中西大輔、五島市議会の副議長選挙に根回し無しで出馬し落選

みなさんこんにちは。中西大輔です。

副議長選挙にあたりまして、演説をさせて頂きます。

【演説動画】

まず、副議長とはなにか?という所から、ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので紹介させて頂きます。

副議長の役割とは何か?

地方自治法の第百六条によると、「普通地方公共団体の議会の議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。」とだけ書かれています。

それ以外の役割、例えば議長を補佐する、とかそういうイメージが湧くかと思います。市長と副市長の関係はそういう感じですが、議長と副議長の間には、そうした記述がなく、他の議会のHPを調べても、「議長が不在となった時の代役」のみが書かれています。

更に議員必携によれば、「副議長が行うこととなる議長の職務は、原則として議長の職務の全てに及ぶとされているが、直接の議会運営以外の事で緊急を要しないものは、新たに選挙される議長に委ねるか、又は議長の事故の回復を待つのが適当な場合が多いと思われる。」と記載されています。つまり、議長が健康に職務を果たしている間は、規定も上では特に何もする事がないと言って差し支えないですし、何か特別な権限を有している訳でもありません。この点で、例えば理事者側の市長と副市長との関係とは大きく異なるという事が出来ます。例えば、一般質問の半分を議長に代わって行うとか、東京に陳情に行くついでに同行するとか、そういう事は副議長の本来的な仕事ではありません。

副議長の役割とは何か?

ではそうなった時、五島市における副議長の役割とは何でしょうか。

私が考えるに、地方議会における対外的な「顔」の役割が大きいのではないかと思います。私たち議会もそうですが、五島市議会に対してよその自治体から議員さんが視察に来ることが少なからずあります。そうした時に、議長も副議長も最大会派で構成される場合と、議長が最大会派、副議長が最大会派ではない議員がいる場合で、受け手の印象がどう変わるでしょうか。後者の議会は、多様な議員の意見をバランスよく反映させようとする、議会全体の意思が感じられるのではないでしょうか。

副議長は最大会派以外から選ぶべき

副議長をどう選ぶかという問題は、議会全体のバランスをどう保つかという問題だと思います。改選後の臨時議会では、18人中9名が最大会派に所属している状況で、議長は最大会派の中から選出されました。

最大会派以外の人数も丁度半分である状況ですが、もし最大会派から副議長も選出されるとなれば、五島市議会=最大会派という事で、同じく市民からの付託を受けて当選した少数会派の議員の意向が軽んじられる懸念があります。そこで議会としては、議長が最大会派からの選出であれば、副議長は最大会派以外の会派から選出される事で、全体のバランスが保たれるのではないかと考えています。

以上が私、最大会派ではない会派の者としての意見でして、五島市議会全体のイメージ向上の観点から、何らの実務的権限を有さない、いわば顔の役割として、最大会派以外の人間を選ぶべきであるというのが私の主張です。

議会改革を進めたい

そして議会改革という側面からも出馬理由を説明します。

私は今回、「議会改革を進める会」という会派を立ち上げました。その内容については、がらりと何もかもを変えてしまうという訳ではなくて、少しずつ時代の変化に合わない部分を変えていきましょうというものです。新人議員の皆様はこれから沢山経験するかと思いますが、地方議会には、よく分からないルールや決まり、慣習が沢山存在します。ところが1人ではどうしても、物事を変える事は出来ません。それを少しずつ変えていくために、副議長というポジションを得たい。その方が物事が進めやすい。

では具体的にどういった改革を目指しているのか。紹介します。まず一つは情報公開を広げる事。五島市議会では、まずこの議長選挙・副議長選挙が市民に知られていません。今までもそうでした。議会における最も大事な選挙を市民に知らせないって、どう考えてもおかしいと思いませんか?

3年前に行われた議会に対する市民アンケートで最も多かった回答が、議会の活動が見えない、という事です。そうした事もあって、選挙の投票率は少しずつ下がり、何と今回は62%という事です。市民と議会との距離が、少しずつ広がっているのは、議会側の情報発信が足りていない側面もあると思っています。

例えば議会の一般質問ですが、現在はケーブルテレビとネット配信がされていますが、昨今普及しているYouTubeでは見れません。これ一つだけでも大きな議会改革ですし、字幕を付けたり手話を付けたりする事も可能です。それ以外には常任委員会での議論は中継もされていませんし、議事録も公開されていません。だから市民には内容が、議会広報で一部のみしか伝わっていません。

よその議会改革が進んでいる自治体では、議会と市民との意見交換会なども定期的に行われていますが、現在の五島市議会は各会派に委ねられているのが現状です。議会全体として、市民との距離を縮め、接点を作る活動が必要だと思います。

それだけでなく、議員定数の見直しや報酬の在り方についても、この人口減少社会で改めて検討しくべきだと考えます。そうした議会改革を進める上で、どうしても一人では限界がありますので、皆様と一緒になって知恵を出し合っていきたい、そう思っています。

出来レースではなく意味のある議論をしたい

ただここで一点、重大な問題に触れておきたいと思います。それは根回し文化という政治体質です。

恐らくここにおられる皆さん、もう選挙演説を聴く前から、誰に投票するか、お願いや支持・根回しがあっているのだと思います。私は4年前に初めて議員になって、様々な意見を述べてきましたが、なんかもう議論をする前から結論が決まっているような、そういう無力感を何度も味わってきました。

だからこれは私からの、ここにいる皆様へのお願いです。

市民の付託を受けた議員の皆様、どうか自分自身の判断で、市民のためになる判断をしてください。

これから先の4年間も、おそらく同じような根回しによって、様々な議案や採決が進んでいくんだと思います。本来議会というのは、議論を通じて結論を得ていくプロセスですが、現状は結論が議論の先に来てしまうという、私はもう、そういう根回し文化の政治にうんざりしています。

根回しで全てが決まってしまうのであれば、もう討論をする意味もないですし、全て最大会派の意向に沿った形で進めてしまえばいいんじゃないかと思います。そういう現状を変えたいから、今回はあえて誰にも根回しをせずに副議長に立候補をしました。幸いな事に、副議長選挙は無記名投票です。私の名前を書いたとしても、誰が書いたのかは分からないようになっています。

政治家に求められる気概

ここで皆様にお配りされている「議員必携」の一節をご紹介いたします。

P352です。勇気と奮起が政治家の要素 という部分です。

町村議会の議員は、町村政治における政治家である。そのために、政治家に強く要求されるのが、「勇気」と「奮起」である。かつて、ある有名な外交官がアメリカの故ケネディ大統領に直接会って、「政治家として一番大事な事はなにか」と質問した所、即座に「それは、勇気である。」と答えたという。勇気なくしては、思い切って発言し、行政や住民に訴えて説得し指導する事ができないというのである。また、その外交官がイギリスの故チャーチル首相に同じ質問をしたところ、「それは、奮起である」と答えたという。

私は本当にその通りだなと思います。現状維持のままは楽ですが、発展がありません。

結論

私は今いる皆様に、勇気を出して中西大輔を副議長に選んで頂きたいと思っています。その理由は以下の3点です。

  1. 副議長の権限上、誰がなったとしても議会運営に支障をきたす恐れはない。
  2. 副議長は、議会全体のイメージアップに繋がる事から、最大会派以外の議員が望ましい。
  3. 議会改革を進めるためには、それを掲げる会派の議員が副議長になった方が進めやすい。

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