五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。
そこで、議事メモを残しています。
記載分は、2020年12月7日の内容です。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s001/010/010/010/100/20190316160308.html#01
※内容は必ずしも全てを反映している訳ではなく、正確でない部分もありますので、ご容赦ください
目次
人口減少対策について
自然減対策(未婚・晩婚化対策、不妊治療、子育て支援策)について
Q 菅政管は国を挙げた対策を次々と打ち出している。現状と課題は。
市長 五島市の結婚を希望する方に出会いの場を設ける巡り合い事業や、お見合いシステムの周知を行う予定。新婚世帯への施策も導入する検討を行う。不妊治療は負担軽減を目的に、市独自の上乗せで支援をしている。特定不妊治療の拡充や人工授精への支援を行っている。特定は昨年まで51名の利用があり、9件の母子手帳に繋がっている。一般不妊治療は1名。支援対象に的を絞った周知が難しいため、効果的なPRを大なう。多子世帯については同一世代の第二子を半額、3歳以上は副食費を全額補助しているため今後も支援していきたい。負担軽減は医療費中学生まで拡大し、その対象を高校生(18歳まで)に拡大したいと考えている。子育て支援は切れ目のない支援を行いたいと考えている。
Q 自然減はコロナで加速し、来年は70万台になるかと危惧されている。五島市は190名の過去最低となったが今年度の見込みは。
福祉保健部長 五島市の今年の出生数は178人。昨年と同数と仮定すると192名となり、H29に次いで少ない数となる。五島市は昨年191件であり、全国と比べて減少度合いは小さい。
Q 最大の原因は未婚化・晩婚化だと思っている。巡り合い事業・お見合い事業を活用してほしい。改めて考えは。
市長 出生数の低下は未婚化・晩婚化だと考えている。35歳~39歳の未婚率は壱岐・対馬よりも高い状況なので、努力する部分はある。巡り合い事業は民間の力を活用したりオンラインも検討している。お見合いシステムは広報五島で6人の登録があり、全体で20名。WithConは企業で行っているので周知を図っていきたい。子育てしやすい環境づくりは必要なので導入を検討していきたい。
Q 出生数を向上するには少子化対策予算の増額を要望したい。国民的願いでもあると思っている。若者世代の将来の子育てをパッケージ化して見せてもらいたい。県内では雲仙市ではパッケージ化を行い、協力に実施中。予算増とパッケージ化はどうか。
市長 五島市においてはパッケージはしている。雲仙市の取り組みと五島市の事業内容は遜色ない。中々広報が上手くできていないので、知恵を絞ってやっていきたい。妊娠出産育児は移住対策としても有効なPRになる。
Q 広報PRに取り組んで頂きたい。菅政権は保険適用を打ち出しているが、既に五島市では新規で実施済み。国の政策を先取りして実施しているが、粘り強く取り組んで頂きたい。相談体制はプライバシーへの配慮が必要。相談しやすい職場づくりが必要だが行政による啓発活動はどうか。
市長 パッケージの中に不妊治療を入れていきたい。広報誌HPに掲載しているが届いているかどうかは分からない。プライバシーに配慮した相談体制の整備や理解促進は重要だが、菅政権が特に力を入れて行うと報道されているので関心はこれまで以上に高まると期待している。広報の仕方は頑張ってみたい。
Q 金銭的な問題以外の方向性も国が示しているので制度強化に取り組んでもらいたい。
コロナ禍でのUIターンと新卒者定住策について(リモートワーク、ワーケーション、雇用創出等)
Q コロナ化は地方移住への流れを生み出すと考えられる。五島市における推進の現状と課題は。
市長 対面からオンラインに切り替え、毎月2回設けている。コロナ化で移住者は4月から12月まで126名となっている。昨対比で20名少ない状況。五島市の場合はリモートワーク体験イベントを2回開催し、多方面に効果が出てきている。いかに五島市への移住に繋げるかが課題。五島市に関心を持っていただき、交流人口、定住人口に繋げたい。
新規高卒者は85件受理。唯一五島市は増加している。雇用確保は重要であると認識しているので、支援事業を活用しUIターンの雇用の場創出を目指していきたい。
Q 内容と効果・今年度の効果見込みは
地域振興部長 合計26回開催し、これまでに93名の方が相談を受けた。8月はオンライン移住セミナーを行い、休日の様子を紹介。16組19名の方が訪れ2組3名が移住。10月には公式LINEアカウントでチャットボットを運用開始。
リモートワークやワーケーションは昨年度2回開催。首都圏のビジネスマンを中心に参加し、市民との交流会、ワークショップを開催し五島市ならでは体験を提供。市内での創業など効果が出ている。観光閑散期に多くの方が来島し経済波及効果があり、自治体や企業から注目をされている。今後も地方移住の機運を活かして進めていきたい。
Q 東京都内20代は地方移住への関心が高まったとされる。ワーケーションの推進も国境離島で増える。市長は可能性をどう考えているか。準住民にワーケーションを使えないか。
市長 色々な効果が出ているので来年も実施したい。東京一極集中から分散が見られるが、山梨・長野・静岡という強力なライバルが全国各地に出てきて地域間競争になり困っている。リモートワークに終わらず移住に繋げる事を目標に頑張っていきたい。今年の4月からは高校生を対象としていたが、大学生まで拡充。この流れを止めずに一段一段階段を踏みながら引き続き進めていきたい。
Q 最大の懸念はコロナで雇用の場がなくなる事。求人倍率が大幅に低下し、地元の職場が構えられるかが心配。地元と連携し地元雇用を実現すべきだと考えるかどうか。
市長 有効求人倍率は0.93が10月の数値だが、前年同月と比べると288名のマイナスとなっている。雇用機会拡充・企業誘致により職場の確保は進めていきたい。今年は41事業が採択されている。企業誘致はIT関連で4名の高校生を採用し、定住に貢献をしている。合同企業説明会・バスツアーなどで周知を図っていきたい。市の職員採用は、コロナで就職氷河期が来ており、来年以降が心配なので地元高卒の方を前倒しを含めて配慮をしていきたい。
過疎法の延長と今後の制度活用策について
Q 来年3月で期限切れとなる。過疎債は元利償還額の7割を交付される有利な財源。過疎法延長の見通し、主な事業と予算額は
総務企画部長 昭和45年以来、時限立法として成立。過疎法は人口の減少に伴う生活環境の整備が低い地域について、格差是正を目的としている。関係市町村は5割になり、充当率100%、7割償還の過疎債がある。関係市町村には欠かせない法律であることから、新たな活動が行われている。連盟による決起大会が行われ、総合的な過疎対策の充実を国に求めた。総務省の懇談会においても、引き続き必要との提言がされ、超党派で議員立法を目指しているとの事。
五島市では港湾・市道・農道・美術館・図書館だけでなく、地域の絆再生、夕焼けマラソン、トライアスロンなどのソフト事業でも活用されている。
Q 4700億とボリュームも大きく、幅広い分野に活用できる。図書購入にも使え五島市にとって有難い法律だが、市長はどのように評価し、新過疎法を活用していく方針か。
市長 多くの施策で過疎債が使え、大切な制度だと思っている。全国的には合併によって過疎地域でなくなった地域もある。対象地域をどうするかが争点となり手続きが進められた。ソフト事業は枠があり、全国的にはまだ活用されていない部分があり、枠を超えた部分を活用してきた。過疎債に全国的なゆとりがなくなり、配分された枠を超えた確保が難しくなってきた。ある程度事業を絞る必要があり、テレワーク・遠隔医療だけでなく交流人口の拡大・子育て支援という自然減対策に使えないかと取り組んでいきたい。
Q しっかりと活用をお願いしたい。
地域おこし協力隊員、集落支援員の活動実績と今後の推進策について
Q 任期後の定着率は
地域振興部長 協力隊は23名が活動し17名が退任。8名が定住し47%となる。殆どが活動地域において活動し、地域の担い手として活動している。五島市が抱える地域課題の解決に向け活動している。現在は認知症の啓発活動、産業振興対策として仕事の魅力化、ドローン活用、有害鳥獣他躯体の育成、企業経営の安定化に向けた活動、商店街の活性化に向け空き店舗の活用や企画を実施している。奈留町での教育の島づくりをコーディネートも。
集落支援員は街づくり協議会の事務局員として、運営に携わっている。市の高齢者福祉部門、専門的な支援を受ける体制を強化し、地域で安心できる街づくりに繋げている。多くの地区が高齢者の見守りを行っている。今年は大型台風により、自助・共助意識が芽生え、防災活動をしている。地域で支え合う活動が少しずつ始まっている。自分たちの町は自分たちで守る活動を支えていきたい。
Q 協力隊は全国で特産品づくりなどで活躍中。五島市も積極的に活用してもらいたい。プロ人材が農業・漁業・観光で必要。ぜひ協力隊員の活用により五島市全域で諮って頂きたいが市長の考えは。
市長 協力隊はH23に冨江の琴石で導入した。採用に当たる財政措置がされる制度だったので積極的に活用してきた。最近は専門的な人材を積極的に活用している。必要に応じて農業漁業・観光の専門人材を確保し市政発展に繋げていきたい。街づくり協議会は特色ある取り組みを行っているので、どう発展させていくかを協議している。段々と成果が表れてきているので、困りごとの対策と人材確保に繋げるように、参加していただく取り組みを進めていきたい。
Q 五島市最大の政策課題である口減少対策について、社会減は最大の成果目標であり、指標になってくる。今後は自然減対策が最大のネックになって来ると思う。人口減少に挑む市長の想いを。
市長 今期は「ふるさと五島を守る」を加え、「コロナから守る、自然減から守る、暮らしを守る、教育を守る」としてきた。40年後に2万人を死守する計画としてR6までに合計特殊出生率1.97、社会減を0にする目標を掲げている。五島市は2.47になっているので、2.0を下回らない目標に取り組んでいきたい。社会減については昨年33人のプラス、今年も+32になっている。社会増の定着、自然減の緩和を目指しているが成果が上がるのが先になる。最大の課題の解決に向けてしっかり取り組んでいきたい。
Q コロナ化の影響の中で任期中最後の一般質問になった。政策提案型の政治を行いたいと思い、一般質問は良い場だと思っている。理事者の方々にはお礼を申し上げたい。