五島市の大盤振る舞いな1億円の使い道

今だ!五島に行こう!1億円キャンペーンについて

3月議会の当初予算に盛り込まれている以下の事業について、大変疑問を感じています。

一言でいえば、観光客に1億円をばら撒く、大盤振る舞いな事業です。

観光需要回復・誘客促進事業

新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ観光客の回復や市内経済の浮揚を図るため、交通事業者及びOTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)を介した2名以上の宿泊及び旅行商品に対して、1人1泊あたり代金の50%(最大5,000円、2連泊上限)を助成するなど、観光客誘致及び市内経済の活性化に資する取組を推進します。

①“今だ!!五島へ行こう!!”旅キャンペーン事業 108,400,000円

・旅行代金の一部助成事業
上限5,000円×20,000人=100,000千円 事務費、広告費 8,400,000円

②観光需要回復・誘客促進業務委託料 22,000,000円

・長崎市&五島市旅行促進事業
・観光情報発信充実強化事業
・メディア活用PR事業

③観光しまづくり推進事業費補助金 15,000,000円

・観光コンテンツの創出に係る事業
・受入環境整備に係る事業 ほか

④舞いあがれ!五島推進協議会負担金 10,000,000円

※財源  国費13,500,000円

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金108,400,000円

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金とは

上記、①の財源である「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は、

感染症対策や経済のV字回復など、幅広い事業に使う事が出来ます。

例えば五島市では、

○有人国境離島法に基づく特定有人国境離島地域社会維持推進交付金事業
○五島市産品販売促進事業
○商店街等活性化イベント支援事業
○スポーツイベントに係る感染症予防物品購入事業
○市立図書館建設に伴う関連経費
○キャッシュレス決済導入事業

といった事業にも同じ財源が充てられています。

五島は観光で飯を食っている?

市長はよく、

五島市は観光で飯を食っている

と言います。

本当にそうでしょうか?

五島市統計によると、就業人口は以下の通りです。

産業総数 H27割合
卸売業・小売業 2,42014.9%
宿泊業、飲食サービス業 8975.5%
サービス業(他に分類されないもの) 8315.1%
農業1,4799.1%
林業200.1%
漁業9926.1%
鉱業、採石業、砂利採取業280.2%
建設業1,3918.6%
製造業6954.3%
電気・ガス・熱供給・水道業860.5%
情報通信業1250.8%
運輸業、郵便業6203.8%
金融業・保険業1771.1%
不動産業、物品賃貸業1140.7%
学術研究、専門・技術サービス業2011.2%
生活関連サービス業、娯楽業4943.0%
教育、学習支援業7714.7%
医療、福祉2,97018.3%
複合サービス事業4562.8%
公務(他に分類されないもの)1,2297.6%
分類不能の産業2401.5%
総数16,236

いわゆる「観光」で飯を食っている人は、全体の25.5%に過ぎません。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/020/150/sangyou.pdf

(最近は国境離島関連で事業者も増えたので、実際は3割くらいだと思います)

甘い経済効果の見積もり

市議会の質疑では、キャンぺーンが期待する「経済効果」について、7億4571円との事でした。

その根拠は、

R2年度の1人当たり観光消費額37,285円×2万人=7億4571円

ですが、

+5000円のクーポンで上記の経済効果が生まれるというのは、乱暴な計算ではないでしょうか。

国も県も、感染が落ち着けばGoToキャンペーンを始めると見込まれます。

そのため、わざわざ市町村が誘客をしなくても、観光客は自然に動き出すと考えられます。

五島市がかかえる課題

現在の五島市は、

人口減少により、働き手不足&後継者不足が常態化し

新型コロナにより、医療逼迫&経済縮小し

ウクライナ戦争により、資源価格の高騰が生じています。

こうした喫緊の課題解決に向けて、お金を使うべきではないでしょうか??