【2023.12/五島市市議会メモ】中西議員

五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。

そこで、議事メモを残しています。

※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。

日時 2023/12/11 10:00ー

市民ニーズの把握について

直接、市民の声を聴く場の開催状況は

昨日、愛のチャリティが催され、歌声とパフォーマンスに希望と明るさを貰ったのではないかと思う。

素晴らしい歌声を聞けるのは平和であるから。

世界ではウクライナ、イスラエルの問題など、平和が失われる状況で胸を痛められる。

平和を維持するために大切なことは、地道な対話を継続することだと思う。

対話の必要性がますます大事になるのではと思う。市長が、直接市民との対話・意見交換を頻繁に行っているのか。

市政に届いていると言えるのか、伺う。

市長 市民ニーズの把握について、市長がお邪魔しますを設けて、各種団体の会合に参加して意見交換して考えを聞いている。

以前は市の幹部も出席して懇談会をやっていたが、固定化したので見直しを行い、私が各種会合に参加することにした。

公的には83回実施。このほか町内会・老人会・地域のイベントに積極的に参加して多くの意見を聞いている。今後とも市長がお邪魔しますで直接市民の皆様の声を聴いていきたい。

中西 以前は市政懇談会をされていたが、今はお邪魔します。回数が、傾向として減っているのではと感じるが、昔と比べて減っているのか、変わりがないのか。

市長 最近だけを取ると、H2からコロナの関係があり、人を集めるなという事で、中々思うような開催が出来ておらず減少傾向にある。5類になったので、私自身も集会を開催するなど、有権者の意見を聞く場もあるのでこれからも務めていきたい。

中西 十分に届いていると感じていないので、質問をしている。特定の分野への会合もあったが、産業別、年代別の意見交換の場が少ないと感じる。サービス業、社会福祉と絞って意見交換をされているのか。市から市長と直接話そうという機会を増やすべきだと思おうがどうか。

市長 一か所に集めてというやり方は、市政懇談会ではやっていない。ただ、直接事業所に赴いていろいろ話を頂くことについてはやっていないわけではない。

中西 当初は人が固定化したから見直したという事だが、市からの呼びかけで対話集会や意見交換会が必要と感じている。既存の集まりに行くのも大切だgあ、市の方で、呼びかけが大切だと感じている。ちなみに五島市出身の大石知事は、「こんな長崎どがんです会」と称して県民との直接対話の機会を設けています。子育て世帯に対して年代別に聞くのも方法だと思う。市長と話す機会を増やすべきと思うがどうか。

産業別、年代別に分けるなど、現状よりも市民の声を聴く必要性を感じているか。

市長 年が明けると選挙があったり、微妙な時期になるので、そういったことも考慮しながら考えていきたい。

中西 選挙という話ではなく公務の一環としてとらえ、切り分けるべきではないと考える。

市民の声が届く市政運営のために、フットワーク軽く、対話の質と量を高めて頂きたい。

②間接的に把握する方法は

直接聞くのは限界がある。間接的な方法として、市民アンケート等が想定されるが、どういった方法で市民のニーズを把握しているのか。

市長 市役所がいろいろな事業を展開する中で、各課の職員が現場に出向いて要望を聞き、課としての予算の見直しに上がってくる。基本的にはそうあるべきだと思っているし、職員には地域に入ってくれと言っている。施策をする際にアンケートを取ったり、市としての計画を作る際には総合戦略、満足度調査をしている。色々な方針を立てたり、計画を立てる際にはパブリックコメントをしている。一般質問の場でも議員から声を吸い上げていると思う。

中西 各課からの吸い取りを予算化するのが基本的なものだと思う。バラバラの結果をどう一元的に管理し、政策に繋げているのか。

市長 非常に難しい質問。ルールがあるわけでもないし、首長の考えにもよるし、役場の歴史にもよると思う。市民の皆様の意見に応えることも大切だが、これだけやっていても、それに忙殺されているとそれに終わってしまう。どういう施策をしていくのか。島外、国、県だったりの大きな流れを把握してやらないと、目の前の玉を打ち返して終わってしまうので、自分の時間を確保して情報収集に努めることが大切だと思う。

中西 市長のいう事も分かる。島外の流れを把握することも大切だが、市民に集落に入れと言うならば、率先垂範が必要だと思う。

島民が島外へ外出する理由の把握は

中西 別の例で質問します。国境離島新法による運賃低廉化事業の実績によると、R4年度の航路利用者数は年間約58万人。そのうち、約半分の51%が島民カード利用です。二次離島を除く長崎、福岡の数だけで数えると、約16万人、金額で約8億1千万円です。

そして航空路の利用者数は年間約15万人。そのうち、約28%が島民カード利用となり、金額にすると約3憶9千万円です。航路と合わせると約12億円。市民が島外に出る理由について、市はどのように把握されているでしょうか。

市長 有人国境離島で島民がどれくらい数が行っているか把握できるが、システム自体がアナログになっている。マイナンバーでいけないかと議論したが、船は何とかなるが、飛行機はそれが出来ずにアナログになっている。低廉化を受けているが、男女別も年齢別も分からず人数しか分からない。システムから分からない。医療のために行きました、というのはそういったデータを島外の病院に行ったデータあるが、それ以外の事は把握しているのは少ない。

中西 定量的に把握する必要があると感じる。なぜ島の人が島外に出ていくのか、私はその理由をより定量的に抑える必要があると思う。通院、買物、娯楽が主な理由と思うが、それらを把握する事で、足らざるサービスをという事で、島にサービスを移転できないか。例えば先日、リンパ浮腫という病気にかかる患者さんの話を聞きました。患者さんが島外に通院すると費用が掛かる。しかし例えば、先生が島に来る費用を市が負担する事で、市民の可処分所得が増え、島外に流出するお金を減らす事が出来る。

以前の議会でも提案しましたが、今後はよりデータに基づく意思決定・政策立案が必要となる。私はもっと、市内のあちこちに目を張り巡らせる必要があると感じます。丁度去年の12月議会では、市民アンケートの結果について質問しました。特に「安心して医療を受けられる体制」の不満が大きいと。

その部分をより分析し、どこどこの地域の誰誰さんは、こういう問題で困っていると見えてくる。市民がなぜ島外に行くのか、そのニーズを定量的に把握し、行政サービスの向上に繋げる事が出来ると考えられますが、その必要性や考えていることがあれば。

市長 言われることは分かるが、人的にも財政的にも制約がある。こういった中で何が出来るか、情報も市役所だけでなく、リーサスで提供しているものがある。これまで総合戦略を策定する際に利用した。既存のデータを見ながら総合的に勘案していた。

中西 かゆい所にも手が届く行政サービスを目指し、市民ニーズの収集に力を入れてほしい。

生成AIに対する活用の方針

中西 生成AIとは、さまざまなコンテンツを生成する学習能力があるAIの事です。ChatGPTに代表され、様々な質問に対して、もっともらしく自然な文章で答えてくれます。一例をご紹介します。「中西大輔とはどんな人ですか?」と入力すると、

「彼は、五島市の政治に彩りを加えるために、トライアスロンやフルマラソンに参加するなど、自身の健康にも気を配っています」と回答がありました。勿論、誤った回答を平然と返す事もあります。生成AIの普及により、今後の社会と働き方が大きく変わると考えられます。特に五島市では、深刻な人手不足の解消に繋げる事ができないか、と思います。

具体的には、市役所内での業務を効率化し、生成AIを活用する。空いた時間で市の職員がもっと現場に出ていくべきではないかという事で、公務員の副業を視野に入れて解禁する事も提案させて頂きました。

勿論、情報漏洩や正確性、著作権などのハードルも多々あります。地方自治の業務においても、リスクを最小化しながら、利活用の可能性を最大化していくべきと考えます。生成AIの活用方針について、どう考えているか。

市長 これは業務の効率化・生産性の向上のために、企業や自治体でも活用が進められている。市としても対応していかなければいけないと思う。情報を集める中で個人情報に気を付けなければいけない部分が多々ある。有効性を調べるために7-8月に対象職員を絞って試験運用を実施。有効性はあるという事で、活用に向けて検証を進めている。

中西 検証中という事を初めて知った。ガイドラインがないので、活用する方針がないかと危機感を感じている。ガイドラインが必要になると思うが、国でもEUでもあるが、市ではどう考えているか。

総務企画部長 総務省は自治体に関し、利用可能な範囲や手順を定めることを求めている。個人情報保護してガイドライン策定の必要性がある。

中西 今現在は使い放題という事か。

総務企画部長 職員を絞ってトライアルはしているが、ガイドラインがない以上、使う事が出来ない方針である。

中西 各部署で業務も異なる。各部署によって業務も異なるが、どのような分野で活用をしていく方針なのか。

総務企画部長 文章や画像、動画など様々ある。有効性が確認できた文書生成の活用に向けて準備している。作成・要約・翻訳・政策立案を想定している。

中西 これを特定の部だけではなく、市役所全体でアイデアを広げていき、活用すべきと思うが、どう取り組むのか。

総務企画部長 ガイドラインは現在作っていない。基本的には来年の10月をめどに実施したい。それに合わせてガイドラインが必要になる。各課で検討したい。

中西 技術が世の中に1年が経つ。生成AIの活用について、スピード感をもって取り組むべきと思って取り扱った。

職員向けデジタル人材育成の方針

中西 生成AIにせよ業務の効率化にしろ、推進するのは人です。人材育成が柱ではないかと、R3年の議会から一貫して提案してきました。2年前の議会答弁では、長崎県の市町村職員研修センターを活用するとの回答でした。このセンターでは、R5年度から新たに、6つのDXコースが新設されています。この研修に関する受講状況をお伺いします。

  • 希望する職員が対象のDX推進入門セミナー(+研修)は

総務企画部長 昨年度実績21名が受講。入門セミナーは9名参加。

中西 部課⾧~首⾧級が対象のDX推進人材育成セミナー、課⾧補佐~管理職級が対象のDX推進マネジメントリーダー研修は

総務企画部長 部課長の研修で・・・5つの研修で74名。それとマネジメント研修に1名。

中西 消極的な数ではないかと思うが、デジタル分野の人材育成に対する働きかけが弱いのでは。市長のスタンスは。

市長 他にもいろいろな研修があり、それを含めると、20研修を1208名が受講している。色々な研修に積極的に参加してほしい。

中西 五島市内の産業は危機的状況です。技術を積極的に活用する視点に立ち、ルール作りや研修にスピード感を持ってほしい、と思います。

市民向け情報リテラシー向上の方針は

中西 一方で、生成AIを含む技術の発達により、文書や画像を作成するハードルが一段と下がってきています。実際に、国民生活センターによると、本年度の相談件数は過去最多ペースで推移しているとの事です。

そこで、地域ICTリーダを提案させて頂きます。地域ICTリーダは、いわゆる「情報弱者」の方々を支援し、地域の情報格差解消のために活躍いただくことが主な役割です。今後益々お困り事が増えると見込まれるので、五島市でも養成すべきと考えますが、いかがでしょうか。

総務企画部長 現在、養成は行っていない。スマホ教室において対応している。市からの情報を1人でも多くの人に届くように、R4から行っている。新たな事例も、スマホ教室を変更していくことで可能。

中西 PCが1家に1台はある。市民の財産を守るという観点からも、スピード感をスマホ教室にとどまらず、理解を増進させるように対応してほしい、と思います。

チョイソコの課題と改善策は

中西 奈留島で10月からサービスが開始されましたが、地形的な要因によって、不便さを感じている人も少なくないと聞きます。本日、後から質問する議員も奈留島の事を質問されるので、私の方から、冨江地区に関してお伺いします。過去の議会においても度々、土日の運行とサービス時間の延長を求めていますが、改善状況は。

産業振興部長 本年5月から富江で1時間延長の実証をしている。土曜日も行いたいと思って協議したが、ドライバー確保が出来ずに出来ていない。

中西 私も現状の枠組み・サービスでは解決できないと考えている。だからこそ私は、過去の議会においても、それ以外の可能性について、検討を促してきました。その一つが、ライドシェアです。これは2年前から提案しています。

ライドシェアに対する市の考えは

中西 国では、超党派の国会議員を中心にライドシェアの導入に向けた勉強会が進んでおり、メディアでも取り上げられることが増えてきました。ライドシェアとは、「自家用車を使って、一般のドライバーが有料で人を運ぶこと」を指します。五島市においても、バスやタクシーといった公共交通を担う運転手の不足・高齢化は待ったなしの状態です。政府はライドシェアの方針を年内に示したいという事ですが、五島市はどうなのかと、ライドシェアに対する考え方、方針を市長にお伺いします。

市長 現在国会議員や政府で議論が本格化していると思っている。ドライバーの確保が出来ない、都会でもタクシーが捕まらない状況だと思う。都会を先んじて傾向は現れている。対策としてちょいそこを入れたが、解決できない地域もある。そのため強い関心を持っている。導入できるのであれば、交通手段の1形態として実施したい。タクシー業界がこれに反発をしていることもあり、既存の交通事業者の理解と安全性の確保、富江の方では地域の皆様にやっていただいたが、人の確保が難しい部分もあった。机上で考えても問題がある。国がどういった方針を示すのか、五島市としてできれば入れていかなければいけないと思っている。

中西 全国に先駆けて、課題先進地の五島だからこそ、国に対する現状の共有はしていたのか。

産業振興部長 交通に限らず、県内の自治体と連携して県や市長会で伝えてきた。

中西 この市議会においてもたびたび、交通課題の解消に向けて提案として、令和4年9月に「自家用有償旅客運送」を提案したが、「どのような制度が最適であるか検討していきたい」との答弁でした。直近、今年の9月の議会答弁に置いても、「地域に合った地域公共交通を研究してまいりたい」との答弁。

五島市は、過疎化の最前線です。ある程度方向性が見えてきた段階で、様々なシナリオを想定して、先回りして準備するべきだと思うが、どう思いますか。

市長 2、3日前の日経新聞で五島が大きく取り上げられて、市の職員はよく頑張っていると思う。出来るだけ手戻りになる業務は避けなければならない。国の方針はまだ示されていない。市長会の中でも意見が分かれており、2種免許のハードルを引き下げて、間口を広げて確保を進めるべきという意見もある。方針を国がどう示すのか予測が出来ないので、方針が固まるまでは情報収集に努めたい。

中西 12月7日に、二種免許の緩和の報道もあった。いくつかのシナリオを想定して動く必要もある。例えば、まずは全国で先行事例を作り、徐々に全国一斉へと広げていくことも考えられます。そうなった時、五島市は手を挙げる方針か。

市長 今法律があって、出来ないことがあり、限度もある。それを無視して出来ない。法的な体制も取っていただきながら、始められるわけである。出来るだけ早い時期に実用、実証をしていきたいという思いは十分にある。

中西 私もこの制度に関して、日々情報収集しています。もし、ライドシェアが導入となった場合、利用者と仲介業者との間に公的な組織が必要になるのではと。民間事業者又は自治体等が、当該地域における「ライドシェア一括窓口団体」という感じの組織を作り、運輸局に対して運転手の許可申請や、研修等を実施したり、地域の実情に応じた支援を行うことが求められると考えられます。

こうした事も含め、民間事業者との意見交換や検討はされているか。

産業振興部長 タクシー事業者等すべてを集めて協議はしていないが、タクシーの事業者と情報交換、意見交換はしていく。

中西 今のちょいそこだけで解決できない課題を含めて、年内に方向性が示されると思うので、現状の課題も踏まえ、この五島市の地域公共交通の在り方を再度、検討し直すべきと考えています。

今回は3つの観点から問題提起。

一つは、市民の声を政策に反映させるために、市民との対話の機会をもっと増やし、より精緻なニーズの把握に努めてもらいたい事。

二つ目は、深刻な人手不足の解消に向け、生成AIに代表される新しい技術を活かす準備に本腰を入れてもらいたい事。

三つめは、待ったなしの交通課題を解消するために、法改正も視野に入れた準備をしっかり進めて頂きたい事。

私も一緒に現場で汗をかいていければと思いますので、宜しくお願い致します。