独自の経済圏
先日、トークンエコノミーの勉強会が、五島でも行われたので、参加してきました。
ブロックチェーンの基本的なお話から始まり、トークンエコノミーとは何か?
っていう部分まで紹介していただきました。ブロックチェーンについては、
- 非中央集権
- 台帳をみんなで管理する
- 価値を担保するものはない
という特徴が挙げられ(ググレれば大体出てきます)、ブロックチェーンを基盤としたトークンエコノミーは、
- 小額の決済(マイクロペイメント)が可能
- 手数料の掛かる中間業者を排除できる
- 今まで価値を数値化できなかったものを、トークン化できる
といった感じでした(ググレれば大体出てきます)。
講師の方曰く、
まだ成功事例がないので、今後どうなるかは分からない
との事でしたが、幾つか課題もあります。
トークンエコノミーの課題
当日のセッションでは、中々聞きなれない単語や横文字が頻出し、今ひとつ
「ピンとしたイメージ」
を持ってる人が少なく感じられました。
聴講者から提示された課題は
- トークンの価格変動(ボラティリティ)が大きすぎるので、誰も使いたくないのでは?
- 価値を安定させるために、信用金庫が管理したら中央集権に逆戻りするのでは?
- そもそも、高齢者には使いづらいのでは?
と、いう訳で、トークンエコノミーは
「新しい経済圏」
を作る可能性には満ちていますが、
「どういう経済圏」を作るか?
は、まだまだ試行錯誤で、手探りの段階であるように感じられました。
地域の生活を改善する手段として
トークンエコノミーは、それ自体が目的ではなく、課題を解決する手段の一つだと思います。
そこで日本の過疎地、五島の地域課題を幾つか挙げてみました。
- 人口減少・高齢化による労働力不足
- 若者流出による高齢者の支え手の減少
- 予算の削減による自治体の弱体化
総じて、地域に働く人とカネの量が減っている、という状況ですね。
「1」と「2」の「労働力不足・支え手の減少」については、別にトークンを発行せずとも、
人の仕事を増やす方針で、仲介サイトのサービスを充実させたり、移住者支援をしたり、
或いは
人の仕事を減らす方針で、機械化して業務を効率化したり
すことにより、解決できます。
「3」については、政治課題として、市民を巻き込んでの選択肢を、そろそろ真剣に提示すべきではないでしょうか?
いつまでも、「安心・安全で暮らし続けられる島」という詭弁を使うのではなく、予算が減少していることを前提に
- Aの島は、今後ますます厳しくなるから移転をお願いします
- Bの地区は、水道が老朽化しているので、予算は使えません
というように、本音の部分で「維持管理の負担」に対する現実を開示する必要があると思います。
そうした切実な「現実」を突きつけられて初めて、
新しい経済圏を作らなくちゃ!
という機運や必要性が生まれるのかと思います。まだまだ今の段階としては、地方自治体が、国の予算(地方活性化交付金、離島振興予算)に甘んじて、延命政策を謳っています。
しかし現実としては、その延命政策に対する魅力を感じていないから、若い人は故郷を見限って、島を出ます。
そんな緩やかな衰退を向かえる島の経済では、
最低限度の生活には困っていないし、何のために、現金以外のトークンが必要なの?
という状態ではないでしょうか。