【五島市長選挙】政策方針発表会2024/出口太氏/荒尾正登氏

五島市長選挙立候補予定者政策方針発表会2024の会議メモです。

内容は必ずしも全てを反映しておらず不正確な部分もございますのでご容赦ください。

日時 2024年8月18日 14:15-15:00

参加者:荒尾氏、出口氏(以下敬称略)

欠席者:中西(インフルエンザのため。私の回答は一番最後に載せています)

自己紹介

荒尾 福江大火のS37生まれ。地元の青年団、福江青年会議所に入り理事長に就任。28歳で当選以来、9回連続当選して34年間携わってきた。H25から4年間議長を務めた。議長会の会長も務めて五島市をPRした。

出口 本山堤出身49歳。光保育園、星雲高校、東大農学部卒業。虎島先生の事務所で勉強。山本啓介氏らとは・先輩。人事院に就職して読売新聞に転職して、青山繫晴の秘書を務めて帰って来た。

経緯

出口 野口市長と志を同じくする若い世代として、五島を発展させるため帰って来た。野口市長とは会合で度々ご一緒して、男女群島も一緒に視察した。人口の社会増を達成するなど成果を出している。TVの影響により知名度も上がり観光客も増えつつある。良い流れを止めてはいけない。五島の皆さんは一生懸命に働き根を張って生活している。誇らしく思う。これまでの自分の人生を壊して帰って来た。五島をまもるは平仮名ではなく、「護」の漢字が本当の意味。身体を張って護るの意味。これまでの人脈を全て活用して頑張っていきたい。独自の人脈がある。国土交通省にも青山繁晴にも繋がる。人脈を活用しながら五島のために頑張っていきたい。

荒尾 3月議会で野口市長が勇退すると突然表明。会派のメンバー誰もが4選だと思っていたので驚き戸惑った。1期目から同じ方向性を持って応援して来た。勇退するというのであれば、私の経験を発揮したいという想いが強くなった。歴代4名の市政運営を見てきて、いつかは市長に挑戦したいという気持ちを持ち続けてきた。そのチャンスが巡ってきた。政策立案権が市長にはある。五島のお役に立ちたいと決意した。

一番訴えたい事

荒尾 農林水産業の振興なくして五島市の発展はない。子育て世帯の支援は特に力を入れたい。学校給食費の無償化はまだまだ。そこには財源が必要で9千万必要。今年度は320億円。率にして0.3%なので実現可能だと思っている。保育料の無償化も視野に入っている。政治の力で取り組んでいきたい。アンケートで要望が多いのは雨天時の遊び場。遊休施設を活用する事で実現可能だと思っている。ふるさと納税の充実。3億円だったものが一気に7億円に跳ね上がった。返礼品の魅力アップして納税額を上げていきたい。佐世保航路の復活にも足がかりを作るべき。

出口 島民割引の継続。R9年3月以降も継続しなければ動き方が変わってしまう。農水産品の輸送コストが変わると物流にも影響。継続するには法律の改正延長が必要となる。長崎県の国会議員にお願いするが、自分の人脈も友人も活用する。多くの人脈を活用して改正・延長して10年間延長できたらと考えている。この予算をこれまで以上に確保できれば、五島出身の帰省客も対象に出来ればと思っている。対象者の拡大は国に要望するが、安心して暮らせる地域社会にも繋がる。EEZを守る事にも繋がる。離島に住民が住み続ける事に意味がある。継続したい。

まち・ひと・しごと総合戦略に附随する質問

一次産業・物産ブランド振興について

出口 農業漁業林業がかっこよくて儲かる産業にしたい。大きな農業用機械が入れないので、区域拡大をしてドローンによる散布をしたい。付加価値の高い産業にしたい。五島〆を中心にブランド化したい。林業はブランド化したい。新たな雇用の場になればと思っている。

荒尾 現状認識は高齢化が進み後継者不足が深刻。農産物や魚価の低迷で経営基盤の強化に影響を及ぼしている。まだまだ特産品の認知度が低い。後継者育成。若年層の促進を行いスマート農業の推進。各種メディアの情報発信・海外への情報発信も必要。特産品のブランド化も必要。

雇用促進のための就業支援

荒尾 労働力が不足している。若年層の流出は歯止めがかからず、希望が一致していない。雇用の質が求められている。引き続き雇用拡充の支援活用が必要。ICTを活用したリモート環境を整備して都市部から誘致したい。外国人も含めて労働力の掘り起しも必要。UIターン促進に努めたい。

出口 就業支援も大事だが雇用の場を増やす。工場の誘致を進める。ビジネスコンテストを開きたい。民間と市役所が連携して補助金・起業が出来るようになると。少しでも人口減少を食い止める事が出来ればと。新しいビジネスが期待されるが、データセンターの誘致も考えてみたい。就業支援だが、きめ細かく対応してリカレント教育も必要。オンラインで学び直しが必要と考える。

再エネ・次世代産業

出口 浮体式は引き続き進める。更に推進する。送電線の上限に達しているため整備増強を勧めなければならない。潮の流れを利用した潮流発電も実用化を目指したい。実証事業を行っている奈留瀬戸は早期利用できるようにしたい。枝や葉っぱ・のこくずを活用してタービンを回す事を推進したい。公共施設にも活用したい。

荒尾 再エネは浮体式が稼働して様々な関連産業の創出に繋がっている。ドローン配送も動き出している。浮体式は計画通り進んでいるが、もっと良質な雇用のために連携強化したい。水産振興にもつなげたい。次世代産業の創出だが、ドローン配送は今まで以上に力を入れなければいけない。

観光による交流拡大

荒尾 観光客はコロナで大打撃を受けた。地域経済に与える影響は大きいが、地域に波及させる力が弱いと感じている。宿泊施設の不足が課題。旅行商品・体験プログラム造成が必要。交通運賃の高さがネック。国内外に広く知ってもらう必要がある。地元特産品を活かした観光プログラムを開発したい。

出口 R5は21万人を超えている。83%にまで回復。体験型の観光を推し進めている。民泊も推進したい。静岡県沼津市は観光客にふるさと納税をしてもらう仕組みを設けている。ふるさと納税を取り扱う施設は増えており、五島市でも検討したらどうかと考えている。ライドシェアを観光客の為にも検討したい。

UIターン

出口 空き家バンク・子育て世帯の助成・移住の後押しは継続する。○○町は、700万円を70万円で売却。こうした大胆な施策が必要では。高知県は自然増を増やす事を支援している。バランスよく自然増と社会増を組み合わせたい。

荒尾 大都市圏での相談会の成果は出ているがまだまだ少ない。各町内会と連携して物件の発掘に取り組まなければならない。情報の一元化による積極的な発信をしたい。リモートワークや地域産業への支援をしたい。

スポーツを通じた交流拡大

荒尾 順調にスポーツ合宿は伸びてきたがコロナで激減。呼び戻すためには合宿誘致が必要。マンネリ化しているかもしれないので見直しが必要かもしれない。営業活動に力を入れる事。合宿団体への支援。宿泊費・トレーニング機器の更新も必要。

出口 4つのスポーツイベントをこれからも続けたい。予約も一杯になり飲食店も賑わう。合宿誘致も続ける。五島の経済活性化に繋げる。長崎スタジアムシティがオープンする。ホテルの部屋から観戦が出来る。これまで以上に交流してほしいと思う。夢を持つ事の大切さを子供に伝えたい。

安心安全で住みやすさ日本一の島づくり

医療介護地域コミュニティの維持

出口 モバイルクリニックを充実させたい。片道30分以上かかる人の負担軽減に繋がる。電波の問題もあるため、専用車の配送も考えてみたい。愛媛県は緊急時に移動薬局車を導入できないか検討してみたい。山口県では7月中旬から個室を診療所として活用している。オンラインでの診療も可能となっている。

荒尾 医療従事者不足が深刻。専用・救急の人が不足。介護の現場の人手不足が課題。地域コミュニティの希薄化が進んでいる。モバイルクリニック・遠隔医療を勧めなければいけない。若手医師の導入も必要。訪問介護も必要。イベントやワークショップの開催も必要。

インフラ整備について

荒尾 二次離島地域のアクセスが課題である。ネット環境の整備が不十分である。陸海空の航路は必要。路線バスの効率化に取り組み、ちょいそこ体制の充実見直しが必要。タクシー事業者と調査研究が必要。佐世保航路や大阪直行便も導入したい。

出口 給油のための施設を作る。静岡よりも遠い地域を往復できない。視界不良時に着陸できるようにグライドパスを導入したい。丁度良い確度が分かるようになる。適切な角度が分かるパスと合わせれば地域経済の活性化に繋げられればと考えている。

結婚出産子育て支援

出口 地域を歩いてきたが、給食費の無償化・リニューアル・雨の日に遊べる場所などがあった。市が自由に使えるお金は10億円足らずである。給食費の無償化は慎重にならざるを得ない。雨の日に子どもが遊べる施設であればおじいちゃんも遊べるかもしれない。慎重に皆様の意見を聴きながら判断したい。

荒尾 内容の充実を図る必要がある。保護者の経済的負担の両立が必要。政策方針として給食費の無償化は避けては通れないと考える。子供の遊び場は待ったなしだと考えている。

教育に関わる取り組み

荒尾 4つの小学校が統廃合が進んだが、引き続き進めなければならない。教員の確保の課題がある。残された学校の統廃合を進める事、デジタル化を進める事。保護者との信頼関係を気付くための対話が必要。ひきこもり不登校の支援は必要。

出口 五島を農業が盛んな島にしたい。高校に演芸課を設置できないか。外国人労働者に頼らざるを得ない状況。農業が若い世代の就職先の一つにはならないか。県と一緒になって人口減少を食い止めるためにも取り組みたい。奈留高校は島外の生徒を受け入れて存続している。しかし離島留学は里親の負担が大きい。物価の変動に合わせて柔軟に見直したい。

五島市の魅力・メッセージ

出口 五島市には日本遺産・世界遺産・ジオパークの3つが揃っている。プライベートビーチ感のある海もある。しまおうでは品評会で日本一になったかまぼこもある。本来の自分自身を取り戻す場所だと思っている。政策で女性を大事にしましょうと言っている。女性を大事にしないと将来は明るくならない。ご家庭や職場・恋人同士の間で女性を守って頂きたい。女性がのびのび振る舞えば社会も明るくなる。ハラスメントの条例も作りたい。市議会でもハラスメントがあると聞いている。消防でもあったと聞いている。ハラスメントは許されない。色んな場面で起こりうるが許してはいけないと思っている。女性候補者が出馬するときのハラスメントもあるようです。ハラスメントを根絶していきたい。真正面から解決していきたい。私には沢山の仲間もいるので怖くない。深い愛情で支えてくれるかたもいます。目を見開いてやっていきたい。このような機会を頂いたJCの皆様に感謝しています。

荒尾 自然も含めて皆さんが感じていると思う。五島市は長崎から100kmであり、不便そうに見えるが県内では最も交通アクセスに恵まれている。国境離島新法が大事になる。雇用拡充・滞在型観光に特化しているが、時限立法であり10年で切れる。3年のうちに対象枠の拡大を進めていかなければいけない。成立時の苦労を見てきている。幾度となく現状を国に要望してきた。ぜひこれからも継続していかなければならない。これが政治の使命だと。

 

欠席者:中西の回答

千葉県で生まれ育ち、7年前に五島に移住してきました。市議会議員として2021年に当選し、毎回一般質問では質問を行い、市政に関する提案や要望を行ってきました。趣味は泳ぐ事、自転車をこぐ事、それから走る事で、五島のつばきマラソンや夕焼けマラソンには毎回参加し、今年も参加させて頂く予定です。

経緯

3年半、市議会議員として地域をくまなく歩いて回り、お困り事がないですか、と聴いてきました。その中でも、特に公共交通が不便で困っている高齢者が多く、これから高齢化で益々交通弱者が増え、支え手の負担も限界にきてしまうのではないかと思っています。そうした事を議会で度々取り上げてきましたが、十分な成果が上がらない状態が続いています。一方、市民サービスの向上に対して費用対効果が不明瞭な予算も少なからずあり、誰のための予算なのか分からない事業もあったため、反対の声を上げましたが議会では通りませんでした。このままでは市民が置き去りにされてしまうと感じたので、市民目線の政治に転換しなければいけないと思い、出馬を決意しました。

今の政治は、よその大きな企業や団体には簡単に補助金が交付される一方、小さな個人事業や零細企業には非常に冷たいと感じます。それは3年半の五島市の予算を審議する中で分かった事です。小さなお店や商店は本当に疲弊していて、郡部に行けばお店がない地域も多いです。今の政治の在り方を改めなければ、五島に未来はないと感じました。野口市長が引退を表明されてから、2名の候補者が手を挙げました。どちらも自民党系だと聞いており、今までの政治が自民党的な発想に基づく政治だったとするならば、現在の延長線上に、市民目線の政治は実現できないと感じており、転換が必要だと思って手を挙げました。

一番に訴えたい事

公共交通の充実です。今、買物や通院が出来ずに困っている高齢者が非常に多いです。また、今は良いけど5年後、10年後に免許を返納した後の事が心配だという人も多いです。更に、そうした高齢者を支える家族の負担も年々大きくなってきています。そのため、公共交通の充実は最優先の課題ではないかと感じています。方針としては、免許がなくても生活に困らない島づくりを目指します。

具体策としては3つ。

一つ目は、交通空白地に対して、新たに巡回の乗り合いバスや移動手段を導入するという方法です。

二つ目は、既存の交通手段を利用しやすくするための高齢者フリーパスやタクシーチケットなどの導入する方法です。

三つ目は、新たな制度である自治体版ライドシェアを最大限活用し、ドライバーを増やす方法です。

これら3つの手段を有効に取り混ぜながら、先進的な自治体の取り組みも参考に、地域の公共交通の充実を図りたいと考えています。

一次産業・物産・ブランド振興についての現状と、今後の政策や方針

販路拡大に繋がるマッチング支援事業は成果が上がっていて良いと感じます。私のスローガンは今回、「つなぐために汗をかく」という事なので、こうした生産者と消費者を繋げるような役割を、行政は積極的に担っていくべきだと考えます。一方、農家の担い手不足が深刻であるため、自然環境への負荷が少ない農業を推進する事で、農業活性化の起爆剤にしたいです。飼料価格の高騰で厳しい畜産についても地域内の資源循環を目指し、自給率向上を目指していきたいです。同時に、農業・漁業・林業で若い人が島に集まれるような学部や学科の誘致を目指したいです。

雇用促進

雇用拡充支援事業は人口の社会増に大きく寄与しているとの議会答弁でしたが、実際には雇用拡充の補助金が減少しても転入者は増えている実体があります。この事から、人口減少対策として有効な事は雇用促進のための補助ではなく、五島市自体の魅力を高め、認知度を高める事だと考えられます。高卒予定者への地元就職へのPR活動の支援は、引き続き市としてバックアップしていく必要があると感じます。

再エネ促進・次世代産業

観光メニューの一つとして再エネツアーは全国から多くの視察が来ていますが、市民の理解が進んでいないように感じています。実際、五島市が行っている「五島市の施策満足度」で再エネの施策が最も数値が下がっているため、市民向けの周知が必要ではないかと考えます。次世代産業の一つとされるドローンは、買物支援という名目で技術を使う事自体が目的になっているように感じたので、次世代産業と称される様々な技術の導入に関しては、補助の在り方を再検討すべきと考えます。

観光による交流拡大

民泊や観光ガイドも受け入れ体制が不足し、目標数値を達成していない状況であり、闇雲に観光客数の増加を目指す事に疑問を感じます。質の高い観光を目指すためには、観光業の担い手を増やすような取り組みが必要だと感じます。観光で来た人と市民が交流する機会が少ないように感じるので、市民が五島の歴史や文化を気軽に学び、よそから来た人に観光案内できるような学びの場を作りたいと考えています。

UIターン促進について

観光と同じでPRはするけれど、受け皿が不足しているように感じます。特に福江市内での住宅が少ない。五島市議会では過去に空き屋の解体に関する請願が採択されましたが、市長は自己責任のスタンスで補助制度を創設しませんでした。これはUIターンを推進する上で必要な制度であるため、導入すべきと考えます。また、小児医療の体制強化についての要望も聴くので、子育て世帯のニーズに見合った医療体制の充実にも力を入れていきたいです。

スポーツを通じた交流拡大

スポーツアイランドを掲げて島外からの誘致に専念していますが、地元の子供たちがスポーツを楽しめる支援が不十分という声を聴きます。具体的には島外への遠征や試合に対する補助がないため、子育て世帯にとっては大きな負担となっています。地元の子供に対するスポーツ体験への支援が必要と考えます。

医療・介護・地域コミュニティについて

公共交通の課題が大きく、高齢者には「住みやすさ日本一」ではないと感じています。独居高齢者が孤立しないようなコミュニティ作りも必要であり、今以上に人と接する機会を行政が作り出す必要があると感じています。医療・介護は人手不足が深刻だと捉えており、外から来てもらうために五島の魅力・認知度を高める事も必要ですが、地元の潜在的な介護士・看護師の掘り起しにより、職場復帰を促すような仕組みづくりも必要と考えます。

インフラ整備

地域を回る中で、身近な道路がひび割れていたり白線が消えていたり、側溝の掃除がされていないなど、身近な要望を受ける事が多いです。こうした声をもっと小まめに吸い上げる仕組みが必要だと考えます。現状は町内会経由で陳情しなければいけませんが、それも知らない人が多いので、行政と市民との意思疎通がしやすい体制づくりが必要と考えます。

結婚・出産・子育て支援について

議会でも質問しましたが、子育て支援満足度、教育環境満足度が目標に到達していない現状があります。満足度を高めるためには、子育て世帯の声を聴く機会を増やし、政策を反映させる、という事が必要です。例えば全天候型の遊具施設の設置について、使われていない廃校や公民館を活用する事が可能であると考えます。また、子育て支援の一環として、学校給食の無償化についても実現させたいです。

教育環境や教育に関わる取り組み

小規模校の統廃合には違和感があったため議会でも質問しましたが、少人数はデメリットが大きい、という一面的な見方には疑問を感じました。小規模校には小規模校の良さがあり、きめ細かい教育もする事が出来ます。福江に通う事になった児童たちの交通網の整備も含めて充実させたいです。また、実際に学校にも見学に行きましたが、大勢の生徒を抱える学級では1人1人に目を行き届かせるのは難しいのではないかと感じました。教員の働き方改革として、負担軽減に向けた業務の見直し・効率化も必要と感じます。