが改善されない問題として、カネミ油症がある。9月も取り上げたが、五島市が合併して大きく前進したと思っている。

しかし、大きな二つの問題が残っている。未認定と賠償金の問題について、立替額が毎年増加している。合計22億6千万円の金額が積み上げられている。

長崎県は983名、五島市には892名。賠償金の他市の状況は。

市長.五島市では第三者行為に該当することから、事件発生以降、損害賠償金として取り扱い、債権として管理してきた。

他の自治体は請求の調査を行い、金額が増加しているのは、五島市と後期高齢者広域連合。県外は増えておらず、現在は第三者行為ではなく、3年に1度督促を行っているとのこと。

草野.カネミ油症の第三者行為に伴う賠償金とは何なのか。わかりやすく説明を。

福祉保健部長.自分の責任ではなく起きたケガや病気のこと。カネミ油症患者の傷病も自己負担と7割分が保険者として支払われる。7割分を五島市が立て替えて支払っている。カネミ倉庫がいまだ支払っていない分を第三者行為として扱っている。

草野.3割の自己負担分を会社が払っている。7割の分は適用外であり、会社が本来払うべき分を五島市が持っていると言う事。他の自治体の状況を聞いてビックリしている。五島市の後期高齢者が入っているから増加していると思うが、他の自治体はどのように決算を計上しているのか。

福祉保健部長.五島市はまじめに積み上げているが、他の団体の計上は、第三者行為として積み上げていないという状況。

草野.他の自治体はカネミ倉庫から返還してもらっているから増えていないのか?

福祉保健部長.返還はしてもらっていない。

草野.7割は健康保険で処理しているという理解で正しいか?

福祉保健部長.保険者負担で処理していると言う事になると思う。

市長.保険で対応しているが、国保については国・県からの助成が入っており、本来加害者負担だが、カネミについては例外的に面倒を見てもらっている。過去、五島市の負担があった時期があった。この数年は五島市の直接的な負担は発生していない。保険会計で処理しているが、通常の病気と同様に、第三者負担として入っている。

草野.よその自治体では増えていないと言う事で、福岡では517名いて、立替金は増えていない。債権として増えていないと言う事は、何かしら処理をしているはず。市長は五島市のやり方が正しいと思っているだろうが、日本国全体の問題である。はっきりとした発言をしたほうが良いと思う。どちらが正しいのか。

市長.五島市は法令に基づいて適切に処理していると思う。他の自治体のことを申し上げるつもりはなく、それぞれの自治体の判断だと思う。

草野.福岡県は全く別の方式で行っている。国を入れて協議が必要だと思うがどうか。

市長.国の方針は、カネミに対して強制執行はしてくれるな、と通達があっており、そのため助成制度があると思っている。五島市は法令に従い、債権として処理している。未収金が20億残っていることの問題意識は持っているが、厚労省が実際の問題として感じているかわからないので、県を通じて国に相談をしていきたいと思っている。

草野.議会で論議している自治体はないと思う。決算として適合しているかどうか不安。毎年20億の負担があるとすれば、問題だと思っている。県や国の方針を一本化しないと、市民にも患者にも迷惑をかけると思う。

カネミ倉庫への損害賠償請求額のうち五島市の負担額の推移は

草野.本来、国・県の負担金対象外となるはずだが、特例的に負担が対象となっている。本当の負担額をはっきりすべきだと委員会でずっと言い続けてきた。支援行動計画の中に、示された。推移についての説明を。

福祉保健部長.カネミ倉庫への賠償金額から、国・県を除いた金額が五島市の負担。全体の23億のうち、5億2千万円が五島市の負担となる。

草野.22億いただいたとしても5億しか入らないと言う事か。

福祉保健部長.そのようになるかと思う。

草野.カネミ50年記念誌に書かれていることだが、「人体被害が拡大する直前、カネミ倉庫性のダーク油を使った鶏が大量死する事件が起きた。これを資料として与えらえた鶏が死んでおり、前触れとされている。農水省は立ち入り調査でダーク油と特定したが、製造工程を詳しく調べないまま、食用油は安全と誤った判断をした。厚生省にも通知をしなかった。もし通知をしていれば、食品用の油の安全性を確かめたり回収したりしただろう。人的被害を抑えられたはずだ。」

記念誌の中に国の責任であると書かれている。農水省と厚生省がタイアップしていれば、拡大することはなかった。五島市の発行した記念誌に書いてある。ダーク油事件についての考えは。

市長.同様の想いを持っており、国の責任は存在すると思っているが、救済法ができた際に、最後まで国の責任を求める経過だったが、国は責任を認めないまま今日に至っている。国にも責任はあると思っている。

草野.素晴らしい記念誌だと評価する。カネミ倉庫が7割を払う能力があるのか。国はカネミ倉庫の経営が危ないから、備蓄米を預けている。その額で3割の負担を払っている。7割はとてもではない金額の債権であり、自治体が持ち続けるのは市民に負担が大きすぎる。債権は国に渡すやり方は考えられないか。

市長.債権がどこに存在するかという話だが、五島市が建て替えをして国と県が助成金を負担している。立替金を五島市の分だけ出して、残りを国と県が払う制度ならそうなるが、五島市が一括して払っているので、債権者は五島市になると思っている。仕組み上、債権の主権者を変えることは難しいと思っている。

草野.それを五島市で判断するのではなく、国・県を交えて協議してほしい。ぜひともやってほしいと要望する。H26年度から一般会計から国保会計に繰り入れをしている。カネミの経費分として計上しているが、要求額に対して入っている金額が半分しかないが、説明を。

総務企画部長.普通交付税で算定できない部分を要求して決定するものと思っている。カネミについては、特別交付税算定の基礎を年末に報告し、6割がルール化されて交付税措置がされ、国保会計に繰り入れをしている。要求額は何に対していくらというのは不透明であるため、ご理解いただきたい。

草野.ご理解できない。特別交付税は使途を明確にして要求しているはずである。満額の交付税が付与されていると理解している。令和元年は、カネミ油症に対する用費として計上している。満額来ていないならよいが、五島市は毎年の50万円以外に出費する部分があるか?

総務企画部長.特段承知はしていない。

草野.ないのに要求して、一般会計から繰り出しをしている。

市長.特別交付税はルールに基づいて計算するものと、臨時的な支出があり、要望に対する支給額、残りの4割についてはどのくらい見てもらったかはわからない。ルール分について、一般会計から特別会計に繰り入れをしている。

草野.3600万という数字も出ている中で、一般会計について色はついていないとあるが、カネミの経費として要求しているのであれば、国保に繰り入れるべきだと思う。答弁はいらない。

教職員住宅の利活用について

年度ごとの解体費用の実績は

草野.長い間同じ質問をしてきた。教育長が課長時代に、H24年に校長は校区内に住むべき規定があったが、人権の問題から服務規程を廃止した。その後、毎年解体費などいろいろと出ているが、年度ごとの解体費の実績は。

教育委員会総務課長.H28 1棟 H29 2棟 H30 2棟 R1 2棟 R2 6棟(金額は聞き取れず)

今後の解体計画は

教育委員会総務課長.大半はS60年度までに建てられて老朽化している。必要性を確保しながら耐用年数を超過して売却の見込みがないものから2棟程度解体していく予定となっている。

草野.136戸の住宅に対して92戸教員が入っている。47戸に一般の市民が入っている。空き家が44戸ある。

家賃はどのように設定されているのか。

教育委員会総務課長.付則に基づき先生と同じ家賃を設定。

草野.安くて32000円。これを教育委員会が持たずに一般財産にすればもっと市民に還元できる。土地付きで売却したらどうか。空き家バンクも足りていない。136件持っている分は素晴らしい宝だと思う。市長はこれを財産としてIターンに活用すべきと考えるがいかがか。

市長.移住を進める中で、住居確保として空き家バンクを作っているが、手持ちが少なくなっている。教員住宅も制約がなければと教育委員会に話をしながら進めていきたい。

売却する計画は

草野.今まで非常に対応が遅かった。その時はやります、売りますと言ってきたが、今でも変わっていない。教育長の力で進めていただきたいがいかがか。

教育長.H25の時に規約を解除したおかげで、管理職希望者が増加する要因となっている。道路事情もよくなったこともあり、今の住宅は二次離島を含めて考えいない。希望があれば購入していただき、住宅についての売買をする立場ではないので、町内で検討して一般財産への変更を考えている。空きの教員住宅を活用したいと強く考えている。

教職員住宅以外の遊休住宅(医師住宅等)の利活用は

草野.スピード感をもって対応していただきたい。医師住宅もあるが、このことについての考えは。

福祉保健部長.三井楽診療所の住宅は1件が7年間空き家となっている。委託先で職員が対応を行っている。今後看護師が新たに採用となった場合は確保が必要と考えている。

草野.スピード感をもって対処していただきたい。

国境離島島民割引対象者の拡大はできないか

草野.観光客の金額15100円と島民割引7780円。観光客はあまりにも高すぎると思う。何をやるよりも、航路の金額を安くすることが活性化につながるのではないかと思う。対象拡大については。

市長.H29年4月から国境離島新法が制定される際に、制度設計を議論する中で出来ないとなった経緯がある。ただ、島に住む人たちだけでなく、すべての運賃の引き下げを一貫してお願いしているが、今やっている金額は50億であるが、50億以上の財源が必要であり難しい状態。

準住民という考え方で、高校卒業生などを対象にしているし、来年度の内閣府の要求では、継続的に本土から行き来する方への要求が盛り込まれているが、一歩一歩取り組んでいる。要望は継続的に変わらずお願いしていきたい。