五島市家畜市場の競り
五島市では2月に1度、牛の競りが行われます。
島の各地で生産された牛が一同に集まり、順番に競売にかけられていきます。
13日、14日の結果は以下の通りでした。
13日
頭数 | 高値 | 安値 | 平均 | 平均体重 | |
牡 | 139 | 863 | 53 | 420 | 267 |
去 | 207 | 903 | 240 | 551 | 294 |
計 | 346 | 903 | 53 | 498 | 283 |
14日
頭数 | 高値 | 安値 | 平均 | 平均体重 | |
牡 | 141 | 1085 | 106 | 446 | 280 |
去 | 171 | 780 | 267 | 557 | 306 |
計 | 312 | 1085 | 108 | 507 | 294 |
牛の競り価格は2021年から下落傾向が続いています。
こちらのYouTube動画では、年初からの厳しい相場の様子が報じられています。
エサ代高騰の影響が厳しさを増す中、長崎県五島市で子牛の初競りが行われました。子牛の一大産地として知られる五島市では現在、約250軒の牛の繁殖農家がありますが、飼料価格の高騰や買い取り価格の値下がりで厳しい状況が続いています。 ことしの初競りにはおよそ600頭が出され、最高価格は1頭104万7200円の値がつきました。一方平均価格は47万6704円で、去年11月の競りをやや下回る結果となりました。JAごとうでは、「畜産農家には厳しい状態が続く辛抱の年だ」と話しており、飼育管理の指導を行うなど生産費のコスト見直しを進めていきたいとしています。
更に2023年10月の状況としては、
https://www.agrinews.co.jp/news/index/190487
長崎県のJAごとうが運営する五島家畜市場では9月中旬のせりで参集者に衝撃が走った。売却617頭のうち、30万円未満が227頭、10万円未満が12頭も出たからだ。肥育事業を持つJAが予定より2割多い81頭を購入して買い支え、平均価格はやっと40万円に届いた。前回比で19%安で国が再生産可能な価格とする55万円を大きく下回る。「購買者からも気の毒だいう声が上がった」とJA畜産部業務課の竹山幸弘課長が明かす。
と厳しい状況が続いています。2024年5月の詳細データはまだ公表はされていませんが、過去の分析は長崎県の情報が参考になります。
https://nbafa.or.jp/kachikushijo/html/KS0842081013.html
こうした状況に対して五島市議会(2023年12月議会)では、
子牛生産者におかれましては、生産コスト高騰に加えまして、子牛価格の低迷、非常に厳しい状況が続いておりますので、引き続き関係機関と連携して生産者支援に努めてまいりたいと考えております。
という形で価格の値崩れに対する支援措置を行っています。
価格の下落に対する見方
長崎県内でも特に値下げ幅が大きかった9月の競りに関して、同じく12月議会において
市長 これまでの過去の競り市の結果を見ても、五島の競り市の結果が壱岐を上回った時期もありますし、県内全体を上回った場合もあります。そういった意味では、この9月の40万円っていうのは、ちょっと時期的に見て特異な現象ではないのかなというふうに考えておりまして、決して五島の繁殖牛がちょっと質が悪いとかいうことではなくて、しっかりここについては評価をしていただいてるんだけども、たまたまその競りの時期によって、こういった値段になったんだろうというふうに思っております。
と発言がありました。
価格の変動には様々な要因が影響しているはずなので
競売結果に対する分析が即時で公表されれば
生産者としても今後の経営に活かせるのではないだろうか、と感じました。