自治体間の連携が大事です
日本の地方都市は、
人口減少、税収減、国の歳出削減方針・・・
という不可避な流れを受け、
他の自治体と、どういう関係性を構築するか?
が大事になってきます。
本日は、五島市定例議会(平成31年3月5日)の野口議員・明石議員の質問を参考にしながら、五島市の戦略を考えてみます。
連携のメリットが薄い?五島市
市議会では、野口議員の
「航路・航空路でつながる自治体との連携について」というテーマの質問に対する回答として、市長が
五島以外の自治体から見ると、
「五島と組むとどんなメリットがあるのか?」
という目で見られる。
例えば人事交流の話をした時に、先方から人は来ないし、来たとしても経費負担がない。
双方にメリットが感じられなければ、連携は難しい現実がある。
という趣旨の事を述べていました。つまり、「外から見た五島」は、提携するメリットが薄い、という事です。
実際、一番近い距離にある長崎市とは、
対等な立場での連携は難しい。共通課題の協議は行っているが、具体的な施策の連携までは至ってない。
という状況だそうです。
福岡市・長崎市の「メリット」とは?
提携がしたければ、まずは相手の事を考える必要がありますね。
例えば福岡市では、ベンチャー企業の誘致に大変な力を入れています。
「ベンチャーの育成を支援する」という福岡市の記事です。明確なビジョンがあれば、人もカネも集まりますね。
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シアトルに負けない起業都市へ 福岡がベンチャーを輩出する理由 https://t.co/wmcJQj417Z— 中西だいすけ (@wakuwaku230) 2019年3月5日
長崎市では行政課題に先端技術のRPAを導入するなど、活用する取り組みを進めています。
長崎では、本腰を入れて業務効率の改善に向けた取り組みが進んでいます。この流れは、まだまだ先行者優位の領域ですね。
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ロボット活用の担い手育成へ 長崎RPA協議会が発足 | 2019/3/5 – 長崎新聞 https://t.co/LLgLsoyo5S— 中西だいすけ (@wakuwaku230) 2019年3月5日
RPAは、五島市でもドンドン取り入れるべきだと思います。
https://nakanishidaisuke.com/2018/11/11/rpa/
こうしたことから、五島にとって一番近い、福岡市と長崎市は、
- 新規産業の育成・ベンチャーの支援
- 行政事務の効率化・技術活用
というように、「先端技術の活用」というテーマに関心が高いことが読み取れます。
このことからも、五島市が
「技術活用に前向きな自治体」
としての姿勢を明確に示すことで、大都市側も振り向いてくれるのではないでしょうか。
ドローン活用にチャンスあり
これに対するヒントが、明石議員が質問したテーマ(ドローンi-Landプロジェクト事業の進捗状況について)に潜んでいました。
市長は答弁で、ドローン事業を
商工業振興、企業誘致、雇用促進を目的とし、
地方創生交付金を受け、5か年計画で進めている。
という趣旨で答弁しました。
現在はまだ実証実験の段階ですが、今後は
結果を広く公表し、新産業の創出、雇用の創出に繋げていきたい
との答弁もありました。
考えてみれば、山間部が多く、海に囲まれた五島におけるドローンのポテンシャルは大きく、
- 漁港施設の管理
- マグロの養殖場での赤潮発生の状況確認
- 災害発生時の状況把握
- 医療物資の輸送
など、多岐に渡る活用が期待できます。
まとめ
五島市は今、ドローンの活用に向けて実証実験を行っています。
五島の地理的特性を考えれば、ドローン活用のポテンシャルは非常に高く、様々な産業への波及効果が期待できます。
そこで五島市は、ドローンを始めとする「先端技術の活用」を前面に押し出し、
- ベンチャー育成に力を入れる福岡市
- 業務効率の改革、省力化に熱心な長崎市
と「自治体間連携」を結び、関係を進化させるチャンスがあります。
自治体間連携が実現すれば、現在の
「観光面での連携」
だけではなく、他の様々な分野(行政負担の軽減・実証実験の増加・企業誘致)で、双方にとっての旨味があるはずです。