3月議会で私が提出した修正案の書き起こしです。
上記の提案理由に対する質疑・討論です。
質疑
質問
荒尾.
① 2万人の来島で7億5千万円と経済効果を試算している。これ以上の経済効果を生み出す施策は?
② ジオパークに認定された。鐙瀬、大浜にもホテルがオープンする。舞い上がれも開始される。この絶好の機会に手を打たずしてどうするか?
➂ 減額しようとしている事業をどのタイミングで実現しようとしているのか?令和元年度から12万人に落ち込んだ観光客を取り戻すための方法として予算化されているが、減額する事で、落ち込んでいる観光客をどのように回復させるのか?
質疑への回答
中西.観光の誘客をしていこうという事で、当然お金は落ちると思うが、そもそも観光ありきではなく、優先順位の話であると考える。
1億円を使って7億円を生み出す事が目的ではなく、政策の優先順位として、市民生活を安定させるためにお金を使うべき。
3つ目の質問については、長引くコロナの影響により全国の国民の方の観光への想いは強いと感じる。
そうした中で長崎県の県民割、GoToを再開しようとしている。国も県も市もばら撒けば、当然観光客は来る。
しかし、観光の在り方として本当にそれでいいのか?タダだから来るとなるし、宿泊も値上げする。市場の不均衡も生じて逆効果。
観光需要は国・県で見込めるし、今ここで1億円を使わなくても観光がV字回復するような観光の在り方でないと、長続きしないと感じる。
修正案&当初予算の討論
当初予算への反対討論
江川.当初予算に反対の立場で討論。航路航空路運賃の在り方、評価できる事業も多くある事は認める。
反対の理由は国保税、介護保険税の負担軽減策が講じられていない。国保は就学前の子供は国の制度で5割軽減が実現したが、少なくとも就学前まで全額免除で拡充すべき。
今だ!五島へ行こうキャンペーンを始めとする予算が計上されている。
新型コロナの終息が見えない中で、重点措置が解除され、無料のPCR検査も終了となる。感染症の影響で事業者の経営が厳しい中、経済浮揚を図ることは賛同できるが、感染症対策の予算が計上されていない。
直接の窓口で働く事業者は心配をしている。希望者が無料で早急に安心して検査を受ける体制の構築が必要。
修正案に反対する討論
柳田.修正案に反対。理由として観光関連の従事者が少なく、五島市全体への経済効果を疑問視していたが、25.5%は全従業者の4人に1人が従事していることになる。割合は非常に高いと言える。
H27の観光消費額は五島市全体の3分の1を占めている。観光関連産業は五島市の基幹産業である。
新型コロナの影響で46億円でコロナ前の令和元年の92億円の半分に落ち込んでいる。市内経済は低迷している。
この状況を打破するためにも、出口戦略として基幹産業である観光の活性化を図り、市内経済の元気を取り戻すことが1丁目1番地の施策だと考えている。
宿泊客により2万人を想定しており、農業・水産業・飲食店、移動・土産・経済波及効果は多大なものである。
国や県が同じような予算が計上されているとの事だが、コロナが落ち着くと一気に人が動き出す。
全自治体がさらなる独自のキャンペーンを打ち出すことは必至。現に長崎でも佐世保、島原、波佐見などでR4年度向けに観光客争奪戦を繰り広げている。
観光客争奪戦に勝つために必要な事業である。テレビなど、五島観光に追い風になる絶好の機会であり、より多くの観光を呼び込むことがコロナの出口戦略。
そのための交付金は妥当性十分である。
市内経済回復のため、防止策を講じつつ、観光客を増やすための予算確保に要望決議している。この事を踏まえての予算であるため、修正案に反対。
修正案に賛成する討論
草野.修正案に賛成の立場で討論。
1点目は、交付金は使い勝手の良い交付金であり、R2年度は50件の事業が実施されている。
今、五島においては物価高に悩んでいる。ガソリンが上がっている。今本当に救わなければいけないのは観光客かどうか。市民が困っている所に手が届くような予算に賛成する。
修正案に反対する討論
片峰.修正案に反対の立場で討論。市の新年度予算案は311億で計上し、4つの柱で作っている。
一つ目に事業の継続と雇用の維持、早期ワクチン接種の予算、
二つ目に賑わいを取り戻す早期回復に向けた施策。
三つ目に人口減少から守るという健康長寿に向けた施策、
四つ目に変化への即応という事で、結婚から妊娠、子育てまでの支援、子供みらい課の新設。
みらい創造課の新設、DXの推進による情報格差対策、窓口手続きの簡素化など、これからの五島市に必要不可欠な意義のある予算編成になっている。
第7波がくる中、行政運営を停滞するわけにはいかない。よって、賛成の立場。
採決結果
修正案
賛成5、反対11
当初予算
賛成14、反対2
振り返って
議事進行の在り方について
修正案の討論と当初予算の討論がごちゃごちゃになっていたので、進め方が良くなかったと感じます。
【本来あるべき運営】
①修正案の説明(中西)
②修正案への質疑(荒尾)
➂修正案への討論(柳田、草野、片峰)
④修正案への採決
➄当初予算への反対討論(江川)
⑥当初予算の採決
【実際に行われた運営】
①修正案の説明(中西)
②修正案への質疑(荒尾)
➂原案、及び修正案への一括した討論
④当初予算への反対討論(江川)
➄修正案への反対・賛成討論(柳田、草野、片峰)
⑥修正案の採決
➆当初予算の採決
原稿のない答弁
今回の修正案を巡り、「修正案への質疑」はぶっつけ本番でした。
理事者はなるべく議会で回答を準備しますが、議員同士の質疑の場合は想定が出来ない状態です。
その為、ある程度の準備や心構えが必要だと感じました。
個人的に、荒尾議員への回答は、「ぶっつけ」としては、自己評価で60点だと感じました。
より具体的な提案、説得力のある回答が良かったと感じました。
本当だったら、理事者も議員も、紙に書いた原稿なんて読まずに議論する方が、活きた議会になると感じています。