五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。
目次
今だ!!五島へ行こう!!”旅キャンペーン事業について
中西.3月の議会終了後、生活上のお困りごとや課題を聞いてきた。その中で、いまだ五島へ行こうキャンペーンに対する市民の皆様の意見を聞いてきた。「市はなんば考えよっか。」とか、「観光客はよかね~」とか。私が一番印象的だったのは、「ふざくんなよ!」という言葉でした。
6月議会では6千万円分のプレミアム商品券が提案されている。3月から始まった物価高騰を考えたとき、3月の交付金を市民のために使い、追加で国から提示されたお金は観光客に使うべきだったと感じる。なぜこのような予算になってしまったのか考えた。今この場にいる理事者、議員は五島市の一般的な所得水準よりも高い賃金・報酬を貰っている。そのため、市民感覚、1円単位で苦しい思いをしている市民の声が届いていないのではないかと危機感を覚えた。参議院選挙でも、市民生活を考えてくれる候補者が誰なのか、考えながら、有権者の皆様にも投票へしてもらいたいと思う。
今回の1億円が、本当に市民にとって観光客にとって素晴らしい事業であるのか。
現在までの利用者数と予約状況は
市長.観光客を呼び込み、市内経済の活性化を図り5月10日から実施。48が登録し、5月末現在で1099名が利用。6月以降も4981名の予約が入っており順調に利用されている。取り組みが注目され、朝の情報番組において紹介された。今後も全国にPRを行い、コロナでお困りの経済の活性化、市民の生活にも良い影響が出るように取り組んでいきたい。
中西.1億キャンペーンは順調に推移していると理解したが、市民生活あっての観光事業であると事を忘れないで頂きたい。
閑散期に事業を実施すべきではなかったのか
中西.先月のGWでは、久しぶりに観光客が多数来島し、観光事業者様も大忙しだったと感じます。後の質問でも触れますが、繁忙期はむしろ人手不足です。五島市の観光統計によれば、コロナ前の2019年は1月2月を合わせた観光客数が約3万人。一方で、繁忙期の7月8月を合わせると約5万8千人と、倍近くの開きがあります。そのため、五島市としては、繁忙期と閑散期のギャップを埋める政策、すなわち冬場の観光を盛り上げるためにこのクーポンを使うべきだったと考えますが、いかがでしょうか?
地域振興部長.新型コロナウイルス感染症の拡大以降、観光需要は大幅に減少し、本市への観光入込客は感染症拡大前の令和元年から約50%以上落ち込む状況下にあり、市内観光産業は大打撃を受けております。
五島の観光は、冬場の12月から2月が例年、閑散期にあたり、年間を通して観光客が少ない時期です。本年4月の観光入込客数は、11,828人で、新型コロナウイルス感染拡大前の閑散期にあたる令和元年度2月の観光入込客数13,408人と比較しても、未だに閑散期を下回っており、観光需要の完全な回復にはほど遠い状況となっています。このため、一日でも早い回復を図るため、感染防止対策を講じた上で、今だ!五島へ行こうキャンペーン事業を実施し、地域経済を支える観光の復活に向け取り組むこととしております。
中西.今年の夏以降は、ホテルの開業やNHKの朝ドラもあり、観光客の復活が見込まれる。そうであるならば、事業者が安定して稼働できる環境を整備するために、冬場に使うべきではなかったと考えます。市の役割は、事業者が安定して稼働できる環境を整備する事であると私は考えています。ぜひとも事業者の声を聴きながら、戦略的に進めてほしいと思います。
中西.経済効果について、3月議会では、経済効果の予測が約7億5千万円であると述べられました。事前に頂いた情報によると、この算出方法は、交通費、宿泊費、土産品費、飲食費、雑費の消費単価を基に推計して算出していると。そして消費額は「過去に実施した観光客へのヒアリング調査や市内店舗等への聞き取り調査」に基づいていると。この消費額がいつ時点のモノを使っているのか、教えて頂けますか。
地域振興部長.データは毎年更新されている。事業終了後の経済効果測定につきましては、観光統計による観光消費額単価にキャンペーン利用者を乗じたもので測定し、検証して参ります。
事業終了後の経済効果の検証と事業評価の方法は
中西.平成29年から国境離島新法が始まり、新たな観光関連事業者は増えています。今年は8月から高級ホテルも大浜、鐙瀬に完成します。観光のスタイルも、コロナで密を避けるキャンプや一棟貸しが増えるなど、コロナ前から変化しています。市として観光に力を入れる以上、今以上に精緻なデータに基づく推計が必要だと思いまし、その前提として観光統計のあり方も見直すべきではないでしょうか。例えば五島市を訪れる観光客は、シニア層が何割で、家族連れやカップルが何割なのか、年代によって利用するサービスは異なりますし、そうしたデータに基づく観光戦略の立案が必要だと思いますが、現在の観光統計の手法を見直す考えはあるのか、お伺いします。
地域振興部長.具体的な取り組みはないが、必要性は感じている。
中西.五島市の観光戦略における弱みを克服するための工夫や、データに基づく意思決定、そして評価がこれから益々重要になってきます。市長は観光産業はすそ野が広い、とおっしゃっていますが、そうであるならば、実際にどの事業者にどれだけの恩恵があるのか、数字で示す必要があると思います。今回、事業における経済効果、並びに事業評価をどのようにする予定であるか、お伺いいたします。
地域振興部長.経済効果の検証として、観光統計の消費額の単価に人数を乗じて計測したい。事業評価につきましては、実績の数を元に実施したい。
中西.観光のV字回復を目指し、市民のためにも使える貴重な1億円をつぎ込んだ。事業評価は行政運営における基本であるかと思いますので、ぜひともしっかりと行い、その結果を市民にも知らせるようにお願いいたします。移住相談窓口においては、来られた方の世代や家族構成を分析されていますが、観光戦略の立案・市の意思決定における優先順位を決めるためにも、マクロなデータを観光戦略に取り入れる視点が必要だと思います。その点についての考えはどうでしょうか。
地域振興部長.おもてなし協議会の中で観光満足度調査を実施してそれを分析して今後の企画立案に繋げていきたいと考えている。
キャンペーン利用者へのアンケート調査の実施を
中西.より精度の高い観光戦略の立案に向け、港や空港で、五島に来た観光客に対するアンケート調査を行う事は出来ないでしょうか。QPコードを読み取り、何にどのくらいお金を消費したのか、回答してもらう。そしてどういった点に改善すべきポイントがあるのか、意見を書いてもらう。回答してくれた方に、抽選で特産物が当たるような仕組みであれば、回答数も少なくないと思います。こうした仕組みで経費も抑え、より実態に即した観光客のデータを収集し、観光戦略に活かす事が出来ますが、いかがでしょうか?
地域振興部長.おもてなし協議会でも検討していきたい。
中西.戦略の立案にあたり、データの利活用が大事になってきます。是非ともよろしくお願いいたします。
繁忙期の受入れ体制における課題認識は
中西.次の質問に移ります。私も5月は観光客のおもてなしで忙しく、観光案内のバスガイドもしました。その中で、本当に7月以降の繁忙期、市内の宿やホテル、レンタカー、バスの運転手や案内ガイドは足りるだろうか、と感じました。五島市では、年間30万人の観光客を目指して誘客をしていますが、平均すると毎月2万5千人が訪れる計算です。これはコロナ前の7月の観光客数とほぼ同じですが、これが毎月続く事と非常に受け入れ側も大変ではないかと感じます。五島市では今後の繁忙期、ハード・ソフトの両面もおいて、観光客の受け入れ態勢にどういった課題があると認識しているでしょうか。
地域振興部長.繁忙期の受入れ体制における課題認識につきましては、観光客の受入時期や利用宿泊施設の平準化、観光業の人手不足などの課題を認識しております。特に観光業の人手不足として、ガイドの高齢化及び人材不足が最大の課題となっており市が事務局を担う「五島市おもてなしガイド連絡協議会」において協議を重ねながら、引き続き、ツアーガイドの受入体制の整備及び新規ガイド発掘機会の創出、既存ガイドの育成に努めてまいります。
観光バスの運転手不足への対策は
中西.しかし一方で、観光客に対しては多言語対応のシステムや音声案内を導入している側面もあります。時代の流れとして、今後は非接触型の観光も増えていくと思います。例えば無人ホテルにチェックインし、自動運転で島を巡回するバスに乗り、専用の音声アプリで観光情報を聴き、誰とも接触せずに島を去る。それもある意味、withコロナ型の観光スタイルの一つだと思います。そこで質問ですが、五島市が推進する観光におけるガイドの位置づけ、役割をお伺いします。
地域振興部長.観光客に一番接するポジション。人材不足が続いているので、地道にガイドが増えるように取り組んでいきたい。
中西.市長は観光を推進するリーダーとして、どういった思いであるかお伺いします。
市長.ツアーが来てガイドの案内を受けるというのもあるが、レンタカーを借りてアプリで施設の情報を得ることもある。以前はレンタカーの事業者と一緒に最新の情報を伝えるようにやったが、データの更新が追い付かない側面もあった。想定していない、思いもつかない観光のスタイルもあると思うので、対応していきたい。研修会などにも支援をしていきたい。
中西.より具体的な話をします。私も五島バスからたびたび、バスのガイドを依頼される訳ですが、従来からの運転手不足に加え、繁忙期は団体バスのガイドが不足しています。夏場は団体ツアーのバスが回り切らないのではないかと懸念しています。市は五島バスに対して、毎年1億円近くの航路補助を行っている訳ですが、こうした人手不足を含めた会社の経営について、市として何らかの要望や提案を考えているのでしょうか。
地域振興部長.一義的には事業者で対策を取る事が大切と考えているが、事業者と協議を行いながら運転手不足等への対応を行っていきたい。
中西.それで解決されれば良いのですが、私もかれこれ3年間ほど見ていますが、特に人手不足の状況は改善するどころか、悪い方向に向かっているように見えます。議会では、令和3年の決算委員会の報告においても「観光ガイドのさらなる育成、拡充に努められたい。」と提言をしています。市が毎年路線バスの補助をしていること、そして30万人を目標とする観光を推進していること、こうした状況を鑑みたとき、従来以上に踏み込んだ形で、市からの人手不足の解消に向けた取り組みが必要と思いますが、いかがでしょうか。
市長.以前は本土の方で、人を雇い育成をしていた。今も何人か、少数を採用して行っている。基本的にはガイドと運転手の確保に向けた努力をやっていただきたいと思っている。それが本来の姿なので、これまで以上に事業者の方には対応をお願いしたいと思っている。タクシー運転手も同じ状況なので、求人情報をしっかり出してお願いしていきたいと思っている。
中西.中々状況が改善されないので、市としても関与していく事が大事と考える。
人手不足対策について
外国人の受入れ体制は
中西.次の質問に移ります。先ほどは、市が力を入れて推進している観光分野に関する人手不足対策を質問しました。しかし人手不足はどの分野・業態においても共通の問題です。五島市も介護、農林業、漁業など、幅広い分野において人手不足対策を講じてますが、まだまだ人手は足りていません。人口減少が避けられない中では、大きな方向性として外国人に頼る事、そして人に頼らない機械化・自動化は避けては通れません。まずは現在、五島市で暮らす外国人と、今後の就労者数の見通しをお伺いします。
産業振興部長.市として5年後、10年後の試算はおこなっておりませんが、長崎県では、総合計画「チェンジ&チャレンジ2025」において、県内の特定技能・技能実習生に限った外国人労働者数ではありますが、2018年度の2,462人を基準として2025年度までに5,012人とする目標が示されております。また長崎労働局によると、県内の外国人労働者数は2018年10月末時点の5,433人から、2021年10月末には5,782人と約6%伸びております。ハローワークでは外国人が約2倍に増えているので、今後も増えると思っている。管内では240名が五島に暮らしている。
中西.今後も外国人の就労者数は増えていく。当然の事であると思いますが、そうであれば受け入れ態勢が必要です。身近な話題に移ります。今現在、就労で来ている方で多いお困りは移動の不便さです。車社会ですので、梅雨時に自転車で通勤するのは大変です。五島市民と同じように、外国籍の方がチョイソコを利用する事は可能であると認識していますが、市は外国人の方に、どのように周知しているのでしょうか?
総務企画部長.各事業者にサポートをしてもらっていると思っているので、サービスを受けられるようにフォローアップしていきたい。
中西.是非五島市民と同じサービスが受けれるよう、制度の周知をお願いしたいと思います。
外国人との共生社会に向けたビジョンは
中西.現状、五島市はインバウンド、外国人の観光客誘致に向けた専門職の方を配置していると思います。ところが、就労で来られた外国人はどうか。この本庁の中にも外国人に対応できる窓口はないと思います。令和4年3月に第三期五島市地域福祉計画、ならびに第三期五島市定住自立圏共生ビジョンが示されました。内容を確認して驚いたのですが、この中には、地域共生社会の実現が掲げられていますが、「外国人との共生」は一切触れられていない。五島市は外国人との共生に対して、どのような考え、方針であるか、お伺いします。
総務企画部長.外国語案内は総合窓口では多言語対応をしている。すべての窓口ではないがある事を伝えておきたい。総合戦略の3章に多言語対応、学習環境の整備を書かせていただいており、様々なお困りごとに対応している。地域に溶け込めるよう日本語学校もしている。
中西.総合戦略の中には、「五島の魅力を発信し、世界に誇れる“しま”をつくる」とありますが、ここにはあくまで、「観光客を」どう誘致するかしか書かれていない。世界から見た時の五島、特に住む場所としてのビジョンについて、市長はどのように考えているでしょうか?
市長.最大の課題が人口減少である中で、外国人に頼らざるを得ない状況は全国的に共通していると思う。コロナでストップしていたが徐々に入国が緩和されてきた。今からはたぶん、暮らしを維持するために外国の方にますます頼らざるを得ない。選ばれる地域にならなければならない。しっかり取り組みが必要だと思うが、安心・安全な島を作るの中で、地域共生社会のプロジェクトで書かせてもらっている。この分野はこれから強化していかなければいけない。コロナ・デジタル社会の節目が示される中で、見直しをせざるを得ないので検討させていただきたい。
中西.今後の計画の中で取り組むべき項目に入れて頂きたいという要望だった。共生社会の実現に向けては、生活上のお困り相談、地元の方との交流機会の創出、地域コミュニティへの参加促進、文化的交流など、様々な準備が必要と考えます。そして現在は、ウクライナからの難民受け入れも日本全国で進んでいます。
松本議員も質問されていましたが、国境の島である五島市としては、世界に向けた情報の発信が今まで以上に大切になって来ると思います。
中西.私は世界から見た時の五島が、「世界平和に貢献する島」であってほしいと思いますし、五島にはそれを実現できる可能性があると確信しています。総合計画や地域づくりの計画にも是非、反映して頂きたいと思います。
DX推進に伴う業務時間の削減効果は
中西.そしてもう一点、市が進めているデジタルトランスフォーメーションがあります。政府もデジタル田園都市構想で市町村のDXを加速させるとしています。既に一部の業務ではAIやPRAを導入していると理解していますが、DX推進において、取り組んでいる内容と業務時間の削減効果、および今後の見通しをお伺いします。
総務企画部長.ドローン活用、RPA、伝票処理、選挙の速報、AIの文字おこし会議録。R3は12800時間の削減が出来た。R4は予算関係事務などオンライン化など年間2300時間の削減を目指している。
中西.私から見ると、市職員の皆様はとても忙しそうに見えます。江川議員の質問でもありましたが、業務が多忙過ぎるため、中々男性も育休が取得しづらいのではないかと。草野議員の質問にもありましたが、メンタルヘルスの悪化の要因の一つに、業務量の多さがあるのではないかと。仕事の自動化や効率化により、こうした問題が少しでも解決される事を期待しているのですが、五島市DX推進本部は今後、どのような方法でDXの推進状況や成果を市民に発信していくのか?
総務企画部長.避けて通れない。市内事業のDXも必要と考える。参考になる取り組みを情報発信したい。
公務員の副業を認める考えは
中西.定型的な業務の時間を減らし、人間が本来行うべき仕事に時間をシフトさせる事が、DXの本質であると考えます。その上で、将来的に今よりも市の職員が行うべき仕事量は減るはずです。そうなった時、より市民に近い立場で仕事をする事が、地域課題の解消に繋がると考えています。市長も昨年6月の議会で、「DXを進めるに当たっては、その成果を市民に還元をする」と仰っています。この点を踏まえて、副業の解禁に移ります。民間企業では、IT企業を中心に、副業解禁が進んでいます。転職サイトのエン・ジャパンによると、2021年12月の副業求人数は1293件と1年間で約5倍に増えた。全国の自治体では、職員のスキルアップや地域貢献を目的として、公務員の副業を解禁する自治体があります。例えば、「山形県は県職員が副業でサクランボの収穫や出荷作業を手伝う「やまがたチェリサポ職員制度」を導入しています。
五島市に置いても、DXの成果として生まれるであろう業務時間の削減、働き方の多様化、こうした社会の変化を視野に入れながら、地域における人手不足の解消を目指すべきと考えます。そこで、市職員の副業を認める提案をしたいと思いますが、いかがでしょうか?
総務企画部長.DX推進の取組の効果により、業務量が軽減された場合、現時点では、政策立案機能の強化など今までに十分な取り組みができていない業務や、より市民に身近なサービスに特化した業務を考えています。したがいまして、ただちに地域の人材不足分野への市職員の副業による活用ということは難しいと思われます。以上でございます。
中西.直ちにやる考えではないとの事だが、観光の分野では直ちに人手不足が生じています。柔軟に考えるべきと思う。先ほどの観光案内ガイドですが、私もキリシタン物語やバスガイドをする事は大変勉強になっています。五島の歴史を知るだけでなく、網本議員が質問したように、二次離島における施設の課題についても知る事が出来ます。そして何よりも、観光客目線で五島市の課題に触れる事が出来る。特に観光の分野で、市の職員が現場に出る事は非常に勉強になると感じますが、市長はいかがお考えでしょうか?
市長.業務時間が減った分を政策に力を入れていきたい。市役所自体をスリム化する必要がある。類似団体と比較すると多い。多いことについては、二次離島を抱えているので、人員を配置せざるを得ない。市役所自体の持続性を考えなければいけない。
中西.DXの推進と地域課題・人手不足への取り組みはセットだと思いますので、是非前向きな検討をお願いいたします。
LINEの活用について
行政からの連絡手段としての活用は
中西.次にLINEの活用についてです。相良議員からFM放送の利活用の話がありましたが、私はもっとネットも活用すべきだと感じます。その中でも市民がよく使うLINEです。私も現在、公民館講座でLINEの使い方を指導していますが、市民の方の利用率も高くなっていると感じます。現在はLINEで新型コロナの情報、ゴミの分別、移住者情報が掲載されており、6月15日には子育て情報に特化したLINE公式アカウントを開設されました。今後はどういった活用を検討されているのか、お伺いします。
総務企画部長.五島市ではスマートフォンアプリであるLINEを活用し、「五島市LINE公式アカウント」を運用しております。内容としましては、LINEでの情報発信や、ゴミ分別などの問合せ対応、コロナワクチン接種予約の申請受付を行っております。それ以外にも、災害時などに出される避難指示などを、友だち登録者へ一斉送信すること予定しております。また、子育て情報をいち早くお届けするために、子育て情報に特化した「五島市子育てLINE公式アカウント」を新たに開設し、7月1日より情報発信を開始いたします。結婚支援センターなどの申請受付を想定している。
中西.私の方から幾つか提案をさせて頂きます。まず、行政からの連絡手段としての活用です。例えば行方不明者の捜索に関して、現在では防災無線での呼びかけがありますが、LINEを使って行方不明者の特徴を知らせる事が出来ないか、お尋ねいたします。
総務企画部長.行方不明者の情報提供については、五島警察署から依頼があった場合に、防災行政無線でお知らせしているほか、スマートフォンアプリのインフォカナルでもお知らせしております。そちらをインストールしていただき、情報を取得していただきますようお願いいたします。
中西.LINEを使ってやる方針があるのかないのか。
総務企画部長.DXは避けては通れない。将来的には考えたいが、現在は現状のままで運用したい。
中西.次に「行政連絡の住民への伝達」ですが、現在五島市は、町内会に広報誌や連絡を業務委託しています。しかしこのご時世、いちいち回覧板で回さなくても、LINEで役所から伝えれば良いのではないかと思います。広報誌についても、ネットに公開されている訳ですから、希望しない人に対しては不必要では、と思います。そこで質問ですが、五島市から委託を受けた町内会長は、必ず紙の文書を使って町内会に伝えなければいけないのかどうか、お伺いします。
総務企画部長.現在の紙による回覧板方式が有効であると考えている。
中西.インターネット経由で配信し、紙での配布は希望する方のみとする運用に出来ないか、お伺いします。
総務企画部長.繰り返すがDXは避けては通れない。貴重な提案として承らせて頂きたい。
中西.今すぐではなく、時代の変化を踏まえて、DXを踏まえながら検討して頂きたい。
市民からの問合せ窓口としての活用は
中西.次に市民からの問い合わせ窓口の活用です。私も日々、地域のお困りごとを聴いて回る中で、道路や空き家、ゴミや猫の問題など、様々な課題にぶつかります。多くの場合は、「町内会経由で陳情を出してください」と勧めていますが、福江の街中には未加入の世帯も多いと感じています。福岡市では既に導入されていますが、LINEによって市民がスマホで撮った道路・河川・公園の傷みなどに関する通報を受け付ける事は出来ないか、お伺いします。
総務企画部長.現在別の方法として、電話やHPでの受付が可能。スマホからも対応が可能となっている。
中西.大事な事は手軽にアクセスできることだと感じる。昨年開設された福祉の相談窓口ですが、こちらもLINE上で、いじめ相談や虐待相談など、五島市が対応すべき福祉全般の総合的な問合せが出来ないでしょうか?
総務企画部長.繰り返しになるが、LINEは有効と考えている。電話、HPの窓口のページからも可能なので、そちらで理解して頂きたい。
中西.何度も同じような回答で申し訳ないと思うが教育長に伺いたい。神奈川県座間市教育委員会は、小中学校の児童・生徒の欠席や遅刻、早退を、保護者がLINEで連絡できるシステムを導入しています。学校側が保護者に緊急の連絡をしたりできるそうですが、教職員の事務負担軽減に繋がると思います。こちらはいかがでしょうか?
教育長.誤解が生じないように、私的な連絡を取らないようにとの通知が長崎県から出されている。了解を得られた保護者に対して、返信が出来ない形で発信する。様々な問題に発展する可能性があるので慎重に検討したい。
中西.当然メリットとデメリットは存在する。しっかりと手段を検討材料に乗せたうえで判断することが大事だと感じる。
市民アンケートへの活用は
中西.それから、市民アンケートです。市役所が様々な総合計画を作成するに辺り、住民アンケートを実施されているかと思いますが、こちらについてもLINEの機能を活用する事が出来ると思います。そうした活用の検討は出来ないか、お伺いします。
総務企画部長.多くの箇所で行っている。課題もあり、市民である事の確認が取りづらい。無作為抽出もあるので、クリアできていないという観点から実施できていない。課題がクリアされるようだったら推進したい。
中西.マイナンバーの利活用も進めているため、本人確認もスマホで可能なはず。要するに、従来アナログだった手法ではなく、スマホを使って今まで以上にきめ細かく、そしてスピーディーに市民や観光客とコミュニケーションが取れるはずです。こうした取り組みが、行政サービスの向上に繋がると思います。五島市でも積極的に活用し、市政運営に活かしていただきたいと思います。先月の町内会長会議では、もっと開催する頻度を増やしてくれという要望もありましたが、市長はこうしたデジタルでの市民とのコミュニケーションについて、どのようにお考えでしょうか?
市長.できれば対面で直にお話を聞くことを基本としていきたい。
中西.対面の大事さも理解できるので、そうであれば今まで以上に頻繁に足を運ばれることを期待する。今回の質問では、観光を推進する五島市の戦略について、今まで以上に精緻なデータの利活用を行い、事業評価に活かせないかと提案させて頂きました。そして観光の分野を始めとする深刻な人手不足に対しては、市がもう一歩踏み込んだ対策が出来ないか、質問しました。具体的には外国人との共生社会に向けた受け入れ態勢を充実させるべきである事、市職員の副業を認める事が出来ないかという質問をさせて頂きました。
最後に来年のバラモンキング、中止で残念に感じた市民の一人です。今年の夏は市長と夕焼けマラソンを走れることを楽しみにしています。